JPH03246090A

JPH03246090A - 熱転写記録媒体

Info

Publication number: JPH03246090A
Application number: JP2042346A
Authority: JP
Inventors: Takao Koyama; 隆雄小山
Original assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date: 1990-02-26
Filing date: 1990-02-26
Publication date: 1991-11-01

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明はサーマルヘッドを用いた感熱転写記録装置に使
用する熱転写記録媒体の改良に関する。

更に詳しくは、平滑度の低い紙へのカバーラップ性や、
ドツトの再現性等の高い熱感度性を保持しながら、高温
、長期保存の際の熱転写層の裏面移行を防止し、保存安
定性を良好にすることにより印字上、走行上のトラブル
を防止した熱転写記録媒体に関する。

〔従来の技術〕

従来、ワードプロセッサーやファクシミリ等の熱転写方
式によって、平滑度の低い紙へ出カブリントする場合、
熱転写記録媒体の構造としては、支持体の一方の面（以
下裏面とする）にスティッキング防止を目的とした耐熱
保護層を設け、支持体の他方の而（以下表面とする）に
着色層である第１熱転写層を設け、さらにその上に低平
滑紙への印字性向上や接着性向上を目的とした熱可塑性
樹脂からなる第２熱転写層（トップ層）を設ける構造か
一般的である。

しかし、このような構造のリボンはロール状態での高温
保存や長期保存において、裏面の耐熱保護層側へ、トッ
プ層の熱転写層の移行が発生し、印字上、走行上しばし
ばトラブルが発生している。

従来の熱転写記録媒体の構造によれば、低平滑紙へのカ
バーラップ性やドツトの再現性という印字性の面ではあ
る程度解決されるものの、高い熱感度による鮮明な印字
を得るために、第２熱転写層であるトップ層の熱可塑性
樹脂として軟化点が低い物を使用する必要が生している
。しかし第２熱転写層であるトップ層に軟化点の低い樹
脂を使用すると、ロールの状態で、高温保存あるいは長
期保存すると、トップ層の樹脂が直接接触している支持
層裏面又はこの裏面に設けられている耐熱保護層側へ移
行してしまい、カバーラップ性の低下による低平滑紙へ
の印字品位の低下や、サーマルヘッドのヘッド汚れによ
る印字品位低下やスティック現象の発生や、カセット内
でのリボンの走行上のトラブルの発生などの問題点が生
じていた。

すなわち、従来の熱転写記録媒体では、高温及び長期保
存等の保存性と、低平滑紙へのカバーラップ性やドツト
の再現性と云った印字性の面て両立てきないという課題
があった。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、高温及び長期保存時の熱転写層の支持
体裏面又は耐熱保護層への移行を防止し、且つ低平滑紙
に対しても良好な印字品位が得られる熱転写記録媒体を
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者は、前記の課題を解決するため鋭意研究を行っ
た結果、１層以上からなる熱転写層の最外層に臨界表面
張力が３０ダイン／ｃｍ以下の移行防止層を設けること
により解決しうろことを見い出し、本発明を完成した。

即ち本発明は、支持体の一方の面に、熱転写層を一層以
上設けてなる熱転写記録媒体において、該一層又は二層
以上の熱転写層の上に３０ダイン／（７）以下の臨界表
面張力を有する移行防止層を形成させてなる熱転写記録
媒体である。

第１図について説明する。第１図は本発明の熱転写記録
媒体の断面を拡大して示した断面説明図である。

支持体１としては、従来より公知のフィルムや紙をその
まま使用することができ、特に制限されない。好ましい
支持体の具体例としては、ポリエステル、ポリイミド、
ポリカーボネート等の比較的耐熱性の良いプラスチック
フィルムやコンデンサー紙、パラフィン紙等が使用でき
る。

この支持体の厚さは、熱伝導性及び強度が十分得られる
ように適宜選択するが、好ましくは２〜３０μｍ程度が
良い。

第１熱転写層３の熱溶融性のインキは着色剤とビヒクル
と各種添加剤が加わったものからなる。

着色剤としてはカーボンブラック、有機顔料、染料等を
単独又は複数使用することができる。好ましくは十分な
着色濃度を有し、光、熱、温度、湿度、溶剤等により変
退色しないものが好ましい。

ビヒクルとしてはワックスを主成分とし、各種ワックス
誘導体との混合物が使用される。ワックスとしては、パ
ラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロクリス
タリンワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレン
ワックス、木ロウ、ミツロウ、ポリエチレングリコール
、ポリプロピレングリコール、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル、高級脂肪酸等の各種誘導体ワックスが用いられ
る。

また各種添加物としては分散剤、レベリング剤、接着性
付与樹脂等が挙げられる。

第１熱転写層の組成及び厚さは必要な印字濃度と熱感度
により決定され、特に厚さは０．１〜１０μｍの範囲で
、好ましくは２〜５μｍの範囲である。

第２熱転写層４は熱可塑性樹脂が使用され、１００℃前
後の軟化点を有し、且つ低平滑紙に対してカバーラップ
性を有するものを１種又は２種以上使用することができ
る。

熱可塑性樹脂としては、従来より感熱接着剤として用い
られているものをそのまま使用できるか、特に限定され
ない。

好ましくは例えばヒドロキシプロピルセルロス、エチル
セルロース、エチレンアクリル酸共ｆｆｉ合体、アクリ
ル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、石油樹脂、アルキル変性フェノール樹脂、ケト
ン樹脂、ポリビニルブチラール等が、単独又は２種以上
混合して使用される。第２熱転写層の組成及び厚さは必
要な凝集力と熱感度により決定され、特に厚さは０．０
１〜１０．００μｍの範囲で、好ましくは０．０５〜５
．００μｍの範囲である。

本発明で最も特徴とするのは、第２転写層の上、最外層
に設けられる移行防止層５てあり、第３熱転写層とも考
えられる層である。

ロール状態で保存時に支持体１の裏面又はこの裏面に設
けられる耐熱保護層２に接する層であり、高温保存及び
長期保存時における第２熱転写層の耐熱保護層への移行
を防止する働きを有する。

この移行防止層５は臨界表面張力が３０ダイン／口以下
のものである。

臨界表面張力が３０ダイン／ｃｍ超のものでは耐熱保護
層２への移行を防止することができない。

また、６０℃以上の軟化点を持つものが好ましい。

この移行防止層を構成するものが複数のものから成って
いても、層の臨界表面張力が３０ダイン／ｃＩＴ１以下
であり、６０℃以上の軟化点を持つものであれば良い。

移行防止層を形成する物としては、フッ素樹脂、シリコ
ーン樹脂、各種ポリマーへのフッ素樹脂及び／又はシリ
コーン樹脂のグラフト重合物、各種ポリマーの水素や官
能基をフッ素で置換したフッ化炭素系化合物、パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチ
レンワックスなど各種ワックス類、及びその誘導体を単
独又は２種以上含有したものでも、前記条件を満たすも
のであればよい。移行防止層の厚さは、移行防止性と熱
感度とによって決定され、０．０５μｍ〜５．００μｍ
の範囲であり、好ましくは０．１〜１．０μｍ程度が良
い。

層の厚さが０．０５μｍ未満であると、膜に欠陥が生じ
易く、第２熱転写層４の耐熱保護層２への移行防止効果
を十分発揮することができない恐れが生じる。また５、
００μｍ超であると第２熱転写層４の低平滑紙へのカバ
ーラップ性やドツトの再現性への寄与を妨げるおそれが
ある。

この移行防止層を形成する方法としては、グラビア塗工
法、溶射、デイツプ等特に限定しないが、０．０５〜５
．００μｍの厚さを経済的かつ精度よく形成するにはグ
ラビア塗工方式で溶液、エマルジョン、サスペンション
状態のインキをグラビアコートする方法がより好ましい
。

第１図の耐熱保護層２は、サーマルヘッドに接する、熱
転写層と反対側の支持体裏面に設けられ、支持体の耐熱
性向上とスティッキング防止性を目的としている。

耐熱保護層としては、シリコーン系又はフッ素系の共重
合エラストマーが主で、ジイソシアネート、トリイソシ
アネート、ポリイソシアネートを加えて、架橋硬化させ
たものか用いられるが、特に限定しないし、目的に応じ
て省略してもよい。

本発明は第２図に示したように支持体１と第１熱転写層
３の中間に転写性向上を目的とした剥離層６を設けた熱
転写記録媒体にも適用できる。また第３図に示したよう
に該剥離層６の上に第１熱転写層と第２熱転写層の機能
を併せ持つ熱転写層７を設けた熱転写記録媒体にも適用
できる。更にはカラー印字用熱転写記録媒体も本発明の
範囲に含まれる。

〔実施例〕

以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが
、本発明はこの実施例によって同等限定されるものでは
ない。数値は重量基準である。

（実施例１）３．５μｍのポリエチレンテレフタレートフィルムを支
持体として、その一方の面に下記の組成の第１．第２熱
転写層、移行防止層（第３熱転写層）構築用インキ及び
、もう一方の面に耐熱保護層構築用インキを調整し、夫
々付記した手段により塗布及び乾燥して本発明の熱転写
記録媒体を得た。

第１熱転写層（熱溶融性転写層）インキパラフィンワッ
クス（Ｉ（ＮＰ−１０，日本精蝋製）４５部エチレン−
酢酸ビニル共重合体（ＭＢ−８５０，日本ユニカー製）
３０部カーボンブラック（＄４５　、三菱化成製）１５
部分散剤　　　　　　　　　　　　１０部１００℃に加
熱したインキ用三本ロールを用いて十分に混練してこれ
を、ホットメルトグラビアロールによるグラビア塗工法
により、３．０μｍ厚になるように塗工及び乾燥させた
。

第２熱転写層（熱可塑性樹脂層）インキポリアミド樹脂
（ポリマイドＳ−１５０、三洋化成社製）　　　　　　
２部ケトン樹脂（Ｌａｒｏｐｏｌ　Ｋ２Ｏ、ＢＡＳ　Ｆ
社製）１０部イソプロピルアルコール　　　　　　　　
　　　　　　　　　８８部グラビアロール塗工法により
、第１熱転写層の上に塗工し、８０℃で乾燥し、乾燥状
態において、１．０μｍによるように塗工・乾燥し第２
熱転写層を形成した。

移行防止層（第３熱転写層）インキパラフィンワックスエマルジョン（固形分３０％、水性
エマルジタン）　　１０．０部（ｓ、ｐ、　−７０℃）エチレン−酢酸ビニル共重合体（固形分５％、水性ユマ
ル９）ン）　　　　５．０部しベリンク゛斉１　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　０
．５部精製水　　　　　　　　　　　　１０．０部イソ
プロピルアルコール　　　　　　　　　　　　　　　　
　　７４５部グラビアロール塗工法により、第２熱転写
層の上に塗工し、８０℃で乾燥し、乾燥状態において、
０．５μｍによるように塗工・乾燥し最外形成層である
第３熱転写層を形成した。出来た層は、２５　ｄｙｎｅ
ｓ／ｃｍの臨界表面張力を有していた。

耐熱保護層インキシリコーン共重合体　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　１００部ポリイソシアネート　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　１６部メチルエチルケトン　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５００部トル
エン　　　　　　　　　　　　　　　４００部グラビア
ロール塗工法により、上述した熱転写層を設けた支持体
のもう一方の面に塗工し、９０℃で乾燥し、乾燥状態に
おいて、０．３μｍになるように塗工・乾燥し、耐熱保
護層を形成した。

このようにして得られた熱転写記録媒体をロール状態に
巻きとり６０℃−２４時間保存した後でも耐熱保護層側
への第２熱転写層の移行はまったく見られず、室温下で
市販のサーマルプリンターで熱転写印字を行った結果、
ベック平滑度２００秒の平滑紙から、ベック平滑度２０
秒程度のラフ紙まで良好な印字品質が得られ、カセット
内でのリボン走行やヘッド汚れ等のトラブルも発生しな
かった。

（実施例２）実施例１と同じベースフィルムを用い、第１゜第２熱転
写層、耐熱保護層を実施例１と同じインキ組成で、且つ
同じ塗法により塗工した熱転写記録媒体に、下記の移行
防止層（第３熱転写層）を設けることにより本発明の熱
転写記録媒体を得た。

移行防止層（第３熱転写層）インキフッ素樹脂（ＰＣ７２１、住友スリーエム社製）３０部
（存効成分２％）フッ素系溶媒（ＰＣ７７、住友スリーエム社製）７０部
グラビア塗工法により第２熱転写層の上に塗工し、８０
℃で乾燥し、乾燥状態において、０．３μｍになるよう
に塗工し、乾燥して最外形成層である第３熱転写層を設
けた。出来た層は、１５ｄｙｎｅｓ　／　ｃｍの臨界表
面張力を有していた。このようにして得られた本発明の
熱転写記録媒体をロル状態に巻取り６０℃−２４時間保
存し、その後、自然放置の状態で１力年保存した後でも
、第２熱転写層の耐熱保護層側への移行は全くみられず
、市販のサーマルプリンターによる熱転写印字において
も、走行性、ヘッド汚れ等のトラブルは無くベック平滑
度２０秒の紙においても良好な印字品質が得られた。

（実施例３）実施例１と同じ支持体と耐熱保護層を設けた物に、下記
の組成のインキを下記の順序で設けて本発明の熱転写記
録媒体を得た。

剥離層インキパラフィンワックスエマルジョン（固形分３０％、水性
エマルジ３ン）３０部（ｓ、ｐ、　−６０℃）イソプロパツール　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　３００部レベリング剤　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　０．５部グラビア
ロール塗工法により、支持体に耐熱保護層を設けた反対
側の面上に塗工し、乾燥状態において１，０μｍになる
ように塗工した。

カーボンブラック（Ｐｒｉｎｔｅｘ　２４．デグサ社製
）１５部アクリル樹脂　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　２０部ケトン樹脂　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　３０部メチルエチルケ
トン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３００
部イソプロパツール　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　２００部グラビアロール塗工法により、剥離層
の上に塗工し、乾燥状態において２μｍになるように塗
工した。

移行防止層インキシリコーン樹脂（ＫＲ２５５、信越化学社製）１０部酢
酸エチル　　　　　　　　　　　　　９０部をグラビア
塗工法により、上述熱転写着色層の上に最外層として、
塗工して乾燥状態において０．５μｍになるように塗工
した。出来た層の臨界表面張力は２３　ｄｙｎｅｓ　／
σであった。

このようにして得られた本発明の熱転写記録媒体をロー
ル状態に巻き取り、６０℃−２４時間保存した後でも、
上述熱転写着色層の耐熱保護層側への移行が全く見られ
なかった。これを市販のプリンターで熱転写印字してみ
ても走行性、ヘッド汚れ等のトラブルは全くなく、ベッ
ク平滑度２５秒のラフ紙に対しても良好な印字品位を得
ることが出来た。

（比較例１）実施例１において、移行防止層を設けずに、熱転写記録
媒体を製造した。

（比較例２）実施例２において、移行防止層を設けずに、熱転写記録
媒体を製造した。

（比較例３）実施例３において、移行防止層を設けずに、熱転写記録
媒体を製造した。

以上、実施例１，２．３及び比較例１，２．３て作成し
た熱転写記録媒体の耐熱保護層側への移行性を顕微鏡に
より表面観察し評価した。

さらに、印字性、走行性、地汚れ性も評価した。

その結果を第１表に示した。

尚、保存条件は、６０℃−２４時間とした。

（比較例４）実施例１において、移行防止層（第３熱転写層）の臨界
表面張力が３０　ｄｙｎｅｓ／ａｍを越える移行防止層
（第３熱転写層）を設けて成る熱転写記録媒体。

移行防止層（第３熱転写層）インキナイロン（ＡＱ−ナイロン、Ａ７０　　東し株式会社）
　５部イソプロパツール　　　　　　　　　　　　　　
　５０部エタノール　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　６０部グラビアロール塗工法により、第２熱転
写層の上に塗工し、８０℃で乾燥し乾燥状態において、
０．５μｍになるように塗工・乾燥し最外形成層である
第３熱転写層を形成した。出来た層は、４５　ｄｙｎｅ
ｓ／ａｍの表面張力を有していた。

第表〔発明の効果〕本発明による熱転写記録媒体を用いれば、熱転写最外層
に設けた表面エネルギーが３０　ｄｙｎｅｓ　／口以下
の移行防止層により、ロール状態での高温保存及び長期
保存においても、耐熱保護層又は支持体への移行を完全
に防止し、保存後も低平滑紙に対して良好な印字品位が
得られ、且つ良好な走行性が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の熱転写記録媒体の拡大断面説明図であ
る。第２図は第１図の支持体と第１熱転写層の間に剥離層を
設けた拡大断面説明図である。第３図は第２図の第１．第２熱転写層の機能を併せ持つ
熱転写層を設けた拡大断面説明図である。１・・・支持体、２・・・耐熱保護層、３・・・第１熱
転写層（熱溶融性着色インキ層）、４・・・第２熱転写
層（熱可塑性樹脂層）、５・・・移行防止層（第３熱転
写層）、６・・・剥離層、７・・・第１．第２熱転写層
の機能を併せ持つ熱転写層。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）支持体の一方の面に、熱転写層を一層以上設けて
なる熱転写記録媒体において、該一層又は二層以上の熱
転写層の上に３０ダイン／ｃｍ以下の臨界表面張力を有
する移行防止層を形成させてなる熱転写記録媒体。
（２）移行防止層が６０℃以上の軟化点を有するフッ素
樹脂、シリコーン樹脂、各種ポリマーへフッ素樹脂、シ
リコーン樹脂をグラフト重合させたもの、各種ポリマー
の水素や官能基をフッ素で置換したフッ化炭素系化合物
、各種ワックス類よりなる群より選んだ少なくとも１種
よりなる請求項１記載の熱転写記録媒体。
（３）移行防止層の暑さが０．０５〜５．００μｍの範
囲である請求項１記載の熱転写記録媒体。
（４）該支持体の熱転写層を有する面と反対側の面に耐
熱保護層を設けた請求項１記載の熱転写記録媒体。