JPH0319472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のリヤシート装置に関する。

（従来技術） 自動車のリヤシートバツクにて車室とトランク
ルームとを仕切り、このシートバツクを前に倒し
て車室側からトランクルームの荷物の出し入れを
することができるようにしたものは一般に知られ
ている。この場合、シートバツクは走行時の不測
の前倒防止や他人の前倒操作によるトランクルー
ムの荷物の盗難防止等のため、車体に対し起立状
態に保持、つまりロツクできるようにするのが望
ましい。

これに対し、リヤシートバツクを起立状態で車
体にロツクできるようにするとともに、このシー
トバツクにノブの操作でロツクを解除するレリー
ズ機構と、このレリーズ機構の作動をキー操作で
キヤンセルする機構を設けてなるロツク装置が知
られている（例えば、実開昭59−91932号公報参
照）。このロツク装置の場合、レリーズ機構のノ
ブはキヤンセル状態にあるか否か、つまり、他人
による操作ができない状態にあるか否か外見から
は判断できないようになつていて、ロツク忘れの
懸念がある。また、シートバツクは車体に対して
ロツクされているだけであるから、シートバツク
に大きな力が加えられると、ロツク機構が破損し
てシートバツクの前倒が可能になつてしまう懸念
がある。

（考案の目的） 本考案は、シートバツクが他人により回動でき
ない状態にロツクされているか否か外見で判断で
きるようにしてロツク忘れを防止するとともに、
他人によるシートバツクの前倒およびそれに伴う
トランクルーム内の品物の盗難の防止に有効なリ
ヤシート装置を提供しようとするものである。

（考案の構成） 本考案は、車室内とトランクルームとを仕切る
シートバツクを備えた自動車のリヤシート装置に
おいて、このシートバツクを車体に対し前方へ回
動可能に支持するとともに、シートクツシヨンを
スライド部材にて車体に対し前後動可能に支持
し、シートバツクの下端部に係止部を設ける一
方、シートクツシヨンには後方位置にあるときの
み上記係止部に係合してシートバツクの前方への
回動を阻止するロツク部材を設けている。

このリヤシート装置の場合、シートバツクは、
シートクツシヨンを前方へスライドさせると、前
方への回動が可能となり、車室側からトランクル
ーム内の品物の出し入れができるようになる。

（考案の効果） 本考案によれば、シートバツクは、シートクツ
シヨンを前方へスライドさせない限り、前方への
回動ができないため、トランクルーム内の品物の
盗難防止に有利となるとともに、シートクツシヨ
ンが後方位置、つまり、通常の乗員が着座すると
きの位置にあれば、シートバツクは回動が阻止さ
れたロツク状態となるため、外見からロツク状態
か否か判断できるとともに、ロツク忘れの防止に
も有効となる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示す自動車の後部構造において、１は
リアシートで、シートクツシヨン２とシートバツ
ク３とを有し、シートバツク３が車室内とその後
方のトランクルーム４とを仕切るようになつてい
る。すなわち、第２図にも示す如く、シートバツ
ク３は車体５に対しヒンジ６で支持されて前方へ
回動可能であり、起立状態では車室内とトランク
ルーム４とを連通する連通口７を塞ぎ、前倒状態
でこの連通口７を開口するようになつており、ま
た、シートバツク３と車体５との間にはシートバ
ツク３を起立状態で保持する保持手段８が設けら
れている。一方、シートクツシヨン２は車体５に
対しスライド部材９にて前後動可能になされてい
て、このスライド部材９にはシートクツシヨン２
の前方への移動を阻止可能なキーシリンダ１０が
設けられている。そして、シートクツシヨン２と
シートバツク３との間にシートバツク３の前方へ
の回動を阻止するロツク手段１１が設けられてい
る。

上記保持手段８は、シートバツク背部の車体５
に固定したＵ字状のストライカ１２と、シートバ
ツク３に回動可能に支持され上記ストライカ１２
に係合可能な係合部材１３とを備える。係合部材
１３に対しては、シートバツク３の上端より突出
した操作ノブ１４がロツド１５を介して連結され
ていて、係合部材１３はストライカ１２に対して
係合する方向へスプリング（図示省略）で付勢さ
れている。

スライド部材９は、車体５に固定した前後方向
に長い下レール１６と、この下レール１６にスラ
イド可能に嵌められた上レール１７とを備え、こ
の上レール１７にシートクツシヨン２が支持され
ている。キーシリンダ１０は、キー溝１８を前方
へ向けた状態で上レール１７の前端部にブラケツ
ト１９を介して固定されていて、下レール１６を
車体５に固定するレールブラケツト２０より側方
へ爪２１が突出し、キーシリンダ１０にはキー操
作により回動して上記爪２１に係合可能なキーロ
ツク部材２２が設けられている。この場合、キー
ロツク部材２２は、シートクツシヨン２がシート
バツク３に当接した後方位置、つまり、乗員が着
座する通常の位置にあるときにのみ、上記爪２１
に係合するように配置されている。

ロツク手段１１は、シートバツク３の下端部に
おいてこのシートバツク３のフレーム２３に固定
して前方へ突出せしめたＵ字状のストライカ（係
止部）２４と、シートクツシヨン２の後端部位置
で上レール１７に固定したロツク部材２５とから
なる。このロツク部材２５には、シートクツシヨ
ン２が上記の後方位置にあるときストライカ２４
が嵌まる係合溝２５ａが後方へ開口して設けられ
ている。この場合、ストライカ２４が係合溝２５
ａに嵌まつた状態では、シートバツク３のヒンジ
６を中心とするストライカ２４の回動がロツク部
材２５にて阻止されることにより、シートバツク
３の前方への回動が阻止される。

従つて、上記実施例の構造の場合、シートクツ
シヨン２が通常の後方位置にあるときは、ロツク
部材２５とストライカ２４の係合により、シート
バツク３は操作ノブ１４を操作しても前方へ回
動、つまり倒すことはできない。この状態でキー
シリンダ１０によりスライド部材９の上レール１
７と下レール１６とをロツク（固定）すれば、シ
ートクツシヨン２の前方へのスライドが阻止さ
れ、他人によるシートバツク３の前倒およびそれ
に伴う連通口７を介してのトランクルーム４内の
品物の盗難を確実に防止することができる。

そうして、キー操作により上レール１７と下レ
ール１６とのロツクを解除し、シートクツシヨン
２を前方へ移動すれば、シートクツシヨン２のロ
ツク部材２５によるシートバツク３のロツクが解
除される。これにより、シートバツク３は操作ノ
ブ１４の引上げによつて車体５のストライカ１２
に対する係合を解除して前方へ倒すことができ、
車室内からトランクルーム４の品物の出し入れが
できるようになる。

なお、上記実施例では、シートバツク３のスト
ライカ２４に係合するロツク部材を上レール１７
に固定したが、シートクツシヨン２のフレームに
固定してもよい。

また、シートバツク３と車体５との間に実施例
のような保持手段８を設ける場合、ストライカと
係合部材（操作ノブも含めて）との位置関係は実
施例とは逆にしてもよい。つまり、ストライカを
シートバツク側に設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は自動車
の後部を示す斜視図、第２図はリヤシート装置の
側面図、第３図はシートバツクの回動ロツク機構
の構造を示す一部省略した斜視図である。 ２１……爪、２２……キーロツク部材、２４…
…ストライカ（係止部）、２５……ロツク部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車室内とトランクルームとを仕切るシートバ
   ツクと、シートクツシヨンとを備えた自動車の
   リヤシートにおいて、シートバツクは車体に対
   し前方へ回動可能に支持され、シートクツシヨ
   ンは車体に対しスライド部材にて前後動可能に
   支持されていて、シートバツクの下端部には係
   止部が設けられ、シートクツシヨンの後端部に
   はシートクツシヨンが後方位置にあるときのみ
   シートバツクの上記係止部に係合しシートバツ
   クの前方への回動を阻止するロツク部材が設け
   られていることを特徴とする自動車のリヤシー
   ト装置。 (2) スライド部材は、シートクツシヨンの前方へ
   の移動を阻止可能なキーシリンダを備えている
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載の自動車
   のリヤシート装置。