JPH0319837Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、中芯外周面にロール状に巻回された
トイレツトペーパー、或いは台所等で使用する紙
ナプキン等のロールペーパーを保持するためのロ
ールペーパーホルダーに関するものである。

「従来技術」 従来のロールペーパーホルダー、たとえばトイ
レツトペーパーホルダーとしては、ロール状のト
イレツトペーパーの中芯内に挿入してトイレツト
ペーパーを保持する芯棒を弾性部材を介して一側
端部もしくは両側端部を伸縮可能に形成し、この
芯棒をその弾性部材を介して適宜間隔を配して対
向する一対の支持腕間に着脱自在に装着したもの
がある。

「考案が解決しようとする問題点」 しかし、この従来のロールペーパーホルダーは
前記の如き構造のため、トイレツトペーパーを交
換する際には、芯棒をその弾性部材を介して短縮
した状態となして一対の支持腕より取り外し、芯
棒をトイレツトペーパーの中心内に挿入した後再
び芯棒を短縮状態となして芯棒の両端部を一対の
支持腕に設けられた嵌合凹部内にその嵌合凹部と
対面する方向より挿し込まなければならず、芯棒
を短縮しない状態においては芯棒の全長は一対の
支持腕の嵌合凹部間の距離より長い状態となつて
いるものであるから、トイレツトペーパーをその
外面に装着せる状態における芯棒の一対の支持腕
間に対する装着操作が非常に面倒であり、トイレ
ツトペーパーの交換が容易ではなかつた。

本考案は、斯かる従来のロールペーパーホルダ
ーの有するロールペーパーの交換が容易ではない
という問題点を解消し、ロールペーパーの交換を
ワンタツチで迅速、容易、確実に行ない得るよう
になすことを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、上記問題点を解決するために、ロー
ルペーパーを保持するための芯棒としての支え駒
の構造とこの支え駒の一対の支持腕に対する装着
手段の構造に簡潔にして格別な工夫を施したもの
であり、すなわち、適宜間隔を配して対向する一
対の支持腕の外側面に夫々一端を閉塞し他端開口
面を互いに支持腕の内側面側に開口せしめた一対
の嵌合筒を直角方向に突出形成し、該一対の嵌合
筒内に、夫々対向面を所定方向に向つて対称状に
傾斜する傾斜面となしたロールペーパー保持用の
一対の支え駒をその外周面が一対の嵌合筒の内周
面に接する状態で摺動可能に嵌合し、一対の支え
駒の裏面にガイド棒とこのガイド棒の基端部外周
面を囲む環状凹溝とを形成し、ガイド棒の先端部
を一対の嵌合筒の閉側面におけるガイド孔に摺動
可能に挿通しその先端外部にストツパーを取り付
けるとともに、一対の支え駒裏面の環状凹溝と一
対の嵌合筒の閉側面との間に押圧スプリングを装
着せしめたことを特徴とするものである。

「作用」 対向する一対の支持腕の外側面に直角方向即ち
対向方向に設けられた一対の嵌合筒内に夫々摺動
可能に嵌合されている一対の支え駒は、弾性部材
を介して嵌合筒の開口面より互いに一対の支持腕
の内側面側に適宜長さ（互いにロールペーパーの
中芯の一側端部側よりその内周面の一部に嵌合し
得る長さ）対向状に突出されている。そして、一
対の支え駒の対向面は所定方向に向つて対称状に
傾斜する傾斜面となつているので、この一対の支
え駒の対向する傾斜面間にその傾斜面が拡開され
た方向よりロールペーパーを挿入する。すると、
一対の支え駒の傾斜面はロールペーパーの外周面
により押圧され、この傾斜面に加えられた外力の
一対の支え駒の対向方向分力によつて一対の支え
駒は弾性部材の弾性力に抗して一対の嵌合筒内に
その内周面に沿つて退出し（押し込められる）、
ロールペーパーの挿入操作に伴いその中芯が一対
の支え駒の元位置の個所に到達するとロールペー
パーによる支え駒に対する押圧力が解除されるの
で一対の支え駒は弾性部材の復元力によつて嵌合
筒内を進んで元位置に復帰し、互いにロールペー
パーの中心の一側端部側よりその内周面の一部に
嵌合し、この一対の支え駒のロールペーパーの中
芯に対する両端部側よりの嵌合によつてロールペ
ーパーが保持される。ロールペーパーの使用後残
つている中芯を一対の支え駒より取り外す場合に
は、ロールペーパー操入操作と同様の方法で行な
う。即ち、ロールペーパーの挿入方向と同一方向
に中芯を押動すると、一対の支え駒の傾斜面にこ
の傾斜面の拡開方向側に位置するロールペーパー
の中芯の端部内周面が当接し、その押圧作用によ
つて一対の支え駒は一対の嵌合筒内にその内周面
に沿つて退出し中芯との嵌合が解除されるので、
中芯が一対の支え駒より取り外される。

「実施例」 別紙図面について本考案をトイレツトペーパー
ホルダーに実施した一例を説明する。１，１′は
連結板２を介して適宜間隔に対向配設された一対
の支持腕で、この一対の支持腕１，１′の外側面
には一端部を閉塞面３₁，３₁′とした一対の嵌合
筒３，３′が直角方向（一対の支持腕の対向方向
と同一方向即ち水平方向）に一体に突出形成され
ており、一対の嵌合筒３，３′の他端開口面３₂，
３₂′は互いに一対の支持腕１，１′の内側面側に
開口されている。一対の嵌合筒３，３′内には、
夫々ロールペーパー４の中芯４′の一側端部より
その内周面の一部に嵌合してロールペーパー４を
保持するための一対の支え駒５，５′が開口面３
_２，３₂′側より、スプリング６，６′（弾性部材）
を介して嵌合筒３，３′の内周面に沿つて進退可
能に嵌合されている。一対の支え駒５，５′の対
向面は、上方より下方に向つて漸次拡開状態に対
称して傾斜する傾斜面５₁，５₁′となつている。
また、一対の支え駒５，５′の対向面と反対側裏
面にはガイド棒５₂，５₂′とこのガイド棒５₂，５
₂′の基端部外周面を囲む環状溝５₃，５₃′が形成さ
れている。ガイド棒５₂，５₂′の先端部は一対の
嵌合筒３，３′の閉塞面３₁，３₁′に穿設されたガ
イド孔３₃，３₃′に摺動可能に挿通されていると
ともに、その先端部外面には支え駒の嵌合筒３，
３′の開口面３₁，３₁′側よりの脱落防止用ストツ
パー７，７′が固定されている。スプリング６，
６′（弾性部材）は支え駒５，５′の環状凹溝５₃，
５₃′の底面と嵌合筒３，３′の閉塞面５₁，５₁′と
の間に介在されており、その押圧力により支え駒
５，５′は常時先端部が支持腕１，１′の内側面よ
り内側方向にロールペーパーの中芯４′の一側端
部側より内周面の一部に嵌合し得る程度の適宜長
さに突出せしめられている。図中８は、一対の支
持腕１，１′の上側部間に基端部が枢着された蓋
板である。

しかして、上記実施例に係るロールペーパーホ
ルダーにロールペーパー４を取り付ける場合に
は、ロールペーパーを第１図の下方方向より上方
方向に向つて一対の支え駒５，５′の傾斜面５₁，
５₁′間に挿入する（ロールペーパー４を下から上
へ持ち上げる）。すると、ロールペーパー４の両
端部上部外周面が支え駒の傾斜面５₁，５₁′に当
接してこれを押圧し、その押圧力によつて支え駒
５，５′が嵌合筒３，３′内を水平方向に退出し、
ロールペーパー４が更に上昇してその中芯４′が
支え駒５，５′の元位置の個所に到達すると支え
駒５，５′に対するロールペーパー４の押圧力が
解除されるので、支え駒５，５′はスプリング６，
６′の復元力によつて嵌合筒３，３′内を前方に進
み先端部がロールペーパーの中芯４′の両端部方
向より夫々その内周面の一部に嵌合して元位置に
復帰し、その位置にてロールペーパー４の上昇
（持ち上げ）を停止すると一対の支え駒５，５′に
よりロールペーパー４が保持される。ロールペー
パーの使用後ロールペーパーを交換する場合に
は、残つている中芯４′を前記ロールペーパー４
の挿入操作と同様に上方に持ち上げる。すると、
一対の支え駒の傾斜面５₁，５₁′に中芯４′の端部
下方内周面が当接して一対の支え駒５，５′を嵌
合筒３，３′方向に押圧し一対の支え駒５，５′は
嵌合筒３，３′内に退出して一対の支え駒５，
５′と中芯４′との嵌合が解除されるので、中芯
４′を上方外部に取り外し、新たなロールペーパ
ー４を元位置に復帰した一対の支え駒５，５′に
対しその下方より持ち上げて装着する。

なお、上記実施例においては本考案をトイレツ
トペーパーホルダーに実施した場合を示したが、
これに限らず、台所等で使用するロール状の紙ナ
プキン等中芯外周面にロール状に巻回されたロー
ルペーパーを保持するホルダーに対しても同様に
実施し得るものである。また、上記実施例におい
ては一対の支持腕を水平方向に対向配設して使用
する模型のものを示したが、巾が長尺であるロー
ル状の紙ナプキン等に対しては一対の支持腕を垂
直方向に対向配設して使用する縦型のものとして
もさしつかえない。さらに、ロールペーパーの両
端部を保持する一対の支え駒に対するロールペー
パーの挿入操作を、ホルダーを取り付ける壁面等
と平行方向に即ち垂直方向に行なうようになすた
めに一対の支え駒の対向面を垂直方向に傾斜せし
めるものを示したが、これに限らず水平方向に傾
斜せしめロールペーパーの挿入を壁面等と対向方
向に即ち水平方向に行なうようになしてもさしつ
かえない。

「考案の効果」 本考案は叙上のように構成たので上述の従来技
術の有する難点を解消し次の効果を有する。

即ち、ホルダーに対するロールペーパーの交換
の際、従来のように芯棒よりのロールペーパーの
中芯の取り外し、芯棒へのロールペーパーの装着
のために、一々芯棒に短縮操作を加えて芯棒を一
対の支持腕より着脱するという煩瑣な動作を行な
う必要が全くなく、単にロールペーパー保持用の
一対の支え駒に対する中芯およびロールペーパー
の所定方向（垂直もしくは水平方向）の直線的可
動操作のみによつて中芯の取り外しとロールペー
パーの装着を行なうことができ、斯かる動作は片
手のみにてワンタツチで行なうことができるの
で、従来に比しロールペーパーの交換操作を迅
速、容易になすことができる。そして、中芯の取
り外しおよびロールペーパーの装着時における一
対の支え駒の運動は、中芯およびロールペーパー
の軸線方向と同一の直線運動であり、したがつて
一対の支え駒の中芯からの離脱およびロールペー
パーへの嵌合動作が確実である。さらに、一対の
支え駒は従来のように伸縮可能な構造となす必要
がないとともに、ロールペーパーの中芯全体に挿
通する長さを有する必要がなく単に先端部が中芯
の端部内周面に適宜長さ嵌合し得るものであれば
充分であるので、部材の節約と全体構造の簡潔化
を図ることができる。

さらにまた、支え駒を支持腕の内外方向に進退
させる案内孔は支持腕と接続し内周面が支え駒の
外周面と摺動可能に接する一対の嵌合筒自身の内
部空間部であり、その進退動作は支え駒裏面の環
状凹溝と嵌合筒の閉側面とに夫々一端が係止され
る押圧スプリングにて行われるものであるから押
圧スプリングの弾性力は支え駒に対し常に一定方
向に作用し、したがつて支え駒の進退を支持腕に
設けた摺動孔にて案内するような場合と異なり、
支え駒の進退動作を中滑、安定、確実に行うこと
ができる。また、支持腕外面に突出する一対の嵌
合筒の内径は支え駒の外径とほぼ同一であり、支
え駒を進退させる押圧スプリングの一端は支え駒
裏面内部に設けた環状凹溝に係止されるものであ
るから嵌合筒の突出長さが比較的短くて済み、し
たがつて支持腕外面に突出する一対の嵌合筒を可
及的に小形化し得るのでホルダーの外観体裁上良
好である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の一例に係るロールペーパー
ホルダーを示すもので、第１図は要部を断面とし
た正面図、第２図はロールペーパーを装着した状
態の正面図、第３図は平面図、第４図は第３図に
おけるＡ−Ａ断面図、第５図は左側面図である。 １，１′……支持腕、３，３′……嵌合筒、３₁，
３₁′……閉塞面、３₂，３₂′……開口面、３₃，３
₃′……ガイド孔、５，５′……支え駒、５₁，５
₁′……傾斜面、５₂，５₂′……ガイド棒、５₃，５
₃′……環状凹溝、６，６′……弾性部材、７，
７′……ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜間隔を配して対向する一対の支持腕の外側
   面に夫々一端部を閉塞し他端開口面を互いに支持
   腕の内側面側に開口せしめた一対の嵌合筒を直角
   方向に突出形成し、該一対の嵌合筒内に、夫々対
   向面を所定方向に向かつて対称状に傾斜する傾斜
   面となしたロールパーパー保持用の一対の支え駒
   をその外周面が一対の嵌合筒の内周面に接する状
   態で摺動可能に嵌合し、一対の支え駒の裏面にガ
   イド棒とこのガイド棒の基端部外周面を囲む環状
   凹溝とを形成し、ガイド棒の先端部を一対の嵌合
   筒の閉側面におけるガイド孔に摺動可能に挿通し
   その先端外部にストツパーを取り付けるととも
   に、一対の支え駒裏面の環状凹溝と一対の嵌合筒
   の閉側面との間に押圧スプリングを装着せしめた
   ことを特徴とするロールペーパーホルダー。