JPH03218858A - ライン型熱転写記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、熱転写記録型プリンタや、複写機、ファクシ
ミリ等の熱転写記録装置に関し、特にカラー熱転写記録
或は、多数回転写が可能な熱転写記録材を使用できるラ
イン型熱転写記録装置に関する。

［従来の技術］ 近年、熱転写記録装置はノンインパクトで無騒音、メン
テナンスフリー　低コスト、小型計量化可能、カラー化
可能等の特徴を有するために、ファクシミリ、コンピュ
ータ端末、レコーダ等多くの分野で用いられている。こ
の様な熱転写記録装置は、サーマルヘッドで熱転写イン
クを昇温加熱することで転写紙上に溶融転写、印字、或
は画像を提供するものであり、用いる熱転写記録材の構
造としては、主に基材、基材をサーマルヘッドの熱から
保護する耐熱層及び熱転写インクから構成されている。

しかし、一般の熱転写記録材は、一度転写されるとその
部分のインク層は転写紙上に殆ど転写されてしまい、同
一箇所を複数回転写するのは不可能であった。従って、
この様なワンタイム型熱転写記録材は極めて不経清であ
った。

この様な不経済性を解消するため、特開昭５５−１０５
５７９号、特開昭５７−１８５１９１号、特開昭６０−
４０２９３号、特開昭６３−１３７８９１号公報に示さ
れるように、多孔質樹脂マトリクス中に熱転写インクを
含浸、或は熱転写インク層上に多孔質膜を設け、転写時
にインクが漬み出し、転写紙上に転写される技術が考案
されている。しかし得られる印字の濃度は低く、高濃度
の印字を得るには高エネルギーが要求され、ヘッド或は
基材の耐熱性等に支障があったり、転写紙への地汚れが
目立つといった課題があった。

そこで特開昭５６−８９９８４号、特開昭５７−３６６
９８号公報その他にみられるような基材上にインク層と
の接着性を強固にするため、樹脂を主成分とする中間層
を設け、その上に熱転写インク層を設けることにより、
インク層を順次表面から凝集破壊させて多数回転写を可
能にした技術が考案されている。そして、この方式は、
ヘッドが主走査方向に移動しながら印字を行うシリアル
型サーマルプリンタに次第に採用されてきている。

また、従来のライン型熱転ナ記録装置に用いられるカラ
ー熱転写記録方式は、熱転写インクが均一膜厚に塗工さ
れた熱転写記録媒体を用いた、ディザ方法、或は集中加
熱方法等に代表される面積階調方式か、３次元構造を有
す熱転写記録媒体を用いた、漬み出し型濃度階調方式の
いずれがであった。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、先のような熱転写記録材を用いて多数回転写を
行ってもライン型熱転写記録装置では転写速度が遅いた
めに凝集破壊が制御し難く、転写回数が増すにつれて印
字、印画品貿が劣化するといった課題を有していた。ま
た、ライン型熱転写記録装置で高速化するには回路制御
上、高コスト化を招いてしまうといった課題を有してい
た。

また、カラー熱転写記録に関しても、前述の従来技術の
カラー熟転写記録方式及び熱転写記録媒体では、面積階
調のみでは必要十分な階調能力が出せない、また漬み出
し型濃度階調方式では、熱に対する感度が悪く、印画効
率が悪い等の問題点を有していた。

そこで本発明は、前述したような課頭を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、多数回転写
可能な熱転写記録材を用いて印字品位の優れた転写が可
能なライン型熱転写記＃！装置を提供することにある。

また、フィルムコスト、印画効率を悪化させることなく
インクの階調特性を向上させ、多色面順次方式にてカラ
ー画像を印画した際に色再現範囲が広く、且つ鮮明な画
像が得られることが可能なライン型熱転写記録装置を提
供するところにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明のライン型熱転写記録装置は、記録ヘッドにライ
ンサーマルヘッドを用いるライン型熱転写記録装置に於
て、該ラインサーマルヘッドは、発熱体がヘッド端面の
近傍にあることを特徴とする。

さらに／又は、前記ライン型熱転写記録装置は、熱転写
記録材の１村上に塗布した熱転写インクを、転写直後に
転写紙と剥離することを特徴とする。

さらに／又は、熱転写時に、熱転写記録材の転写紙との
相対速度が異なることを特徴とする。

［作用］ 本発明のライン型熱転写記録装置によれば、サーマルヘ
ッドの発熱体がヘッド端面近傍にあり、熱転写記録材を
加熱転写直後に転写紙と剥離させ、更には熱転写記録材
と転写紙の相対速度を変えることで熱転写インクの凝集
破壊を安定的に制御することができる。その為、多数回
転写可能な熱転写記録材を用いた場合は、印字品位の優
れた転写が可能となる。また、カラーの熱転写記録材を
用いた場合は、印画効率を悪化させることなくインクの
階調特性を向上させ、多色面順次方式にてカラー画像を
印画した際に色再現範囲が広く、且つ鮮明な画像が得ら
れる。

［実施例１ 以下に本発明に基づく実施例及び比較例により、本発明
を具体的に説明するが、言うまでもなく本発明は本実施
例に限定されるものではない。

第１図（Ａ）及び（Ｂ）に本発明に於けるライン型熱転
写記録装置の概略構成図を示す。図で１が熱転写記録材
巻出しロール、２が同巻取りロール、３がプラテンロー
ル、４がサーマルヘッドである。サーマルヘッドは、ア
ルミニウム等で成型した放熱板４ａと、発熱体が形成さ
れているアルミナ等の耐熱絶縁基板ｂで構成されている
。第１図（Ｂ）より解るように、サーマルヘッド上の発
熱体は、絶縁基板端面のグレーズガラス上に設けられて
いる。又、８は転写紙で９が熱転写記録材である。本実
施例で使用しているサーマルヘッドは第２図の断面図の
如く、サーマルヘッドの端面近傍にグレーズを配し、そ
の上に発熱抵抗体を形成している。この様な構造を可能
とするために、グレーズ下に共通電極を配置している。

図で１４がグレーズ、ｌｌａが共通電極、ｌｌｂが個別
電極、１２が保護膜、１３が発熱体の位置である。

又、コストは高くなるが、第３図に示すようなアルミナ
基板側面を使用したヘッドを用いても良い。

この場合は、ｌｌｃが共通電極となる。

次に第４図を用いて、インクが転写されてから剥離され
るまでの転写機構を説明する。発熱体１４と接触する熱
転写記録材９の熱転写インク９ａは、融点或は軟化点以
上に加熱され、転写紙８と接着し、そのままの状態でサ
ーマルヘッド端面の剥離位置まで搬送される。剥離位置
に於て、熱転写インク９ａが溶融、或は軟化状態を保っ
ていれば、ある角度によって熱転写インク９ａと転写紙
８が剥離されることにより熱転写インク層９ａは内部で
凝集破壊する。ここで、発熱体による加熱から剥離まで
の時間は、熱転写記録材の温度特性により適正値は異な
るが、剥離時にインクが溶融または軟化状態が保たれて
いる範囲内であれば構わない。また、熱転写記録媒体の
剥離角度は被転写物の搬送方向に対して５度から８０度
ぐらいが好ましい。　　次に、実施例として上記概念に
乗っ取った方式のライン型熱転写記録装置にて、多数回
転写可能な熱転写記録材及びカラー〇熱転写記録材を用
いて印字、印画実験を行った。まず、多数回転写可能な
熱転写記録材に於ける実施例を説明する。

（実施例１） 多数回転写可能な熱転写記録材９は、第４図に示すよう
な構造のものを用いた。基材９ｂは従来より公知のフィ
ルムや紙を用いることができ、本実施例には厚さ約６μ
のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。また
基材９ｂ上には樹脂を主成分とした中間層９ｃ、さらに
凝集力の低い熱転写インク層９ａが形成されている。こ
こで、熱転写インク層９ａの厚みは、多数回転写しても
品質が劣化しにくいように一般のワンタイムの熱転写記
録材より厚く形成されている。本実施例では熱転写イン
ク層９ａの厚さが約１０μの熱転写記録材を用いた。

次に、ライン型熱転写記録装置に於て、発熱体と端而ま
での距離Ｘが２５０μ、ヘッド解像度が２００ｄｐｉの
構造のサーマルヘッドを用いてラインスピードが２、Ｏ
　ｍｓｅｃ／ｄｏｔで駆動させ転写紙上に多数回転写を
行った。

（実施例２） 実施例１と同じ熱転写記録材を用い、発熱体と端面まで
の距離Ｘが２００μ、ヘッド解像度が３００ｄｐｉのサ
ーマルヘッドを用いたライン型熱転写記録装置により、
ラインスピードも同じ条件で転写紙上に多数回転写を行
った。

（比較例１） 次に発熱体と端面間の距離Ｘが６００μ、ヘッド解像度
が２００ｄｐｉのサーマルヘッドを試作した。このサー
マルヘッドを用い、実施例１と同じ熱転写記録材を用い
２、Ｏ　ｍｓｅｃ／ｄｏｔのラインスビートで同様に転
写紙上に多数回転写を行った。

実施例１及び２では、熱転写専用紙に対して４回まで殆
ど欠陥の無い印字が得られた。それに対して比較例１で
は、２回目で既にボイド及び１文字内に印字濃淡が見ら
れ、印字品質の劣化は顕著であった。また、上記実施例
の条件に於て、ラインスピードを４　ｍｓｅｃ／ｄｏｔ
にした条件では、多数回転写に於て、若干印字品質が低
下した。従って、発熱体と端面間の距１！！ｌｘは、ラ
イン型熱転写記録装置のラインスピードにより決定する
必要がある。

ここで、ラインスピードがシリアル型熱転写記録装置の
様に速い場合ならば、比較例ｌの様に発熱体と端面間の
距ｌＩｉｘが遠くても多数回転写が可能と考えられるが
、ラインヘッドでは信号の数が多く転送スピードが制限
されるため、高速化するには回路制御上、高コスト化を
招いてしまい好ましくない。

以上より多数回転写には、発熱体とヘッド端面間の距離
Ｘをある程度短くすることが必要であることが解った。

更に詳細に検討すると、ラインスピード及び熱転写イン
ク材料の特性により差はあるものの、発熱体と端面間の
距＃ｔｘは５００μ以下が好ましいことが解った。

更に、凝集破壊性を向上するために、転写紙と熱転写記
録材の相対スピードを変え、インク層内にセン断力が働
くようにしてみた。これは、インク層が溶融或は軟化し
て転写紙と接着した後、熱転写記録材が転写紙より速く
または遅く移動することにより、インク層内にズレを発
生させ、より凝集破壊を起こし易くしようとするもので
ある。

まず、熱転写記録材の巻取り力を強くして、転写紙より
熱転写記録材が速く移動するようにした。

すると、印字面以外の部分にも地汚れが発生し好ましく
なかった。

次に熱転写記録材のハックテンションを高め、転写紙よ
り熱転写記録材が遅く移動するようにした。するとある
スピードの条件では印字の切れが良くなり、更に多数回
転写特性が向上するものが得られた。スピード比を変え
て詳細に調べてみると、転写紙に対する熱転写記録材の
スピードが５０％以下では、地汚れや印字不能が発生し
易く、９８％以上では、殆ど効果が得られないことが解
った。

次にカラー熱転写記録材に於ける実施例を説明する。第
ｌ表に実施例３〜５の転写条件を示す。

第１表 また比較例２として加熱から剥離までの時間が長く、イ
ンクが完全に冷えきってから剥離がなされた場合の転写
条件を第２表に示す。

第２表 熱転写記録材は次の組成のイエロー、マゼンタ、シアン
の３色のインクを有すフルカラー用熱転写記録材を用い
た。

第３表にインク組成を示す。

第３表　インク組成 ＥＶＡ：　　　エチレン酢酸ビニル共重合体ＥＥＡ：　
　　エチレンエチルアクワレート共重合体印画パターン
は、転写紙上への１６段階の横縞模様の濃度階調パター
ンとした。印画エネルギーは一色目を転写したときに１
４階調目がフル濃度となるよう通電パルス幅でに調節し
、１５階調以上は過剰エネルギーが付与されるように設
定した。

次に、転写性の評価として各階調毎の転写濃度をＫｏｌ
ｌｍｏｒｇａｎ社製、Ｍ　ａ　ｃ　ｂ　ｅ　ｔ　ｈ　−
ＴＲ−９２７を用い、補色のフィルターを用いた反射ｏ
Ｄ値で測定した。

本実施例及び比較例の階調性の評価結果を次に示す。尚
、以下の図は縦軸は最大ＯＤ値を１．０に規格化した反
射ＯＤを、横軸は転写エネルギーを表している。

第５図に実施例３〜５の、１色目のマゼンタの階調性を
示す。

第６図に実施例３〜５の、２色目のシアンの階調性を示
す。

第７図に実施例３〜５の、３色目のイエローの階調性を
示す。

第８図に比較例２の、１色目のマゼンタの階調性を示す
。

第９図に比較例２の、２色目のシアンの階調性を示す。

第１０図に比較例２の、３色目のイエローの階調性を示
す。

第５図〜第７図に示した通り、実施例３〜５の転写条件
では低印画エネルギー域から高印画エネルギー域に至る
まで階調性に優れており、ほぼ直線的なガンマ曲線が得
られた。またインクの重ね合わせ特性に於いても１色目
から３色目に関してほぼ同等の階調特性が得られた。

それに対して、第８図〜第１０図に示した通り、比較例
２の転写条件では、低濃度域でのインクの転写性が悪い
のに加え、中濃度から高濃度にかけて急激な濃度上昇が
あった。またインクの重ね合わせ特性に於いては、１色
目から３色目の順に階調特性の劣下が認められた。

次に上記実施例３〜５の転写条件に於いて、更に凝集破
壊性を高め、階調特性を向上させるために、熱転写記録
材の転写紙に対するスピードを９２％になるよう設定し
、各色６４階調の３色重ね合わせ転写によるフルカラー
画像を印画した。その結果、得られた画像は、色表現範
囲が広く、滑らかで鮮明な画像が得られた。

以上の結果より、フルカラー画像等を印画した際に、印
画効率を悪化させることなくインクの階調特性を向上さ
せ、多色面順次方式にてカラー画像を印画した際に色再
現範囲が広く、且つ鮮明な画像が得られる為には、イン
クを被転写体に転写し、転写直後に被転写体とインクを
剥離することにより濃度階調を可能にし、更には基材背
面からの加熱から、被転写体との剥離までの間、インク
が溶融状態または軟化状態を保つ事が望ましい。

更に階調特性を向上させるには、熟転写記録材と転写紙
の相対スピードを変えることでより凝集破壊を制御する
ことが望ましい。

尚、本実施例は、イエロー　マゼンタ、シアンの３色に
より構成されるカラ一画像について述べたが、本発明は
これに制限されるものではなくブラックを含めた４色で
のカラープリンタ、或は２色プリンタ等への応用も可能
である。

［発明の効果１ 以上説明したように、本発明のライン型熱転写記録装置
を用いれば、サーマルヘッドの発熱体がヘッド端面近傍
にあり、熱転写記録材を加熱転写直後に転写紙と剥離さ
せ、更には熱転写記録材と転写紙の相対速度を変えるこ
とで熱転写インクの凝集破壊を安定的に制御することが
でき、多数回転写可能な熱転写記録材を用いた場合は、
印字品位の優れた転写が可能となり、またカラーの熱転
写記録材を用いた場合は、印画効率を悪化させることな
くインクの階調特性を向上させ、多色面順次方式にてカ
ラー画像を印画した際に色再現範囲が広く、且つ鮮明な
画像が得られるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）は、本発明のライン型熱転写記録装置の基
本構成図。第１図（Ｂ）は、第１図（Ａ）の記録部の拡
大図。第２図は、本発明に於て使用したライン型サーマ
ルヘッドの断面図。第３図は、ライン型サーマルヘッド
の他の一例断面図。第４図は本発明のライン型熱転写記
録装置を用いた時の転写状態を示す断面図。第５口は、
本発明の実施例の１色目のマゼンタインクの階調性を示
す印画エネルギーと転写濃度の相関図。第６図は、本発
明の実施例の２色目のシアンインクの階調性を示す印画
エネルギーと転写濃度の相関図。第７図は、本発明の実
施例の３色目のイエローの階調性を示す印画エネルギー
と転写濃度の相関図。第８図は、本発明の比較例の１色
目のマゼンタインクの階調性を示す印画エネルギーと転
写濃度の相関図。第９図は、本発明の比較例の２色目の
シアンインクの階調性を示す印画エネルギーと転写濃度
の相関図。第１０図は、本発明の比較例の３色目のイエ
ローの階調性を示す印画エネルギーと転写濃度の相関図
。 １ ２　・ ３　・ ４　・ ４　ａ　・ ４　ｂ　・ ５、　　６ ７ ８　・ ９　・ ９　ａ　・ ９　ｂ　・ ９　ｃ　・ １１ａ １１ｂ ・熱転写記録材巻出しローラー ・熱転写記録材巻取りローラー ・プラテン ・ライン型サーマルヘッドユニット ・放熱板 ・ライン型サーマルヘッド ・・・熱転写記録材送りガイドローラー・転写紙送りロ
ーラー ・転写紙 ・熱転写記録材 ・インク層 ・基材 ・中間層 ・・・共通電極 ・・・個別電極 １ ２ 保護膜 １ ３ 発熱体 １ ４ ・グレーズ 以上

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）記録ヘッドにラインサーマルヘッドを用いるライ
   ン型熱転写記録装置に於て、該ラインサーマルヘッドは
   、発熱体がヘッド端面の近傍にあることを特徴とするラ
   イン型熱転写記録装置。
2. （２）前記ライン型熱転写記録装置は、熱転写記録材の
   基材上に塗布した熱転写インクを、転写直後に転写紙と
   剥離することを特徴とする請求項１記載のライン型熱転
   写記録装置。
3. （３）熱転写時に、熱転写記録材の転写紙との相対速度
   が異なることを特徴とする請求項１記載のライン型熱転
   写記録装置。