JP3711641B2 - 熱転写用印画紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写用印画紙に関し、さらに詳しくは、シート状基材の一方の面には染料受容層が形成され、他面にはバックコート層が形成されている熱転写用印画紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
昇華性または熱拡散性の染料で構成されたインク層を有するインクリボンと、熱転写用印画紙の一方の面に形成された染料受容層とを重ね合わせ、画像情報に応じてサーマルヘッドを加熱するとともにインクリボンを加熱し、インク層から染料受容層に染料を移行させて画像を形成する昇華型熱転写記録方法が知られている。この昇華型熱転写記録方法は連続的な階調のフルカラー画像を形成することができるので、ビデオ画像をハードコピーする方法として注目されている。
【0003】
図1は昇華型熱転写記録に供される一般的な熱転写用印画紙1の概略断面図である。
同図に示したように、熱転写用印画紙1を構成するシート状基材2の一方の面には染料受容層3が形成され、他面にはバックコート層4が形成されている。染料受容層3は熱転写記録時にインクリボンから移行してくる染料を受容保持して画像等を形成する層であり、ポリエステル、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の染料に染着されやすい熱可塑性樹脂で形成されている。また、バックコート層4は、(1)熱転写記録を行うプリンタ内での熱転写用印画紙1の摩擦を低減させ走行性を向上させる為、(2)熱転写用印画紙1が複数枚重なってプリンタに送り込まれる重送現象を防止する為、(3)熱転写記録時にインクリボンと熱転写用印画紙1との剥離により発生する静電気を除電する為等の目的で形成されている。
【0004】
ところで、従来のバックコート層4が形成された熱転写用印画紙1では画像形成を終えた熱転写用印画紙1を重ね置きした場合、染料受容層3に受容されていた染料が上に置かれた他の熱転写用印画紙1に移行する裏移りが問題となっていた。これに鑑み、本出願人は先に特願平6−274470号明細書において、染料受容層3との反対面にアセタル化度が1〜50%のポリビニルアセタールを含有し、ジアルデヒドまたはメラミン樹脂で架橋したバックコート層4を有する熱転写用印画紙1を提案し、さらに特願平7−26319号明細書においては、染料受容層3との反対面にポリビニルアセタールと非水溶性且つ相溶性を有する樹脂との混合物で形成したバックコート層4を有する熱転写用印画紙1を提案した。これ等は何れも熱転写用印画紙1における染料受容層3からの染料の移行防止等の向上を図るものであった。
【0005】
しかしながら、上記した熱転写用印画紙1では染料受容層3の硬度と比較してバックコート層4の硬度が大となり、染料受容層3とバックコート層4とが対向して重ね置きされた熱転写用印画紙1をプリンタに送り込む際等に、染料受容層3をバックコート層4で傷つける虞があり、印画品質を確保するものとしては不十分なものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、染料受容層に受容された染料がバックコート層に移行しないようにする裏移り抑止性、プリンタ内での熱転写用印画紙の走行性およびバックコート層のシート状基材との接着性を損なうことなく、熱転写用印画紙がプリンタに送り込まれる際等において、染料受容層をバックコート層で傷つけない熱転写用印画紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の熱転写用印画紙では、バックコート層が、0.1μm以上3μm以下の粒径である導電性無機フィラーと、5μm以上30μm以下の粒径である有機フィラーとを有し、この有機フィラーの前記バインダ樹脂に対する重量比が0.01以上0.3以下であることを特徴とする。
そして、望ましい実施形態としては、導電性無機フィラーが、導電処理を施した炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化珪素、硫化亜鉛、硫酸バリウムのうちの少なくとも一種であり、前記有機フィラーが、ナイロン、シリコーン、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンのうちの少なくとも一種である。
また、導電性無機フィラーの前記バインダ樹脂に対する重量比が0.5以上3以下である。
【0008】
上述した手段による作用としては、バックコート層に静電気防止用の導電性無機フィラーのみを有したものでは硬度が大であるが、導電性無機フィラーとともに5μm以上30μm以下である大粒径の有機フィラーを有するものとすると、静電気防止効果を損なうことなくバックコート層の硬度を小とすることができる。従って、バックコート層で染料受容層を傷つける虞がなくなる。
【0009】
バックコート層を構成するバインダ樹脂中に含有させる導電性無機フィラーとしては、粒径が0.1〜3μmのものが好ましい。粒径が0.1μm以下であると凝集し易く分散させるのが非常に困難であり、粒径が3μm以上であると粒径が大き過ぎバックコート層から脱落する虞がある。また、導電性無機フィラーの添加量は、バックコート層を構成するバインダ樹脂に対する重量比が0.5〜3であり、好ましくは0.7〜2である。導電性無機フィラーの添加量が0.5以下であると静電気を除電する効果が小となり、3以上であるとバックコート層における濃度が高くなりシート状基材との接着力が小となる。導電性無機フィラーの一例を挙げれば、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化珪素、硫化亜鉛、硫酸バリウム等の導電処理が施された粒子である。
【0010】
バックコート層を構成するバインダ樹脂中に含有させる有機フィラーとしては、粒径が5〜30μmのものが好ましい。粒径が5μm以下であると熱転写用印画紙を染料受容層とバックコート層とを対向させて重ね置きした場合に、染料受容層が硬度が大であるバックコート層で傷つけられることを防止する効果が得られず、粒径が30μm以上であると粒径が大き過ぎバックコート層から脱落する虞がある。また、有機フィラーの添加量は、バックコート層を構成するバインダ樹脂に対する重量比が0.01〜0.3であり、好ましくは0.05〜0.2である。有機フィラー添加量のバインダ樹脂に対する重量比が0.05以下であると染料受容層が硬度が大であるバックコート層で傷つけられることを防止する効果が得られず、0.3以上であるとシート状基材との接着力が小となる。
【0011】
バックコート層を構成するバインダ樹脂としては、従来と同様の樹脂が使用できる。一例を挙げれば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリビニルアセタール樹脂等があり、特にポリビニルアセタール樹脂は染料受容層に受容されていた染料が他の熱転写用印画紙に移行する裏移りを抑止する性能が大であり好ましいものである。また、誤ってバックコート層に印画した場合におけるインクリボンとの融着等を防止する為、イソシアネートによりバックコート層を硬化することが望ましい。さらに、滑性を向上させる為にシリコーンオイルや脂肪酸等の滑剤や離型剤を添加しても良い。
【0012】
染料受容層としては、従来と同様の樹脂で形成することができる。一例を挙げれば、ポリエステル、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の染着性樹脂である。特に、転写感度を向上させるものとしてセルロースアセテートブチレート等のポリエステルやセルロースエステルが好ましい。
【0013】
そして、バインダ樹脂中に導電性無機フィラー、有機フィラーその他添加剤を溶剤とともに混合してバックコート形成用塗料を調整し、公知の手段によりシート状基材に塗布、乾燥させればシート状基材上にバックコート層が形成される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を適用した熱転写用印画紙の好ましい実施例1〜4およびこれ等の比較例1〜5について従来の技術と同様に図1を参照して説明するが、本発明が実施例1〜4に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0015】
シート状基材2として、150μm厚の合成紙(商品名FPG−150、王子油化(株)社製)を用意し、この表面に乾燥膜厚が10μmとなるように下記組成の染料受容層形成用塗料を塗布し、120℃で二分間乾燥させた。
【0016】
ポリエステル樹脂 100重量部
(商品名バイロン200、東洋紡(株)社製)
メチルエチルケトン 100重量部
トルエン 300重量部
【0017】
次に、バックコート層4の組成が表1に示したように、本発明である実施例1〜4と比較例1〜5とのバックコート層4形成用塗料を作製し、これ等を乾燥膜厚が1μmとなるように基材2の染料受容層3が形成された面の反対面に塗布し、50℃で二日間硬化させて熱転写用印画紙1を作製した。
【0018】
【表1】
【0019】
そして、作製したサンプル(実施例1〜4と比較例1〜5の何れもサンプル数は各100枚)を表面電気抵抗、連続走行試験、裏移り、シート状基材2との接着性、および染料受容層3がバックコート層4で傷つけられる傷つきについて下記条件で評価し、評価結果を表2に示す。
【0020】
表面電気抵抗
バックコート層4の電気抵抗を、電気抵抗測定器(宍戸電気社製)で測定した。
【0021】
連続走行試験
各サンプル100枚を昇華熱転写プリンタ(商品名UP5500、ソニー(株)社製)で12階調のステアステップ印画を連続的に行い、その印画時の途中異常停止の回数で評価した。
【0022】
裏移り
染料受容層3に黒ベタ画像を印画した後、この染料受容層3の面と未使用の熱転写用印画紙1のバックコート層4の面とを重ね合わせ、50g/cm2 の圧力を60℃で二日間印加し、バックコート層4に移行した染料の光学濃度をマクベス濃度計を用いて測定した。
【0023】
接着性
未使用の熱転写用印画紙1のバックコート層4の面に粘着テープを貼り付け、粘着テープを引き剥がした時のシート状基材2からのバックコート層4の剥がれ状態を目視で評価し、剥がれがない場合は○とし剥がれがあった場合は×とした。
【0024】
傷つき
HEIDON(新東化学社製)を用いて50g/cm2 の圧力を印加し、10cmを10回シャトルさせた後に目視で評価し、傷つきがない場合は○とし傷つきがあった場合は×とした。
【0025】
【表2】
【0026】
表2から明らかなように、本発明を適用した実施例1〜4では、表面電気抵抗、連続走行試験、裏移り、シート状基材2との接着性および染料受容層3がバックコート層4で傷つけられる傷つきの何れも満足する結果が得られ、バックコート層4が0.1μm以上3μm以下の粒径である導電性無機フィラーと、5μm以上30μm以下の粒径である有機フィラーとを有するものであることの有効性が確認できた。
【0027】
【発明の効果】
本発明の熱転写用印画紙によれば、染料受容層がバックコート層で傷つけられる虞がないので、良質な印画品質が得られる熱転写用印画紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱転写用印画紙の概略断面図である。
【符号の説明】
1…熱転写用印画紙、2…シート状基材、3…染料受容層、4…バックコート層
Claims (3)
- シート状基材の一方の面に染料受容層が形成され、他面にバインダ樹脂を有するバックコート層が形成されている熱転写用印画紙において、前記バックコート層が、0.1μm以上3μm以下の粒径である導電性無機フィラーと、5μm以上30μm以下の粒径である有機フィラーとを有し、この有機フィラーの前記バインダ樹脂に対する重量比が0.01以上0.3以下であることを特徴とする熱転写用印画紙。
- 前記導電性無機フィラーが、導電処理を施した炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化珪素、硫化亜鉛、硫酸バリウムのうちの少なくとも一種であり、前記有機フィラーが、ナイロン、シリコーン、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンのうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写用印画紙。
- 前記導電性無機フィラーの前記バインダ樹脂に対する重量比が0.5以上3以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写用印画紙。
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