JPH0321965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 考案の技術分野 本考案は円板形タイプホイールを有するシリア
ルプリンタにおける活字選択動作の安定化を図つ
た活字選択機構に関するものである。

(b) 技術の背景 タイプホイール式シリアルプリンタは、ドツト
マトリツクス式のものに比較して印字速度は遅い
が、印字品質が良いことから広く一般に用いられ
ている。しかし従来のタイプホイール式シリアル
プリンタにおいては、多数の活字フインガーを有
する円板形タイプホイールを活字選択機構により
回動させ、その回転量によつて印字すべき活字の
選択が行なわれるものであるから活字選択動作に
不安定な技術的欠陥があると、該選択された活字
フインガーを印字ハンマの印字動作によりインク
リボン及び印字用紙を介してプラテンに衝打させ
て印字を行うとその印字品質が著しく損なわれ
る。

(c) 従来技術と問題点 第１図は従来のシリアルプリンタの活字選択機
構を説明するための斜視図であり、同図において
１は活字選択用モータであり、該モータ１はイン
クリボン７及び印字用紙８が添設されたプラテン
６軸に沿つて水平方向に移動可能なキヤリツジ５
上に搭載され、該モータ１の回転軸の一方に、活
字を設けた多数のフインガーを有する円板形タイ
プホイール２が取り付けられている。又その回転
軸の他方には活字選択動作安定化用フリクシヨン
ドラム３が取り付けられると共に、該フリクシヨ
ンドラム３に対して所定のフリクシヨン力で摺接
する形に略コの字形のトルク制御用スプリング４
が挾設されている。

そして印字を行う場合には、上記活字選択用モ
ータ１が搭載されたキヤリツジ５をプラテン６軸
に沿つて水平方向に移動させて印字の位置決めを
行い、活字選択用モータ１を印字信号により回転
させることにより前記円板形タイプホイール２を
回転させ、前記モータ１の回転軸の他方に設けた
フリクシヨンドラム３に対するトルク制御用スプ
リング４のフリクシヨン力によつて該タイプホイ
ール２を振動、ハンチングさせることなく所望の
活字を所定印字位置に選択的に配置され、該活字
に対して印字ハンマ機構９を動作させることによ
り所望の文字が印字される。

しかしながら上記のようにフリクシヨンドラム
３に対して所定のフリクシヨン力で摺接する形に
挾設された従来のトルク制御用スプリング４のフ
リクシヨン力は固定化され、可変調節することが
出来ないため、長時間の印字操作によつて該フリ
クシヨン力が変化しても再調整することが出来な
いといつた欠点があつた。

(d) 考案の目的 本考案は上記従来の欠点に鑑み、活字選択用モ
ータの回転軸の他方に設けたフリクシヨンドラム
に対して摺接する形に挾設されたトルク制御用ス
プリングのフリクシヨン力を、常に所定のフリク
シヨン力となるように調節でき、安定した活字選
択動作を行うことができる新規なシリアルプリン
タの活字選択機構を提供することを目的とするも
のである。

(e) 考案の構成 そしてこの目的は本考案によれば、水平方向に
移動可能なキヤリツジ上に搭載された活字選択用
モータの回転軸に、活字を設けた多数のフインガ
ーを有するタイプホイールが取り付けられ、かつ
活字選択動作安定化用フリクシヨンドラムが取り
付けられると共に、該フリクシヨンドラムに摺接
する形にトルク制御用スプリングが配設された活
字選択機構において、上記フリクシヨンドラムに
対するトルク制御用スプリングの摺接圧を、可変
調節する調節機構を設けたことを特徴とするシリ
アルプリンタの活字選択機構を提供することによ
つて達成される。

(f) 考案の実施例 以下図面を用いて本考案の実施例について詳細
に説明する。

第２図は本考案に係るシリアルプリンタの活字
選択機構の一実施例を示す斜視図である。尚、第
１図と同等の機能を示す部分には同一符号を付し
た。図によつて明らかように本考案においては、
スプリング２１の摺接圧の調整機構２０は、スプ
リング２１、固定部材２３及び調節ネジ２２から
成つている。キヤリツジ５上に搭載された活字選
択用モータ１の回転軸の他方に設けた活字選択動
作安定化用フリクシヨンドラム３に対して、嘴状
に開いた略コの字形のトルク制御用スプリング２
１が摺接する形に挾設されている。又、該トルク
制御用スプリング２１は、活字選択用モータ１の
回転軸と直交する方向に固定部材２３に切られた
メネジに螺合する調節ネジ２２によつて微動調節
可能となつている。

従つて、上記のように構成された活字選択機構
にあつては、活字選択用モータ１によつて回動す
る前記フリクシヨンドラム３に挾設されて成るト
ルク制御用スプリング２１を、調節ネジ２２によ
つて微動し、該フリクシヨンドラム３に対する摺
接圧を可変調節することにより容易に所望のフリ
クシヨントルクを得ることができるので、印字操
作時における活字選択動作を常に安定化させるこ
とが可能となる。

尚、前記スプリング２１はドラム３の２ケ所で
摺接するような形状にしたが、これに限らず１ケ
所で摺接するような形状でも同様の効果が得られ
る。

(g) 考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案に係る
シリアルプリンタの活字選択機構によれば、活字
選択用モータによつて回動する活字選択動作安定
化用フリクシヨンドラムに挾設されて成るトルク
制御用スプリングを調節ネジ２２によつて微動す
ることにより、該フリクシヨンドラムに対する摺
接圧が容易に可変調節され、常に所望のフリクシ
ヨントルクを得ることができる。従つて印字操作
時における活字選択動作を常に安定化し得る利点
を有し、良印字品質の印字を行うことができる等
多くの実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシリアルプリンタの活字選択機
構を説明するための斜視図、第２図は本考案に係
るシリアルプリンタの活字選択機構の一実施例を
示す斜視図である。 図面において、１は活字選択用モータ、２は円
板形タイプホイール、３は活字選択動作安定化用
フリクシヨンドラム、５はキヤリツジ、２０は摺
接圧の調整機構、２１はトルク制御用スプリン
グ、２２は調節ネジ、２３は固定部材を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平方向に移動可能なキヤリツジ上に搭載され
   た活字選択用モータの回転軸に、活字を設けた多
   数のフインガーを有するタイプホイールが取り付
   けられ、かつ活字選択動作安定化用フリクシヨン
   ドラムが取り付けられると共に、該フリクシヨン
   ドラムに摺接する形に、トルク制御用スプリング
   が配設された活字選択機構において、上記フリク
   シヨンドラムに対するトルク制御用スプリングの
   摺接圧を、可変調節する調節機構を設けたことを
   特徴とするシリアルプリンタの活字選択機構。