JPH0141357Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はトイレツトペーパー保持器に関する
もので、ロール状のトイレツトペーパーを、所定
の位置へ回転自在にワンタツチで装着できるよう
に工夫したトイレツトペーパー保持器を提案する
ものである。

〔従来の技術〕

一般的な保持器は、左右側板に設けてある軸受
に、トイレツトペーパーの芯穴へ遊挿した芯棒の
左右両端部を嵌挿して軸支したものであつて、剛
性の芯棒を側面視Ｕ字状の軸受へ、その上方から
落し込むことによつて軸支する構造のものや、芯
棒の少くとも１方の端部が蛇腹状に伸縮できるよ
うに形成されて、この端部を縮めながら軸受に嵌
入する構造のものが用いられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従つて、トイレツトペーパーを新たに装着する
には、芯棒を左右の軸受に正確に嵌入することが
かなりむつかしいものであつて、トイレツトペー
パーから左右にわづかに突出している芯棒の両端
部は、落し込みのときＵ字状の軸受から外れてト
イレツトペーパーと共に床に落下したり、芯棒の
縮めた１端部が軸受に嵌入できずに外れてしまう
こともあり、トイレツトペーパーが無くなつたと
きは、小供の使用者であつても自身で急ぎ、新し
いものを装着しなければならないので、簡易な操
作で確実に装着できる保持器が要望されている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するためにこの考案は、次の
技術手段を講じた。

即ち、上下開放の方形筒体１の両側の上方部に
略半円状の溝２，２を貫設し、この溝２，２内を
摺動できる湾曲板３の両端部を嵌挿し、更にこの
湾曲板３はわづかに上向きに凹面が向つており、
且つ、前記溝２，２の最下端部に該湾曲板３の下
端部が当接したとき、前記凹面が略上方に面する
ように形成し、更に、前記溝２，２の最上端部に
前記湾曲板３の上端部が当接したとき、前記湾曲
板３の凹面が略下方に面するように形成し、更
に、この方形筒体１の左右両側面に、上下に摺動
できる摺動板４を当接し、この摺動板４の上方部
には前記溝２，２の最下端部と同一位置より斜下
方に向つて突片案内溝５，５を設け、更に前記湾
曲板３の両側下端部に側方に向つて突設した突片
６，６を前記溝２，２及び突片案内溝５，５に挿
通し、更に該摺動板４の下方部中央部に縦溝７，
７を設けて、ここにトイレツトペーパー８の芯穴
９に対する挿通軸１０，１０を挿通すると共に、
この挿通軸１０，１０の内側部は前記方形筒体１
の下方部に貫設させられた孔１１，１１を挿通し
て出没自在に形成されると共に、前記縦溝７，７
の縦方向両側に沿つて板体１２，１２，１２，１
２を前記摺動板４に固定し、更に、この２対の板
体１２，１２には夫々対向して縦方向にカム溝１
３，１３，１３，１３が貫設されると共に、該カ
ム溝１３，１３，１３，１３の下方部は外方に向
つて斜下方に折曲して形成され、且つ、前記挿通
軸１０の前後に突設されたピン１４，１４，１
４，１４を前記カム溝１３，１３，１３，１３に
挿通したことを特徴とするトイレツトペーパー保
持器である。

〔作用〕

湾曲板３の上にトイレツトペーパー８を載せて
おいて、摺動板４を上方へ移動させて方形筒体１
に近づけると、突片６，６が突片案内溝５，５に
案内されて後方へ移動することになつて、湾曲板
３はその上端側が手前に向つて回動するため、湾
曲板３の凹面が下向きとなつてトイレツトペーパ
ー８は落下することになり、他方、摺動板４の上
記上方移動に伴い、ピン１４，１４がカム溝１
３，１３に案内されて左右外方に移動することに
なつて、これによつて挿通軸１０，１０も左右外
方に移動し、落下しきつたトイレツトペーパー８
が摺動板４の附近に到達する。そこで、摺動板４
の上方移動をやめてこれから手を放せば、摺動板
４が元の位置に落下してピン１４，１４が左右内
方に戻り移動し、これによつて挿通軸１０，１０
も左右内方に戻つてトイレツトペーパー８の芯穴
９に挿通軸１０，１０が挿入されてトイレツトペ
ーパー８の装着は完了することになる。

〔実施例〕

次にこの考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。第１図に全体斜視を、第２図にその正面視
を、第３図に第１図の縦断側面視を、第４図に平
面視を夫々示したように、上下を開放した方形筒
体１の左右側板に略半円形状の溝２，２を設け、
湾曲板３の両端部分を溝２，２に係合している。

方形筒体１へ上下方向にのみ移動できるように
摺動板４を嵌合し、摺動板４の上部左右部には、
前記方向中央附近から後下方に向う突片案内溝
５，５を設けて、湾曲板３の下部左右部に突設し
た突片６，６を溝２，２を遊挿して突片案内溝
５，５に係合し、方形筒体１を例えば便所の壁に
取付けるようにし、突片６，６は溝２，２の最下
位位置に係合すると共に、突片案内溝５，５の上
端縁に略当接することになつて、摺動板４が方形
筒体１に対して保持され、この保持状態では、湾
曲板３はその下部がわづかに上向きの凹状に保持
されてロール状のトイレツトペーパー８をこの湾
曲板３の下部にて支承できて、摺動板４を上方へ
移動したときは突片６，６が突片案内溝５，５に
よつて後方へ移動することになつて、このため、
湾曲板３は溝２，２に案内されて上方へ移動し、
摺動板４を充分に上動させた上動位置では湾曲板
４はわづかに下向きの凹状となつて、トイレツト
ペーパー８が湾曲板３から落下するように形成し
ている。

摺動板４の左右部中間位置附近に縦孔７，７を
設け、方形筒体１の左右側板の下部における前後
方向中間位置附近に孔１１，１１を設けて、孔１
１，１１へ左右方向移動のみ自在に挿通した挿通
軸１０，１０を縦孔７，７にも係合し、摺動板４
の左右部外側部に夫々設けた板体１２，１２，１
２，１２にカム溝１３を夫々形成して、夫々の挿
通軸１０に設けたピン１４，１４をカム溝１３，
１３に係合し、カム溝１３はその上部が上下方向
に立設して設けてあり、その下部では左右外側方
に曲る斜設形となつて、正面視において左右のカ
ム溝１３，１３の左右間隔は下部拡がり状に形成
し、摺動板４が上述した保持位置にあるときは、
挿通軸１０，１０は縦溝７，７の上部附近又はそ
の上端縁部に当接した位置に、又、ピン１４は、
カム溝１３の立設部１３ａの上部附近又はその上
端縁部に当接した位置にあり、この保持位置から
摺動板４を上方移動すると、ピン１４がカム溝１
３の斜設部１３ｂに係合することになつて、これ
によつてピン１４及び挿通軸１０は共に左右外方
に移動して方形筒体１の左右側板からの左右内方
への突出長さが小さくなり、前述のように湾曲板
３から落下し来つたトイレツトペーパー８が、こ
の左右外方に移動している挿通軸１０，１０の側
方を通過してトイレツトペーパー８の芯穴９が挿
通軸１０，１０の側方に到つた位置のとき、摺動
板４の底板１５にトイレツトペーパー８が乗るこ
とになり、そこで摺動板４から手を放せば、自重
によつて摺動板４が元の保持位置に落下してピン
１４，１４が立設部１３ａ，１３ａに係合するた
め、挿通軸１０，１０が左右内方に戻つてトイレ
ツトペーパー８の芯穴９に挿通軸１０，１０が挿
入されることになる。トイレツトペーパー８の上
記落下の際に、方形筒体１、摺動板４から前方へ
トイレツトペーパー８が脱落するのを防止するた
めに、方形筒体１、摺動板４を第２図、第４図に
例示したように上部を開口した箱体１６にてカバ
ーして箱体１６を摺動板４に固定し、この箱体１
６の前板に設けた引出溝１６ａから装着状態のト
イレツトペーパー８のペーパー片８ａを第５図の
ように引出して、引出溝１６ａのカツタ刃部にて
カツトできるようにしている。

又、方形筒体１の上に、図示は省略したが、こ
の方形筒体１と同じ機能の方形筒体を１個以上設
け、夫々の方形筒体に設けた湾曲板に夫々トイレ
ツトペーパーが支承されていて、摺動板４を上動
させたとき、図示の湾曲板３及び図示省略した上
記夫々の湾曲板が上方へ移動して夫々のトイレツ
トペーパーを一段宛、落下させることになるよ
う、これらの湾曲板を摺動板４に例えばリンクな
どにて連動形成することも可能であり、このよう
にスペアのトイレツトペーパーを、摺動板４の上
動動作によつて一せいに１段宛落下できて便利な
ものとすることができる。

〔考案の効果〕

この考案に係るトイレツトペーパー保持器は上
述のように構成したものであつて、湾曲板３の上
にトイレツトペーパー８を載せておいて摺動板４
を上方へ移動させて筒体１に近づけると、突片
６，６が突片案内溝５，５に案内されて後方へ移
動することになつて、湾曲板３はその上端側が手
前に向つて回動するため、湾曲板３の凹面が下向
きとなつてトイレツトペーパー８は落下すること
になり、他方、摺動板４の上記上方移動に伴い、
ピン１４，１４がカム溝１３，１３に案内されて
左右外方に移動することになつて、これによつて
挿通軸１０，１０も左右外方に移動し、落下し来
つたトイレツトペーパー８が摺動板４の附近に到
達する。そこで、摺動板４の上方移動をやめて、
これから手を放せば摺動板４が元の位置に落下し
てピン１４，１４が左右内方に戻り移動し、これ
によつて挿通軸１０，１０も左右内方に戻つてト
イレツトペーパー８の芯穴９に挿通軸１０，１０
が挿入されてトイレツトペーパー８の装着は完了
することになり、このように摺動板４の上下動作
によるワンタツチ操作によつて、誰にでも容易
に、しかも確実にトイレツトペーパー８を装着で
きることになつたのである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し、第１図は全体
斜視図、第２図は第１図の正面図、第３図は第１
図の縦断側面図、第４図は第１図の平面図、第５
図は第２図の正面外観図である。 符号の説明、１……方形筒体、２……溝、３…
…湾曲板、４……摺動板、５……突片案内溝、６
……突片、７……縦溝、８……トイレツトペーパ
ー、９……芯穴、１０……挿通軸、１１……孔、
１２……板体、１３……カム溝、１４……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下開放の方形筒体１の両側の上方部に略半円
   状の溝２，２を貫設し、この溝２，２内を摺動で
   きる湾曲板３の両端部を嵌挿し、更にこの湾曲板
   ３はわずかに上向きに凹面が向つており、且つ、
   前記溝２，２の最下端部に該湾曲板３の下端部が
   当接したとき、前記凹面が略上方に面するように
   形成し、更に、前記溝２，２の最上端部に前記湾
   曲板３の上端部が当接したとき、前記湾曲板３の
   凹面が略下方に面するように形成し、更に、この
   方形筒体１の左右両側面に上下に摺動できる摺動
   板４を当接し、この摺動板４の上方部には、前記
   溝２，２の最下端部と同一位置より斜下方に向つ
   て突片案内溝５，５を設け、更に、前記湾曲板３
   の両側下端部に側方に向つて突設した突片６，６
   を前記溝２，２及び突片案内溝５，５に挿通し、
   更に、該摺動板４の下方部中央部に縦溝７，７を
   設けて、ここにトイレツトペーパー８の芯穴９に
   対する挿通軸１０，１０を挿通すると共に、この
   挿通軸１０，１０の内側部は前記方形筒体１の下
   方部に貫設せられた孔１１，１１を挿通して出没
   自在に形成されると共に、前記縦溝７，７の縦方
   向両側に沿つて板体１２，１２，１２，１２を前
   記摺動板４に固定し、更に、この２対の板体１
   ２，１２には夫々対向して縦方向にカム溝１３，
   １３，１３，１３が貫設されると共に、該カム溝
   １３，１３，１３，１３の下方部は外方に向つて
   斜下方に折曲して形成され、且つ、前記挿通軸１
   ０の前後に突設されたピン１４，１４，１４，１
   ４を前記カム溝１３，１３，１３，１３に挿通し
   たことを特徴とするトイレツトペーパー保持器。