JPH03236482A - 緑青の形成方法 - Google Patents

緑青の形成方法

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JPH03236482A
JPH03236482A JP3319490A JP3319490A JPH03236482A JP H03236482 A JPH03236482 A JP H03236482A JP 3319490 A JP3319490 A JP 3319490A JP 3319490 A JP3319490 A JP 3319490A JP H03236482 A JPH03236482 A JP H03236482A
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/48Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 not containing phosphates, hexavalent chromium compounds, fluorides or complex fluorides, molybdates, tungstates, vanadates or oxalates
    • C23C22/52Treatment of copper or alloys based thereon

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、基材との密着性に優れた緑青を生産性良く
安定して形成する方法に関する。
〈従来技術とその課題〉 従来から、神社・仏閣の屋根材等に用いられた銅の表面
が長い年月の間に大気中の酸素、水蒸気。
炭酸ガス、硫化物乃至は塩化物等の作用によって優雅で
美しい緑色の緑青、(cuC03・Cu(OH)z。
Cu S Oa・3 Cu(○H)z、 Cu(jz・
3cu(○H)2等の塩基性銅塩)に覆われることは良
(知られているが、この緑青層は重厚で独特の美観を醸
し出すばかりでなく防食皮膜としての作用をも発揮し、
そのため緑青に覆われた銅屋根等は数百年に及ぶ耐久性
を示すこととなる。
そこで、近年、天然に近い緑青を人工的に短期間で発生
させて基材の腐食防止や装飾乃至美術的な効果を狙った
“緑青被膜形成品”が、屋根材のみならず建築内壁材や
装飾品等にも見られるようになり、これまでにも天然に
近い緑青被膜を人工的に形成させる手段に関する提案が
数多くなされてきた。
これら従来の人工緑青形成手段を大別すると次の通りで
ある。
(A)薬液と接触させる化成処理法(例えば特公昭57
−51468号として提案された方法等)。
(B)薬液中で電解処理する方法(例えば特公昭55−
12117号として提案された方法等)。
、(c)基材を化成処理した後、その上に更に塗装を施
す方法(例えば特開昭55−8491号として提案され
た方法等)。
(D)緑青色形成物質を含む塗料で塗装する方法(例え
ば特開昭55−139467号として提案された方法等
)。
(E)サンドブラストにより表面を粗面化した銅板表面
に銅又は銅合金の粉末を接着剤で接着した後、塩化アン
モニウムや硫酸アンモニウム等の人工緑青発生液を塗布
する方法(例えば特公昭57−52425号として提案
された方法等)。
しかしながら、上記の人工緑青形成手段は、実際上 a)緑青の発生速度が遅い。
b)緑青被膜が剥離し易く、製造設備に多額の費用がか
かる。
C)緑青色を安定して形成させることができず、不均一
で色調が劣る。
d)緑青の密着性が良くない。
e)緑青色被膜を形成するための工数が多く、生産性が
悪い。
等の問題が指摘されるものであり、更には、何れも一般
的に基材が銅−又は銅合金にほぼ限定される上、発生さ
せた緑青の表面を塗装等によって保護しなければ基材と
の十分な密着性を保てないとの問題を有するものでもあ
った。しかも、塗料膜による緑青の保護策では、紫外線
によって塗膜組成物の劣化が起きることから上記問題の
根本的な解決策となり得るものではなかった。
このようなことから、本発明が目的としたのは、「密着
性に優れた均一色調の緑青被膜を・、基材の種類を問わ
ずに短時間に安定して形成し得る手段」を確立すること
であった。
〈課題を解決するための手段〉 本発明者等は、上記目的を達成すべく様々な観点に立っ
て鋭意研究を重ねた結果、「緑青を形成しようとする基
材表面を必要に応じて粗面化してから該基材表面に銅又
は銅合金から成る薄膜を形成し、次いでこの薄膜を“酸
化剤を添加した特定の新規な化成処理液”で処理した場
合には、前記“銅又は銅合金から成る薄膜”と“酸化剤
を添加した化成処理液”との間で化成反応(S食生成物
形成反応)と腐食生成物の酸化反応とが同時に進行する
こととなって、基材表面に強固に密着し。
かつ天然緑青に酷似した重厚で均一な色調の緑青被膜が
短時間で形成される」との知見を得るに至ったのである
本発明は、上記知見事項等に基づいて威されたものであ
り、 「緑青を形成しようとする基材表面に銅又は銅合金から
成る薄膜を形成した後、該薄膜を(イ)アルカリ金属塩
化物及び/又はアルカリ土類金属塩化物にアルミニウム
粉を加えたもの。
(El)塩化アルミニウム。
(ハ)塩化第二錫。
(二〉塩化亜鉛。
(ネ)塩化鉛 から選ばれる1種又は2種以上を含む溶液に酸化剤を添
加した処理液で処理することにより、密着性に優れた良
好な外観の緑青を短時間に安定形威し得るようにした点
」 に特徴を有している。
ここで、“緑青を形成しようとする基材”とは銅及び銅
合金に代表される金属材料のみならず、セラミック、瓦
、木材2合成樹脂等の何れであっても差し支えがなく、
格別にその材質が制限されるものではない。
以下、本発明をその作用・効果と共により詳細かつ具体
的に説明する。
本発明に係る緑青形成法においては、まず基材の表面に
“銅又は銅合金から成る薄膜”が形成される。薄膜の厚
さは特に限定されるものではないが、通常は1〜100
−程度、好ましくは5〜40喝程度とするのが良い。勿
論、膜厚がIpm未満であっても緑青の形成は可能であ
るが、この場合には薄膜に亀裂等が生じ易いため好まし
くない。−方、膜厚が100ttsを超えると満足でき
る色調を得ることが難しくなり、また生産コストの面で
も好ましくない。
上記“銅又は銅合金から成る薄膜”を形成する手段とし
ては、めっき法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンブレーティング法、溶射法等の公知の方法が適用でき
る。従って、基材の種類等に応じて適当な薄膜形成手段
を選択する必要があるが、ドライプロセスであって加工
が迅速な上に、広い範囲の材料が使用でき、かつ素材に
対して大きな悪影響を与えることのない“溶射法”が最
も好ましい手段と言える。
ところで、溶射法には“フレーム溶射”、″アク溶射”
及び“プラズマ溶射”等の各種の手法があり、また溶射
原料として銅又は銅合金から成る粉末やワイヤー等も使
用できることが知られているが、本発明においては溶射
法や溶射原料に対する格別な制限はない。しかし、同じ
材料、同し装置を使用した場合でも溶射の方法(即ち溶
射条件)が異なると違った皮膜が形成されるため、この
点での注意は必要である。例えば、雰囲気条件(酸素−
アセチレンの混合比等)、溶射距離、ワイヤー供給速度
等は溶射皮膜の硬度に敏感に影響する。
その他、溶射ガンと被加工物の相対速度、1パス当りの
皮膜厚さ、溶射中の被加工物温度(皮膜の密着強さを高
めるためには基材を適温に予熱しておくことが好ましい
)、ガスや空気の圧力並びに流量等、溶射皮膜の特性に
影響を与える要素は非常に多い。
更に、一般に、「溶射皮膜は同し厚さであったとしても
“薄い層が数多く積み重なったもの”の方が“厚い層が
数少なく積み重なったもの”よりも強度が強い」と言わ
れていることも考慮する必要がある。また、1パス当り
の溶射厚を厚くすることは過熱の原因となるので、内径
溶射の場合には過熱を避けるために溶射ガンと被加工物
の相対速度を速くしてlバス当りの被膜厚さを薄くする
ように特に注意することも必要である。
上述のように、溶射によって“銅又は銅合金から成る薄
膜”を形成する場合には、基材の種類。
溶射皮膜の厚み、目的とする表面粗さ等により適宜溶射
条件等の選定を行う必要がある。
これに対して、めっき法等によって“銅又は銅合金薄膜
”を形成する場合には、例えば公知の電解液組成、電解
条件等をそのまま適用するだけでも比較的安定に目的を
達成することができる。
このようにして形成された“銅又は銅合金から成る薄膜
”の表面粗さは特に限定されるものではないが、薄膜表
面の粗さが31未満では緑青の発色度合いが低く、一方
、50mを超えると母材と薄膜の密着強度が低下する傾
向が見られることから、通常は3〜50趨、好ましくは
5〜40mとするのが良い。
ところで、基材表面への“銅又は銅合金から成る薄膜”
の形成に先立って該基材表面を粗面化することは、基材
と“銅又は銅合金から成る薄膜”との密着性の向上、ひ
いては形成される緑青被膜の密着性を向上させる上で極
めて好ましいことである。従って、銅又は銅合金から成
る薄膜形成処理の前には、必要に応じて基材表面の粗面
化処理が施され、基材表面の−様な粗化と一時的な表面
の活性化が図られる。
基材表面の粗面化法としては、一般に化学的方法(電気
化学的方法も含む)と物理的方法(機械的方法)の2種
類が知られている。前者の例としては“酸又はアルカリ
に浸漬する方法(即ち、エツチング処理性)″や“電解
法”等が、そして後者の例としては“ブラスト法”、“
ウォータージェット法”、“動カニ具法″、“手工具法
”等を挙げることができる。従って、本発明に係る“銅
又は銅合金から成る薄膜”の形成に先立つ基材の粗面化
に際しては、該基材の種類や目的とする緑青形成品表面
の粗さ等によって粗面化法を適宜選択する必要がある。
例えば、基材が金属材料の場合には、基材表面の粗面化
を高能率で実施できる上、同時に基材表面に発生してい
た清その他の腐食生成物等の除去も威される“ブラスト
法”が好適と言える。
しかも、ブラスト法では、研削材として珪砂、スティー
ルグリソド、スティールショノト、溶融アルミナ(人造
コランダム)、アランダム、カーボランダム、グラスビ
ーズ、合成樹脂粒子等の如き各種の硬度2粒度を持った
ものが使用されるので、基材の種類その他に合わせて好
適なものを適宜選択することが可能であることに加え、
ブラスト条件により表面粗さの調整も可能であると言う
長所もある。
なお、ブラスト法については種々の観点から種類分けが
なされており、例えば研削材の吹付は手法の観点からは
“圧縮空気によってブラストする方法”と“遠心力によ
ってブラストする方法”とに分類でき、また吹付ける研
削材の乾湿状態からは“乾式法”と“湿式法”に分類で
きるが、本発明においてはその種類や組み合わせに格別
な制限はない。
粗面化処理後の基材の表面粗さは、3犀以上、好ましく
は10〜30−とするのが良い。なぜなら、該表面粗さ
が3R未満では“銅又は銅合金から成る薄膜”との密着
性改善効果が顕著ではないからである。一方、上記表面
粗さが504を超えた場合には、前記密着性は良好とな
るものの母材(基材)に生しる歪が問題となってくるな
ど現実的ではない。
さて、本発明において、基材の表面に“銅又は銅合金か
ら成る薄膜”が形成された後、該薄膜に本発明の大きな
特徴の1つである「酸化剤を添加した特定の新規な化成
処理液による処理」が施され、化成処理と共に生成する
化成処理被膜の酸化処理が同時進行的に行われる。
一般に、“化成処理”とは成る金属を特定条件に調整さ
れた腐食液(化成処理液)と化学反応させ、その金属の
表面に固着性のある水に不溶性の腐食生成物層を形成さ
せる処理を言い、その腐食生成物の物理的又は化学的性
質を利用して防錆、塗装下地9組成加工用潤滑下地等へ
の適用がなされている。
本発明に係る“特定の処理液での処理”も前記「化成処
理」とほぼ同し概念であるが、本発明においては、特に
、基材上に形成された“銅又は銅合金から成る薄膜”を
通常の化成処理で用いられているものとは異なる処理液
で処理して特性の際立った緑青を形成させる点で特異な
もの≧言うこともできる。
本発明において用いる特殊な処理液は、前述したように (イ)アリカリ金属塩化物及び/又はアルカリ土類金属
塩化物にアルミニウム粉を加えたもの。
(ロ)塩化アル旦ニウム。
(ハ)塩化第二錫。
(ニ)塩化亜鉛。
(本)塩化鉛 から選ばれる1種又は2種以上を含む溶液(溶媒は一般
的には水であるが、水辺外の溶媒であっても差し支えな
い)に酸化剤を添加したものであり、更にはこれにミョ
ウバン、硫酸銅、硝酸銅等の所謂“緑青発生薬”と呼ば
れている物質を添加したものでも良く、本発明はこれら
のもの全てを包含する。そして、本発明に係る処理液中
に添加される酸化剤は格別に制限されるものではないが
、例えば a) 二酸化マンガン(MnO2)。
b)二酸化鉛(Pb Oz) 。
C) 過マンガン酸塩(K Mn O4+ NaMn 
O4他)。
d) クロム酸塩及び/又は重クロム酸塩(クロム酸及
び重クロム酸をも含む)。
e) フリーの沃素を含有する沃素化合物(例えば、フ
リーの沃素を含有するヨードカリ溶液等) などを単独又は組み合わせて使用するのが好ましい。
なお、前記 (イ)アリカリ金属塩化物及び/又はアルカリ土類金属
塩化物にアルミニウム粉を加えたもの。
(D)塩化アルミニウム。
(ハ)塩化第二錫。
(=)塩化亜鉛。
(本)塩化鉛 から選ばれる1種又は2種以上を含む溶液、或いはこれ
にミョウバン、硫酸銅、硝酸銅等の“緑青発生薬”を添
加した溶液(以下、これらの溶液を“本発明化成処理液
”と仮称する)は、“銅又は銅合金から成る薄膜”に接
触した場合にこれと反応して塩化第−f!、(cuCZ
)を生成したり、前記薄膜上又は薄膜内で相互に反応し
て塩化第一銅を生成する。
本発明においては、上記本発明化成処理液と酸化剤とを
適宜組み合わせて混合した処理液にて基材上に形成した
銅又は銅合金から成る薄膜を処理し、化成処理反応と酸
化反応を同時に進行させて緑青を形成させる訳である。
以降、本発明に係る処理液により緑青を形成させる処理
を、処理対象物を“溶射によって基材上に形成した銅又
は銅合金から成る薄膜”とし、がつ本発明化成処理液を
“塩化アルミニウム水溶液”とすると共に、酸化剤を二
酸化マンガンとした場合を例に詳述するが、銅又は銅合
金から成る薄膜を溶射以外の手段で形成した場合や、本
発明化成処理液が塩化アルミニウム水溶液以外のものの
場合、更には酸化剤が二酸化マンガン以外の場合であっ
てもほぼ同し条件でほぼ同様の作用効果が奏されること
が確認済みである。
さて、本発明化成処理液である塩化アルミニウムの濃度
には特に制限はないが、通常は5〜50重蓋%、好まし
くは20〜30重量%の水溶液が用いられる。同様に、
酸化剤である二酸化マンガンの添加量には特に制限はな
いが、通常3重蓋%以上、好ましくは5〜20重量%で
ある。そして、処理に際しては塩化アルミニウム水溶液
に二酸化マンガンを添加した処理液を“銅又は銅合金か
ら成る薄膜”に塗布、スプレー等の方法、又は該薄膜を
前記処理液に浸漬する等の方法で緑青形成が行われる。
この処理を行うと、−瞬ではあるが“銅又は銅合金から
成る薄膜”が白色化し、その後時間の経過と共に緑青が
生成されて(ることか、薄膜の色の変化より認められる
この“銅又は銅合金から成る薄膜を本発明に係る処理液
で処理した際の緑青形成機構”については現在のところ
明確に解明されていないが、x1回折により該処理によ
って生成した緑青が化学的に安定な塩基性塩化第二銅、
(cuCfz・3Cu(OH)zlであると確認されて
いる。従って、(I)化成反応。
(II)酸化反応、(■)緑青BE或反応の3つの過程
に分けて考えると以下のような反応が進行しているので
はないかと推測される。
(1)化成反応 (イ)  塩化アルミニウムが一部加水分解する。
AftC1y+3 HzO=Ai(OH)3 + 3 
HCf  −(11(o)  生成した塩酸が銅又は銅
合金或いは該表面上に形成された酸化物と反応する。
2Cu+ 2 H(J= 2CuC/+Hz     
 −(2)Cu20+2 HC/ = 2CuC/ +
 Hzo     −(3)Coo + 2 H(J 
=Cu(Jz + Hzo      −(4)(ハ)
生成したCuCZは一部不均−化反応を起こす。
2CuC1=Cu(jz+cu          −
f51実際には、上記の(11〜(5)式の反応以外に
種々の反応(例えば(4)式の逆反応等)が起きている
ものと考えられる。
なお、(2)式で示した反応は通常の状態では起こらな
いが、溶射皮膜等の場合には高温から急冷されると共に
母材表面に衝突した粒子の積層物であるので皮膜に熱歪
による残留応力、酸化物及び気孔等が存在しており、該
皮膜の電極電位が通常状態の同種材料に比べて卑になっ
ていることから、このような反応が起きるものと考えら
れる。
一方、アルカリ金属塩化物(例えばMCI、NaC1等
)及び/又はアルカリ土類金属塩化物(例えばM g 
(−1z + Ca clz等)にアルミニウム粉を加
えた処理液では、アルミニウム粉の添加時に例えば次式
の反応が起きる。
6NaC/+ 2Aj!+ 6 HzO””2AIC!
y+6NaOH+3Hz  ”’(6)従って、その後
は塩化アルミニウム単独(酸化剤は念頭から除外する)
の処理液の場合とほぼ同様の反応が起こっているものと
考えられる。そして、このような処理液を用いる場合に
は、アルカリ金属塩化物及び/又はアルカリ土類金属塩
化物から成る水溶液にアルミニウム粉を加えて本発明化
成処理液を作成した後に、即ち水素発生終了後に二酸化
マンガンを添加することが、二酸化マンガンの使用効率
を考えると好ましい。
また、この場合には、アルミニウムと銅又は銅の低級酸
化物との間に局部電池が構成され、反応が促進されてい
る可能性もある。
また、ミョウバン、硫酸銅、硝酸銅等の公知の緑青全生
薬を添加した処理液の場合には、一部は硫酸塩或いは硝
酸塩となるものの、本質的な反応としてはほぼ同じと考
えられる。なお、このようにミョウバン、硫MtjA、
硝酸銅等を添加した場合には、最終的に形成される緑青
の色調を微妙に変化させる効果が得られるが、余り多量
に添加すると緑青の生成速度が遅くなる。従って、上記
公知の緑青全生薬を添加する場合には、格別な制限はな
いもののその添加量を1〜15重量%、好ましくは1〜
5重量%程度に調整するのが良い。
(n)酸化反応 (al  塩化第一銅が二酸化マンガンにより酸化され
、塩化第二銅と水酸化銅になる。
2Cu(J+2Hz○+MnO。
=Cu(J2 +Cu(OH)z +Mn(OH)z 
・・・(7)2 Cu(J + 2 HzO+MnOz
= 2Cu(OH)z+MnC1z      −(8
1(bl  銅及び/又は酸化銅が二酸化マンガンによ
り酸化され又は分解により水酸化銅となる。
Cu + 2 HzO+MnO2 −3Cu(○H)z+Mn(○H)、     ・(9
1Cuz○+3 HzO+Mn02 = 2 Cu(OH)z +Mn(OH)z     
・・・α呻CuO+ HzO=Cu(OH)z    
       ・・・αυなお、二酸化マンガン(二酸
化鉛、過マンガン酸塩等も)は、上記の酸化反応に直接
係わる以外にCu、 CuzO,CuC1等の酸化に対
する触媒的な働きをしているとも推測され、緑青形成に
とって非常に有効な添加剤である。
(I[I)緑青生成反応 (al  塩化第二銅と水酸化銅が反応しに塩基性塩化
第二銅(緑青)が生成する。
CuC1z + 3 Cu(OH)z =Cu(jz・
3cu(○H)Z・・’(12+勿論、これらの反応(
I、  II、  II[)は単独ではなくて同時平行
的に進み、最終的には化学的に安定な化合物である緑青
(塩基性塩化第二銅)になるものと考えられる。
酸化剤を添加した本発明化成処理液(即ち“本発明に係
る処理液)での処理によって緑青が形成した基材は、好
適には乾燥を兼ねた養生にまわされる。この養生では特
に加熱する必要はなく、通常、室温で2〜24時間行え
ば十分である。
このようにして、密着性の極めて優れた均一色調の緑青
を短時間で形成することができる。
続いて、本発明を実施例によって更に具体的に説明する
〈実施例〉 実施例 1 まず、予め脱脂された銅板(360m幅x360n長×
0.3N厚)を準備し、粒径#50〜#250のアラン
ダム粉を用いた空気圧1.5〜5kg/aJ(ゲージ圧
)での吹付はブラスト処理によって銅板表面の粗面化処
理を行った。
次に、前記銅板粗化面に銅ワイヤーを用いて厚さ25g
の溶射層(銅)を形成した。
なお、この時の溶射条件は 溶射方法:アーク溶射(メテコ社製の4RC型機を使用
)。
溶射距離:150n+±80訪。
溶射ガン速度: 40 m/win。
ピッチ:20〜30m。
使用電圧:35V。
使用電流:50A。
エアーギャップ: Fins。
エアー圧: 80 psi(5,6kg10J)。
銅ワイヤー:1.6mφ×2本。
であった。
次いで、前記w4溶射膜に“塩化アルミニウム30重量
%の水溶液(即ち本発明化成処理液)の中に二酸化マン
ガン粉末を5重量%添加した溶液”を刷毛で均一に塗布
して反応層を生成させた後、室温で8時間の乾燥を兼ね
た養生を行った。
そして、“上述した本発明法により形成された緑青″、
“30年以上経過した天然緑青”、”市販品の人工緑青
板”及び“市販品の人工緑青スレート”につき、各緑青
表面の状態をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した
このSEM観察写真を第1乃至4図に示す。
第1乃至4図の比較によっても明らかなように、本発明
法により形成された緑青は形状及び粒子の大きさ等が天
然緑青と酷似するものであることが判る。
また、本発明法により形成された緑青は重厚な青味を帯
びた緑色の色調を呈しており、緑青被膜を指先でこすっ
ても全<#J#物を生ずることがなく、天然緑青と同等
以上に優れた密着性を有していることが確認された。
更に、X線回折による分析よって、本発明法により形成
された緑青は天然緑青の主成分である塩基性塩化第二銅
、(cu(Jz・3Cu(OH)z)であることも確認
された。
しかも、“本発明法により形成された緑青”及び“天然
緑青”の断面についてそれぞれSEM観察を行ったとこ
ろ、本発明法によるものは、第5図に示す如く、基材(
銅板)の粗化面に食い込んだ溶射膜のほぼ全断面が緑青
化して強固に基材と密着した構造となっている上、溶射
膜(緑青化したもの)中に微細な気孔の存在することが
明確に認められ、第6図に示す天然緑青の場合と構造、
外観、緻密性等の点で極めて類似していることが判った
実施例 2 本発明化成処理液として塩化第二錫:12重量%の水溶
液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で緑青を形成
させた。
このようにして得られた緑青被膜は、青色の強い色調で
、剥離物が全くない密着性の極めて優れた均一なもので
あった。
実施例 3 本発明化成処理液として食塩水溶液(Na(J@度:5
重量%)にアルミニウム粉末を5重量%添加したものを
用いた以外は、実施例1と同様の方法で緑青を形成させ
た。
得られた緑青皮膜は、均一で天然緑青とほぼ同し色調を
帯び、密着性の極めて優れたものであった。
実施例 4 この例では、本発明化成処理液として塩化アルミニウム
を30重量%含む水溶液中にξヨウパン(KAlz(S
 04)z(OHL)結晶を5重量%添加したものを用
いた以外は、実施例1と同様の方法で緑青を形成した。
得られた緑青皮膜は、均一で剥離物の全くない密着性の
良いものであった。
これらの実施例以外にも、銅又は銅合金薄膜の形成に溶
射性以外の種々の方法を、そして酸化剤の種類も種々に
変え、これらを様々に組み合わせた試験を実施したが、
何れも本発明法に従えば前記実施例の場合とほぼ同様に
良好な結果を得られることが確認された。
〈効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、天然緑青とほ
ぼ同し重厚な色調を呈すると共に密着性の極めて優れた
緑青をあらゆる種類の基材上に短時間に安定して形成す
ることができ、また格別に特殊な設備等を要することが
ないため現場施工も可能で、例えば緑青製品の補修等へ
の適用も容易である。従って、屋根材のみならず建築内
壁材や装飾品等の幅広い分野のおける創作物の概念拡大
に寄与し得るなど、産業上、社会生活上極めて有  状
態を示した走査型電子顕微鏡による金属組織両用な効果
がもたらされる・             真図(倍
率:約360倍)である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、“本発明法により形成された緑青”表面の状
態を示した走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍
率:約8000倍)である。 第2図は、30年以上経過した天然緑青表面の状態を示
した走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍率:約
8000倍)である。 第3図は、“市販品の人工緑青板”表面の状態を示した
走査型電子顕微鏡による金属Mi織写真図(倍率:約5
ooo倍)である。 第4図は、“市販品の人工緑青スレート”表面の状態を
示した走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍率:
約8000倍)である。 第5図は、“本発明法により形成された緑青″の断面状
態を示した走査型電子顕微鏡による金属組織写真図(倍
率:約300倍)である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)緑青を形成しようとする基材表面に銅又は銅合金
    から成る薄膜を形成した後、該薄膜を(イ)アルカリ金
    属塩化物及び/又はアルカリ土類金属塩化物にアルミニ
    ウム粉を加えたもの、(ロ)塩化アルミニウム、 (ハ)塩化第二錫、 (ニ)塩化亜鉛、 (ホ)塩化鉛 から選ばれる1種又は2種以上を含む溶液に酸化剤を添
    加した処理液で処理することを特徴とする緑青の形成方
    法。
  2. (2)添加する酸化剤が (a)二酸化マンガン、 (b)二酸化鉛、 (c)過マンガン酸塩、 (d)クロム酸塩及び/又は重クロム酸塩、(e)フリ
    ーの沃素を含有する沃素化合物 から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載
    の緑青の形成方法。
  3. (3)緑青を形成しようとする基材表面を粗面化し、そ
    の後で銅又は銅合金から成る薄膜を形成させる、請求項
    1又は2に記載の緑青の形成方法。
  4. (4)銅又は銅合金から成る薄膜を溶射により形成させ
    る、請求項1乃至3の何れかに記載の緑青の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07150365A (ja) * 1993-11-30 1995-06-13 Nikko Kinzoku Kk 緑青の形成方法
KR20020089223A (ko) * 2002-08-29 2002-11-29 서상환 녹청동판 제조방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03236479A (ja) * 1990-02-13 1991-10-22 Nippon Mining Co Ltd 緑青の形成方法

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