JPH0321630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、座部および背部の傾斜角と座部の
高さの少なくとも１つを調整するガススプリング
が組み込まれた椅子において、上記ガススプリン
グのフリー状態とロツク状態とを切換え操作する
姿勢調整用操作レバーの枢着装置に関するもので
ある。

近年、事務用等に供される椅子として、座部お
よび背部の傾斜角や座部の高さをガススプリング
を利用して調整し得るものが出現している。この
ような椅子にあつては、操作レバーにて該ガスス
プリングの切換スイツチ部を動作させ、該ガスス
プリングのフリー状態下で上記傾斜角や高さを任
意に選択したのち、ロツク状態として上記選択し
た椅子姿勢を固定するように構成されている。

ところが、上記操作レバーは、その一端側を手
動操作することにより他端側でガススプリングの
切換スイツチ部を押圧および押圧解除して前記フ
リー状態とロツク状態の切換えを行うものである
から、これを座部下面等に振動自在に枢着する必
要がある。而して、従来の斯る枢着装置では、組
立時において枢支ピンを挿通してその抜け止め加
工を施したり枢支部材等の各種部品類のネジ止め
を行う等、組立に際して比較的多くの労力と時間
を要するものであつた。

この考案は上記従来の欠点を解消するためにな
されたもので、以下この考案を図示実施例に基づ
いて説明する。

図示するように、椅子１は、各先端にキヤスタ
ー２を取付けた５片の放射状脚羽根３ａ……を有
する脚部３と、この脚部３中心に立設された支柱
７の上端に回転自在に支承された座部４と、座部
４の後端にアルミダイカスト製支持フレーム５ａ
を介して連結された背部５とから構成される。６
は下部カバーである。

しかして支柱７内には座部高さ調整用ガススプ
リング８が垂直に配設され、その上端部に嵌着さ
れたアルミダイカスト製座部受け部材９に水平に
架設された枢支ピン１０を介して座部４が脚部３
に対して前後揺動自在に連結されている。また座
部４の合成樹脂製座板１１の下面中央部から後端
にかけて形成された凹陥部１１ａ内に、略方形枠
状部１２ａとその後部より延出する後端連結部１
２ｂとからなる一体のアルミダイカスト製取付板
１２が固着され、この後端連結部１２ｂの端部と
背部５の支持フレーム５ａとが枢支ピン１３を介
して連結されており、背部５は座部４に対して前
後揺動自在となつている。更に座部受け部材９の
下部前面側に取付けた枢支ピン１４と取付板１２
の前部に固着した取付部材１５ａとの間に座部傾
斜角調整用ガススプリング１６が架設され、また
取付板１２の後部に固着した取付部材１５ｂと背
部５の支持フレーム５ａの下端に取付けた枢支ピ
ン１７との間に背部傾斜角調整用ガススプリング
１８が架設されている。

１９，２０，２１はそれぞれ前記ガススプリン
グ８，１６，１８に対応した操作レバーで、金属
製丸棒状の主軸部２２の中間位置に軸体２３ａが
十字形に溶接固定されて主軸方向に直交する方向
で両側へ張出した短軸部２３，２３を構成してお
り、また主軸部２２の外端部には硬質合成樹脂成
形物からなる略直方体の操作片２４が固着されて
いる。しかして背部および座部傾斜角調整用ガス
スプリング１６，１８に対応した操作レバー２
０，２１には、断面略Ｃ字状の嵌着部２５ａとそ
の内方端に突設された舌片状の爪部２５ｂと同じ
く外方端に連設された立壁状の停止部２５ｃおよ
び先端外方側に連設された取手状の押圧操作片２
５ｄとからなる硬質合成樹脂の一体成形物である
スライド部材２５が、その嵌着部２５ａを主軸部
２２に樹脂の弾力を利用して外嵌することによ
り、主軸方向に摺動自在に装着されている。

一方、取付板１２には、溝３０を介して対向す
る１対の短軸部支持用突片部２６ａ，２６ａを備
えた枢支部２６が形成され、また枢支部２６の両
側にそれぞれ開口２７，２７が開設されている。
この枢支部２６には略Ｕ字状の板ばね２８が取付
板１２の下面側からその弾性を利用して押し込む
ことにより嵌着されており、該板ばね２８の先端
部が外側へやや開いた形状の両側片部２８ａ，２
８ａはそれぞれ開口２７，２７を通して下方側へ
突出し、且つ枢支部２６を両側から挾着してい
る。また、上記両側片部２８ａ，２８ａの上部に
はそれぞれ円形の挿通孔が穿設されている。

しかして各操作レバー１９，２０，２１は、主
軸部２２を枢支部２６の両突片部２６ａ，２６ａ
間の溝３０に嵌入し、且つ短軸部２３，２３をそ
れぞれ突片２６ａ先端面に凹設された略半円形溝
部３１に当接した状態で、両短軸部２３，２３を
それぞれ板ばね２８の両側片部２８ａ，２８ａの
先端突出部に形成された挿通孔２９，２９にばね
弾性を利用して嵌挿することにより、両短軸部２
３，２３を支点としてシーソー状に傾動するよう
に取付板１２に枢着されていいる。また各主軸部
２２は枢支部２６よりも操作片２４側へ離れた位
置において取付板１２の突出した周壁部１２ｃの
長孔３２に挿通されている。

尚、ガススプリング８，１８に対応する操作レ
バー１９，２１は座部４の右側下面に、ガススプ
リング１６に対応する操作レバー２０は同左側下
面に、それぞれ主軸部２２の軸方向が椅子１の左
右方向に沿うように配され、各操作片２４は座板
１１の下面周辺部１１ｂに形成された凹所３３に
嵌合し、且つ非操作状態下でその底面より離間し
ている。

このような構成の椅子においては、各操作レバ
ー１９，２０，２１の操作片２４を凹所３３の底
面側へ手操作で押し込んだ際、主軸部２２の枢支
部２６よりも内側が取付板１２から離れるように
動作し、操作レバー１９では内端曲折部１９ａが
ガススプリング８の上端の切換スイツチ部８ａを
押し込み、また操作レバー２０および２１では取
付板１２に枢着された押圧片３４の回動動作を介
してガススプリング１６，１８の切換スイツチ部
１６ａ，１８ａを押し込む。この押し込み動作に
より各ガススプリング８，１６，１８は周知の如
く伸長方向の弾力を保有しつつ伸縮可能なフリー
状態となるから、座部４の高さと座部４および背
部５の前後傾斜角を使用者の好みに合わせて選択
でき、また各操作レバー１９，２０，２１の操作
片２４を手離すと同時に上記切換スイツチ部８
ａ，１６ａ，１８ａの押し込みが解除されて各ガ
ススプリング８，１６，１８は伸縮不能なロツク
状態に復帰するから、上記選択された高さと傾斜
角が維持される。更に操作レバー２０または２１
を操作して座部または背部傾斜角調整用ガススプ
リング１６，１８をフリー状態とした際に、第４
図示一点鎖線の如くスライド部材２５を押圧操作
部２５ｄの手指による押圧にて内方へ摺動させ、
その爪部２５ｂを傾動した主軸部２２と長孔３２
の下端との間に生じる間隙ｔに嵌入させれば、操
作片２４を手離しても操作レバー２０，２１は復
帰傾動できなくなり上記一点鎖線状態で固定され
る。従つてガススプリング１６，１８はフリー状
態を保つことになり、座部４または背部５が弾力
を伴つた前後揺動自在なロツキング状態に維持さ
れる。

尚、上記実施例では座部４の高さと座部４およ
び背部５の傾斜角がいずれもガススプリングの利
用にて調整可能な椅子について示したが、この考
案では上記３要素の少なくとも１つが同様に調整
可能な各種の椅子に適用できる。また、実施例で
は操作レバーの主軸部の両側へ張出する短軸部２
３，２３が軸体２３ａの溶接にて形成されている
が、他の手段によつて短軸部２３，２３を形成し
てもよい。

以上のように、この考案に係る姿勢調調整用操
作レバーの枢着装置は、操作レバーの主軸部中間
位置に両側へ張出する短軸部が形成され、座部下
面に固着した取付板に、溝を介して対向する１対
の短軸部支持用突片部と、その両側に突設された
１対の開口が形成され、該取付板の背面側から前
記開口を通じて略Ｕ字状の板ばねの両側片部が前
記突片部を弾力的に挾着する形で下方突出状に嵌
挿され、この両側片部の先端突出部に開設された
挿通孔にそれぞれ上記操作レバーの短軸部をばね
弾性を利用して嵌挿することにより、該操作レバ
ーが取付板に上記短軸部を支点として傾動可能に
枢着されたものである。従つてこの考案によれ
ば、操作レバーの座部下面への取付け作業はＵ字
状の板ばねの両側片部間を拡げておいてその挿通
孔に操作レバーの両短軸部を嵌め込むだけのワン
タツチ操作で完了し、またＵ字状の板ばねの取付
板に対する装着も取付板の背面側から単に押し付
けるだけで済み、従来の如く多大の労力と時間を
費する必要がない。しかも枢着部は極めて構造簡
単であると共に確実な枢着状態となり、誤作動や
作動不能等の故障発生の惧れがなく、椅子の姿勢
調整機構に高い信頼性を付与する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る椅子の姿勢調整用レバー
の枢着装置の一実施例を示すもので、第１図は椅
子全体の外観斜視図、第２図は座部の底面図、第
３図は一部を省略した椅子の中央縦断面図、第４
図は操作レバーの取付部分を上下を反転して示し
た縦断側面図、第５図は操作レバーの枢着部の同
じく上下反転状の分解状態斜視図、第６図は第４
図−線断面図である。 １……椅子、４……座部、５……背部、８……
座部高さ調整用ガススプリング、８ａ……切換ス
イツチ部、１２……取付板、１６……座部傾斜角
調整用ガススプリング、１６ａ……切換スイツチ
部、１８……背部傾斜角調整用ガススプリング、
１８ａ……切換スイツチ部、１９，２０，２１…
…操作レバー、２２……主軸部、２３……短軸
部、２６ａ……短軸部支持用突片部、２７……開
口、２８……板ばね、２８ａ……側片部、２９…
…挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座部および背部の傾斜角と座部の高さの少なく
   とも１つを調整するガススプリングが組み込まれ
   た椅子において、上記ガススプリングの切換スイ
   ツチ部を一端側で押圧および押圧解除して該ガス
   スプリングのフリー状態とロツク状態とを切換え
   る操作レバーの主軸部中間位置に、該主軸方向に
   直交する方向に両側へ張出する短軸部が形成さ
   れ、座部下面に固着した取付板に、溝を介して対
   向する１対の短軸部支持用突片部とその両側に穿
   設された１対の開口が形成され、該取付板の背面
   側から前記開口を通じて略Ｕ字状の板ばねの両側
   部が前記突片部を弾力的に挾着する形で下方突出
   状に嵌挿され、この両側片部の先端突出部に開設
   された挿通孔にそれぞれ上記操作レバーの短軸部
   がばね弾性を利用して嵌着挿されることにより、
   該操作レバーが取付板に上記短軸部を支点として
   傾動可能に枢着されたことを特徴とする椅子の姿
   勢調整用操作レバーの枢着装置。