JPH032373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、全自動半田付け装置に係り、特にプ
リント基板を水平面に対し傾斜角を持たせて搬送
しながら半田付けをする噴流式の半田付け装置に
おいて、プリント基板の装填と繰出しとの自動化
を図り得る自動装填繰出し機構付き全自動半田付
け装置に関する。

「従来の技術」 一般に、噴流式の半田付け装置は、良好な半田
盛りが得られるように水平面に対し所定の傾斜角
θを持たせてコンベアにより搬送させながら、該
プリント基板の一面に溶融半田を噴射させて半田
付けを行つている。しかし、このような半田付け
装置にプリント基板を装填し、又半田付け終了後
のプリント基板の取出しは、人手に頼つて行つて
いるのが現状である。つまり、上記半田付け装置
の前段では、プリント基板を水平に搬送して加工
し、処理をするので、そのまま水平に上記半田付
け装置に繰入れると、半田付け装置内の搬送装置
にプリント基板が装填されずに脱落したり、又引
掛つて搬送されないといつた事態が生ずる。従つ
て、マガジンラツク内に水平にかつ多段状に多数
のプリント基板を収納しておき、最上段のプリン
ト基板から順次押出し装置により次段の装置に自
動供給する装置をそのまま使用できず、仮りにマ
ガジンラツク内に、半田付け装置の搬送角に対応
させて、傾斜角θを持たせて多段状に多数のプリ
ント基板を収納させ、該マガジンラツク内から半
田付け装置に自動供給するようにしても、上記マ
ガジンラツクの搬送時などにおいて、プリント基
板が脱落し易く、又傾斜角を持たせてプリント基
板を収納する関係上、形状も大きくなり、他の装
置もこれに見合うように改善しなければならない
という問題があつた。又上記半田付け装置の吐出
側でも、半田付け終了後のプリント基板も上記傾
斜角θを持つて吐出されるため、そのまま水平に
搬送しながら加工をし処理をする加工機に装填す
ることはできず、又このような加工機に装填がし
易いように水平にかつ多段状に収納する形式のマ
ガジンラツクに収納することは難しいものであつ
た。このため、従来は上記半田付け装置へのプリ
ント基板の装填、及び半田付け装置から半田付け
終了後のプリント基板を取出し、マガジンラツク
への収納などは人手に頼つて行つているのが現状
であり、労力を要するばかりか、作業時間も多く
を必要とし、品質管理の上からも多くの問題があ
つた。

「考案が解決しようとする課題」 そこで本考案は、上記事情に鑑み、プリント基
板を水平面に対し傾斜角θを持たせて搬送させな
がら該プリント基板の一面に溶融半田を噴射させ
て半田付けを行う半田付け装置において、自動供
給装置から水平に押出し、かつ半田付け装置に対
し、その内部での搬送角に見合う角度に向きを調
整した後、自動装填し、又半田付け装置から内部
の搬送角に見合う傾斜角で半田付け終了後のプリ
ント基板を受取つた後、水平に向きを変えて搬出
装置に自動供給をし、これにより省力化と作業時
間の短縮化とを図り得て、品質管理の向上が期待
できる自動装填繰出し機構付き全自動半田付け装
置を提供することを目的とする。

「考案が解決しようとする手段」 本考案は、上記目的を達成すべく、プリント基
板を水平面に対し傾斜角を持たせて搬送しなが
ら、該プリント基板の一面に溶融半田を噴射させ
る噴流式の半田付け装置において、プリント基板
を水平に搬送する自動供給装置と上記半田付け装
置との間に、送りコンベアを備えかつ揺動可能な
装填機構を介在させると共に、上記半田付け装置
とプリント基板を水平方向に搬出する搬出装置と
の間に、送りコンベアを備えかつ揺動可能な繰出
し機構を介在させた自動装填繰出し機構付き全自
動半田付け装置を特徴とするものである。

「実施例」 以下、本考案に係る自動装填繰出し機構付き全
自動半田付け装置の一実施例を図面に基づき説明
する。第１図は、全体の構成図を示し、１はマガ
ジンラツクからプリント基板を押出す自動供給装
置、２は搬送装置としてのチエーンコンベアでプ
リント基板を挟持して所定の傾斜角度θで搬送し
ながら溶融半田を噴射させて半田付けを行う基本
構成が周知の半田付け装置、３は、半田付けの完
了したプリント基板をマガジンラツクに収納して
搬送する搬出装置である。上記自動供給装置は、
第１図及び第２図に示す如く、搬入コンベア４と
昇降コンベア５と回収コンベア６とから成つて、
プリント基板７を水平にかつ多段状に収納したマ
ガジンラツク８を搬入コンベア４で昇降コンベア
５上に搬送し、昇降コンベア５がプリント基板７
の積重ねピツチだけ順次昇降し、この昇降の度毎
にエアーシリンダ９が動作をして、マガジンラツ
ク８からプリント基板７を半田付け装置２の方向
に押出し、総てのプリント基板７を供給した後、
空のマガジンラツク８を回収コンベア６で排出す
るようになつている。エアーシリンダ９は二段階
の動作をするようになつており、まず第１段階の
動作では、プリント基板７の先端が検出器１０に
達する位置まで押出し、該検出器１０がプリント
基板７の幅を検出し、この検出器１０の検出信号
でエアーシリンダをプリント基板７の幅方向の中
央部に位置させた後、エアーシリンダ９を第２の
段階の動作をさせて、該プリント基板７を半田付
け装置２の方向に押出す。このエアーシリンダ９
の移動調節は、エアーシリンダ９をスクリユーロ
ツド１１に螺合させ、ガイドロツド１２に沿つて
プリント基板７の幅方向に移動するナツトブロツ
ク１３に吊設し、かつスクリユーロツド１１を上
記検出器１０の指令で駆動するモータ１４に連結
しておけばよい。一方、検出器１０は固定ブロツ
ク１５と可動ブロツク１６とから成り、各ブロツ
ク１５，１６に挟持具１７，１８を有し、挟持具
１７，１８がプリント基板７を挟持して挟持具１
７，１８に設けた発光素子１９，２０及び受光素
子２１，２２によつてプリント基板７の先端の存
在を確認すると、モータ２３の駆動が制御されて
可動ブロツク１６の移動が停止し、該可動ブロツ
ク１６と固定ブロツク１５との距離がモータ２３
と連動するロータリーエンコーダで検出されるよ
うになつている。可動ブロツク１６は、モータ２
３で回転するスクリユーロツド２４に螺合され
て、ガイドロツド２５に沿つて移動可能になつて
いる。半田付け装置２は、第４図に示す如きチエ
ーンコンベア２６が左右で一組設けられているこ
とは周知のものと同一構成であるが、筒単に説明
すれば、プリント基板７を挟持して搬送する各チ
エーンコンベア２６は、横架柱２７にそれぞれ回
転駆動可能に設けられている。横架柱２７の搬入
側及び搬出側に支持ブロツク２８を固設し、該支
持ブロツク２８を架台２９に装着する。架台２９
はナツト部材３０を有し、該ナツト部材３０をス
クリユーロツド３１と螺合させ、搬入側と搬出側
とで単独に床面に対する高さ調節ができるように
なつている。この場合、搬入側及び搬出側の何れ
のものも、左右に有するスクリユーロツド３１の
うち一方を回せば、ギア群３２及び連結ロツド３
３を介して他方のスクリユーロツド３１も回転を
して同時に上下動することは勿論である。スクリ
ユーロツド３１はブラケツト３４などを介してフ
レーム３４ａ両側に枢支されている。又、上記左
右の横架柱２７のうち何れか一方がスクリユーロ
ツド３５に螺合され、モータＭの駆動でスクリユ
ーロツド３５が回転をしてガイドロツド３６，３
７に沿つて移動し、左右のチエーンコンベア２６
間の距離を上記プリント基板７の幅に見合うよう
に調整可能になつている。上記スクリユーロツド
３５及びガイドロツド３６，３７は架台２９に装
着されている。

本考案では、更に搬入側の各支持ブロツク２８
に装填機構３８を設けると共に、搬出側の各支持
ブロツク２８に繰出し機構３９を設ける。装填機
構３８及び繰出し機構３９は、チエーンコンベア
２６に対し逆向きに配置され、送りコンベア４２
が逆向きに回動するが、機構上同一構成になつて
いる。即ち、第５図及び第６図に示す如く、各支
持ブロツク２８の下端に揺動アーム４０，４１を
揺動自在に軸支する。各揺動アーム４０，４１の
互いに対向する面には、送りコンベア４２を設け
る。送りコンベア４２は、無端ベルト４９を揺動
アーム４０，４１に回転自在に支承されたガイド
ロツド４３，４４、テンシヨンロール４５，４６
及び駆動ロール４７に掛回されている。テンシヨ
ンロール４５，４６は、長孔４８に沿つて互いに
離間し、近接する方向に移動可能になつていて、
これにより無端ベルト４９のテンシヨンを調節で
きるようになつている。一方の揺動アーム４０に
モータ５０を固設し、該モータ５０の駆動軸にス
プライン軸５１を設け、各揺動アーム４０の駆動
ロール４７に上記スプライン軸５１を回転可能に
係合する。更に、一方の揺動アーム４０にガイド
ロツド５２を固設しておき、該ガイドロツド５２
を他方の揺動アーム４１のスラスト軸受５３に移
動自在に支承する。更に、揺動アーム４０，４１
の一面の両端付近には、上下動自在な押えロール
５４，５５を配設する。押えロール５４，５５
は、第８図に示す如く軸受部５６，５７を揺動ア
ーム４０，４１の他面側の受入部５８に、プラン
ジヤーソレノイド５９ａ，５９ｂで上下動自在に
収嵌させる。第７図に示す如く各押えロール５
４，５５は、上記軸受部５６，５７から他側に延
出する軸に従動ロール６０，６１を有し、該従動
ロール６０，６１及びガイドロール６２，６３、
更に駆動ロール６４に伝動ベルト６５を掛回す
る。該伝動ベルト６５は、押えロール５４，５５
がガイドロール４３，４４の回転方向と逆向きに
なるように、つまりプリント基板７の送り方向に
回転するように掛回する。駆動ロール６４は、ス
プライン軸５１に装着するが、この場合、他方の
揺動アーム４１の駆動ロール６４は、揺動アーム
４１と共にスプライン軸５１上を移動自在に設け
ることは勿論である。揺動アーム４０，４１は、
第８図に示す如く押えロール５４，５５の軸部を
長孔６６内に挿通させて、プランジヤーソレノイ
ド５９ａ，５９ｂによる押えロール５４，５５の
上下動に支障がないようになつていることは勿論
であり、更に上記無端ベルト４９の繰出し側の揺
動アーム４０，４１の上方に、無端ベルト４９と
平行な案内リブ６７を設け、無端ベルト４９と案
内リブ６７との間で、プリント基板７の各側端を
保持しながら繰出しできるようになつている。上
記各揺動アーム４０，４１と支持ブロツク２８と
の間には、エアーシリンダ６８，６９を設ける。
又、揺動アーム４０，４１の無端ベルト４９は、
支えリブ７０上を回転するようになつている。

上記繰出し機構３９の後方に搬出装置３が配設
されている。該搬出装置３は、上記繰出し機構３
９から繰出されたプリント基板７を押出すエアー
シリンダ７１を有している。エアーシリンダ７１
はプリント基板７を押出す度毎に、コンベア７２
で搬送されるライン中に降下して押出し動作をす
るようになつている。エアーシリンダ７１による
押出し動作でプリント基板７がマガジンラツク７
３中に収納されるようになつている。マガジンラ
ツク７３は、搬入コンベア７４から昇降コンベア
７５上に導入され、マガジンラツク７３中にプリ
ント基板７が収納される度毎に収納ピツチづつ降
下をし、所定の枚数のプリント基板７を収納した
後、回収コンベア７６で所定の箇所に搬送するよ
うになつている。

そして、上記自動装填繰出し機構付き全自動半
田付け装置において、まず、自動供給装置１によ
りマガジンラツク８からプリント基板７を押出
し、装填機構３８に送込む。この時、検出器１０
で上記の如く、半田付け装置２のチエーンコンベ
ア２６間の間隔がプリント基板７の幅に見合うよ
うに調整され、これに伴い装填機構３８及び繰出
し機構３９の揺動アーム４０，４１間の間隔もプ
リント基板７の幅に見合うように調整されること
は勿論である。装填機構３８は、予めエアーシリ
ンダ６８，６９により揺動アーム４０，４１が、
自動供給装置１によるプリント基板７の押出し方
向と同一平面上に位置し、つまり水平面上に位置
してあつて、かつプランジヤーソレノイド５９
ａ，５９ｂの動作で押えロール５４，５５が受入
れ可能に上昇している。上記自動供給装置１から
送出されたプリント基板７は、まず無端ベルト４
９と押えロール５４との間に繰入れられると、プ
ランジヤーソレノイド５９ａの動作で押えロール
５４が下動して、プリント基板７を無端ベルト４
９と押えロール５４との間で押えながら、無端ベ
ルト４９の回動でプリント基板７を送り、更にプ
リント基板７が無端ベルト４９と押えロール５５
との間に位置すると、プランジヤーソレノイド５
９ｂの動作で押えロール５５が下動して、無端ベ
ルト４９と押えロール５５との間でプリント基板
７を押えながら、無端ベルト４９の回動でプリン
ト基板７を送る。この時、プリント基板７が自動
供給装置１から送出されて、該プリント基板７の
後端が装填機構３８内に位置すると、揺動アーム
４０に有するリミツトスイツチが動作をして、こ
れにより上記エアーシリンダ６８，６９が駆動す
る。該エアーシリンダ６８，６９の駆動で、揺動
アーム４０，４１が第２図に示す如く傾斜角θだ
け揺動する。この結果、半田付け装置２のチエー
ンコンベア２６の傾斜方向と無端ベルト４９によ
る送出し方向とが一致し、無端ベルト４９の回動
でプリント基板７が半田付け装置２のチエーンコ
ンベア２６に装填され、チエーンコンベア２６に
より水平面に対し角度θだけ傾斜させて搬送させ
ながらプリント基板７の一面にフラツクスを塗布
し、予熱し溶融半田を噴射させて半田付けを行つ
た後、繰出し機構３９に送る。繰出し機構３９
は、揺動アーム４０，４１が予めエアーシリンダ
６８，６９の動作で、チエーンコンベア２６の傾
斜角θに見合うように揺動されていて、上記装填
機構３８と同様にしてプリント基板７が完全に送
込まれるとエアーシリンダ６８，６９が動作をし
て揺動アーム４０，４１が搬出装置３の受入れ及
び搬出方向と同一の向きになるように揺動した
後、送りコンベア４２の回動で搬出装置３に送出
される。搬出装置３ではエアーシリンダ７１の動
作でマガジンラツク７３内に収納され、所定の枚
数のプリント基板７がマガジンラツク７３中に収
納されると、該マガジンラツク７３は、所定の箇
所に搬送される。

尚、本実施例は、一方のチエーンベルト２６及
び揺動アーム４１を固定し、他方のチエーンベル
ト２６及び揺動アーム４０のみを、プリント基板
２６の幅に見合うように移動させたが、他方のチ
エーンベルト２６及び揺動アーム４０も移動可能
にし、両者をプリント基板７の搬送ラインの中心
０から等距離だけ移動させこれによりプリント基
板７の幅に見合うように調整させることもでき
る。この場合、エアーシリンダ９は、上記搬送ラ
インの中心０に固定して設ければよい。

「考案の効果」 以上の如く、本考案に係る自動装填繰出し機構
付き全自動半田付け装置によれば、プリント基板
を水平面に対し傾斜角を持たせて搬送しながら該
プリント基板の一面に溶融半田を噴射させる噴流
式の半田付け装置におけるプリント基板を水平に
搬送する自動供給装置と上記半田付け装置との間
に、送りコンベアを備えてかつ揺動可能な装填機
構を介在させると共に、上記半田付け装置とプリ
ント基板を水平方向に搬出する搬出装置との間
に、送りコンベアを備えかつ揺動可能な繰出し機
構を介在させたことから、自動供給装置から水平
に押出し、かつ半田付け装置に対し、その内部で
の搬送角に見合う角度に向きを調整した後、自動
装填し、又半田付け装置から内部の搬送角に見合
う傾斜角で半田付け終了後のプリント基板を受取
つた後、水平に向きを変えて搬出装置に自動供給
をし、これにより省力化と作業時間の短縮化とを
図り得て品質管理の向上が期待でき、実用上頗る
便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動装填繰出し機構付き
全自動半田付け装置の一実施例を示す構成図、第
２図は第１図の半田付け装置の傾斜角を説明する
図、第３図は自動供給装置の吐出側正面図、第４
図は第２図のＡ部の拡大図、第５図は、その装填
機構の斜視図、第６図は揺動アームの正面図、第
７図は揺動アームの背面図、第８図は第６図の
−線断面図である。 １……自動供給装置、２……半田付け装置、３
……搬出装置、７……プリント基板、３８……装
填機構、３９……繰出し機構、４２……送りコン
ベア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリント基板を水平面に対し傾斜角を持たせて
   搬送しながら、該プリント基板の一面に溶融半田
   を噴射させる噴流式の半田付け装置において、プ
   リント基板を水平に搬送する自動供給装置と上記
   半田付け装置との間に、送りコンベアを備えてか
   つ揺動可能な装填機構を介在させると共に、上記
   半田付け装置とプリント基板を水平方向に搬出す
   る搬出装置との間に、送りコンベアを備えかつ揺
   動可能な繰出し機構を介在させたことを特徴とす
   る自動装填繰出し機構付き全自動半田付け装置。