JP7185190B2 - 吐水装置 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明においては、整流部材は、網状体の少なくとも一部の網状構造が整流部材に流入する水の方向と平行な方向に延びるように形成されるので、整流部材中の網状体の網状構造が流入する水の水圧に抗することができ、整流部材の水圧に対する耐久力を高めることができる。さらに、整流部材は、多数の微細孔を形成する網状体を畳み且つ立体的に成形することにより形成されるので、整流部材をコンパクトに構成しても、整流部材内の比較的短い距離の中で、水が網状体の微細孔を複数回効率的に通過しながら整流され、流速分布を均一化することができる。従って、本発明によれば、線径の細い網状体により整流部材を形成した場合であっても、水圧によって整流部材中の網状構造が撓むことを抑制でき、且つ整流部材をコンパクトに構成して流速分布を均一化することができる。
このように構成された本発明においては、整流部材の4つの分割領域全てにおいて、第1孔で抜けなかった気泡を第2孔から抜くことができる。従って、比較的大きな気泡が整流部材内に滞留することで流速分布の均一化が阻害されることをより抑制することができる。
このように構成された本発明においては、第2孔の数は、第1孔の数よりも少ないので、整流部材を通過する水は、開口面積の小さい第1孔を多く通過することになり、第1孔を通過する水のうち少なくとも一部の水の流速が遅くされる。これにより、流速分布をより均一化しやすくすることができる。
また、本発明において、好ましくは、上記第1孔の上記第1開口面積は、0.4mm 2 以下の開口面積である。
また、本発明において、好ましくは、上記整流部材は素線によって形成され、上記素線は180μmよりも細い。
図1は、本発明の一実施形態による吐水装置を備えた手洗器全体を示す斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態による吐水装置の側面断面図である。
図1に示すように、手洗器1は、本発明の一実施形態による吐水装置2と、この吐水装置2から吐出された水を受ける手洗いボウル4と、を有する。吐水装置2は、供給された水をシャワー状に吐水する。吐水装置2は、手洗器用の吐水装置に限られず、キッチンの吐水装置、浴室用の吐水装置であってもよい。
なお、本実施形態においては、用語「水」は、給水源から供給された状態の水、給湯源から供給された状態の湯、湯と水を混合した湯水等を含む意味で用いられている。
また、以下、本発明の一実施形態における説明において、吐水装置2を使用する使用者側(吐水装置2を使用するために吐水装置2の正面に立っている使用者側)から見て吐水装置2の手前側を前方側とし、使用者から見て奥側を後方側とし、吐水装置2を前方から見て右側を右側とし、前方から見て左側を左側として説明している。
整流装置8は、円柱のブロック形状に形成された整流部材であるメッシュ構造体12と、メッシュ構造体12を内部に配置する整流装置本体14と、メッシュ構造体12の下流側に配置された複数の散水ノズルが設けられた散水部材16と、を有する。
図6は図3の整流装置のメッシュ構造体に形成された第1開口面積R1を有する第1孔12aと、第1開口面積R1よりも大きな第2開口面積R2を有する第2孔12bとのそれぞれの数が孔全体の数に占める度数(割合)との関係を測定した結果を示す図であり、図10は図2のメッシュ構造体の孔の開口面積及び孔の数の測定方法を説明する図である。
メッシュ構造体12は、金属素線20によって形成され、水の流れ方向G(図2参照)に垂直な方向のみならず水の流れ方向Gにも比較的高密度な網目構造を有している構造体である。水の流れ方向Gは整流室14aの流路の延びる方向となっている。メッシュ構造体12は、例えばアキュームメッシュである。メッシュ構造体12は、円柱形状に形成されている。すなわち、メッシュ構造体12は、整流室14aの上流端から下流端に向かう方向に一定の厚みDを有するように形成されている。メッシュ構造体12は、一枚のシート状の網状体よりも大きな厚みを有している。メッシュ構造体12は、その上面が整流室14a内の水の流れ方向Gに対して概ね直角となるように配置されている(図2参照)。メッシュ構造体12は、流路に配置されることにより、メッシュ構造体12を通過する水の流速分布を流路の全体にわたって均一化させ整流させる機能を有する。メッシュ構造体12は、樹脂の素線20によって形成されていてもよい。
図4及び図5に示すように、メッシュ構造体12における第2孔12bの数は、第1孔12aの数よりも少ない。また、平面視でも第2孔12bの数は、第1孔12aの数よりも少ない。図6においても、第2開口面積R2を有する第2孔12bの数の合計割合は、第1孔12aの数の合計割合よりも少なくなっている。
図7は、本発明の一実施形態の吐水装置のメッシュ構造体の製造方法を説明する図である。
吐水装置2の製造方法においては、内部流路6aを形成した吐水装置本体6を準備するステップが実行される。また、この吐水装置本体6の内部流路6aに配置され、供給された水の流速分布を整えるメッシュ構造体12を準備するステップが実行される。また、このメッシュ構造体12を通過した水を吐出させるための複数の散水孔18が形成された散水部材16を準備するステップが実行される。これらのステップは順不同で任意に実行されうる。これらのステップの実行完了後、メッシュ構造体12を吐水装置本体6の内部流路6aに配置し、吐水装置本体6に散水部材16を取り付けて吐水装置2を形成するステップが実行される。
図7は、本発明の一実施形態の吐水装置のメッシュ構造体の製造方法を説明する図である。
図7(a)に示すように、メッシュ構造体12の製造方法においては、先ず、メッシュ構造体12を形成する金属素線(金属ワイヤ)20を準備するステップが実行される。金属素線20は例えばステンレス製の素線である。図7(b)の上段に示すように、薄板状のメッシュシート(金網)22aを形成するステップ、又は図7(b)の下段に示すように、生地状のメッシュシート22bを形成するステップが実行される。図7(b)の上段に示すように、準備するステップについで、金属素線20を縦横に織ることにより薄板状のメッシュシート(金網)22aを形成するステップが実行される。或いは、図7(b)の下段に示すように、準備するステップについで、金属素線20を編むことにより生地状のメッシュシート22bを形成するステップが実行される。生地状のメッシュシート22bは、タオル生地程度の厚みを有しながら薄板状のシートを形成している。これらのメッシュシート22a、22bは、網目により多数の微細孔を形成する網状体を形成する。
より具体的には、メッシュ構造体12は、図7(c)の上段に示すような折り畳まれたメッシュシート22a、22bを、水の流れ方向Gと同じ方向(メッシュシート22a、22bを折り畳んだ状態の上面から押しつぶす方向)に圧縮成形することにより形成される。或いは、メッシュ構造体12は、図7(c)の下段に示すようなロール状に畳まれたメッシュシート22a、22bを、このロール状のメッシュシート22a、22bの軸心方向L(水の流れ方向Gと同じ方向)に圧縮成形することにより形成される。このとき、ロール状のメッシュシート22a、22bは軸心方向Lに潰されて成形される。ロール状のメッシュシート22a、22bを軸心方向Lに圧縮成形することにより、メッシュシート22a、22bを半径方向及び円周方向に比較的均一に広がるように成形することができる。
このようにメッシュ構造体12は、メッシュシート22a、22bを、メッシュシート22a、22bの少なくとも一部の網状構造24が流入する水の流れ方向Gと平行な方向Hに延びるように畳み且つ立体的に成形することにより形成される。よって、メッシュ構造体12は、流入する水の流れ方向Gと平行な方向に延びる網状構造24を備える。また、メッシュシート22a、22bのそれぞれの網目の大きさが成形前にほぼ均一であったとしても、圧縮成形することにより、メッシュ構造体12には、第1孔12a及び第2孔12bの少なくとも2種類の孔が形成される。
図8は、図2のメッシュ構造体の断面を拡大して示し、メッシュ構造体に流入する水の流速分布が均一化される様子を説明する図であり、図9は、図2のメッシュ構造体の断面を拡大して示し、気泡がメッシュ構造体から抜ける様子を説明する図である。図9においては、水の流れの向きを矢印Fにより示している。
さらに、メッシュ構造体12は、多数の微細孔を形成するメッシュシート22a、22bを畳み且つ立体的に成形することにより形成されるので、メッシュ構造体12をコンパクトに構成しても、メッシュ構造体12内の比較的短い距離の中で、水がメッシュシート22a、22bの微細孔を複数回効率的に通過しながら整流され、流速分布を均一化することができる。
従って、本発明によれば、線径の細いメッシュシート22a、22bによりメッシュ構造体12を形成した場合であっても、水圧によってメッシュ構造体12中の網状構造24が撓むことを抑制でき、且つメッシュ構造体12をコンパクトに構成しても流速分布を均一化することができる。
本発明によれば、メッシュシート22a、22bをロール状に畳んだ上で圧縮成形しているため、メッシュ構造体12の端部だけのみならず、メッシュ構造体12の中央部にも水圧に抗する網状構造24が形成される。これにより、メッシュ構造体12の中央部も水圧に対する耐久力を高くすることができる。
さらに、メッシュシート22a、22bをロール状に畳む場合、メッシュシート22a、22bを折り畳む場合と比べて、畳んだメッシュシート22a、22bの厚みが大きくなるという課題が生じる。本発明によれば、メッシュシート22a、22bをロール状に畳んだ後圧縮成形することにより、メッシュ構造体12をコンパクトに構成することができる。
これに対し、本実施形態による吐水装置2によれば、メッシュ構造体12には、第1開口面積R1を有する第1孔12aと、第1開口面積R1よりも大きな第2開口面積R2を有する第2孔12bとが形成されている。これにより、第1孔12aで抜けなかった気泡Kを第2孔12bから抜くことができる。従って、比較的大きな気泡Kがメッシュ構造体12内に滞留することで流速分布の均一化が阻害されることを抑制することができる。
さらに、メッシュ構造体12は、多数の微細孔を形成するメッシュシート22a、22bを畳み且つ立体的に成形することにより形成されるので、メッシュ構造体12をコンパクトに構成しても、メッシュ構造体12内の比較的短い距離の中で、水がメッシュシート22a、22bの微細孔を複数回効率的に通過しながら整流され、流速分布を均一化することができる。
従って、本発明によれば、線径の細いメッシュシート22a、22bによりメッシュ構造体12を形成した場合であっても、水圧によってメッシュ構造体12中の網状構造24が撓むことを抑制でき、且つメッシュ構造体12をコンパクトに構成しても流速分布を均一化することができる。
2 吐水装置
4 ボウル
6 吐水装置本体
6a 内部流路
8 整流装置
10 給水管
12 メッシュ構造体
12a 第1孔
12b 第2孔
14 整流装置本体
14a 整流室
16 散水部材
18 散水孔
20 金属素線
20a 断面
20b 側面
22a メッシュシート
22b メッシュシート
24 網状構造
26 成形機
A 中心線
B 中心線
C1 分割領域
C2 分割領域
C3 分割領域
C4 分割領域
E 開口面積
F 矢印
F1 矢印
F2 矢印
F3 矢印
F4 矢印
F5 矢印
F6 矢印
F7 矢印
G 水の流れ方向
H 方向
J 渦
K 気泡
L 軸心方向
M 断面
N 水の流れ方向Gに対して垂直な方向
P 距離
R1 開口面積
R2 開口面積
W 壁面
Claims (5)
- 供給された水をシャワー状に吐水する吐水装置であって、
内部に供給された水を通過させる流路を形成する吐水装置本体と、
この吐水装置本体の上記流路に配置され、供給された水の流速分布を整えるために一定の厚みを有するブロック形状に構成され、内部に多数の微細孔が形成された整流部材と、
この整流部材を通過した水を吐出させるための複数の散水孔が形成された散水部材と、を有し、
上記整流部材には、上記多数の微細孔として、上記整流部材に供給される水の流れ方向に対して平行な断面において、第1開口面積を有する第1孔と、上記第1開口面積よりも大きな第2開口面積を有する第2孔とが形成されていると共に、上記整流部材の下流領域部分における上記整流部材に供給される水の流れ方向に対して垂直な断面において、上記第1孔と、上記第2孔とが形成されていることを特徴とする吐水装置。 - 上記整流部材には、平面視において、上記整流部材を左右に二等分する第1中心線と、前後に二等分する第2中心線とで区分けされる4つの分割領域全てに上記第2孔が形成されている、請求項1に記載の吐水装置。
- 上記第2孔の数は、上記第1孔の数よりも少ない、請求項1又は2に記載の吐水装置。
- 上記第1孔の上記第1開口面積は、0.4mm2以下の開口面積である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吐水装置。
- 上記整流部材は素線によって形成され、上記素線は180μmよりも細い請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吐水装置。
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