JPH0319782B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ ボール／ソケツト構造の形態の第１サブユニ
ツトを有して成り、該構造は、該ボールを収容し
かつ義歯に組み込まれるソケツトリングを有して
成り、該ボールは切断球の２つの分割部分の間に
位置する永久磁石を有して成る切断球の形態であ
り、該磁石の極は向かい合う該球の表面部分へと
少なくとも実質的に延在しており、該分割部分は
磁性化可能な金属からできており、該切断球の平
坦面部分は磁性化可能なキーパーの平坦面と磁気
的に係合し；および口の内側のあごから延在する
支持部材に固定される平坦面を有する磁性化可能
なキーパーの形態の第２サブユニツトを有して成
る義歯保持ユニツト。

２ 該磁石はコバルトおよび希土を含んで成る請
求の範囲第１項記載の義歯保持ユニツト。

３ 該球分割部分および該キーパーは強磁性ステ
ンレス鋼を含んで成る請求の範囲第１項記載の義
歯保持ユニツト。

４ 義歯の内部で最も遠くに配置される該ソケツ
トリングの末端を封止し、該封止の内部分によつ
て該ソケツト内における該ボールの回転方向動き
が可能になる請求の範囲第１項記載の義歯保持ユ
ニツト。

５ 該サブユニツトの間に横方向に相対的動きが
ある間に、該および該キーパーと表面／表面係合
の分離なく、該球の回転が可能になるように該球
が該ソケツトから充分に突出する請求の範囲第１
項記載の義歯保持ユニツト。

６ 該磁石の末端が保護被覆により被覆されてお
り、該被覆は該球の表面を越えて突出することな
く球の湾曲に合致する請求の範囲第１項記載の義
歯保持ユニツト。

７ 該リングは義歯に取り付けるためのねじを有
する請求の範囲第１項記載の義歯保持ユニツト。

８ 該キーパーと磁気的に接触する切断部分に向
かい合う球部分で該球が横方向に切断されてお
り、これによりソケツト内における該球の動きが
限定される請求の範囲第１項記載の義歯保持ユニ
ツト。

産業上の分野 本発明は、歯科器具に関し、更に詳しくは、磁
気的保持手段を使用するそのような器具に関す
る。

技術背景 接着剤によつて歯茎組織に義歯を接着すること
には多くの問題を伴うので、磁石を使用する種々
の保持器具が開発されている。本発明が関係する
全般的な種類の歯科器具の例が、アメリカ合衆国
特許第4184252号、第4209905号、第4302189号；
および本出願人による1984年11月15日出願の特許
出願第06／671749号に見られる。これらのそれぞ
れは、磁石の充分な表面が、義歯の歯茎組織に合
致する表面で実質的に露出するように義歯中に配
置された、かなり新しい磁石、特にコバルト／希
土磁石を開示する。その表面が義歯中の磁石の磁
極面と衝接係合するように、磁性化可能な要素
が、義歯装着者のあご骨に取り付けられた構造支
持体に据え付けられる。従来技術の１つの態様に
おいて、磁石は、ほぼ円筒状であり、その１つの
磁極面のみが磁性化可能な要素の露出表面に係合
するように磁気的に分極している。他の態様は、
強磁性ブリツジによつて、磁性化可能な要素から
離れたその隣接末端で接続した相互に離れた平行
な一対の長尺棒磁石を有して成り、磁石は逆方向
に磁気的に分極するように相互に逆転している。
本出願人による上記特許出願に開示されているデ
バジイスは、歯茎組織合致表面を有する義歯部
材、および義歯部材に固定されており、共通平面
において整列され歯茎組織合致表面に隣接して露
出する相互に離れた一対の磁極面を有するほぼＵ
字形の磁石部材を有して成る。該磁石部材は、逆
の磁気極性を示す相互に離れた一対の表面部分を
有する磁気ブリツジ要素、および磁気ブリツジ要
素の向かい合つた側で、磁気的に分極した表面部
分の実質的に全体と密に接触した状態で据え付け
られる一対の磁気脚要素を包含する。

デバイスにおいて磁石表面およびキーパー表面
は平坦であるので、これは磁石／キーパーシステ
ムが位置する場所から離れた地点で上義歯
（overdenture）に負荷がかかる場合に問題を生
じさせるという事実から、或る従来技術のデバイ
スには欠点が発生する。特に上義歯の後部分にお
いて、そのような圧力または負荷が生じる場合
に、間隔即ち空隙がキーパーと磁石の平坦面の間
に生じ、該空隙は、圧力または負荷が無くなり平
坦面が再び一体になる場合に消失するが、嫌なク
リツク音が伴う。

これおよび他の好ましくない因子を解決しよう
とする試みが、磁石表面およびキーパー表面の平
坦面でなく、凹凸合致表面を開発することにおい
て為されており、噛んでいる間に、表面の「空〓
形成」なく相互に接触したままで上義歯を僅かに
移動させることが可能になる。しかし、これら試
みは、充分に満足できるものではない。その１つ
の理由は、磁石面またはキーパー面への湾曲面の
導入によつて、キーパーを固定した植込柱または
切断歯のいずれかに横方向力を加えた場合に、２
者の間に好ましくない力集中を生じることであ
る。湾曲表面と湾曲表面の関係は、垂直方向力が
存在する場合にのみ、良好に働く。横方向力によ
つて、一方を他方に対して係止するドーム形状の
他方の部材に向かつてカツプ形状の１方の部材が
押しやられる。従つて、そのような横方向力は歯
または移植ポストに転移する。

当技術において、１つまたは複数の歯に加えら
れた横方向力が、ヒトを苦しめる歯槽膿漏のほと
んどの原因となることは、知られている。更に説
明を加えれば、矯正歯科医が歯を再配置する唯一
の手段は、これら歯に圧力を与えるように横方向
に力を適用することを必要とする。この操作にお
いて、移動される歯の前に位置する骨が破壊され
る。次いで、骨の破壊により形成したこの新しい
空〓に歯を移動する。従つて、横方向動き、特に
全方向における横方向動きが歯に一定に加えられ
ると、歯は全ての側で破壊し、これら横方向力が
かかつた歯、根または植込物が破損する。

発明の開示 本発明の１つの重要な目的は、装着者の口の中
で義歯の磁気的保持を行う改良された手段をその
構造の中に有する磁気的義歯保持ユニツトを提供
することにある。

別の目的は、義歯に固定された磁石部材の平坦
面が、接合時に、歯片または植込物に取り付けら
れたキーパーの合致平坦面と、表面どうしの磁気
的な接触を充分に維持することを可能にするその
ような磁気的義歯保持ユニツトを提供することに
ある。

更に別の目的は、義歯の片持ちばり部分に移動
力による応力がかかつた場合にさえ、歯片または
植込物に固定された強磁性キーパーの平坦表面と
の接触を義歯の磁気平坦面に維持させ、同時に歯
片または植込物への応力を除去する手段を提供す
ることにある。

本発明の前記および他の目的は、歯茎組織合致
表面を有する義歯部材、および義歯部材に固定さ
れた磁石部材を有して成り、磁石部材はボール／
ソケツト構造のボールであり、該構造のボール部
分は少なくとも１つの切断された部分を有する球
の形状であり、これにより、歯、根、植込物、ま
たはそのような歯の代替である幹に固定された平
坦面を有するキーパーと衝接しかつ充分に磁気的
に接触する磁石平坦面を与える歯科器具により達
成される。添付図面に示すように、ボールまたは
球、実際には切断されたボールまたは球は、ボー
ル内部の一部分を形成する磁石、および磁性化可
能な脚要素を有して成る。簡潔に言えば、本発明
の特徴であるボール／ソケツト構造によつて、義
歯の非支持部分に応力、特に横方向移動力がかか
つていたとしても、実質的に同時に横方向応力が
歯片に適用されることなく、義歯の磁石平坦面部
分が、歯片の平坦面に充分に接触するようにな
る。

【図面の簡単な説明】

本発明の上記および他の目的は、添付図面を参
照して行う以下の説明によつて、最も良好に理解
されるであろう。

第１図は、横方向力が上義歯に適用されていな
い場合における、上義歯を有して成り、磁気的義
歯保持ユニツトの一部分としてその中にボール／
ソケツトを組み込んだ本発明の義歯器具の好まし
い態様の部分断面図である。

第２図は、横方向力が適用された場合に、磁石
とキーパーの平坦面／平坦面接触を可能にするボ
ール／ソケツト構造の機能を示す、第１図と同様
の態様の部分断面図である。

第３図は、第１図および第２図に示す磁気アツ
センブリの平面図である。

第４図は、請求の範囲第１項および第２項に示
す磁気的保持構造を図示する側断面図である。

第５図は、第１図および第２図に示すソケツト
リングの平面図である。

本発明を実施する最良の態様 添付図面、特に第１図を参照すれば、横方向力
が適用されていないので、所定位置にある本発明
の磁気的義歯保持ユニツトの好ましい態様が示さ
れている。

簡便のため、本発明の磁気的義歯保持ユニツト
は、第１サブユニツトおよび第２サブユニツトの
形態を有しているものとして考える。第１サブユ
ニツトについて説明すれば、以下の通りである。
その中に埋設された人工歯１２を有し、その下側
に歯茎組織合致表面１３を有する上義歯１１が、
義歯装着者の生まれつきの歯茎１４の上に位置し
ている。ネジ山付腔１５が、ソケツトリング１６
をネジ係合により収容するために上義歯１１の内
部に延在しており、ソケツトリング１６は、磁石
部材１７を収容および支持するような寸法を有
し、磁石部材１７は、一体となつて球変形体を形
成する棒磁石１８および磁性化可能な脚要素１９
と２０を有している。磁石部材１７から生じる磁
力によつて、歯茎１４上で所定位置に義歯１１が
保持されるが、これは、支持部材２２に固定され
た磁性化可能なキーパー要素２１を含む第２サブ
ユニツトへ磁気的に取り付けたことの結果であ
る。支持部材２２は、種々の形態を採つてよく、
例えば、義歯装着者のあご骨によつて支持される
ように具備された歯科的植込物であつてよい。そ
のような植込物を供給するにあたつて、図示する
ように、１つまたは２つ以上の歯を適当に処理し
た後にまず、歯における歯茎頂部２３よりも上の
部分を切断して、キーパー要素２１と一体であり
それから下側に延在する幹部分２５を合致収容す
るためのくぼみを歯にけるように穴をあける。

第３図において、図示する長方形磁石１８は、
長さ0.170インチ、幅0.100インチおよび厚さ0.080
インチを有する。エポキシ充填剤２６ａが磁石１
８の末端に適用されており、磁石部材１７の球面
表面の一部分でありそれに合致する形状を有す
る。

磁石部材１７の表面はソケツトリング１６から
僅かに外側に突き出していることが好ましい（第
１図および第２図）。磁石１８の表面はエポキシ
材料の保護層で被覆されていることが好ましい。
図示するように、磁石表面の直径は0.160インチ
であり、ボールの直径は最大幅において0.187イ
ンチである。脚要素１９と２０は４１６ステンレ
ス鋼からできている。

第４図は、ボール１７の制御された回転度を示
し、これは例えば約10゜であつてよい。

溝２６と２７（第５図）は、ソケツトリング１
６を腔１５の中にネジ係合により配置させるよう
に、その中に適切な道具を挿入するために使用さ
れる。

第５図に示すように、ソケツトリング１６の外
直径は0.250インチであり、開口表面直径は0.172
インチであり、ボール直径は0.187インチである。

第１図および第２図を比較すればわかるよう
に、上義歯１１へ横方向力を適用することによつ
て、キーパー２１の平坦面と磁石部材１７の対応
平坦面との間の充分な磁気的接触を保ちながら、
キーパー２１に対する上義歯１１の相対的な動き
が可能になる。従つて、横方向力が義歯１１に加
えられた場合に、そうでなければ、通常では生じ
る、切断面または植込物柱にかかる破壊作用は実
質的に最小になる。

本発明の好ましい態様を詳細に説明したが、当
業者にはこれら態様を当技術内において容易に変
形および改修できることは明らかである。従つ
て、そのような変形および改修は、以下の請求の
範囲に述べる本発明の思想および範囲の中に含ま
れることが理解できる。