JPH0344872Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、岩石に穿たれた分割用穴に挿入して
その岩石を割るのに用いられるロツクスプリツタ
ーに関するものである。

〔従来技術〕

従来、ロツクスプリツターとして、先細りテー
パ面を有するウエツジと、このウエツジの基端部
にピストンロツドが連結され、このウエツジを先
端方向に押圧して移動させるシリンダと、上記ウ
エツジの各テーパ面に沿接され、シリンダの筒体
にウエツジの移動方向と直角方向へ移動可能に支
持された各シユーとを備えるものがある。

このようなロツクスプリツターに於いて問題と
なるのは、ウエツジを基端側に引き戻す時に各シ
ユーがウエツジに追従して閉じられなくなつた
り、各シユーの先端が外向きに曲がつたりするこ
とである。シユーが開いたまま閉じられなけれ
ば、シユーを岩石の分割用穴から抜き取れなくな
るといつた不都合が生じ、また、シユーの先端が
外側に曲がつて開いてしまうと、シユーを岩石の
分割用穴に挿入できなくなるといつた不都合を生
じることになる。

従来、このような問題を解決するために、ウエ
ツジの先端にシユーの先端面を覆い得る状の係
合部を連設し、ウエツジを基端側に引き戻す時に
各シユーの先端面をこの係合部の返り面に係合し
て各シユーの先端部を内側に閉じさせるようにし
たものがある（例えば、実開昭58−63286号公報
参照）。しかしながら、この係合部は常時シユー
の先端部に係合される訳ではなく、ウエツジがス
トロークの基端側端部に引き戻されてきて初めて
シユーの先端に係合部が係合し得るようになつて
いるので、各シユーの開きが大きいときや一定以
上の外曲がりが生じたときには十分にその機能を
発揮できないという問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の実情を考慮してなされたもの
であつて、シユーの開放や外曲がりを確実に防止
できるようにしたロツクスプリツターの提供を目
的とするものである。

〔考案の構成〕

本考案に係るロツクスプリツターは、シリンダ
により先細りテーパ面を有するウエツジを押圧し
て先端方向に移動させ、このウエツジの先端方向
への移動によるウエツジのテーパ面に沿接させた
各シユーをウエツジの移動方向と直角方向に開拡
させるようにしたロツクスプリツターにおいて、
ロツクスプリツターの各シユーの先端に外側面を
ウエツジのテーパ面と同じ傾斜の斜面に形成した
案内棒を突出させ、閉縮された各シユーの仮想外
接円よりも外径が小さく、上記案内棒の斜面に外
接して摺動するリング状の摺動子を上記ウエツジ
の先端に連結することにより、常時、この摺動子
によつて各案内棒を介してウエツジの斜面から離
れないように各シユーの動作を規制するようにし
たことを特徴とするものである。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図ないし第３図に基づ
いて説明すると、以下の通りである。

ロツクスプリツターの本体１は複動シリンダ２
の筒体３に兼用されており、この内部に摺動可能
に挿入されたピストン４の両側にそれぞれ駆動用
受圧室５とリセツト用受圧室６とが形成されてい
る。上記ピストン４に連結されたピストンロツド
７は、リセツト用受圧室６及びこの端壁８を貫通
して筒体３外に突出させてある。このピストンロ
ツド７の先端には先細りテーパ面９を有するウエ
ツジ１０が連結される。上記本体１はシリンダ２
の端壁８よりもウエツジの先端方向に延長され、
この延長部１１に一対のシユー１２がウエツジ１
０の移動方向と直角の方向に移動できるように支
持されている。これらシユー１２の内側面１３は
第３図Ｃに示すようにウエツジ１０の各テーパ面
９に全面的に接触させてある。また、各シユー１
２の先端に外側面をウエツジ１０のテーパ面９と
同じ傾斜の斜面１４に形成した案内棒１５を突出
させてある。更に、ウエツジ１０の先端には、第
１図または第２図Ａに示すように閉じられた各シ
ユー１２の仮想外接円の直径d_nioよりも外径Ｄが
小さく、第３図Ａ及び第３図Ｂに示すように上記
案内棒１５の斜面１４に外接して摺動するリング
状の摺動子１６が連結されている。この摺動子１
６に上記案内棒１５を挿通するための各貫通穴１
７は、第３図Ａに示すように案内棒１５の基端部
とほぼ同型に形成されている。尚、ウエツジ１０
が第２図Ｂに示すように先端側に押し出され、シ
ユー１２が最大に開かれた状態では案内棒１５の
各先端面が摺動子１６の先端面とほぼ面一状に位
置させられる。

上記の構成に於いて、摺動子１６はその外径が
閉じられたシユー１２の仮想外接円の直径d_nioよ
りも小径に形成されているので、シユー１２を閉
じた状態にすれば、案内棒１５、摺動子１６及び
シユー１２を支障なく図示しない岩石の分割用穴
に挿入することができる。ウエツジ１０を第１図
及び第２図Ａに示すように基端側に後退させ、シ
ユー１２を閉じた状態で、シリンダ２の駆動用受
圧室５に作動流体を圧入すると、ピストン４がリ
セツト用受圧室６側に移動させられ、このピスト
ン４にピストンロツド７を介して連結されたウエ
ツジ１０が第１図中の仮想線で示す位置まで先端
側に移動される。これにより、本体１の延長部１
１に支持された両シユー１２の内側面１３の間隔
がウエツジ１０によつて広げられる。上記案内棒
１５の斜面１４はウエツジ１０のテーパ面９と同
じ傾斜に形成されているので、摺動子１６がシユ
ー１２の開拡動作を妨げることはない。

第２図Ｂに示すように、シユー１２が最大に開
かれた状態からシリンダ２のリセツト用受圧室６
に作動流体を圧入すると、ピストン４が駆動用受
圧室５側に移動され、ウエツジ１０が基端側に引
き戻される。このとき、摺動子１６が案内棒１５
の斜面１４を摺動しながら案内棒１５の基端部の
ところまで引き戻されるので、シユー１２がウエ
ツジ１０のテーパ面９から離れることなく第２図
Ａに示す閉じられ状態に確実に戻される。これに
より、シユー１２が岩石の分割用穴内で開いたま
まになつて抜き取れなくなるといつた不都合は防
止されることになる。また、摺動子１６は常に案
内棒１５の斜面１４に摺接し、案内棒１５及びシ
ユー１２を外側に曲げようとする力が作用すると
きには、その作用力を摺動子１６が受け止めるの
で、案内棒１５及びシユー１２の先端の外曲がり
が防止される。これによつて使用を重ねるうちに
シユー１２の先端が開いて岩石の分割用穴にシユ
ー１２を挿入できなくなるといつた不都合を防止
できる。

〔考案の効果〕

本考案のロツクスプリツターは以上のように、
各シユーの先端に外側面をウエツジのテーパと同
じ傾斜の斜面に形成した案内棒を突出させ、上記
案内棒の斜面に外接して摺動するリング状の摺動
子を上記ウエツジの先端に連結することにより、
ウエツジを基端側に引き戻してシユーを閉じると
きには摺動子で案内棒の外面を押してシユーを確
実に閉じさせることができる。これにより、シユ
ーの岩石の分割用穴内で開いたままになつて抜け
なくなるといつた不都合を確実に防止できること
になる。また、摺動子を常時案内棒の外側面に摺
接させることにより、案内棒及びシユーの先端を
外側に曲げようとする外力が案内棒またはシユー
に作用する時にはその外力を摺動子が受け止める
ので、案内棒及びシユーの先端の外曲がりを防止
できる。これにより、案内棒及びシユーの先端の
外側に曲がつて岩石の分割用穴に挿入できなくな
るといつた不都合も防止できる。更に、上記摺動
子の外径を閉縮された各シユーの仮想外接円より
も外径が小さくしてあるので、この摺動子や案内
棒が岩石の分割用穴へのシユーの挿入に支障とな
るようなこともない等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側面図、第２図Ａ
はシユーを閉じた状態での要部の拡大側面図、第
２図Ｂはシユーを開いた状態での要部の拡大側面
図、第３図Ａは第２図ＡのＡ−Ａ線断面図、第３
図Ｂは第２図のＢ矢視図、第３図Ｃは第２図のＣ
−Ｃ線断面図である。 ２……シリンダ、９……テーパ面、１０……ウ
エツジ、１２……シユー、１４……斜面、１５…
…案内棒、１６……摺動子である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダにより先細りテーパ面を有するウエツ
   ジを押圧して先端方向に移動させ、このウエツジ
   の先端方向への移動によるウエツジのテーパ面に
   沿接させた各シユーをウエツジの移動方向と直角
   方向に開拡させるようにしたロツクスプリツター
   において、ロツクスプリツターの各シユーの先端
   に外側面をウエツジのテーパ面と同じ傾斜の斜面
   に形成した案内棒を突出させ、閉じられた各シユ
   ーの仮想外接円よりも外径が小さく、上記案内棒
   の斜面に外接して摺動するリング状の摺動子を上
   記ウエツジの先端に連結したことを特徴とするロ
   ツクスプリツター。