JPH0321331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハンドルに加える操舵トルクに応じ
たトルク信号を出力するトルク検出器の異常を検
知するとき、アクチユエータ手段を非作動にして
アクチユエータ手段の出力が操向車輪転舵部にス
テアリング補助動力として伝達されないようにす
る安全装置を備えた動力舵取装置に関する。

従来、トルク検出器から出力されるトルク信号
に基づいてアクチユエータ手段を制御し、アクチ
ユエータ手段により適当に動力アシストして操向
車輪を転舵する動力舵取装置は一般的には公知で
ある。

しかし、この様な動力舵取装置において、スト
レインゲージ、ポテンシヨメータ等が使用される
トルク検出器が、例えば、リード線の断線などに
より見掛け上非常に大きなトルクが作用している
と同じような出力信号を出すといつた様な異常状
態に陥つた際、こうした異常な出力信号により制
御される電動モータなどのアクチユエータ手段を
不適当な出力信号で駆動してしまう事になり、操
舵操作としては非常に危険である。

従つて、本考案の目的は、トルク検出器におけ
る断線等の異常に起因した操舵の不具合を解消す
べく安全装置を備えた動力舵取装置を提供するこ
とにある。

この目的を達成する為、本考案においては、ト
ルク検出器がハンドルの受ける操舵トルクを検出
して操舵トルクに応じたトルク信号を出力し、こ
のトルク信号を受ける制御手段が予め定められた
特性で処理して制御信号を出力し、アクチユエー
タ手段がこの制御信号により制御されつつ転舵機
構を動力アシストして操向車輪を転舵すると共
に、アクチユエータ手段は安全装置がトルク検出
器の異常を検知するときに非作動にされて動力ア
シストを行わないようにしている。

以下、図面に拠つて本考案の実施例を説明す
る。

第１図の全体図において、ハンドル１と入力軸
２は一体的に回転し、入力軸２と出力軸３との間
には、ハンドル１が受ける操舵トルクを検出して
操舵トルクに応じたトルク信号を出力するトルク
検出器４が設けられている。トルク検出器４とし
ては、ストレインゲージ、ポテンシヨメータ等が
使用される。

出力軸３は、図外の操向車輪を転舵する転舵機
構の一部を成すステアリングギヤ５に機械的につ
ながり、ハンドル１に加えられる操舵力を転舵機
構に伝達する。

出力軸３に隣接しては、電動モータ７が設けら
れ、これの出力は電磁クラツチ８と減速機９を介
して出力軸３に伝えられるようになつている。

一方、トルク検出器４からのトルク信号は車速
センサー１１からの車速信号と共に電動ステアリ
ング制御回路１２に入力し、これらの信号に基づ
いて制御回路１２は電動モータ７と電磁クラツチ
８を夫々適当に駆動制御する。１３は制御回路１
２用の電源である。

電動ステアリング制御回路１２の詳細を第２図
のブロツク図で説明する。

モータ・クラツチ制御回路２１は、トルク検出
器４から増巾器２２を介してトルク信号を、車速
センサー１１から車速信号を夫々受けて、これら
に応じて例えばモータ７の回転方向及びモータ７
に流す電流値を決定しこれらに関わる信号をモー
タ駆動回路２３へ伝える。モータ駆動回路２３は
電源１３からの電流をモータ・クラツチ制御回路
２１からの上記信号に応じてモータ７へ流し、ト
ルクを出力せしめる。この出力トルクは電磁クラ
ツチ８等を介して転舵機構に伝えられる。この様
にして、ハンドル１の操舵を動力アシストする方
向に操向車輪を転舵制御する。

同時に、モータ・クラツチ制御回路２１からは
クラツチ駆動回路２４を制御するための信号を出
力され、この信号に基づいてクラツチ駆動回路２
４は適当に電磁クラツチ８を励磁し、適当な動力
アシストを実現するようにモータ７の出力トルク
を出力軸３に伝える。

次に、トルク検出器４の異常を検出する安全装
置について説明する。

トルク検出器４の出力回路側に、機能的に必要
とされるトルク信号の上限と下限の検出器２５，
２６が設けられ、限度を外れるトルク信号出力が
あつた場合には断線などの異常と判断しそれに応
じた信号を発生する判断回路２７が設けられてい
る。そして、判断回路２７から異常信号の出力が
あつた場合には、スイツチ制御回路２８からの制
御入力により、スイツチ要素２９が作動されて、
電動モータ駆動回路２３及びクラツチ駆動回路２
４への電源ラインが開放されて電源１３を遮断す
る。

この様に、トルク検出器４の異常が上下限検出
器２５，２６などから成る安全装置により検知さ
れると、モータ７などからなるアクチユエータ手
段が非作動になつて電動ステアリングはマニアル
ステアリングモードに戻る。

上記実施例において、スイツチ要素１９の作動
を安定化するために、スイツチ制御回路２８に、
断線などの異常信号が微小時間継続するときにス
イツチ要素１９を作動させるような時限回路を付
加してもよい。

ところで、上記実施例は単なる例示であり、電
動モータが第１図に示すような位置に設けられる
ものに限らず、ピニオン・ラツク式のものにおけ
るラツク軸に出力する位置に電動モータが設けら
れるタイプ等の動力舵取装置に本考案が適用され
ることは勿論である。また、トルク検出器の異常
判断方式、アクチユエータ手段を非作動状態にす
る方式も、本考案が適用される動力舵取装置のタ
イプに応じて種々変更可能である。

以上の如く、本考案によれば、トルク検出器が
異常である場合には動力ステアリングモードはマ
ニアルステアリングモードに戻るので、ハンドル
を取られることもなく操舵機能も損なわれず極め
て安全である。特に、電動ステアリングにおいて
は、トルク検出器が断線などした場合、瞬時に電
源が遮断されるため、電動モータは停止し電磁ク
ラツチは切れて更に安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の全体図、第２図はこ
の実施例の主要部のブロツク図である。 主要部分の符号の説明、４……トルク検出器、
７，８，２３，２４……アクチユエータ手段、２
１……制御手段、２５〜２９……安全装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ハンドルが受ける操舵トルクを検出して、操
   舵トルクに応じたトルク信号を出力するトルク
   検出器と、該検出器からトルク信号を受け予め
   定められた特性で処理して制御信号を出力する
   制御手段と、該制御信号により制御されるアク
   チユエータ手段と、該アクチユエータ手段によ
   り動力アシストされて操向車輪を転舵する転舵
   機構と、該トルク検出器の異常を検知してアク
   チユエータ手段を非作動にし該動力アシストを
   やめさせる安全装置とからなつており、 前記アクチユエータ手段は、電動モータと電
   動モータ駆動回路と該モータの出力を前記転舵
   機構に伝達する伝達手段を含み、前記安全装置
   は該トルク信号が、機能的に必要とされるトル
   ク信号の上限ないし下限から外れるときに異常
   と判断して前記電動モータ駆動回路の電源ライ
   ンを開放する動力舵取装置。 ２ 前記伝達手段は電磁クラツチとクラツチ駆動
   回路を含み、前記安全装置は異常と判断したと
   きに該クラツチ回路の電源ラインも開放する実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の動力舵取
   装置。