JPH032347A - 窒素含有サーメット合金 - Google Patents

窒素含有サーメット合金

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JPH032347A
JPH032347A JP2040360A JP4036090A JPH032347A JP H032347 A JPH032347 A JP H032347A JP 2040360 A JP2040360 A JP 2040360A JP 4036090 A JP4036090 A JP 4036090A JP H032347 A JPH032347 A JP H032347A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐磨耗性や靭性に優れ、高速切削に耐え得る窒
素含有サーメット合金に関するものである。サーメット
合金は、ドリル、エンドミル、フライス用切削工具等に
利用される。
[従来の技術とその課題] ドリルは、鋼材などの穿孔加工に用いられる切削工具で
あり、その−例としてツイストドリルの構造が第1図に
示されている。ツイストドリルは、一般に穿孔加工に供
される切刃部1と、切削にあまり関与せず、主として切
屑の排出とボール盤などの切削機械のチャック部などに
装着するための働きをなすシャンク部2とを備えている
使用状態において、ドリルの切刃部およびシャンク部は
各々異なった負荷状態で使用される。したがって、ドリ
ルの各部に要求される特性は異なる。たとえば、切刃部
の刃先部では耐磨耗性や耐溶着性などが要求され、シャ
ンク部では工具としての強度を保持するための靭性が要
求される。また、切刃部の刃先部についても、その中心
部と外周部とでは切削速度が太き(異なるため、要求さ
れる特性も異なる。このような複雑な要求に応えるよう
に、従来からドリルの材料として種々のものが開発され
てきた。
従来より、一般的なドリルの材質は高速度鋼および超硬
合金である。高速度鋼は、靭性に富むが耐磨耗性が低く
、高速切削に不適である。一方、超硬合金は耐磨耗性や
精度特性に優れる反面、脆い性質を有し、たとえば、剛
性の低い工作機械に使用すると折損する場合があった。
これらの改良として、高速度鋼の切刃部に硬質のTiN
をコーティングする構造、あるいは切刃部を超硬合金に
し、ろう付けする構造などが考えられた。しかし、切刃
部にコーティングを施した′ものは、通常使用されるよ
うにドリルの再研削を実施すると、少なくとも前退面側
のコーティング層が除去されてしまい、コーティングの
効果の大半が失われてしまう欠点を有していた。また、
切刃部に超硬合金をろう付けする構造は、ろう付は自体
が本質的に熱的強度や機械的強度に劣るので、難削材や
深孔加工には適用できないという欠点を有していた。
さらに近年では、耐磨耗性および靭性の向上などを意図
して、異なる材質の超硬合金同士(P2OとD30)を
ろう付けした構造(実開昭58143115号)あるい
は冶金学的に一体化接合した構造(実公昭62−464
89号)、さらに、ドリルの中心部と外周部との要求さ
れる特性の違いに着目し、その中心部と外周部との超硬
合金の材質を違えた二重構造に成形したもの(特開昭6
2−218010号)、あるいはこの二重構造を射出成
形で形成する方法(特開昭63−38501号、385
02号)等が提案された。また、ドリルの耐溶着性の向
上のために、ドリルの材質をサーメットで構成した構造
(特開昭62−292307号)などがある。これらの
従来の例において、ドリルのシャンク部の靭性を向上さ
せる目的で超硬合金の粗粒化や高結合相化を行なったも
のは、逆に材料の強度を低下させたり、あるいは弾性変
化歪を低下させ、被削材のぶれやマシンの不安定な回転
などにより、孔あけ加工中に折損してしまうという問題
を生じた。
このように、従来からドリルの複雑な要求に対して個々
の観点からの改良がなされている。しかし、従来のこれ
らの構造は、いずれもドリルの全ての特性上の要求を完
全に満たすものではなかった。
本発明の目的は、耐磨耗性および靭性に特に優れた性能
を発揮する窒素含有サーメット合金を提供することであ
る。
[発明の概要] 本発明者たちは、ドリルに要求される特性のうち、特に
耐磨耗性および耐溶着性の向上を意図した。発明者たち
は、耐磨耗性および耐溶着性の向上のためには、チタン
(T1)を主成分とした窒素含有サーメットを用いるこ
とが必須であると考えた。そこで、サーメットの種々の
含有成分に対しパラメトリックな実験を行ない、多くの
有効な知見を得た。本発明はこの知見に基づいてなされ
たものであり、以下に説明する。
■ サーメットの硬質分散相は、精密に分級した粒径0
.2〜0.6μmの微粒硬質相と、1〜3μmの粗粒硬
質相との混合構造を有する。粗粒硬質相に対する微粒硬
質相の体積混合比は、0゜3〜3,0である。この範囲
においては、使用時にドリルの刃先が受ける熱衝撃に起
因する亀裂の発生、進展を有効に抑制し得る。さらに好
ましくは、微粒硬質相の粒径は0.3〜0.5μmであ
り、かつ粗粒硬質相の粒径は1.5〜2.2μmである
■ サーメットの硬質分散相は、チタンと、チタンを除
く周期律表第1Va1Va、VIa族金属のうちの1種
類もしくは2種類以上の金属との炭化物、窒化物、複炭
窒化物のいずれかからなり、さらに硬質分散相の組成は
、金属原子中のチタン量が原子比で0.5〜0.95で
ある。チタン量が0.5未満ではサーメットの耐磨耗性
および耐溶着性が不足する。また、0.95を越えると
、サーメットの焼結性が劣化する。
■ 硬質分散相に含まれる非金属原子中の窒素の割合が
、原子比で0.1〜0.7である。すなわち、窒素の割
合が原子比で0.1未満では、窒素が焼結時の硬質分散
相の粒成長を抑制するという効果が生じなくなる。また
、0.7を越えると、サーメットの焼結性が劣化する。
■ サーメット中に占める結合金属相の量は5重量%〜
30M量%である。5重量%未満ではサーメットの靭性
が不足し、ドリルの使用時においてチッピングを生じる
。また、30重量%を越えると、耐磨耗性が不足し、ド
リルの刃先の逃面やマージン部に大きな磨耗が生じる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。
種々の材料組成および粒度分布を有するサーメット合金
を用いて、各々の単材料で直径10mmのドリルを作製
し、その加工性能を実験的に調査した。第1表は実験に
供された種々の合金の組成等を示したもので、表中の合
金No、A−Cは本発明品を示し、D−Hは比較のため
に用いられた比較品を示している。比較品のうち、Dお
よびEは硬質分散相の非金属原子中の窒素原子の割合の
比較に用いられるものである。さらに、比較品Fは硬質
分散相の粒度比の比較に用いられるものである。さらに
、比較品GおよびHは結合相量の割合の比較に用いられ
るものである。比較品D−Hと本発明品A−Cとが相互
に比較検討された。
C*1)  硬質相の粒度依存比; Δ  (体積比)
、 澤2図参旬次に、ドリルの孔あけ性能評価テストの
条件を第2表に示す。性能評価テストは、2種類の条件
で行なわれた。テスト1は、ドリルの耐磨耗性評価テス
トである。すなわち、ドリルが破損や磨耗により寿命に
到るまで連続孔あけ加工を行ない、その刃先の状況を評
価するテストである。
テスト2は、ドリルの耐熱亀裂評価テストである。すな
わち、被削材に複数回に分けて同一箇所に深い孔あけ加
工を施し、所定の孔あけ加工終了後の刃先状況を評価す
るテストである。
なお、本実験においては、参考のために現在使用されて
いるコーティングハイスドリルおよびコーティング超硬
ドリルに同様の切削テストも行なった。
上記のドリル性能評価テストの結果を第3表に示す。第
3表に示す実験結果より、以下のことが判明した。
a、 本発明品A−Cと比較品り、Eとの比較において
、耐磨耗性テスト1の結果に示されるように、硬質分散
相の粒度において粗粒の多い材料はシャンク強度が劣り
、突発的な折損などにより靭性が劣ることが判明した。
b、 本発明品A−Cと比較品Fとの比較において、硬
質分散相の粒度が微粒子のみの場合は、シャンク強度に
優れるが、耐熱亀裂性(テスト2)で大きく劣ることが
判明した。
C0本発明品A−C,!:比較品GSHとの比較におい
て、結合相量の少ないもの(比較品G)は靭性に劣り(
テスト1)、また、結合相量の大きいもの(比較品H)
は耐磨耗性に劣る(テスト1およびテスト2)ことが判
明した。
これらの実験結果の比較から、本発明品A−Cは、耐磨
耗性、耐熱亀裂性およびシャンク靭性強度の全ての面に
わたって優れた特性を有することが判明した。なお、コ
ーティングハイスやコーティング超硬媒体に比べても優
れた特性を示すことが第3表から判明する。なお、本発
明品は、さらに再研磨加工を施して使用しても新品と同
等の性能を示す特徴を有する。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、耐磨耗性および靭性
に特に優れた性能を発揮する窒素含有サーメット合金が
得られる。この窒素含有サーメット合金は、耐磨耗性、
靭性および高切削性において優れた特性が要求されるド
リル、エンドミル、フライス用切削工具などにa利に利
用され得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、一般的なツイストドリルの構造を示す構造図
である。第2図は、サーメットの硬質分散相の粒度分電
を示す硬質分散相粒度分布図である。 図において、1はドリルの切刃部、2はシャンク部を示
す。 (ほか2名)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 チタンと、チタンを除く周期律表第IVa、Va、VIa族
    金属のうち1種または2種以上の金属との炭化物、窒化
    物、複炭窒化物のいずれかを主要成分とする硬質分散相
    と、ニッケルとコバルトとを主成分とする結合金属相と
    からなる窒素含有サーメット合金において、前記硬質分
    散相は、チタンを含む金属原子群と窒素を含む非金属原
    子群とを含み、 前記金属原子群中の前記チタンの量は原子比で0.5以
    上0.95以下であり、 前記非金属原子群中の前記窒素の量は原子比で0.1以
    上0.7以下であり、 前記硬質分散相は、平均粒径が0.2μm以上0.6μ
    m以下の微粒子群と、平均粒径が1μm以上3μm以下
    の粗粒子群とを備え、 前記微粒子群は前記粗粒子群に対する体積比が0.3以
    上3以下であり、 前記結合金属相は、前記窒素含有サーメット合金中に占
    める割合が5重量%以上30重量%以下であることを特
    徴とする、窒素含有サーメット合金。
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