JPH0324910B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は布帛に雲及び砂子模様またはその何れ
かと多色模様とをスタンピングホイルを用いる転
写法により複合して表わす方法に関する。

本明細書においてスタンピングホイルとは、特
許請求の範囲の項の記載を含め、熱不融性プラス
チツクフイルム等の基材層に離型剤層を介して転
写膜を印刷、真空蒸着等により形成したものをい
う。

従来の技術とその問題点 従来、布帛にスタンピングホイルを用いる転写
法により模様を表わす方法として知られているも
のは、布帛の側にホツトメルト型接着剤を所要
の模様の形に施しておき、これにホツトメルト型
接着剤付きでないスタンピングホイルを圧着加熱
して、前記接着剤の部分にのみスタンピングホイ
ルの転写膜を転写することにより模様をあらわす
方式と、スタンピングホイルの転写膜の面にホ
ツトメルト型接着剤を所要の模様の形に塗工して
おき、これを布帛に圧着加熱して、そのホツトメ
ルト型接着剤の部分のみの転写膜を転写し、模様
を施す方式と、転写膜の面にホツトメルト型接
着剤を全面に施したスタンピングホイルを、転写
膜と反対側の面つまり裏面からエンボスロール等
の押し型で熱圧し、押し型の突部による浮出し模
様相当部のスタンピングホイルのホツトメルト型
接着剤の溶断の下、転写膜を部分的に転写して、
模様を表わす方式とに大別される。

従来法の上記及びの方式はホツトメルト型
接着剤の模様に従つて転写模様が形成されるとい
うように、ホツトメルト型接着剤の模様に転写模
様の図柄が画成されるので、次の問題がある。即
ちホツトメルト型接着剤による模様がスタンピン
グホイルの圧着加熱時に、その加圧下の熱溶融で
延展されて崩れ易く、しかも布帛表面には毛羽が
あつてホツトメルト型接着剤の布帛表面に対する
なじみが不良であるため、ホツトメルト型接着剤
の模様に従う転写模様の図柄画成では、布帛に転
写模様を繊細または優美な図柄調のものとして施
すことは極めて困難であり、得られる転写模様が
比較的粗雑な図柄調のものに制約される問題があ
る。の方式は、スタンピングホイル上のホツト
メルト型接着剤が押し型の浮出し模様による印圧
で、それに従う模様状に溶断されるとき、その溶
断縁が溶け流れることを避けられないし、また押
し型浮出し模様の印圧がスタンピングホイル裏面
から行われ、これによつてはホツトメルト型接着
剤の模様状溶断の図柄、つまり転写膜の転写模様
の図柄自体の画成も、押し型浮出し模様通りに旨
く規制される保証がないため、繊細または優美な
図柄調の模様を印圧転写することができない難点
があつた。更にはその結果、これ等の従来法では
布帛の装飾性を高めるべく、転写模様に雲または
砂子模様を重複しても、必ずしも良好な複合模様
たり得ないことを余儀なくされる。

発明が解決しようとする課題 解決しようとする課題は、上記従来技術による
前示の問題点である。

即ち、本発明の目的は、布帛にスタンピングホ
イルを用いる転写法により多色柄模様を繊細及び
優美なまたはその何れか（以下、繊細、優美と記
す）の図柄調でかつ変化に富む図柄のものとして
表わすことが保証され、更には当該多色柄転写模
様に雲及び砂子模様またはその何れかを重複して
転写することにより、雲及び砂子模様またはその
何れかをバツクに多色側模様が前示の好ましい態
様の下に、浮上つた風合いの複合模様を布帛に表
わすことができる方法を開発するにある。

問題点を解決するための手段 本発明の布帛に複合模様を表わす方法は、布帛
に雲及び砂子模様またはその何れかと多色模様と
を複合して施す方法であつて、転写膜が多色柄模
様からなりかつ該転写膜側の面にその多色柄模様
部分を残して離型能のある熱不融性組成物の塗工
によるマスキングを施したスタンピングホイルで
の転写により多色柄模様を布帛に施し、転写膜の
面に雲及び砂子模様またはその何れかに相当する
部位を残して離型能のある熱不融性組成物の塗工
によるマスキングを施したスタンピングホイルを
用いて雲及び砂子模様またはその何れかを転写に
より布帛に施すことを特徴としている。

作 用 本発明においては、多色柄模様からなる転写膜
側の面にその多色柄模様部分を残して離型能のあ
る熱不融性組成物の塗工によるマスキングを施し
たスタンピングホイルを用いて布帛に多色模様が
転写される。

当該スタンピングホイルのマスキングを形成す
る組成物は該スタンピングホイルの転写膜の面に
液状の形で彫刻ロール或いはスクリーン法により
各種図柄の変化に富んだもので、しかも繊細、優
美な図柄調の模様に施すことができる。即ち、該
組成物の塗工によるスタンピングホイルの転写膜
面に対するマスキングは、それによる模様が繊
細、優美な図柄調でもこれを所定の図柄通りに表
わすことができるし、また変化に富む図柄のもの
にできる。従つて、該スタンピングホイルにより
布帛に施される多色柄の転写模様も、それが繊
細、優美な図柄調のものでも、これを上記マスキ
ングの模様に従う良好な態様のものとして、また
変化に富んだ図柄のものとして表わすことが保証
される。

更にまた、多色柄の転写模様を施した布帛に
は、その転写に用いたスタンピングホイルのマス
キング部相当部分が上記転写模様の輪郭に整合す
る形の非転写部として残る。このため、該スタン
ピングホイルでの転写模様に雲及び砂子模様また
はその何れかを重複して転写すれば、雲及び砂子
模様またはその何れかをバツクに多色柄模様が繊
細、優美な図柄調でかつ良好な態様の下に浮上つ
た風合いの複合模様を布帛に表わすことができ
る。しかも本発明では転写膜の面に雲及び砂子模
様またはその何れかに相当する部位を残して離型
能のある熱不融性組成物の塗工によるマスキング
を施したスタンピングホイルを用いて雲及び砂子
模様またはその何れかを布帛に転写するので、こ
れもまた輪郭態様を良好なものとして布帛に模様
付けすることができる。

従つて、本発明法により多色柄模様と雲及び砂
子模様またはその何れかとを複合して施した布帛
は帯地や和服地として特に好適である。

発明の効果 上記のように本発明によれば、布帛にスタンピ
ングホイルを用いる転写法により多色の柄模様を
繊細、優美な図柄調でかつ変化に富む図柄のもの
として表わすことが保証されるし、更には当該多
色柄転写模様に雲及び砂子模様またはその何れか
を重複して転写することにより、雲及び砂子模様
またはその何れかをバツクに多色柄模様が前示の
好ましい態様の下に浮上つた風合いの複合模様を
布帛に表わすことができる。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説
明する。

図で１が任意の多色柄模様２、例えば多色の花
柄模様から転写膜がなるスタンピングホイルで、
該スタンピングホイル１は転写膜側の面に前記多
色柄模様２の部分を除いて、離型能のある熱不溶
性組成物、例えばシリコン或いは四弗化エチレン
樹脂系離型剤、熱硬化型樹脂（例えばメラミン
系、アクリル系、エポキシ系、ニトロセルロース
系の樹脂、またはこれ等の樹脂の構成成分の２種
以上を含む樹脂）にシリコン又は四弗化エチレン
樹脂を適量混合した或いは加えないものの塗工に
よるマスキング３を有する。４は転写膜の面に雲
及び砂子模様またはその何れかに相当する部位５
を残して、前記と同様な組成物の塗工によるマス
キング６を有するスタンピングホイルである。

所要の部位にホツトメルト型接着剤を施した布
帛にスタンピングホイル１を重ね、圧着加熱し
て、該スタンピングホイル１の多色柄模様２から
なる転写膜を転写する。更にスタンピングホイル
４を上記布帛に重ね、圧着加熱し、該スタンピン
グホイル４における転写膜の雲及び砂子模様また
はその何れかに相当する部位５を転写する。ここ
に転写多色柄模様２′と転写雲及び砂子模様また
はその何れか５′とを複合して施した製品７を得
る。

スタンピングホイル１，４は上記実施例形式、
即ち転写膜側の面にホツトメルト型接着剤層が施
されていないものに代え、転写膜側の面にホツト
メルト型接着剤層付きで、且つその上に所要のマ
スキング３，６を形成したものでもよく、またそ
れ等ホイルにおける転写膜は印刷によるものと金
属蒸着によるものとの複合でも構わない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明で使用する多色柄模様転写用ス
タンピングホイルの一例を示す平面図、第２図は
本発明で使用する雲及び砂子模様またはその何れ
かの転写用スタンピングホイルの一例を示す平面
図、第３図は第１，２図の例のスタンピングホイ
ルによる転写で得られる製品の平面図である。 １……多色柄模様転写用スタンピングホイル、
２……多色柄模様（転写膜）、３……転写多色柄
模様、３，６……マスキング、４……雲及び砂子
模様またはその何れかの転写用スタンピングホイ
ル、５……同スタンピングホイルの雲及び砂子模
様またはその何れかに相当する部位、５′……転
写雲または砂子模様、７……製品。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 布帛に雲及び砂子模様またはその何れかと多
   色柄模様とを複合して施す方法であつて、転写膜
   が多色柄模様からなりかつ該転写膜側の面にその
   多色柄模様部分を残して離型能のある熱不融性組
   成物の塗工によるマスキングを施したスタンピン
   グホイルでの転写により布帛に多色柄模様を施
   し、転写膜の面に雲及び砂子模様またはその何れ
   かに相当する部位を残して離型能のある熱不融性
   組成物の塗工によるマスキングを施したスタンピ
   ングホイルを用いて雲及び砂子模様またはその何
   れかを転写により布帛に施すことを特徴とする布
   帛に複合模様を表わす方法。