JP2549952Y2 - 非消耗電極式アーク溶接用の溶接トーチ - Google Patents

非消耗電極式アーク溶接用の溶接トーチ

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JP2549952Y2
JP2549952Y2 JP1990055634U JP5563490U JP2549952Y2 JP 2549952 Y2 JP2549952 Y2 JP 2549952Y2 JP 1990055634 U JP1990055634 U JP 1990055634U JP 5563490 U JP5563490 U JP 5563490U JP 2549952 Y2 JP2549952 Y2 JP 2549952Y2
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正徳 辻本
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日本ビンツエル株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案はTIG溶接時の非消耗電極式アーク溶接用の
溶接トーチに関するものである。
(従来の技術及びその問題点) 水冷式TIG溶接トーチにおいては、タングステン電極
を保持する電極保持機構、電極に対する給電機構、及び
これらを冷却するための冷却機構をそれぞれ備える必要
があることから、その構造が複雑になって、大形化し、
また重量が大となるという欠点がある。
また従来のTIG溶接トーチにおいては、ノズルから流
出するシールドガスを整流し、シールド性能を向上する
ために、ガスレンズが使用されている。しかしながら上
記従来のガスレンズを使用した溶接トーチにおいては、
ガスレンズにスパッタが付着し易く、安定な整流効果の
得られる期間が短いという不具合もある。
この考案は上記従来の欠点を解決するためになされた
ものであって、その目的は、その構成が簡素で、小形か
つ軽量であると共に、ガスレンズによる整流効果を長期
間にわたって維持することが可能な非消耗電極式アーク
溶接用の溶接トーチを提供することにある。
(問題を解決するための手段) そこで第1請求項記載の非消耗電極式アーク溶接用の
溶接トーチは、内外二重壁を備えた環状の冷却通路を本
体筒状部内に配置し、上記環状冷却通路の内壁を、先端
側に拡径したテーパ状に形成すると共に、電極を保持す
るコレットホルダのテーパ部を上記テーパ状内壁に嵌合
させ、このコレットホルダを背部側へと押圧する押圧手
段を設け、さらに上記内壁からコレットホルダを経由し
て電極へと給電するため上記内壁を給電路に接続する一
方、上記冷却通路の筒状の外壁は、内壁の先端面を越え
てさらに先端側へと導出し、上記内壁の先端面よりも先
端側の外壁の内側には多孔質焼結材より成る筒状のガス
レンズを接触、保持し、上記外壁の内周部と上記ガスレ
ンズの外周部との間に環状のガス流路を形成し、上記ガ
ス流路に対し、上記外壁に設けたガス孔からシールドガ
スを供給することを特徴としている。
また第2請求項記載の非消耗電極式アーク溶接用の溶
接トーチでは、上記給電路はパイプにて構成され、その
内部から上記冷却通路に冷却体を供給すべく構成されて
いることを特徴としている。
(作用) 上記第1請求項記載の非消耗電極式アーク溶接用の溶
接トーチでは、環状冷却通路の内壁が、コレットホルダ
を締付けるためのものとして機能すると共に、さらにコ
レットホルダを冷却するためのものとしても機能するの
に加え、給電用接触面としても機能する。つまり環状冷
却通路の内壁は、冷却、電極保持、通電の3つの機能を
兼ね備えることになる。しかも上記コレットホルダのテ
ーポ部が、押圧状態で冷却通路の内壁に接触することか
ら、良好な冷却能が得られる。
さらに上記溶接トーチにおいては、ガスレンズが焼結
材で構成されているために、ガス通過孔は、その孔径が
小さく、均一に分散した状態となることから、整流効果
を改善できる。またその形状が円筒形であるため、その
直径を大きくしなくても、軸方向の長さを増加すれば充
分なガス通過面積を確保し得ることから、面積確保に起
因するトーチ径大化が防止できることになる。しかもガ
スレンズがスパッタ飛散方向に直交しているのではない
ことに加え、ガスレンズが冷却通路の外壁を介して冷却
され、高温化が防止できるために、スパッタ付着量が減
少する。
また第2請求項記載の非消耗電極式アーク溶接用の溶
接トーチでは、冷却体の供給通路と給電路とを兼用して
いることから、部品点数の低減が図れる。
(実施例) 次にこの考案の非消耗電極式アーク溶接用の溶接トー
チの具体的な実施例について、図面を参照しつつ詳細に
説明する。
第2図に示すように、この溶接トーチは、トーチ本体
1と、ガスレンズ10と、コレットホルダ20と、後部キャ
ップ30と、ノズル40と、タングステン等の電極50とを備
えている。
上記トーチ本体1の先端部には、筒状部2が連設さ
れ、この筒状部2に、第1図に拡大して示すように、冷
却水パイプ3と、シールド用のガスパイプ4とがそれぞ
れ導入されている。上記冷却水パイプ3は環状の冷却通
路5に連通している。上記冷却通路5は、筒状の内外両
壁6、7を備えたもので、内壁6は下方ほど径大なテー
パ状に形成されている。また上記外壁7は、上記冷却通
路5の部分よりもさらに下方へと延設されると共に、上
記ガスパイプ4と連通するガス孔が形成されている。そ
して上記外壁7の内側に上記ガスレンズ10が配置され、
両者間に環状ガス流路8が形成されている。
上記ガスレンズ10は、焼結金属製の円筒状多孔質のも
ので、上記環状のガス流路8内に導入されたシールドガ
スを、整流してノズル40から供給するためのものであ
る。なおこのガスレンズ10には、その下端部に外フラン
ジ11が形成されている。
上記コレットホルダ20は、その下端側に把持爪部21
を、また中途部にテーパ部22を、さらに上端側にねじ部
23を備えるもので、このテーパ部22は、上記テーパ状の
内壁6に嵌合し得るようなされている。
上記後部キャップ30は、上記コレットホルダ20及び電
極50の上端側を覆うためのものであって、その下端部に
は、上記コレットホルダ20のねじ部23に螺合する雌ねじ
部31が形成されている。
ところで上記トーチ本体1は、第2図のように、合成
樹脂製の把持部15に支持される訳であるが、この支持
は、把持部15に設けた嵌合孔16内に、トーチ本体1に設
けた嵌合部17を嵌合することによって行われる。この場
合、嵌合孔16及び嵌合部17は、断面正多角形(例えば、
正六角形)に形成されており、把持部15に対するトーチ
本体1の支持角度を変更し得るようなされている。
上記溶接トーチの組立手順について説明する。まずコ
レットホルダ20の内部に電極50を挿入すると共に、その
外側に上記ガスレンズ10を嵌挿する。次いでこの状態で
上記コレットホルダ20を、その上端側から上記筒状部2
内に挿入して、そのテーパ部22を、冷却通路5のテーパ
状内壁6に接触させる。そうすると、コレットホルダ20
の上端側、つまりねじ部23が冷却通路5を越えて上方へ
と導出されることになるため、このねじ部23に、上記後
部キャップ30の雌ねじ部31を螺合させる。上記後部キャ
ップ30の下端面は、図のように筒状部2の上部に当接す
ることになるため、螺合の進展によって、コレットホル
ダ20は次第に引上げられ、この結果、テーパ部22がテー
パ状内壁6に押圧、接触することになり、これにより把
持爪部21が内方へと変位して上記電極50を保持すること
になる。そして上記ノズル40を筒状部2の下端へ螺着
し、これによりガスレンズ10を筒状部2内に止定する。
この際、ガスレンズ10の上端側が冷却通路5の下端面
に、またガスレンズ10の下端部に設けた外フランジ11が
外壁7の下端部にそれぞれ当接することとなり、このこ
とによって上記ガス流路8の内外が、ガスレンズ10によ
って区画される。
そして上記溶接トーチにおいては、電極50への通電
は、冷却水パイプ3から内壁6、コレットホルダ20をそ
れぞれ経由して行われる。
上記構造の溶接トーチでは、環状の冷却通路5のテー
パ状内壁6が、コレットホルダ20を締付けるためのもの
として機能するのに加え、さらにコレットホルダ20を冷
却するための伝熱面、及び給電用接触面としてもそれぞ
れ機能することになる。すなわち環状内壁6が3つの機
能を兼ね備えることになる訳で、これによって溶接トー
チのコンパクト化が図れることになる。しかもコレット
ホルダ20のテーパ部22と内壁6との接触状態を良好に維
持し得ることから、良好な冷却能が得られ、これによっ
てもトーチの小形化を図ることが可能になる。また冷却
水パイプ3を通電路として活用することから、これによ
っても部品点数を減少して、トーチのコンパクト化が図
れることになる。
そして多孔質の焼結金属製の円筒状ガスレンズ10を使
用していることによって、次のような利点を生ずる。ま
ず第1図には、焼結金属製であるために、ガス通路孔径
が小さく均一であり、そのため従来の金属網製のガスレ
ンズに比較すると、シールドガス整流効果が一段と優れ
ているということである。また第2には、筒状部2の内
周に沿って配置し得る筒状形であるために、従来のよう
に金属網製のガスレンズを、電極50とは直交する面上
に、その周囲を囲むように配置する場合に比較して、余
分なスペースを要さず、これにより筒状部2のコンパク
ト化が図れるということである。しかも上記実施例のよ
うに円筒状に配置した場合には、直交面上に配置する従
来の場合よりも、スパック付着量が減少するため、目づ
まりを生じ難く、この結果、安定したガス整流効果を長
期間にわたって確保し得ることにもなる。またそれに加
えてガスレンズ10が冷却通路5の外壁7を介して冷却さ
れ、その高温化が防止できることから、これによっても
スパッタ付着量が減少し、安定したガス整流効果を長期
間にわたって確保し得ることになる。以上にこの考案の
非消耗電極式アーク溶接用の溶接トーチの一実施例の説
明をしたが、この考案は上記実施例に限られるものでは
なく、種々変更して実施することが可能である。
(考案の効果) 以上のように第1請求項記載の非消耗電極式アーク溶
接用の溶接トーチでは、環状冷却通路の内壁が、冷却、
電極保持、通電の3つの機能を兼ね備えることになる訳
で、これにより溶接トーチの簡素化、コンパクト化、及
び軽量化が図れることになる。しかも上記コレットホル
ダのテーパ部が、押圧状態で冷却通路の内壁に接触する
ことから、良好な冷却能が得られ、これによってもトー
チの小形化が図れることになる。
さらに上記溶接トーチでは、略円筒形の多孔質焼結材
製ガスレンズを用いていることから、良好な整流効果が
得られると共に、径方向寸法を増大する必要がないため
トーチ全体をコンパクトに構成可能となる。しかもガス
レンズの形状、及びガスレンズの冷却効果によってスパ
ッタ付着量が従来よりも減少することから、安定した整
流効果を長期間にわたって維持することが可能である。
また第2請求項記載の非消耗電極式アーク溶接用の溶
接トーチでは、冷却体の供給通路と給電路とを兼用して
いることから、部品点数の低減が図れることになり、こ
の結果、トーチを一段とコンパクト化することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の非消耗電極式アーク溶接用の溶接ト
ーチの一実施例の要部を拡大して示す中央縦断面図、第
2図はその全体の中央縦断面図である。 2…筒状部、3…冷却水パイプ、5…冷却通路、6…内
壁、7…外壁、10…ガスレンズ、20…コレットホルダ、
21…把持爪部、22…テーパ部、23…ねじ部、30…後部キ
ャップ、31…雌ねじ部、50…電極。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内外二重壁を備えた環状の冷却通路を本体
    筒状部内に配置し、上記環状冷却通路の内壁を、先端側
    に拡径したテーパ状に形成すると共に、電極を保持する
    コレットホルダのテーパ部を上記テーパ状内壁に嵌合さ
    せ、このコレットホルダを背部側へと押圧する押圧手段
    を設け、さらに上記内壁からコレットホルダを経由して
    電極へと給電するため上記内壁を給電路に接続する一
    方、上記冷却通路の筒状の外壁は、内壁の先端面を越え
    てさらに先端側へと導出し、上記内壁の先端面よりも先
    端側の外壁の内側には多孔質焼結材より成る筒状のガス
    レンズを接触、保持し、上記外壁の内周部と上記ガスレ
    ンズの外周部との間に環状のガス流路を形成し、上記ガ
    ス流路に対し、上記外壁に設けたガス孔からシールドガ
    スを供給することを特徴とする非消耗電極式アーク溶接
    用の溶接トーチ。
  2. 【請求項2】上記給電路はパイプにて構成され、その内
    部から上記冷却通路に冷却体を供給すべく構成されてい
    ることを特徴とする第1請求項記載の非消耗電極式アー
    ク溶接用の溶接トーチ。
JP1990055634U 1990-05-28 1990-05-28 非消耗電極式アーク溶接用の溶接トーチ Expired - Lifetime JP2549952Y2 (ja)

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