JPH0321616B2 - - Google Patents
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- JPH0321616B2 JPH0321616B2 JP18956483A JP18956483A JPH0321616B2 JP H0321616 B2 JPH0321616 B2 JP H0321616B2 JP 18956483 A JP18956483 A JP 18956483A JP 18956483 A JP18956483 A JP 18956483A JP H0321616 B2 JPH0321616 B2 JP H0321616B2
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Description
この発明は、すぐれた高温サグ性を有し、かつ
特に犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイン材用
Al合金複合シートに関するものである。 一般に、例えば自動車のラジエータや空調機器
などにはAl合金製熱交換器が用いられており、
この熱交換器を構成するフイン材としては、例え
ば特公昭56−1379号公報に記載されるような、 Mn:0.5〜1.5%、 Zn:0.5〜8%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%、以下%は重量%を示す)を有す
るAl合金シートが使用されている。 この従来熱交換器フイン材用Al合金シートに
おけるMn成分は、同じく熱交換器を構成する管
材へのろう付けに際して、外力および自重による
変形を阻止し、ろう付け後においてもろう付け前
のフイン形状を保持する特性、すなわち高温サグ
性を確保するために含有するものであり、また
Zn成分は、フイン材を管材に比して電気化学的
に卑の状態とし、もつて管材に対して犠牲陽極効
果を発揮せしめて管材をよく防食するために含有
されるものである。 しかし、上記の従来熱交換器フイン材用Al合
金シートにおいては、真空中、不活性ガス中、あ
るいはフラツクスを用いた大気中で、管材および
フイン材のいずれか、または両方にクラツドして
あるAl−Si系合金(通常、Si:3〜15%含有)
のろう材の溶融点以上の温度、すなわち580〜620
℃の範囲内の所定温度に加熱の条件で行なわれる
ろう付けに際して、Zn成分がろう付け雰囲気中
に蒸発するために、ろう付け後のフイン材のZn
含有量が低下し、所定の犠牲陽極効果を確保する
ことができず、この結果使用中に管材にしばしば
腐食が発生し、使用寿命を縮める場合が起るもの
であつた。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、高温サグ性にすぐれ、かつろう付け処理後に
おいてもすぐれた犠性陽極効果を有するフイン材
用Al合金シートを開発すべく研究を行なつた結
果、上記の従来熱交換器フイン材用Al合金シー
トにおけるZn含有量を相対的に減少させると共
に、少量のIn成分を含有させると、ZnとInの相
乗効果によつて、ZnおよびInの含有量が相対的
に少ないにもかかわらず、電気化学的に著しく卑
になつて、すぐれた犠牲陽極効果を発揮するよう
になり、かつ、これを芯材とし、この芯材の両面
に、純Al、または耐食性および強度付与の目的
でMgを含有させたAl−Mg合金を皮材としてク
ラツドすると、熱交換器のろう付けによる製造に
際して、前記芯材よりのZnおよびInの蒸発が、
低い含有量と相まつて前記皮材によつて完全に阻
止されて、前記芯材のもつすぐれた犠牲陽極効果
がろう付け後においても保持され、したがつてこ
の結果のAl合金複合シートを、熱交換器フイン
材として用いると、芯材中に含有するMn成分に
よつてすぐれた高温サグ性が確保されるので、ろ
う付け時にフイン形状が変化することがなく、ま
たろう付け時に前記芯材の両面にクラツドした皮
材によつて芯材中のZnおよびInの蒸発が阻止さ
れるので(この場合芯材中のZnおよびInは皮材
中に拡散はする)、ろう付け後においてもすぐれ
た犠牲陽極効果を発揮するという知見を得たので
ある。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、さらに、 Zr:0.02〜0.2%、 Cr:0.02〜0.3%、 Mg:0.05〜1%、 のうちの1種または2種以上を含有し、残りが
Alと不可避不純物からなる組成を有するAl合金
の芯材の両面に、 純Al、または、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の皮材をクラツドしてなる高
温サグ性および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器
フイン材用Al合金複合シートに特徴を有するも
のである。 つぎに、この発明のAl合金複合シートにおい
て、成分組成を上記の通りに限定した理由を説明
する。 A 芯材 (a) Mn Mn成分は、Alと結合して化合物を形成
し、素地中に微細に分散析出して、芯材の再
結晶温度を著しく上昇させ、この結果ろう付
け加熱時に再結晶粒が粗大化するようになる
ことから、この粗大化再結晶粒によつて高温
サグ性が著しく向上するようになるが、その
含有量が0.1%未満では所望の高温サグ性を
確保することができず、一方1.5%を越えて
含有させてもより一層の高温サグ性向上効果
が得られないばかりでなく、溶解鋳造時に巨
大晶を形成して圧延加工性を劣化させ、かつ
熱伝導性も低下するようになることから、そ
の含有量を0.1〜1.5%と定めた。 (b) InおよびZn これらの成分には、共存含有することによ
つて相乗的に芯材を電気化学的に卑にし、も
つて管材に対して十分な犠牲陽極効果を発揮
せしめる作用があるが、その含有量がIn:
0.01%未満およびZn:0.01%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方In:0.08%
およびZn:0.35%を越えて含有させても前記
作用により一層の向上効果が現われず、さら
にInにあつては、高価なので、コスト高の原
因となるばかりでなく、高温サグ性も低下す
るようになり、またZnにあつては、皮材中
へ拡散したZnが蒸発して炉汚染の原因とも
なることから、その含有量を、それぞれIn:
0.01〜0.08%、Zn:0.01〜0.35%と定めた。
なお、芯材中のInおよびZnはろう付け加熱
時に皮材中へ拡散するので、ろう付け後の皮
材はすぐれた犠牲陽極効果をもつようになる
のである。 (c) ZrおよびCr これらの成分には、Mnとの共存におい
て、素地に微細分散する化合物を形成して再
結晶温度を上昇させ、もつてろう付け時に粗
大な再結晶粒を形成して高温サグ性を一段と
向上させる作用があるので、特にすぐれた高
温サグ性が要求される場合に必要に応じて含
有されるが、その含有量が、それぞれZr:
0.02%未満およびCr:0.02%未満では所望の
高温サグ性向上効果が得られず、一方Zr:
0.2%およびCr:0.3%を越えて含有させても
より一層の向上効果が得られないばかりでな
く、Mnと同様に溶解鋳造時に巨大晶を形成
して圧延加工性が劣るようになり、さらに熱
伝導性も低下するようになることから、その
含有量を、それぞれZr:0.02〜0.2%、Cr:
0.02〜0.3%と定めた。 (d) Mg Mg成分には、芯材の強度の向上させる作
用があるので、特に高強度が要求される場合
に必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.05%未満では所望の強度向上効果が得られ
ず、一方1%を越えて含有されると高温サグ
性が劣化するようになることから、その含有
量を0.05〜1%と定めた。 B 皮材 (a) Mg 皮材におけるMg成分は、皮材に耐食性およ
び強度を付与する必要がある場合に含有され
るが、その含有量が0.05%未満では、前記特
性に所望の向上効果が得られず、一肩1%を
越えて含有させてもより一層の特性向上効果
が得られないばかりでなく、加工硬化が著し
くなつて冷間加工が困難になることから、そ
の含有量を0.05〜1%と定めた。1 つぎに、この発明のAl合金複合シートを実施
例により具体的に説明する。 実施例 通常の溶解鋳造法により、それぞれ第1表に示
される成分組成をもつた本発明芯材用Al合金1
〜7、本発明皮材用Al合金A、B、および従来
フイン材用Al合金をそれぞれ溶製し、鋳造して
鋳塊とした後、通常の条件にて均質化処理を施し
た。
特に犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイン材用
Al合金複合シートに関するものである。 一般に、例えば自動車のラジエータや空調機器
などにはAl合金製熱交換器が用いられており、
この熱交換器を構成するフイン材としては、例え
ば特公昭56−1379号公報に記載されるような、 Mn:0.5〜1.5%、 Zn:0.5〜8%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%、以下%は重量%を示す)を有す
るAl合金シートが使用されている。 この従来熱交換器フイン材用Al合金シートに
おけるMn成分は、同じく熱交換器を構成する管
材へのろう付けに際して、外力および自重による
変形を阻止し、ろう付け後においてもろう付け前
のフイン形状を保持する特性、すなわち高温サグ
性を確保するために含有するものであり、また
Zn成分は、フイン材を管材に比して電気化学的
に卑の状態とし、もつて管材に対して犠牲陽極効
果を発揮せしめて管材をよく防食するために含有
されるものである。 しかし、上記の従来熱交換器フイン材用Al合
金シートにおいては、真空中、不活性ガス中、あ
るいはフラツクスを用いた大気中で、管材および
フイン材のいずれか、または両方にクラツドして
あるAl−Si系合金(通常、Si:3〜15%含有)
のろう材の溶融点以上の温度、すなわち580〜620
℃の範囲内の所定温度に加熱の条件で行なわれる
ろう付けに際して、Zn成分がろう付け雰囲気中
に蒸発するために、ろう付け後のフイン材のZn
含有量が低下し、所定の犠牲陽極効果を確保する
ことができず、この結果使用中に管材にしばしば
腐食が発生し、使用寿命を縮める場合が起るもの
であつた。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、高温サグ性にすぐれ、かつろう付け処理後に
おいてもすぐれた犠性陽極効果を有するフイン材
用Al合金シートを開発すべく研究を行なつた結
果、上記の従来熱交換器フイン材用Al合金シー
トにおけるZn含有量を相対的に減少させると共
に、少量のIn成分を含有させると、ZnとInの相
乗効果によつて、ZnおよびInの含有量が相対的
に少ないにもかかわらず、電気化学的に著しく卑
になつて、すぐれた犠牲陽極効果を発揮するよう
になり、かつ、これを芯材とし、この芯材の両面
に、純Al、または耐食性および強度付与の目的
でMgを含有させたAl−Mg合金を皮材としてク
ラツドすると、熱交換器のろう付けによる製造に
際して、前記芯材よりのZnおよびInの蒸発が、
低い含有量と相まつて前記皮材によつて完全に阻
止されて、前記芯材のもつすぐれた犠牲陽極効果
がろう付け後においても保持され、したがつてこ
の結果のAl合金複合シートを、熱交換器フイン
材として用いると、芯材中に含有するMn成分に
よつてすぐれた高温サグ性が確保されるので、ろ
う付け時にフイン形状が変化することがなく、ま
たろう付け時に前記芯材の両面にクラツドした皮
材によつて芯材中のZnおよびInの蒸発が阻止さ
れるので(この場合芯材中のZnおよびInは皮材
中に拡散はする)、ろう付け後においてもすぐれ
た犠牲陽極効果を発揮するという知見を得たので
ある。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、さらに、 Zr:0.02〜0.2%、 Cr:0.02〜0.3%、 Mg:0.05〜1%、 のうちの1種または2種以上を含有し、残りが
Alと不可避不純物からなる組成を有するAl合金
の芯材の両面に、 純Al、または、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の皮材をクラツドしてなる高
温サグ性および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器
フイン材用Al合金複合シートに特徴を有するも
のである。 つぎに、この発明のAl合金複合シートにおい
て、成分組成を上記の通りに限定した理由を説明
する。 A 芯材 (a) Mn Mn成分は、Alと結合して化合物を形成
し、素地中に微細に分散析出して、芯材の再
結晶温度を著しく上昇させ、この結果ろう付
け加熱時に再結晶粒が粗大化するようになる
ことから、この粗大化再結晶粒によつて高温
サグ性が著しく向上するようになるが、その
含有量が0.1%未満では所望の高温サグ性を
確保することができず、一方1.5%を越えて
含有させてもより一層の高温サグ性向上効果
が得られないばかりでなく、溶解鋳造時に巨
大晶を形成して圧延加工性を劣化させ、かつ
熱伝導性も低下するようになることから、そ
の含有量を0.1〜1.5%と定めた。 (b) InおよびZn これらの成分には、共存含有することによ
つて相乗的に芯材を電気化学的に卑にし、も
つて管材に対して十分な犠牲陽極効果を発揮
せしめる作用があるが、その含有量がIn:
0.01%未満およびZn:0.01%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方In:0.08%
およびZn:0.35%を越えて含有させても前記
作用により一層の向上効果が現われず、さら
にInにあつては、高価なので、コスト高の原
因となるばかりでなく、高温サグ性も低下す
るようになり、またZnにあつては、皮材中
へ拡散したZnが蒸発して炉汚染の原因とも
なることから、その含有量を、それぞれIn:
0.01〜0.08%、Zn:0.01〜0.35%と定めた。
なお、芯材中のInおよびZnはろう付け加熱
時に皮材中へ拡散するので、ろう付け後の皮
材はすぐれた犠牲陽極効果をもつようになる
のである。 (c) ZrおよびCr これらの成分には、Mnとの共存におい
て、素地に微細分散する化合物を形成して再
結晶温度を上昇させ、もつてろう付け時に粗
大な再結晶粒を形成して高温サグ性を一段と
向上させる作用があるので、特にすぐれた高
温サグ性が要求される場合に必要に応じて含
有されるが、その含有量が、それぞれZr:
0.02%未満およびCr:0.02%未満では所望の
高温サグ性向上効果が得られず、一方Zr:
0.2%およびCr:0.3%を越えて含有させても
より一層の向上効果が得られないばかりでな
く、Mnと同様に溶解鋳造時に巨大晶を形成
して圧延加工性が劣るようになり、さらに熱
伝導性も低下するようになることから、その
含有量を、それぞれZr:0.02〜0.2%、Cr:
0.02〜0.3%と定めた。 (d) Mg Mg成分には、芯材の強度の向上させる作
用があるので、特に高強度が要求される場合
に必要に応じて含有されるが、その含有量が
0.05%未満では所望の強度向上効果が得られ
ず、一方1%を越えて含有されると高温サグ
性が劣化するようになることから、その含有
量を0.05〜1%と定めた。 B 皮材 (a) Mg 皮材におけるMg成分は、皮材に耐食性およ
び強度を付与する必要がある場合に含有され
るが、その含有量が0.05%未満では、前記特
性に所望の向上効果が得られず、一肩1%を
越えて含有させてもより一層の特性向上効果
が得られないばかりでなく、加工硬化が著し
くなつて冷間加工が困難になることから、そ
の含有量を0.05〜1%と定めた。1 つぎに、この発明のAl合金複合シートを実施
例により具体的に説明する。 実施例 通常の溶解鋳造法により、それぞれ第1表に示
される成分組成をもつた本発明芯材用Al合金1
〜7、本発明皮材用Al合金A、B、および従来
フイン材用Al合金をそれぞれ溶製し、鋳造して
鋳塊とした後、通常の条件にて均質化処理を施し
た。
【表】
ついで、これらのAl合金鋳塊に熱間圧延を施
して板厚:8mmの熱延板とし、さらに本発明皮材
用Al合金A、Bには冷間圧延を施して板厚:1
mmの冷延板とした。さらに、引続いて上記板厚:
8mmの本発明芯材用Al合金1〜7の熱延板の両
面に、それぞれ上記板厚:1mmの本発明皮材用
Al合金A、Bの冷延板を重ね合わせ、熱間圧延
にてクラツドした後、適宜中間焼鈍を加えながら
冷間圧延(最終冷間加工率:30%)を施すことに
よつて、0.16mmおよび0.5mmの2種類の板厚の本
発明フイン材用複合シート1〜14をそれぞれ製造
した。また、同様に上記の板厚:8mmを有する従
来フイン材用Al合金の熱延板に対しても同一の
条件で冷間圧延を施して、0.16mmおよび0.5mmの
板厚を有する従来フイン材用シートを製造した。 つぎに、この結果得られた板厚:0.16mmを有す
る本発明フイン材用複合シート1〜14および従来
フイン材用シートを用い、これより幅:30mm×
140mmの寸法をもつた試験片を切出し、この試験
片を、その長さの30mmがステンレス鋼製台板から
水平に突き出るように配置し、この状態で約
10-4torrの真空中、温度:620℃に5分間保持の
真空ろう付け条件に相当する条件で加熱し、加熱
後、前記試験片先端部の垂下高さを測定し、この
測定値にもとづいて高温サグ性を評価した。ま
た、この高温サグ性試験後の試験片を用い、1規
定の食塩水中での孔食発生電位(飽和カロメル基
準)を測定し、犠牲陽極効果を評価した。これら
の結果を第2表に示した。 さらに、上記の板厚:0.5mmの本発明フイン材
用複合シート1〜14および従来フイン材用シート
より、幅:30mm×長さ:50mmの寸法をもつた試験
片を切出し、この試験片を、別途用意した板厚:
1mm×幅:40mm×長さ:50mmの寸法をもつた管材
用ブレージングシート(Mn:1.21%を含有し、
残りがAlと不可避不純物からなる組成を有する
Al合金で構成された厚さ:0.9mmの芯材と、この
芯材の片面にクラツドされ、かつSi:9.50%、
Mg:1.53%を含有し、残りがAlと不可避不純物
からなる組成を有するAl合金で構成さ
して板厚:8mmの熱延板とし、さらに本発明皮材
用Al合金A、Bには冷間圧延を施して板厚:1
mmの冷延板とした。さらに、引続いて上記板厚:
8mmの本発明芯材用Al合金1〜7の熱延板の両
面に、それぞれ上記板厚:1mmの本発明皮材用
Al合金A、Bの冷延板を重ね合わせ、熱間圧延
にてクラツドした後、適宜中間焼鈍を加えながら
冷間圧延(最終冷間加工率:30%)を施すことに
よつて、0.16mmおよび0.5mmの2種類の板厚の本
発明フイン材用複合シート1〜14をそれぞれ製造
した。また、同様に上記の板厚:8mmを有する従
来フイン材用Al合金の熱延板に対しても同一の
条件で冷間圧延を施して、0.16mmおよび0.5mmの
板厚を有する従来フイン材用シートを製造した。 つぎに、この結果得られた板厚:0.16mmを有す
る本発明フイン材用複合シート1〜14および従来
フイン材用シートを用い、これより幅:30mm×
140mmの寸法をもつた試験片を切出し、この試験
片を、その長さの30mmがステンレス鋼製台板から
水平に突き出るように配置し、この状態で約
10-4torrの真空中、温度:620℃に5分間保持の
真空ろう付け条件に相当する条件で加熱し、加熱
後、前記試験片先端部の垂下高さを測定し、この
測定値にもとづいて高温サグ性を評価した。ま
た、この高温サグ性試験後の試験片を用い、1規
定の食塩水中での孔食発生電位(飽和カロメル基
準)を測定し、犠牲陽極効果を評価した。これら
の結果を第2表に示した。 さらに、上記の板厚:0.5mmの本発明フイン材
用複合シート1〜14および従来フイン材用シート
より、幅:30mm×長さ:50mmの寸法をもつた試験
片を切出し、この試験片を、別途用意した板厚:
1mm×幅:40mm×長さ:50mmの寸法をもつた管材
用ブレージングシート(Mn:1.21%を含有し、
残りがAlと不可避不純物からなる組成を有する
Al合金で構成された厚さ:0.9mmの芯材と、この
芯材の片面にクラツドされ、かつSi:9.50%、
Mg:1.53%を含有し、残りがAlと不可避不純物
からなる組成を有するAl合金で構成さ
【表】
れた厚さ:0.1mmのろう材からなる)のろう材面
の中心部に直立配置して逆丁字形状態とし、この
状態で、10-4torrの真空中、温度:620℃に5分
間保持の条件でろう付けし、このろう付け試験片
を水道水浸漬試験およびCASS試験に供した。水
道水浸漬試験は、1ppmのCu++イオンを含有する
温度:40℃の水道水中に30日間浸漬の条件で行な
い、またCASS試験は30日間行ない、いずれの試
験でも管材用ブレージングシートに発生した孔食
数と最大孔食深さを測定した。以上の測定結果も
第2表に示した。 第2表に示される結果から、本発明フイン材用
複合シート1〜14は、従来フイン材用シートと同
等、あるいはそれ以上の高温サグ性を示し、ろう
付け時に“へたり”や変形の発生がなく、良好な
ろう付けが可能であることを示し、また従来フイ
ン材シートに比して電気化学的に卑であり、この
ことはろう付け後の管材をよく防食し、管材にお
ける孔食発生を抑制することからも明らかであ
る。 上述のように、この発明のAl合金複合シート
は、すぐれた高温サグ性と犠牲陽極効果を有する
ので、これを熱交換器フイン材として用いた場
合、製造に際してのろう付け時に、“へたり”や
変形の発生が著しく抑制され、かつろう付け後の
熱交換器においては、すぐれた犠牲陽極効果を発
揮して、管材をよく防食し、これに局部腐食が発
生するのを防止するなどの工業上有用な特性を有
するのである。
の中心部に直立配置して逆丁字形状態とし、この
状態で、10-4torrの真空中、温度:620℃に5分
間保持の条件でろう付けし、このろう付け試験片
を水道水浸漬試験およびCASS試験に供した。水
道水浸漬試験は、1ppmのCu++イオンを含有する
温度:40℃の水道水中に30日間浸漬の条件で行な
い、またCASS試験は30日間行ない、いずれの試
験でも管材用ブレージングシートに発生した孔食
数と最大孔食深さを測定した。以上の測定結果も
第2表に示した。 第2表に示される結果から、本発明フイン材用
複合シート1〜14は、従来フイン材用シートと同
等、あるいはそれ以上の高温サグ性を示し、ろう
付け時に“へたり”や変形の発生がなく、良好な
ろう付けが可能であることを示し、また従来フイ
ン材シートに比して電気化学的に卑であり、この
ことはろう付け後の管材をよく防食し、管材にお
ける孔食発生を抑制することからも明らかであ
る。 上述のように、この発明のAl合金複合シート
は、すぐれた高温サグ性と犠牲陽極効果を有する
ので、これを熱交換器フイン材として用いた場
合、製造に際してのろう付け時に、“へたり”や
変形の発生が著しく抑制され、かつろう付け後の
熱交換器においては、すぐれた犠牲陽極効果を発
揮して、管材をよく防食し、これに局部腐食が発
生するのを防止するなどの工業上有用な特性を有
するのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の芯材の両面
に、純Alの皮材をクラツドしてなる犠牲陽極効
果のすぐれた熱交換器フイン材用Al合金複合シ
ート。 2 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、さらに、 Zr:0.02〜0.2%、 Cr:0.02〜0.3%、 のうちの1種または2種を含有し、残りがAlと
不可避不純物からなる組成(以上重量%)を有す
るAl合金の芯材の両面に、純Alの皮材をクラツ
ドしてなる犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイ
ン材用Al合金複合シート。 3 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、さらに、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の芯材の両面
に、純Alの皮材をクラツドしてなる犠牲陽極効
果のすぐれた熱交換器フイン材用Al合金複合シ
ート。 4 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、 Zr:0.02〜0.2%、 Cr:0.02〜0.3%、 のうちの1種または2種を含有し、さらに、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の芯材の両面
に、純Alの皮材をクラツドしてなる犠牲陽極効
果のすぐれた熱交換器フイン材用Al合金複合シ
ート。 5 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の皮材をクラ
ツドしてなる犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フ
イン材用Al合金複合シート。 6 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、さらに、 Zr:0.02〜0.2%、 Cr:0.02〜0.3%、 のうちの1種または2種を含有し、残りがAlと
不可避不純物からなる組成を有するAl合金の芯
材の両面に、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の皮材をクラ
ツドしてなる犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フ
イン材用Al合金複合シート。 7 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、さらに、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の皮材をクラ
ツドしてなる犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フ
イン材用Al合金複合シート。 8 Mn:0.1 〜1.5%、 In:0.01〜0.08%、 Zn:0.01〜0.35%、 を含有し、 Zr:0.02〜0.2%、 Cr:0.02〜0.3%、 のうちの1種または2種を含有し、さらに、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.05〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の皮材をクラ
ツドしてなる犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フ
イン材用Al合金複合シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18956483A JPS6082641A (ja) | 1983-10-11 | 1983-10-11 | 犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイン材用Al合金複合シ−ト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18956483A JPS6082641A (ja) | 1983-10-11 | 1983-10-11 | 犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイン材用Al合金複合シ−ト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6082641A JPS6082641A (ja) | 1985-05-10 |
JPH0321616B2 true JPH0321616B2 (ja) | 1991-03-25 |
Family
ID=16243441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18956483A Granted JPS6082641A (ja) | 1983-10-11 | 1983-10-11 | 犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイン材用Al合金複合シ−ト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6082641A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2608890B2 (ja) * | 1987-06-02 | 1997-05-14 | 三菱アルミニウム株式会社 | 耐すきま腐食性にすぐれたラジエータタンカ材 |
-
1983
- 1983-10-11 JP JP18956483A patent/JPS6082641A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6082641A (ja) | 1985-05-10 |
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