JPH0318969Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として、工場内等において、床面
下に敷設したト−パスワイヤ−や床面に貼着した
反射テ−プ等によつて決められた一定の誘導ライ
ンに沿つて自動操縦可能な状態に駆動走行する無
人運搬車に使用する障害物検出装置に関する。

この種の運搬車の障害物検出装置として、従来
から一般的に知られているものとして、ブレ−
キ、走行モ−タ停止装置等に連係されたリミツト
スイツチを、台車本体の前後に付設のバンパ−の
障害物に対する衝突に伴なう変位に連動させて
ON，OFFさせて、障害物に衝突したときに台車
本体を停止等、走行制御させるべくバンパ−の変
位により障害物の存在を検出するよう構成された
ものがあるが、台車本体が曲路を走行する場合に
は、内輪差の関係から、台車本体の側部が台車前
部の左右両端部の通過軌跡よりも外方へはみ出し
て通過移動することは周知の通りであり、そのた
めに、曲路における障害物や作業員に対する安全
性確保のためには、台車前後の障害物検出の外に
台車本体側部の障害物検出が必要となる。その必
要性に応えたものとして、従来、例えば特開昭56
−39939号公報に記載のものがあり、これは第４
図に示すように、台車本体１′の横幅方向に多少
張り出した前後一対のバンパ−３′，３′の左右両
端部に光電スイツチ５′を設けて、台車本体１′の
側面に光路L′，L′を形成し、障害物S′によりその
光路L′，L′が遮断されることにより台車本体１′
の横側部における障害物検出を行なえるように
し、且つ、台車本体１′進行方向の障害物に対し
ては、バンパ−３′，３′の衝突に伴なつた変位に
よる光電スイツチ５′の角度変化により投射光又
は反射光がもう一方の光電スイツチに入射しなく
なることによつて検出するように構成されている
のであるが、バンパ−は本来、衝突時における衝
撃をそれ自身の変位、変形により吸収するもので
あり、長期間の使用に伴なう衝突の繰り返えしに
より永久歪みによる復元されない変位が残るのが
普通であり、その場合には、前記光電スイツチ
５′の投射光又は反射光の角度が変化してしまつ
て受光されなくなり、障害物検出装置が所期通り
の機能を果たさなくなる不都合がある。

しかも、走行時における台車本体１′の振動に
より、前記バンパ−３′，３′が共振し、それに伴
なつて前記投射光又は反射光の角度がぶれて、障
害物検出装置が誤作動検出する不都合もあつた。

また、その対策として、光電スイツチ５′の受
光面積を大きくすることが考えられるが、そのた
めに光電スイツチ５′が横側方に大きく突出して
工場内等における走行の邪魔になり、しかも、許
容運搬容量を大きくするべく台車本体の長さを長
くすればする程前記光電スイツチ５′の受光面積
を大きくする必要が生じるのであり、結局、実際
においては、バンパ−に生じる僅かな永久変位又
は振動により障害物の検出が不能になり、前述し
た欠点は免れ得ないのである。

本考案は、かかる実情に鑑み、光電スイツチに
よる台車本体の側面での障害物の検出及びバンパ
−の衝突時の変位と前記光電スイツチとの協働に
よる台車本体進行方向での障害物の検出を、バン
パ−に生じる永久変位及びバンパ−の振動にかか
わらず、長期に亘つて確実良好に行ない得るよう
にする点に目的がある。

上記目的を達成するべくなされた本考案に係る
運搬車の障害物検出装置の特徴構成は、台車本体
の前後の少なくとも一方に、バンパ−が後退変位
自在に弾性支持され、前記台車本体の左右両側面
には、進行方向に沿つた光路を形成する状態で光
電スイツチが付設され、前記バンパ−の後退変位
に連動して前記光電スイツチの光路を遮断する動
作片が設けられていることである。

このような特徴構成を有する本考案の作用効果
は、次の通りである。

つまり、衝突時におけるバンパ−の変位により
障害物の検出を行なうに、光電スイツチにより形
成された光路をバンパ−の変位に連動して遮断す
ることによつて行なつているために、光電スイツ
チによる投射光又は反射光の角度をバンパ−の変
位にかかわりなく常に一定に維持することがで
き、長期間の使用に伴なう衝突の繰り返えしによ
りバンパ−に永久変位が生じたとしても、又、走
行時等においてバンパ−に振動が生じたとして
も、前述した従来のもののように投射光又は反射
光の角度変化により障害物が検出不能になること
がなく、しかも、台車本体の長さにも影響される
ことがなく、常に確実、良好な障害物検出を行な
い得るに至つた。

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示すように、荷載置部を有する台車本
体１の底部四隅に車輪７ａ，７ｂを設け、それら
車輪７ａ，７ｂのうちの一つの対角線上にある一
対のもの７ａ，７ａを操向クラツチブレ−キを付
設した駆動輪に構成し、もう一つの対角線上にあ
る一対のもの７ｂ，７ｂをキヤスタ−輪に構成す
ると共に、工場内等における所定の軌条に沿つて
床面下に敷設されたト−パスワイヤ−８からの発
信電磁波をキヤツチするピツクアツプコイル９，
９の受信信号に基づいて、前記駆動輪７ａ，７ａ
の操向クラツチブレ−キをON，OFF制御して、
電磁誘導方式により台車本体１がト−パスワイヤ
−８に沿つて追従走行するように構成し、且つ、
前記台車本体１の前後に、障害物に対する衝突時
の衝撃吸収用のバンパ−３，３を夫々配設し、そ
のバンパ−３，３の衝突に伴なう変位を検出し、
ブレ−キ等を作動させて、台車本体１を停止させ
るための障害物検出機構Ａ，Ａを具備し、もつ
て、障害物への衝突時に自動的に台車本体１がス
トツプする自走式の運搬車を構成してある。

前記障害物検出機構Ａを構成するに、第２図に
示すように、台車本体１端部に揺動自在に枢支さ
れた左右一対のバンパ−支持ア−ム２，２′の先
端に夫々摺動子１０，１０′を設け、バンパ−３
側の中央箇所適当長さに亘つて形成された摺動溝
１１内に前記摺動子１０，１０′を嵌合させるこ
とによつてバンパ−３を取付けると共に、前記支
持ア−ム２，２′と台車本体１とに亘つて引張り
ばね４を張設して前記バンパ−３を台車本体１か
ら遠ざかる方向に付勢している。すなわち、台車
本体１にバンパ−３が後退変位自在に弾性支持さ
れている。更に、台車本体１側面の前後両端部に
回帰反射型の光電スイツチ５，６を取付けて台車
本体１両側面に進行方向に沿つた光路Ｌを形成
し、前記支持ア−ム２，２′のバンパ−３とは反
対側を延長させて、前記バンパ−３の変位に連動
して前記光路Ｌを遮断する動作片１２，１３に構
成し、もつて、障害物Ｓへの衝突時のバンパ−３
の変位に伴なつて前記動作片１２，１３で前記光
路Ｌ，Ｌを遮断することにより前記光電スイツチ
５が感知して障害物を検出し得るように構成して
ある。又、曲路走行時に台車本体１横側方に障害
物Ｓが接近して来た場合には、その障害物Ｓ自身
で前記光路Ｌが遮断されて障害物Ｓの検出を行な
い得るよう構成されている。

次に、本考案の別実施例を説明する。

上記実施例では、バンパ−支持ア−ム２，２′
の先端部に動作片１２，１３を構成していたが、
第３図に示すように、動作片３ａ，３a′を直接バ
ンパ−３に付設してもよい。

又、上記実施例では、回帰反射型の光電スイツ
チ５，６を用いていたが、透過型の光電スイツチ
を用いてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る運搬車の障害物検出装置の
実施例を示し、第１図は全体概略平面図、第２図
は要部拡大概略平面図、第３図は別実施例を示す
要部拡大概略平面図、第４図は従来例を示す全体
概略平面図である。 １……台車本体、２，２′……支持ア−ム、３
……バンパ−、４……ばね、５，６……光電スイ
ツチ、１２，１３，３ａ，３a′……動作片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台車本体１の前後の少なくとも一方に、バンパ−
   ３が後退変位自在に弾性支持され、前記台車本体
   １の左右両側面には、進行方向に沿つた光路を形
   成する状態で光電スイツチ５，６が付設され、前
   記バンパ−３の後退変位に連動して前記光電スイ
   ツチ５，６の光路を遮断する動作片１２，１３，
   ３ａ，３a′が設けられていることを特徴とする運
   搬車の障害物検出装置。