JPH0323205B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、衛生機器のうち、湯水混合栓、単
水栓など水栓類の蛇口管の改良に関するものであ
る。

（従来技術） 従来、流し台、洗面台または浴室の化粧台など
に設けた湯水混合栓、単水栓などの水栓類の蛇口
管から、止水後に水滴がぽたぽたと落下する不具
合を防止する手段として公知にされたものに実公
昭57−20688号公報の第２図（本願図面中の第５
図）のものがある。

上記第５図に就いて簡単に説明すると、湯水混
合栓３１の蛇口管３２はほぼ水平な流路３３及び
この流路３３の延長端に下向きの吐出口３４の有
し、その流路３３の途中には流路３３の内壁上面
より下方に向けて突出する壁３５が設けられてい
る。この構成では止水直後においては流路３３内
に定量の残水が滞溜するのであるが、この残水は
その重量により吐出口３４から進入する空気と入
れ替つて流出しようとする際に、吐出口３４から
進入して残水と入れ替ろうとする空気が壁３５の
ところまで来ると、流路３３は壁３５によつて内
径が狭窄されているので、壁３５に達した水の表
面に表面張力が働いて水の流出を阻止することに
より止水直後の残水のぽたぽた落ちを防止してい
る。上記蛇口管に於いては、壁によつて狭窄され
る口径が蛇口管の通常の吐出流量との比率に於い
て適正なものとすることが極めて困難であるばか
りでなく、その壁は蛇口管と同時成型により形成
されるので壁の口径を後加工により調整すること
ができないばがりでなく、壁の部分の外表面に
「ひけ」により凹みが生じるなどの不都合な問題
が生じる。また、壁の表面が鋳造のままの粗い面
のままでは表面張力の働きが不確実となる欠点を
有する。また、鋳造による蛇口管の吐出口に環状
の座を設け、この座にメツシユプレートを数枚重
ねにして挿入して置き、このメツシユプレートの
積層を後から挿入した整流板により座に押付ける
ように整流板の弾性を利用したものとして実開昭
56−121773号の第３図（本願図面の第６図）のも
のがある。上記第６図のものにあつては、メツシ
ユプレート３６を蛇口管３２ａに作り付けにした
座３７に整流板３８を介して支えるようにしてい
るために、この座３７は蛇口管３２ａに必要不可
欠のものであるばかりでなく、この座３７は蛇口
管３２ａの鋳造時に同時成型されなければならな
い。

従つて、このような座３７は管形態による蛇口
管には応用することができず、利用し得る範囲も
著しく限定される不都合が予想される。

（発明が解決しようとする問題点） この発明が解決しようとする問題点は、内部曲
面に突縁などの引掛りの全くない蛇口に、水滴の
ぽたぽた落ちを防止するしずく止めユニツトを確
実に支持できるようにすることである。

（問題点を解決するための手段） この発明が上記問題点を解決するために講じた
技術手段は、水栓類に備えた管形態の蛇口管に於
いて、該蛇口管の流路の延長端部に通じる吐出口
金を嵌合部を介して取付け、吐出口金の吐出口の
内側に、平滑で引掛りのない内部曲面を形成し、
該内部曲面に、しずく止めユニツトの篭形ストレ
ーナを逆向きに挿入し、この篭形ストレーナの内
部空間に、板バネ素材の折曲げによる押え板を介
在させ、この押え板の広がり方向に作用しようと
する弾性により、篭形ストレーナの曲面作用部を
前記内部曲面にずり落ちないよう安定的に保持さ
せるようにしたものである。

（作用） この発明は、湯水混合栓、単水栓などの水栓類
の蛇口管に、しずく止めユニツトを自己保持させ
ることにより止水直後の水滴がぽた落ちするのを
防止するものである。

（実施例） 以下、この発明を図に基づいて詳細に説明す
る。この実施例のしずく止めユニツト１は、第１
図イ，ロに示すように篭形ストレーナ２と押え板
３とからなる組合せであつて、その篭形ストレー
ナ２は、所要メツシユのメツシユプレートをダイ
セツトによるプレス加工により、篭形に押出して
内部空間２ａ、平板状の平面作用部４及び円周方
向に環状に折曲された曲面作用部５により構成さ
れ、前記押え板３は板バネの帯状素材に曲げ加工
を施して平面ほぼＭ字形の複数個所の折返し部６
により一体的に形成し、各折返し部６の外端は前
記篭形ストレーナ２の曲面作用部５の円内径より
大きい円外径線Ｒ上に在つて、その円外径線Ｒの
内側で弾力的に拡縮自在である。また、この押え
板３は星形に折曲した第４図の押え板３ａを使用
することも自由である。蛇口管７は第２図に示す
ように非鋳造の角パイプ、丸パイプまたは多角形
パイプなどの管形態によるもので、この蛇口管７
の延長端部８には下向きに開口させた別の吐出口
金９を嵌合部１０を介して取付け、この吐出口金
９の内周面は、平滑にされていて突縁などの引掛
りは何も施されていない内部曲面１１を有する。
この内部曲面１１に前記篭形ストレーナ２を逆向
き即ち、前記内部空間２ａ及び曲面作用部５の開
放側を下方に向けて挿入し、その内部空間２ａ
に、押え板３を円外径線Ｒから適宜に押縮めるよ
うに圧縮させながら挿入し、内部空間２ａ内で押
え板３の圧力の弛めると、該押え板３は曲面作用
部５内で弾性復帰し、各折返し部６の圧縮された
分の弾性圧により曲面作用部５を吐出口金９の内
部曲面１１に内側から弾力的に押付けるために、
篭形ストレーナ２を吐出口金９の内部に安定的に
保持できる。また、第３図に示すものは、蛇口管
７の別の実施例で丸パイプによる管形態のものに
曲げ加工を施して吐出口１２を一体的に成形した
蛇口管７ａ示し、その吐出口１２の同じく引掛る
もののない内部曲面１１に前記しずく止めユニツ
ト１を装着する。

いま、湯水混合栓、単水栓などの水栓類により
通常のように湯水を第２図に示す蛇口管７から放
出する、湯水の流体は蛇口管７と通じる吐出口金
９に進入し、その内径を直角方向に遮るように配
置した篭形ストレーナ２の平面作用部４及び該平
面作用部４の外側に介在する押え板３の各折返し
部６の間を通過して外部に放出される。

次に、上記湯水の供給が水栓類により停止され
ると、その止水と同時に、蛇口管７内が負圧にな
るので吐出口金９から進入する空気と入れ替わる
ように残水が吐出口金９から外部へ流出しようと
する。この際、吐出口金９から蛇口管７内へ進入
して残水と入れ替わろうとする空気が、篭形スト
レーナ２の平面作用部４に達した途端に、この平
面作用部４及び平面作用部４と連続している曲面
作用部５の細かい網目の内側に達している残水の
表面に、瞬間的に表面張力が働くために平面作用
部４からの残水の流出は即座に阻止される。ま
た、第３図の別の実施例の場合も上述に準じて作
用する。

（発明の効果） この発明は、上記のように構成したので、次の
利点を有する。

(1) 篭形ストレーナと連続する折返し部のある押
え板とによるしずく止めユニツトを蛇口管の突
縁などの引掛りのない内部曲面を有する吐出口
金または吐出口に取付けるようにしたので、水
栓類の止水と同時にしずく止めユニツトの篭形
ストレーナに表面張力を瞬間的に働かせて残水
の流出を止水と同時に停止できる。

(2) メツシユプレートのプレス加工により篭形ス
トレーナを形成すると共に、その曲面作用部及
びその内部空間に介在させた押え板により、篭
形ストレーナを吐出口金または吐出口の突縁そ
の他引掛るものの全くない内部曲面に確実に支
持できる。

(3) 従来のものと比較して蛇口管の吐出口金また
は吐出口に突縁その他の引掛りを設ける必要が
ないので蛇口管の加工を容易にして生産性を高
め得るばかりでなく、蛇口管が管形態であれ、
鋳造品であれ何れにも使用できる互換性をも備
えている。

【図面の簡単な説明】

第１図イは、篭形ストレーナの平面斜視図、ロ
は、押え板の平面斜視図、第２図は、本案しずく
止めユニツトを装着した蛇口管の部分側断面図、
第３図は、管形態による蛇口管の場合の部分側断
面図、第４図は、押え板の別の実施例の平面斜視
図、第５図及び第６図は従来技術の説明図であ
る。 （主要部分の符号の説明）、１……しずく止め
ユニツト、２……篭形ストレーナ、２ａ……内部
空間、３，３ａ……押え板、５……曲面作用部、
７，７ａ……蛇口管、８……延長端部、９……吐
出口金、１０嵌合部、１１……内部局面、１２…
…吐出口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水栓類に備えた管形態の蛇口管７に於いて、
   該蛇口管７の流路の延長端部８に通じる吐出口金
   ９を嵌合部１０を介して取付け、吐出口金９の吐
   出口１２の内側に、平滑で引掛りのない内部曲面
   １１を形成し、該内部曲面１１に、しずく止めユ
   ニツト１の篭形ストレーナ２の逆向きに挿入し、
   この篭形ストレーナ２の内部空間２ａに、板バネ
   素材の折曲げによる押え板３を介在させ、この押
   え板３の広がり方向に作用しようとする弾性によ
   り、篭形ストレーナ２の曲面作用部５を前記内部
   曲面１１にずり落ちないように安定的に保持させ
   るようにしたことを特徴とする水栓類の蛇口に於
   けるしずく止め装置。