JPH0733317Y2 - 二度押しスイツチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は二度押しスイツチに係り、ハート形カムの周り
の溝底を凹凸の段差がない平滑面にして、溝底がピン部
材により摩耗を生じないスイツチ構造にしたものであ
る。

（従来の技術） 固定部材と可動部材とからなり、その一方の部材にハー
ド形カムを設け、他方の部材に可動部材の一度押しによ
りハート形カムの半周を相対的に循環移動して係合し、
二度押しと押し作動の解放により残りの半周を相対的に
循環移動して係合し、二度押しにより一循環するピン部
材を設け、可動部材の一度押しと、二度押しによりオ
ン、オフのスイツチ動作を交互に繰り返すようにした従
来の二度押しスイツチは、ピン部材をハート形カムの周
りの溝底に接しさせ、ハート形カムの一側及び該カムの
残りの一側に対応する案内壁に同じ方向から弾接させる
弾力線材により構成すると共に、前記した溝底の所要部
にピン部材の先端を接触して、該ピン部材を逆行させな
いようにする凹凸の段差を設けていることは公知の通り
である。

前記の構造は二度押しスイツチを構成する上で欠くこと
が出来ない要件をなすものとしているものであるが、ピ
ン部材の先端と溝底とは常に弾接して循環するから、使
用が長くなると必然的に接触部分が摩耗し、特に溝底に
形成した段差部分が摩耗して平滑になり、可動部材の二
度押しによりピン部材をハート形カムの周りで一周させ
ることができなくなる欠点がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は前記に鑑み、前記のピン部材が接して循環する
ハート形カムの周りの溝底を凹凸の段差がない平滑面と
し、該溝底に段差がなくても、或いはピン部材が溝底に
接しないでハート形カムの周りを循環しても、可動部材
の二度押しによる所要のスイツチ動作の繰り返しができ
る構成を提供して、前記した欠点を除くことを解決する
問題点とし、考案の目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記の目的に合致させたものであって、固定部
材と可動部材とからなり、一方の部材にハート形カムを
設け、他方の部材に可動部材の一度押しによりハート形
カムの半周を相対的に循環移動して係合し、二度押しと
押し作動の解放により残りの半周を相対的に循環移動し
て係合するピン部材を設け、可動部材の一度押しと、二
度押しによりオン、オフのスイツチ動作を交互に繰り返
えすスイツチにおいて、ピン部材９が通過するハート形
カム17の周りの溝底を平滑面とし、ピン部材９を前記の
他方の部材に設けた軸８に揺動自由に軸支すると共に、
両部材の相対的移動によつてピン部材９の軸８より前方
から後方の側面に、又は軸より後方から前方の側面に相
対的に移動してピン部材９の揺動方向を変換するバネ部
材22を設けたことを特徴とする二度押しスイツチに関
し、可動部材の一度押しと二度押しとによりバネ部材22
による付勢方向を左右交互に自動的に切り代えらるピン
部材９の特殊の構成により、摩耗のおそれが多い溝底の
段差がなくても所要のスイツチ動作を生じさせることが
できるようにしたものである。

（実施例） 添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は可動部材
の一度押し後の状態を示した一部切欠正面図、第２図は
同二度押し後の状態を示した一部切欠正面図、第３図は
二度押し後の状態を示した一部切欠側面図、第４図は可
動部材と固定部材の斜視図である。

図中１は函形のスイツチケースで、上面に嵌め蓋２を施
し、該嵌め蓋の上面中心から折下げた案内筒３に、押し
ボタン装置箱４の底部から下げた筒形案内５を挿入して
取外し可能に固定し、スイツチケース１の内部底に、ア
ーム７を上方に突出した固定部材６（第４図参照）を嵌
め、これを前記の嵌め蓋２のスカート2a等により押圧し
て固定し、固定部材６のアーム７に設けた軸８に高さ方
向の中間部を揺動自由に軸支したピン部材９を設け、ア
ーム７とピン部材９の大部分とを前記の案内筒３に下方
から遊挿する。

押しボタン装置箱４には上面に開閉蓋11を設け、内部に
二度押し用の押しボタン12を嵌めると共に、該押しボタ
ン12の押圧毎に連動して下降する可動部材13を前記の筒
形案内５に嵌め、可動部材13にスイツチケース内に固定
して設けたばね掛片14に下端を掛けたばね15の上端を掛
けて上昇を強制する。可動部材13には周面を削つた平滑
面16を掘削形に形成し、該面16に下方中央を尖り面18と
したハート形カム17を突出させて形成し該カム17の上側
中央の窪み面19に対応させて案内カム20を垂下状に形成
し、さらにハート形カム17の一側（第１、２図の右側）
において尖り面18の下方までを覆う案内カム壁21を形成
し、該カム壁21の第１、２図の右側に、下端を前記の尖
り面18の下方よりさらに左側に作用する弾力を持つばね
部材22の上端を取付ける。

前記したアーム７とピン部材９とは可動部材13の平滑面
16のハート形カム17等に対応させて筒形案内５の下端か
ら内部に臨ませるものである。

本実施例は押しボタン12により可動部材13をばね15の弾
力に抗して押し下げる一度押しによりオンに作動し二度
押しによりオフになるスイツチを設けるものであるが、
このようなスイツチは従来の二度押しスイツチに設ける
ものと同じでよいからその説明を省略する。

本実施例において、押しボタン12を押す前は第２図の通
りに可動部材13がばね15により図の上昇限度まで上昇
し、固定部材６の軸により揺動自由に支持されたピン部
材９の上端がハート形カム17の下端の尖り面18より下方
になり、軸８より上の側面をばね部材22により左方に押
されて、案内カム壁21の左側でハート形カム17を隔てて
対応するストツパ壁23に接する。

押しボタン12の一度押しにより可動部材13を第１図の通
りに押し下げると該可動部材13と共に下降するばね部材
22の先端がピン部材９の軸８より下方側面に移動して押
すため、該ピン部材９は上端を右に移動する付勢弾力を
持つように切り変えられ、上側のストツパ壁24、次いで
案内カム20の左側に接し、これを上昇限度としてスイツ
チをオンにする。

ここで押しボタン12を押圧から解放すると、可動部材13
がばね15により少し上昇し、相対的にピン部材９が下が
つてハート形カム17の窪み面19に係合してスイツチオン
を保持する。（この保持作用は従来と同じである）。

押しボタン12の二度押しにより可動部材13を押し下げる
と、ハート形カム17の窪み面19に係合されていたピン部
材９の上端が右に付勢されているため窪み面19を右方向
に移動し係合を外されて、案内カム壁21に突き当たり、
続いて可動部材13を押圧から放つとピン部材９が該案内
カム壁21により案内されて相対的に下がり、ばね部材22
が第２図のとおりにピン部材９の軸８より上側の側面に
相対的に移動して該ピン部材９の上端を左方向の付勢に
切り替え、ピン部材９がハート形カム17の尖り面18より
下に下がるのを下降限度としてストツパ面に接し、スイ
ツチをオフにしてオフを保持する。（この保持作用は従
来と同じである）。

（作用及び効果） 本考案は固定部材６と可動部材13とからなり、一方の部
材にハート形カム17を設け、他方の部材に可動部材13の
一度押しによりハート形カム17の半周を相対的に循環移
動して係合し、二度押しと押し作動の解放により残りの
半周を相対的に循環移動して係合するピン部材９を設
け、可動部材13の一度押しと、二度押しによりオン、オ
フのスイツチ動作を交互に繰り返すスイツチにおいて、
一方の部材に設けるハート形カム17を巡る溝の底に、前
記のピン部材９を接触させて逆行を防ぐ凹凸の段差を設
けないで、該ハート形カム17の周りの溝底を平滑面と
し、ピン部材９を他方の部材に設けた軸８に揺動自由に
軸支すると共に、両部材の相対的移動によつてピン部材
９の軸８より前方の側面から後方の側面に、又は軸８よ
り後方の側面から前方の側面に相対的に移動して接触変
えするバネ部材22を設けた構成になるから、長年使用し
ても溝底がピン部材の接触により摩耗するとか、ピン部
材が溝底により摩耗するとかにより従来生じているスイ
ツチ作動の不円滑、不正確を極く有効に防止できる効果
を持つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は可動部材の一度押し後の状態を示した一部切欠
正面図、第２図は同二度押し後の状態を示した一部切欠
正面図、第３図は二度押し後の状態を示した一部切欠側
面図、第４図は可動部材と固定部材の斜視図である。 １……スイツチケース、２……嵌め蓋、３……案内筒、
５……筒形案内、６……固定部材、７……アーム、８…
…軸、９……ピン部材、12……押しボタン、13……可動
部材、15……ばね、16……平滑面、17……ハート形カ
ム、18……尖り面18、19……窪み面、20……案内カム、
21……案内カム壁、22……ばね部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定部材と可動部材とからなり、一方の部
   材にハート形カムを設け、他方の部材に可動部材の一度
   押しによりハート形カムの半周を相対的に循環移動して
   係合し、二度押しと押し作動の解放により残りの半周を
   相対的に循環移動して係合するピン部材を設け、可動部
   材の一度押しと、二度押しによりオン、オフのスイツチ
   動作を交互に繰り返えすスイツチにおいて、 前記のピン部材が通過するハート形カムの周りの溝底を
   平滑面とし、ピン部材を前記の他方の部材に設けた軸に
   揺動自由に軸支すると共に、両部材の相対的移動によつ
   てピン部材の軸より前方から後方の側面に、又は軸より
   後方から前方の側面に相対的に移動して該ピン部材の揺
   動方向を変換するバネ部材を設けたことを特徴とする二
   度押しスイツチ。