JPH0321821Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、特にTIG自動溶接に使用するアー
ク溶接トーチに関するものである。

〔従来の技術〕

第２図は従来のTIG溶接トーチを示す半截断面
図である。図において、１はトーチ本体、２はト
ーチ本体１に設けられた冷却水路、３は冷却水路
２へ給、排水するための冷却水パイプ、４はシー
ルドガスを供給するガスパイプ、５は給電用のネ
ジ金具である。そして、上記冷却水パイプ３、ガ
スパイプ４、及びネジ金具５はトーチ本体１に一
体的にろう付けされている。６はノズルホルダで
あり、トーチ本体１の先端部に螺合している。７
はセラミツク製のノズルで、ノズルホルダ６に螺
合している。８はタングステン電極、９はタング
ステン電極８をつかむコレツトチヤツク、１０は
タングステン電極８を保持するコレツトボデイ、
１１はスペーサ、１２はスペーサ１１を介してコ
レツトチヤツク９を締め付けるキヤツプである。
１３，１４はシールドガスのシール用のＯリング
である。１５は絶縁物から成るトーチホルダで、
トーチ本体１に螺合している。１６はトーチホル
ダ１５をつかみ、機械本体（図示しない）にトー
チ本体１の全体を保持する治具である。１７はワ
ーク（被溶接物）である。

次に、上記第２図に示す従来のTIG溶接トーチ
の動作について説明する。自動溶接ラインにおい
ては、しばしば機械治具回りやワーク１７の形状
等の制約で、タングステン電極８の交換時に、ア
ーク長（第２図に示すＢ）の調整が困難な場合が
ある。第２図に示すトーチ本体１はこのような不
都合を解決しようとしたもので、以下に説明する
ように、あらかじめオフラインにて上記アーク長
を設定できる構成となつている。

タングステン電極８の交換手順を説明すると、
トーチ本体１からコレツトボデイ１０を取り外
し、次いで、キヤツプ１２をゆるめてタングステ
ン電極８をコレツトボデイ１０及びコレツトチヤ
ツク９より引き抜く。次に、新しいタングステン
電極８を挿入してキヤツプ１２を締め付けると、
スペーサ１１を介してコレツトチヤツク９がコレ
ツトボデイ１０との間で締め付けられ、タングス
テン電極８をつかむ。この時、ゲージを使用して
コレツトチヤツク９の先端部からタングステン電
極８の先端部までの距離（第２図に示すＡ）を一
定になるように管理する。このように、タングス
テン電極８、コレツトチヤツク９、コレツトボデ
イ１０、スペーサ１１、キヤツプ１２は一体的に
構成されている。次に、この一体的に構成された
コレツトボデイ１０をトーチ本体１に、コレツト
チヤツク９の先端部がノズルホルダ６の当り面で
あるノズルホルダ６側の基準面６ａに当るまで螺
合する。この時、トーチ本体１は治具１６により
固定されているのでアーク長（第２図に示すＢ）
は一定となる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような従来のTIG溶接トーチは以上のよ
うに構成されているので、タングステン電極８を
コレツトチヤツク９でつかむ時、及びコレツトボ
デイ１０をトーチ本体１内に挿入する時のいずれ
にも、トーチ本体１に対するタングステン電極８
の同芯度を規制する要素がなく、したがつてタン
グステン電極８は芯ずれを起こし、ワーク１７に
対する狙い位置が変化するという問題点があつ
た。

この考案は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、電極を交換する際における芯ずれ
を発生しないTIG溶接トーチを得ることを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るTIG溶接トーチは、コレツトボ
デイの先端部に電極案内部及びノズルホルダに設
けられた電極の上下方向の位置決め基準面と当接
する基準面を備え、またノズルホルダの内面とコ
レツトボデイの外面とが密着嵌合して嵌合部を形
成するインロー部を備えることにより、電極の交
換時における芯ずれを防止するようにしたもので
ある。

〔作用〕

この考案のTIG溶接トーチにおいては、コレツ
トボデイの電極案内部は電極径に近接した内径を
持つことにより、電極とコレツトボデイ間の傾き
を防止し、また、ノズルホルダの内面とコレツト
ボデイの外面とが密着嵌合して嵌合部を形成する
インロー部はノズルホルダとコレツトボデイ間の
傾きを防止する。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例であるTIG溶接ト
ーチを示す半截断面図で、第２図と同一部分又は
相当部分は同一符号を付してあり、その詳細な説
明は省略する。図において、２０はコレツトボデ
イ１０の先端部を伸長した電極案内部、２０ａは
電極案内部２０の内径である。２１はノズルホル
ダ６の内面とコレツトボデイ１０の外面とが密着
嵌合して嵌合部を形成するインロー部である。６
ａはノズルホルダ６側の基準面、１０ａはコレツ
トボデイ１０側の基準面である。

次に、上記第１図に示すこの考案の一実施例で
あるTIG溶接トーチの動作について説明する。電
極案内部２０の内径２０ａはタングステン電極８
の外径に近接して加工されている。キヤツプ１２
を締め付けてコレツトチヤツク９によりタングス
テン電極８をつかむ時、上記電極案内部２０の内
径２０ａによりタングステン電極８の位置を規制
するので、タングステン電極８は倒れることな
く、コレツトボデイ１０の中心に保持される。ま
た、コレツトボデイ１０をトーチ本体１に螺合し
た時、インロー部２１によりノズルホルダ６とコ
レツトボデイ１０は同芯状に配置される。したが
つて、タングステン電極８は常にトーチ本体１の
中心に保持される。アーク長（第１図に示すＢ）
を設定するための基準面は、ノズルホルダ６側の
基準面６ａは従来のものと同じであるが、コレツ
トボデイ１０側はコレツトボデイ１０に設けた基
準面１０ａで構成している。

〔考案の効果〕

この考案は以上説明したとおり、TIG溶接トー
チにおいて、コレツトボデイの先端部に電極案内
部を構成し、また、コレツトボデイとノズルホル
ダとの間にインロー部を構成したので、電極を装
着したコレツトボデイをトーチ本体に装着した
時、常に電極をトーチ本体の中心に配置すること
ができるため、電極の交換に関らずそのアーク狙
い位置精度を高くできるという優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例であるTIG溶接ト
ーチを示す半截断面図、第２図は従来のTIG溶接
トーチを示す半截断面図である。 図において、１……トーチ本体、２……冷却水
路、３……冷却水パイプ、４……ガスパイプ、５
……ネジ金具、６……ノズルホルダ、６ａ……ノ
ズルホルダ６側の基準面、７……ノズル、８……
タングステン電極、９……コレツトチヤツク、１
０……コレツトボデイ、１０ａ……コレツトボデ
イ１０側の基準面、１１……スペーサ、１２……
キヤツプ、１３，１４……Ｏリング、１５……ト
ーチホルダ、１６……治具、１７……ワーク（被
溶接物）、２０……電極案内部、２０ａ……電極
案内部２０の内径、２１……インロー部である。
なお、各図中、同一符号は同一、又は相当部分を
示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トーチ本体より脱着可能に構成したコレツトボ
   デイと、電極をつかむコレツトチヤツクと、この
   コレツトチヤツクを締め付けるキヤツプと、前記
   トーチ本体に螺合し、電極の上下方向の位置決め
   基準面を有するノズルホルダとを備えたTIG溶接
   トーチにおいて、前記コレツトボデイの先端部に
   電極案内部及び前記ノズルホルダに設けられた電
   極の上下方向の位置決め基準面と当接する基準面
   を備え、前記ノズルホルダの内面と前記コレツト
   ボデイの外面とが密着嵌合して嵌合部を形成する
   インロー部を備えたことを特徴とするTIG溶接ト
   ーチ。