JPH03225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、放出された賞球が賞球皿を満し、更
にこの賞球が賞球放出樋にまで溢れるようになつ
たとき、遊技を自動的に停止するようにしたパチ
ンコ機の遊技停止装置に関する。

既に知られる様に、賞球皿に放出された賞球を
抜取らずに放置してこれが賞球放出樋にまで留る
状態になると、単に球詰りの状態を招来するばか
りでなく賞球放出樋に続く賞球装置に球詰りが進
行してその正常な作動を妨げたり、更には装置の
故障を来たしたりすることがある。

そこで、従来から賞球皿から溢れ、これに続く
賞球放出樋にまで放出賞球が滞留するような状態
になつたとき、これを検出してパチンコ遊技の基
である打球の発射を停止させる装置が提案され現
在実用化されている。

第１図は従来実用化されている遊技停止装置の
一例を示したものである。ここに示す装置はパチ
ンコ機の基枠板１の背面に沿つて付設された賞球
放出樋２の下端に接続凾体３を接続し、この内部
に下端を支軸４で揺動自由に軸承した検出板５を
設け、常にはこの検出板と凾体３の側壁面との間
に縮設するバネ６で上側が内方に傾倒するよう付
勢する一方、この検出板５の上端に連杆７の一端
を接続し、他端を基枠板１に設ける保持部８に摺
動自由に担持させてその長さの途中に設ける衝合
部９を支軸１０に揺動自由に軸承させた連動部材
１１に臨ませ、通常時、即ち接続凾体内部に賞球
が滞留しないときにはバネ６の付勢で検出板５を
図面上実線で示した様に内方に傾倒させ、これに
よつて連杆７を引き寄せてその衝合部９を連動部
材１１から離し、当該連動部材１１の揺動運動を
自由にして杵杆１２の打撃運動による駒部材１３
の揺動運動をこの連動部材１１を介して打球供給
装置の球送り杆１４に伝えられるようにして打球
の発射を可能としたもので、賞球皿１５に放出賞
球が留り、更にこれが接続凾体３の内部に滞留し
たときには、この賞球の球圧で検出板５を凾体３
の側壁面に押付け連杆７を押出し、衝合部９を連
動部材１１に当接させて球送り杆１４を押上げた
まゝの姿に拘束して打球の供給を止め遊技を自動
的に停止するように構成したものである。

この従来の停止装置は上記構成から接続凾体内
部に賞球が滞留すると、この球圧で検出板５が揺
動し連動部材１１の揺動運動を直ちに停止させる
ことで、その目的を達し得るものとなつている
が、一つの欠点は検出板が下端に揺動支点を有し
ていることから賞球の留りに対して反応が鈍く、
多くの場合接続凾体の上層まで堆積しないと作動
せず、連続した賞球の放出があると、ときとして
賞球放出樋を遡る危険があつた。

また、上記検出板の場合、揺動するとき側壁面
との間に縮設するバネ６を圧縮して連杆７を押出
すことから、バネの圧力に大きく影響され、上記
反応の鈍さを更に増幅している欠点がある。

そして更に、従来の装置は検出板５と連動部材
１１を連絡する連杆７が針金線を素材としている
ため、製造上両者の間の距離に正確に整合させ苦
く、不揃いとなる一方、この連杆の先端部を基枠
板側に設ける保持部８に掛け止めておかないとそ
の衝合部９が連動部材１１に対向せず連動関係が
得られないことから、常にこのための組立作業が
必要となつていた。

本考案は上述した従来装置における欠陥に鑑
み、これを改善すべき考案されたもので、その目
的とするところは接続凾体内部に備える検出板の
反応を敏感にして放出賞球の滞留を正確にキヤツ
チし、速かに遊技の停止をなさしめ、また組立を
簡単にして精度の高い装置を容易に提供すること
にある。

次に、本考案を図示する実施例につき説明しそ
の特徴を詳述すると、第２，３図は本考案に係る
遊技停止装置の一部断面とした正面図で、第２図
は遊技可能状態を、第３図は遊技停止状態を示し
たものである。これら図面の符号２０は打球発射
用の杵杆２１を軸承し、或は発射バンド２２、更
には後述する本考案の諸部品類等を固定するとこ
ろの基枠板で、２３はこの基枠板の背面に沿つて
縦可能に付設した賞球放出樋、２４はこの樋を通
して放出される賞球を受け止め基枠板の前面に備
える賞球皿２５に誘導する凾形に形成してなる接
続凾体で、２６はこの凾体の内部に備えられる検
出板である。

接続凾体２４は賞球放出樋２３の直下にあつて
連通する一方、基枠板２０に開設する連絡口２７
を通してその前面に取付けられる賞球皿２５と繋
げてある。

この接続凾体２４はプラスチツク素材で成形さ
れ基枠板２０に対設する面には鍔状の取付板２８
を一体に延設し、この取付板を介して基枠板の背
面に固定されるようにしてある。

検出板２６は図示するように接続凾体２４の一
側上縁部に植設する支軸２９に板の上部を枢着し
て揺動自由に取付けられ凾体の内部に臨むように
してあり、この枢着端の上に延び出るように設け
られる板状連結部３０には凾体２４の側面から突
出す係合部３１に一端を掛止めたバネ３２を掛
け、その収縮力で常には検出板の下端が跳上り方
向に付勢されるようにしてあり、更にこの連結部
３０には後述する連動部材に臨む連動杆３３が接
続させてある。

連動杆３３は合成樹脂の帯板材を素材として形
成された真直性のある部材で、長さの途中を前記
取付板２８に予じめ設ける環状の支持腕３４に摺
動自由に挿通することによつて凾体の上方を横切
るように組付けられ、その自由な一端は連動部材
３５から垂下する衝合腕３６に臨ませるようにし
てある。

連動部材３５は杵杆２１に連杆３７を介して連
動するよう備えられた駒部材３８の支軸４５を支
点とする揺動運動によつて揺動し、またこれによ
つて突き上げ杆４０を上下動させ基枠板２０の前
面に備える打球自動供給装置の球送り杆４１を揺
動させるものであり、常には突き上げ杆４０側の
端部を支軸４２を支点に下降させ、長さの途中の
下面を駒部材３８の腕４３に滑合させる。

ところで、第２図は常態時における各部の関係
を示しており、ここにおける杵杆２１は打撃を完
了した状態にある。

この姿勢において、図示しないモータの駆動で
カム片４４が矢符方向に回動し杵杆２１が傾倒し
て打撃態勢に入ると、この傾倒に伴つて駒部材３
８が連杆３７に引張られて軸４５を支点に揺動
し、腕４３を連動部材３５の下面に押付けること
になる。このため、この連動部材は支軸４２を支
点に突き上げ杆４０を上昇させ、送り杆４１を揺
動させることになる。

この結果、上賞球皿４６に続けて設けた打球供
給装置の供給樋４７に送り込まれて待機する球は
球送り杆４１によつてその最先頭の球が一個だけ
前進を許され、連通口４８を通して発射バンド２
２の端部に設けられる発射位置４９へと送り出さ
れることになる。一方、この送り出し完了に合せ
てカム片４４から杵杆の滑合部５０が離れること
から、上記発射位置に供給された球は弾発され、
図示しない遊技部へと送り出されることになる。

この球の発射はカム片４４の回転により、各部
が上述の運動を繰り返すことによつて連続的に行
われるもので、この間連動部材３５は杵杆２１の
打撃運動を支軸４２を支点とする揺動運動を通し
て打球供給装置の球送り杆４１に伝え、発射と同
時に次の球を発射位置４９に供給することにな
る。そして、賞球が凾体２４の内部に滞留するこ
となく賞球皿２５に流れ出る間、連動杆３３は後
退し、上記連動部材３５の揺動を自由にして遊技
の継続を可能にする。尚、図中５１は杵杆２１を
付勢するバネである。

さて、第３図は以上の遊技によつて賞球が多数
放出され、これが接続凾体２４の内部にまで滞留
し、堆積した状態を示したもので、凾体内部に設
けた検出板２６を球圧を受けることによつてバネ
３２を引き伸しながら支軸２９を支点に側壁面に
接面し、これに併せて連動杆３３を押出し、先端
部を衝合腕３６に衝き当てて連動部材３５を跳上
げ状態に拘束することになる。

このため、連動部材３５の下面に滑合した駒部
材３８の腕４３が離れ支軸４５を支点に任意に揺
動するため、杵杆１の打撃運動があつても、これ
を球送り杆４１に伝達せず、従つて打球供給装置
からの球の供給が中断され遊技は自動的に中止さ
れることになる。

本考案装置は上述の如く構成されるもので、放
出された賞球が全て賞球皿に排出される常態にお
いては検出板２６はバネ３２の付勢で凾体内部に
突き出した状態を保持し、連動杆３３を後退させ
て連動部材３５の揺動運動を自由にし、打球の供
給を許して遊技の継続をなさしめるが、賞球が凾
体２４の内部に滞留するようになると、検出板２
６の揺動に併せて、直ちに連動部材３５の動きを
拘束し遊技を不能の状能にすることになる。

このとき、本考案においては検出板２６の支点
が上方にあつて垂下した下端が揺動するよう構成
してあることから、接続凾体２４の底部に賞球が
堆積した状態でも、この球圧を受けて揺動し連動
杆３３を押出し前進させるため直ちに打球の供給
を断つことができると共に、検出板は上からの荷
重を受け易くなつていることから敏感に反応し、
賞球放出樋２３に堆積する以前に正確に遊技を停
止させることができる。

また、本考案においては、検出板と連動部材３
５との間に介挿した連動杆を真直性を有した素材
にして長さ寸法を予じめ確定できるものにしたこ
とから検出板の揺動を正確に伝えることが可能で
あり、賞球の堆積による故障等を確実に防止でき
る効果がある。

また、上記連動杆の真直性に併せ、本考案にお
いては一端を検出板に枢着した該連動杆を接続凾
体２４と一体をなす取付板に設ける支持腕３４に
長さの途中を支持させ、他端を連動部材の衝合腕
に向けて突き出すようにしたことから、接続凾体
２４を基枠板２０に組付ける作業に併せてその取
付けが完了し、また同時に連動部材３５との関係
位置も決定するため、前記従来例に比較して遥か
に正確に、且つ迅速に組立られる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す説明図で、第２図は本考
案に係る遊技停止装置の一部断面とした正面図、
第３図は遊技停止状態を示す一部断面とした正面
図である。 ２０……基枠板、２３……賞球放出樋、２４…
…接続凾体、２５……賞球皿、２６……検出板、
２９……支軸、３２……バネ、３３……連動杆、
３４……支持腕、３５……連動部材、４１……球
送り杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基枠板背面に付設される賞球放出樋の下端を接
   続し基枠板前面に備える賞球皿に放出賞球を誘導
   する接続凾体の一側上縁部に支軸を植設し、これ
   に検出板を軸承させて接続凾体内部に吊設状に備
   え、常にはバネで揺動下端部を内方に突き出すよ
   う付勢する一方、接続凾体の上方には支持腕を介
   して摺動自由に支持される連動杆を横設し、その
   一端を打球供給装置の球送り杆を揺動せしめる連
   動部材に対設させ、他端を上記検出板の上部揺動
   端に連結させて接続凾体内部に賞球が堆積しない
   常態時には上記検出板の内方への突き出しに伴わ
   せて前記連動杆を連動部材から後退させ、堆積時
   には賞球の押圧で検出板を揺動させて連動杆を連
   動部材側に前進させ、該連動部材を球送り杆に当
   接させてその球送り揺動運動を停止させるように
   したパチンコ機の遊技停止装置。