JPH0322739Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は金属製メガネフレームの鼻当てパツト
に関するものである。

（従来技術） メガネフレームは所定のレンズを保持するため
のもので、フロントフレームの枠にレンズを止着
し、顔に掛けられる訳であるが、両耳と鼻とで支
えられている。耳にはフロントフレームの両側に
ロウ付けされたヨロイに蝶番を介して開閉自在に
連結されているツルが掛けられ、一方、鼻の両脇
には上記枠に付着されている鼻当てパツトにより
支えられている。ところで、従来の鼻当てパツト
はセルロイドやシリコン樹脂等を材質として用い
ており、該鼻当てパツトにこのような材質を用い
る理由は色々存在する訳であるが、主な理由とし
てはこれらの材質は耐食性が高く、金属材に比
べ、熱伝導率が極めて低くて、顔に掛けた際に冷
たく感じない為であり、また、肌当りはよく、さ
らに金属材質に比べ比重はかなり小さい為でもあ
る。しかし、このような樹脂で成形された鼻当て
パツトは材質自体の比重は小さいものの、パツト
の厚さは強度上厚くしなければならず、決して重
量的に低いものではない。しかも近年の流行の主
流でもあるチタン等の軽金属を用いたスリムなメ
ガネフレームにおいて、鼻当てパツト部のみ樹脂
が用いられていることは非常にアンバランスでも
ある。フアツシヨン志向の高い該メガネフレーム
は、レンズを止着する枠や、ツルの太さにバラン
スし得る鼻当てパツト形態が望まれる。また一
方、製作上においても問題点が存在しており、樹
脂で成形されたパツトをフレームに取着する場
合、直接ロウ付けすることはできず、該パツトに
金具を埋着し、該金具を介してボツクスに揺動自
在に軸支されている訳であつて、製作が面倒であ
るのみならず、特に柔軟性の高いシリコン樹脂製
パツトであれば、離型性が高いため該金具の埋着
手段も決して容易でない。

（本考案の目的） このように、従来から用いられている鼻当てパ
ツトにも、上記のごとき問題点が存在している訳
であり、本考案はこれら問題点の解決を目的とし
て考案されてもので、より軽量でスリムな金属製
メガネフレームに調和した金属製の鼻当てパツト
を提供する。

（本考案の構成） 本考案に係る鼻当てパツトは上記問題点を解決
するため、次の特徴をもつて構成されている。

(1) 直接鼻両脇に当るパツトは金属製であつて、
必要最低限の剛性を満たした厚さの薄い板状の
ものから成つている。勿論、外周部は絞り加工
されて多少湾曲させることで剛性の向上と、鼻
との当り感触を良くしており、しかも、腐食し
ない材質を用いるか、若しくは腐食しないよう
に金メツキ等を施している。

(2) パツトの裏面には止め金具を突出させ、フレ
ームにロウ付け付着されたアームとの連結を図
つている。

(3) この場合、上記止め金具はアーム端に形成さ
れている孔に挿入され、該孔から抜けないよう
にクリツトを止め金具先端部に嵌着している。
しかし、該パツトには多少の動きは必要である
が自由に回転し得る動きを与えることはできな
いため、回り止めとして上記孔並びに止め金具
の形状が工夫されている。例えばこれら孔形状
及び止め金具断面を多角形断面として回り止め
を行ない、抜け止め用として上記クリツプが作
用する。但、該止め金具の止着手段としてはこ
のようなクリツプを用いることなく、従来の鼻
当てパツト止着手段としてのボツクスを用いて
もよいが、メガネフレームの一層の軽量化を狙
う場合には、比較的重量の大きい該ボツクスを
除去する方が好ましい。

以下、本考案に係るメガネフレームの鼻当てパ
ツトの１実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

（実施例） 第１図は金属材質から成るメガネフレームの１
例であつて、１は枠、２は鼻当てパツト、３はブ
リツジ、４はヨロイ、５はツル、６は蝶番をそれ
ぞれ示している。上記枠１にはレンズが止着さ
れ、両枠１，１はブリツジ２を中心として互いに
対称にロウ付けによつて連結されていて、ブリツ
ジ２の下方には鼻当てパツト２が取着されてい
る。またそれぞれの枠１の外側にはヨロイ４がロ
ウ付けされていて、該ヨロイ４にはツル５が蝶番
６を介して開閉自在に連結されている。ここで枠
１等、メガネフレームの形態は任意である。とこ
ろで、第２図ａ，ｂは本考案に係る鼻当てパツト
２の具体例であつて、直接鼻に当接するパツト７
は接触面８側に僅かにふくらませた滑らかな曲面
として、材質は耐食性の高い金属製であるか、若
しくは外表面に金メツキ等を施している。したが
つて、裏面９には直接止め金具１０がロウ付けさ
れており、該止め金具１０はアーム１１先端に形
成された孔１２に挿入され、止め金具１０の先端
に止着されたクリツプ１３により抜け止めを防止
している。また、上記アーム１１の孔１２形状、
並びに止め金具１０断面は第３図に示すごとく四
角形を成し、該止め金具１０が孔１２内で自由に
回転することを防止している。勿論、該四角形は
止め金具１０、すなわち、パツト７の回転防止の
ためであつて、必ずしも四角形にする必要はな
い。但し、該パツト７は鼻に当接した際、鼻形状
になじむように止め金具１０と孔１２との間には
多少の隙間１４を持ち、一定範囲内での動きに自
由度を与えている。ここで、パツト７を止着して
いるアーム１１は第１図に示すごとく、その根本
は枠１にロウ付けされ、両パツト７，７はそれぞ
れ中立軸に対し、対称に位置づけされている。こ
のように、パツト７の止着手段としてはアーム１
１先端に形成された孔１２にクリツプ止めされる
のみならず、従来一般に用いられているボツクス
に軸支しても良い。

以上述べたように、本考案に係る鼻当てパツト
はパツト自体を耐食性の高い金属、若しくは表面
をメツキすることで形成し、該パツトが鼻と直接
当接する接触面を僅か凸状を成す滑らかな曲面と
し、裏面にはアーム１１に止着するための止め金
具１０を突出しているもので、次の効果を得るこ
とができる。

（効果） (1) 本考案のパツトは金属製であつて、その材質
強度から従来の樹脂製パツトに比べ非常に薄く
なり、重量的にも大幅に削減できる。また、重
量の削減のみならず、金属製のスリムなメガネ
フレームに調和した鼻当てパツトとなり得る。

特にパツト止着手段としてクリツプ止めとす
ることで、従来のボツクスを使用しない場合に
は、フレームとのバランスがよく、非常に軽い
メガネフレームとなり得る。

(2) パツトは金属製であるため、アームへ取着さ
れる止め金具をパツト裏面にロウ付けすればよ
く、樹脂製のパツトに埋着する必要はない。よ
つて、パツトと止着金具の分離といつた事態も
発生しない。

(3) さらにパツト７は熱伝導率の高い金属製であ
るが、厚さが薄いためメガネを着用した際に冷
たく感じることは少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る鼻当てパツトを取着した
メガネフレームであり、第２図ａ，ｂは本考案の
鼻当てパツトの具体例でａは断面図、ｂは裏面か
らの正面図を、第３図は第２図ａのＡ−Ａ断面図
をそれぞれ表わしている。 １……枠、２……鼻当てパツト、３……ブリツ
ジ、４……ヨロイ、５……ツル、６……蝶番、７
……パツト、８……接触面、９……裏面、１０…
…止め金具、１１……アーム、１２……孔、１３
……クリツプ、１４……隙間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 金属製メガネフレームの鼻当てパツトにおい
   て、鼻に直接当接するパツトを薄板で耐食性の
   高い金属板、若しくは金属板の表面にメツキを
   施したもので、接触両側を僅か凸状とした滑ら
   かな曲面でもつて形成し、裏面側には止め金具
   を突出させ、該止め金具を枠にロウ付けされた
   アーム端に形成した孔に挿入して、クリツプを
   介して止着したことを特徴とするメガネフレー
   ムの鼻当てパツト。 (2) 上記止め金具をアーム先端に取着したボツク
   スに止着した実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のメガネフレームの鼻当てパツト。