JPH0321304B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、板材の面に研磨、研削、穿孔等の加
工工作を行う装置に関する。さらに詳しくは、回
動しながら板面を加工する工作具の駆動伝達系の
改良に関する。

［従来の技術］ 従来、板面の加工装置としては、例えば第６図
に示すものが知られている。

この従来の加工装置は工作具Ａに回動力を付与
する駆動伝達系（図示せず）を有する工作機Ｂと
加工材料である板材Ｃを設置する工作台Ｄとから
なり、工作機Ｂに適当な送り機構（図示せず）を
設けて工作機Ｂを矢印のように板材Ａの前後左右
方向へ移動させ、板材Ａ面に連続的または間欠的
な一連の加工工作を行うものである。

なお、前記送り機構を工作機Ｂ、工作台Ｄの双
方または工作台Ｄのみに設けたものも知られてお
り、設置スペース、加工の種類などに対応して
種々の改良が試みられている。

［発明が解決しようとする問題点］ 前述の従来の加工装置では、工作機Ｂにおける
工作具Ａの駆動伝達系がギア同士の噛合構造とな
つている。このため、次のような問題がある。

(イ) ギア同士の噛合は摩擦力が大となるから、摩
耗が激しく耐久性が低い。

(ロ) ギア同士の噛合は摩擦力が大となるから、抵
抗が大となり駆動伝達性が低い。

(ハ) ギア同士の噛合は取付スペースが大となるか
ら、装置が大型化する。

(ニ) ギア同士の噛合は取付スペースが大となるか
ら、取付けられる工作具の間隔を広くしなけれ
ばならず、工作具の本数が限定されてくる。

以上の(イ)〜(ハ)の装置に一般的に不利な問題に加
えて、(ハ)の問題は微細な加工工作を困難にすると
いう装置の質的、精度的側面に係つている。

本発明は前述の問題に鑑みてなされたもので、
その目的は、駆動伝達系を改良して多数本の工作
具により微細な加工工作を行えるようにすること
にあり、これに伴つて前記耐久性、駆動力伝達
性、大型化の問題をも解決することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明に係る板面加工装置は、工作具に回動力
を付与する駆動伝達系を有する工作機と加工材料
である板材を設置する工作台間を相対移動する送
り機構を備え、この相対移動によつて板材の面に
連続的または間欠的な一連の加工工作を行うよう
にした板面加工装置において、工作具を取付ける
ために工作機に並列させたシヤフトに夫々同軸に
固定したギアとモータ等の駆動部との間にエンド
レス状のチエーンを噛合張設してなる駆動伝達系
を設け、前記シヤフトに固定するギヤを隣同士で
シヤフトの軸方向へ位相させて取付けることでシ
ヤフト間の間隔を近接させ、これら位相したギア
のために前記チエーンを少なくとも二本噛合張設
したことを特徴とする手段を採用する。

［作用］ 本発明に係る板面加工装置は、ギアとチエーン
との噛合によつて摩擦力の低減と取付スペースの
削減を図り、前記耐久性、駆動伝達性、大型化の
問題を解決するものであり、また、隣同士のギア
を位相させることによつて工作具の取付間隔を狭
め、多数本の工作具により微細な加工工作を行え
るようにするものである。

［実施例］ 以下、本発明に係る板材等の加工装置の実施例
を第１図〜第５図に基づいて説明する。

図示実施例は薄板状のアルミ板１の表面に研磨
加工を行つて模様を形成する加工装置を示すもの
で、工作具としては円柱状の砥石部２１と砥石部
２１に固着された取付シヤフト２２とからなる研
磨具２が用いられている。この研磨具２自体は、
サンダ、グラインダ等の研磨交替部品として公知
のものである。

第１図は本発明の基本原理を簡略に示したもの
であり、工作機３に設けられる駆動伝達系４が示
されている。駆動伝達系４は、研磨具２を取付け
るために工作機３に並列するシヤフト４１と、シ
ヤフト４１に同軸に固定されたギア４２と、並列
するシヤフト４１の両側に配置された駆動軸４
３、従動軸４４と、駆動軸４３、従動軸４４に
夫々同軸に固定された二個のギア４５，４６と、
二本のエンドレス状のチエーン４７，４８と、駆
動軸４３に連結されたモータ４９とからなる。シ
ヤフト４１に固定されたギア４２は隣同士でその
位置がシヤフト４１の軸方向へ位相している。し
たがつてシヤフト４１間の間隔を詰めて多数本の
シヤフト４１を狭い範囲に並列できるようになつ
ている。このギア４２の位相は駆動軸４３、従動
軸４４の二個のギア４５，４６の固定間隔と一致
しており、夫々にチエーン４７，４８が噛合張設
されている。

このような駆動伝達系４の構造によると、モー
タ４９が回転すればチエーン４７，４８からギア
４２、シヤフト４１を介して研磨具２が回動する
ことになり、研磨具２の砥石部２１により工作台
５に設置されたアルミ板１を研磨し模様１を形成
することができる。

第２図は前記シヤフト４１の構造とその支持構
造とを示すもので、ボツクス６の内部にベアリン
グ７を介して回動自在に支持されたシヤフト４１
は、バネ４１ａにより下方へ付勢されたスライダ
４１ｂを備え、このスライダ４１ｂはボール４１
ｃを介してバネ４１ａの付勢力を調整する調整ネ
ジ４１ｄで圧力調整されるようになつている。な
お、スライダ４１ｂには抜止４１ｅが設けられて
おり、また、スライダ４１ｂの下部には研磨具
２、取付シヤフト２２が挿通されネジ止されるよ
うになつている。さらに、ボツクス６の内壁の前
記チエーン４７，４８と相応する位置に突条ガイ
ド８を設けてあり、チエーン４７，４８の脱落を
防止している。

第３図、第４図は送り機構９を示すもので、前
記ボツクス６を内枠３１に固定し内枠３１を外枠
３２に摺動自在に支持すると共に、外枠３２に支
持された回転軸９１からカム９２、バー９３を介
して内枠３１に連結して内枠３１、ボツクス６を
移動可能にし、また、外枠３２の下部に設けた車
輪９４で工作台５の側方に架設された架台９５を
走行できるようにしてある。

以上のようなアルミ板１の研磨加工装置につい
てその操作としては、まず工作台５にアルミ板１
を設置する。この設置は、例えば工作台５上に設
けたジグでアルミ板１を固定する、真空ポンプで
アルミ板１を工作台５に吸着させる、オイルでア
ルミ板１を密着させる手段がある。そして、研磨
具２を回動させながら前記送り機構９を操作する
ことにより、アルミ板１の表面に自在に精巧な模
様を形成することができる。なお、研磨後は、例
えばアルマイト処理すればそのまま装飾板として
利用することも可能である。

研磨加工においては、工作台５に昇降機５ａが
設けられ、またシヤフト４１にはバネ４１ａが設
けられていることにより、研磨深度の調整が可能
である。また、第４図に示すように研磨具２を二
列設け、かつ、各研磨具２の研磨箇所をずらして
加工することによつて位相した模様を形成するこ
ともできる。なお、研磨具２を二列設けた場合に
は、第５図に示すようにネジハンドル１０により
両研磨具２（ボツクス６）の間隔、角度を変更で
きるようにすれば、より複雑な模様を形成するこ
とができる。

以上、図示実施例の外に、研磨具２を他の工作
具と交換すれば他の加工工作を行うことも可能で
あり、また、工作台５に設置する設置方法さえ変
えれば板材はステンレス、合成樹脂、木等の薄板
ばかりでなく、厚みをもつたものでも加工工作を
行うことができる。

［発明の効果］ 以上のように本発明に係る板面加工装置は、ギ
アとチエーンとの噛合構造からなる工作具の駆動
伝達系としたので、摩擦力が低減されると共に取
付スペースが削減され、耐久性が向上し駆動伝達
性が向上し装置が小型化される効果がある。

さらに、工作具が取付けられるシヤフトをギア
の位相により近接させたので、狭い範囲に多数の
工作具を並列することができ、微細な加工工作が
可能となり加工精度が向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る板面加工装置の実施例を
示す要部斜視図、第２図は同他の要部の拡大断面
図、第３図、第４図は同全体の断面図、第５図は
第４図の要部拡大図、第６図は従来例を示す斜視
図である。 １……アルミ板（板材）、２……研磨具（工作
具）、３……工作機、４……駆動伝達系、５……
工作台、４１……シヤフト、４２……ギア、４
７，４８……チエーン、４９……モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 工作具に回動力を付与する駆動伝達系を有す
   る工作機と加工材料である板材を設置する工作台
   間を相対移動する送り機構を備え、この相対移動
   によつて板材の面に連続的または間欠的な一連の
   加工工作を行うようにした板面加工装置におい
   て、工作具を取付けるために工作機に並列させた
   シヤフトに夫々同軸に固定したギアとモータ等の
   駆動部との間にエンドレス状のチエーンを噛合張
   設してなる駆動伝達系を設け、前記シヤフトに固
   定するギヤを隣同士でシヤフトの軸方向へ位相さ
   せて取付けることでシヤフト間の間隔を近接さ
   せ、これら位相したギアのために前記チエーンを
   少なくとも二本噛合張設したことを特徴とする板
   面加工装置。