JPH0318423A - コイル巻戻し方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、熱延コイルのアンコイリングに用いられる
コイル巻戻し方法に関するものである。

〔従来の技術〕

スキンパスライン、スリッターライン、酸洗ライン等、
コイル巻戻し装置を有する設備のアンコイラーでは、先
ず、マンドレルに装着したコイルを回転させてその巻戻
し先端部を繰出し点より手前で口出しロールにより押え
、かつ、エプロンテーブルを上昇、前進させてピンチロ
ールに導キ、該ピンチロールを介してストリップを設備
側に送り出すが、コイルの巻不良（巻きずれ〉、マンド
レルセンター出し不良などにより設備ラインセンターと
ストリフブセンターが一致していないままでライン通板
作業を行なうと、ミル圧下不良（平坦不良）、出側巻姿
不良などが生じるため、ストリップの送出し時、エッジ
検出センサーによりストリ゛ツブのエッジ位置を常時検
出してコイル及びピンチロールを板幅方向に移動させる
ことによって設備ラインセンターにストリップセンター
を一致させるセンタリングを行なっている。

このように、巻癖をほぐしなから熱延コイルを巻戻す工
程において、材料の機械試験特性に降伏点伸びを生じる
材料では座屈現象が生じてコイルの内径側に特に“腰折
疵”と言われる折り状の皺疵が発生し易い。

従来、この腰折疵を防止する方法には、第１２図、第ｌ
３図に示すように、口出しロールを兼ねた押えロール２
１をコイルＣの巻戻し先端部に押し付けることが考えら
れていたが、この方法では、押えロール２１が定置方式
であるため、センタリング時に、押えロール２ｌとコイ
ルＣの表面がすれ合って擦り疵が発生し、或いは押えロ
ール２１の押付力によりセンタリングが不能となる．押
えロール２１を口出しロールとして兼用するため、その
最適位置に配置できない等の不都合があった．そこで、
このような不都合を解消するために、本発明者は、コイ
ルの反ピンチロール側に、板幅方向に移動可能な支持フ
レームを設置し、該支持フレームに、先端に押えロール
を有するスイングアームを、コイルに対して進退する方
向に揺動可能に取り付け、このスイングアームに、口出
しロールをコイルに対して進退可能に設けると共に、前
記支持フレームを、マンドレルを有するコイル支持・駆
動装置を板幅方向に移動可能に支持したセンタリング用
スライドと連結し、支持フレームを介して押えロールを
コイルとともに板幅方向に移動させて設備ラインセンタ
ーに対するストリップのセンタリングを行い、押えロー
ルとストリップ間での擦り疵やセンタリング不良をなく
すと共に、口出しロールと押えロールを最適位置に配置
してより最適な口出しと押えを行なうことができるコイ
ル巻戻し装置を開発し、既に出願をしている（特願平１
−２２４７８号出願）。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、この出願に係るコイル巻戻し装置におい
て、コイルの巻戻し時に発生する腰折疵を防止するには
、第ｌ４図に示すように押えロールを使用するのが最も
効果があるが、押えロールをコイルに押し付けただけで
は、腰折疵の発生を必ずしも防止し、又は減少させるこ
とはできない。

場合によっては逆に腰折疵の発生を促進することにもな
る． 一般的に、腰折現象はコイルの内径側に近づくにつれて
発生し易く、ピンチロールと押えロールとの間で現れる
。これは、コイルを巻癖をほぐしながら巻き戻す時に発
生する板幅方向反りを無理に巻き戻して逆曲げの塑性変
形を与えるからであり、板の巻癖により曲率が大きい程
腰折を生じ易くなる（その発生原理からコイルの内径側
の巻き戻し時に板幅方向の中間部に腰折が現れることに
なるが、板幅全長に、またコイルの大径側の巻き戻し時
にも発生することもある）。

従って、コイルの巻き戻し時、どのように腰折疵の発生
を防止するかが課題となっていた。

〔発明の目的〕

この発明はかかる課題を解決するためになしたもので、
いかなる場合でも腰折疵の発生を確実に防止できるよう
にすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、第１図〜第３図に示すように、マンドレル
２に装着したコイルＣを回転させつつ該コイルＣからス
トリップＳを繰り出してピンチロール７を介し送り出す
コイル巻戻し方法において、ストリップＳの繰出し点に
て押えロール２１によりストリップＳをコイル表面に押
し付けて密着させると共に、前記押えロール２１とピン
チロール７との間のストリップ張力を、ストリップＳの
幅方向断面形状を矩形に保持できるようなストリップ寸
法に対応した張力以上で、かつ、ストリップに巻締疵が
発生しないような張力未満としてコイルを巻き戻すこと
を特徴としており、かかる構成によって前記目的を達戒
するものである．〔実　施　例〕 第１図はこの発明を実施するスキンパスラインの入側ア
ンコイラーを示し、第２図、第３図はこのアンコイラー
に設置したダブルマンドレル方式のコイル巻戻し装置を
示す。

先ず、このコイル巻戻し装置を説明する。

第１図、第２図において、１はマンドレル２を有するコ
イル支持・駆動装置で、一対のセンタリング用スライド
３上に夫々支持されて設備ラインセンター〇，の両側に
配設され、進退用油圧シリンダ４により設備ラインセン
ターＣＩに対して進退可能となっており、マンドレル２
を後退させてその間にコイルＣを上昇配置した後、マン
ドレル２を前進させてコイルＣを支持することができる
ようにしている。このコイル支持・駆動装置１のモータ
５は後述するようにバンクテンシロンを印加しながらマ
ンドレル２を介してコイルＣを巻戻し回転可能となって
いる。

前記一対のセンタリング用スライド３は連結バー６を介
し互いに連結され、かつ、連結バー（図示しない）を介
しピンチロール７と連結されてスライドベース８上に設
置され、センタリング用油圧シリンダ９により同期して
板幅方向に移動可能となっており、ストリップＳの送出
し時、エッジ検出センサー１０によりストリップＳのエ
ッジ位置を常時検出してコイルＣ及びピンチロール７を
板幅方向に移動制御し設備ラインセンターＣＩに対する
センタリングを行えるようにしている．１ｌは設備ライ
ンセンターＣＩを挟んで対向する一対の支持フレームで
、マンドレル２に装着したコイルＣのピンチロール７と
は反対側に配役されて連結ピンｌ２とブラケット１３を
介し一方のセンタリング用スライド３と連結され、支持
フレーム１０に設けた車輪１４ａ，１４ｂと、マンドレ
ル２の軸芯と平行に配設した案内レール１５ａ、１５ｂ
とにより板輻方向に移動可能となっている。

１６は回動輪で、自動調芯軸受又は球面座軸受等の変位
吸収可能な軸受１７を介し支持フレーム１１の上部に回
転可能に取り付けられている。

１８は一対のスイングアームで、富亥スイングアームｌ
８の基端にて回動軸１６に固定されており、回動軸１６
の端部に固定したレバー１９と支持フレーム１ｌとの間
に配設したスイング用油圧シリンダ２０によりコイルＣ
に対して進退可能となっている。

２１は押えロールで、スイングアーム１８の先端に回転
可能に取り付けられている。

２２は口出しロールで、回転軸２３を介してスイングア
ームｌ８に揺動可能に取り付けた一対のアーム２４の先
端に取り付けられ、回転軸２３の端部に固定したレバー
２５と口出し用油圧シリンダ２６によりコイルＣに対し
て進退可能となっている。

また、第１図において、２７はレベラーで、ピンチロー
ラ７に対し巻戻し装置とは反対側で、かつ、スキンパス
ミル２８の人側に設置されている．従って、押えロール
２１を上昇退避させ、かつ、口出しロール２２を下降さ
せてコイルＣの口出しを行う．ストリップＳがピンチロ
ール７をｉｌ遇した後、任意の時点から口出しロール２
２を上昇退避させ、かつ、押えロール２１を下降させる
。この状態で、センサーｌＯとセンタリング用油圧シリ
ンダ９でストリップＳのセンタリングを開始すると、セ
ンタリング用スライド３と支持フレーム１ｌはピン１２
とブラケット１３を介して連結されており、押えロール
２１がコイルＣ（マンドレル２）と同調して移動するか
ら、押えロール２１とストリップＳとの間での擦り疵と
かセンタリング不良は生じない． この発明は、以上のようなスキンパスラインの入側アン
コイラーにおいて、コイルＣを回転させてストリップＳ
を操り出しピンチロール７を介しレベラー２７、スキン
パスミル２８側に送り出ス場合、ストリップＳの繰出し
点Ｐにて押えロール２ｌによりストリップＳをコイル表
面に押し付けて隙間なく密着させると共に、コイル支持
・駆動装置１の回転速度を制御することによりバックテ
ンションを印加して押えロール２１とピンチロール７と
の間のストリップ張力を、ストリップＳの幅方向断面を
矩形に保持できるようなストリップ寸法に対応した張力
以上で、かつ、ストリップＳに巻締疵が発生しないよう
な張力未満としてコイルＣを巻き戻すことを特徴とする
ものである。

ストリンブＳの繰出し点Ｐにて押えロール２１によりス
トリップＳをコイル表面に押し付けて密着させるために
は、押えロール２ｌの径と押付け位置及び押付け力が適
切であること（張力と曲げ力より充分に大きいこと）が
必要であり、また、押えロール２１の剛性が充分にある
ことが必要である。押付け位置によって曲げを極端に与
え過ぎると逆反りが発生し、レベラーで腰折現象が発生
する。また、ロール径を小さくし過ぎると同様な現象が
起き、効果が小さくなる恐れがある。

押えロール２１とピンチロール７との間のストリップ張
力の大きさは、コイルＣの巻戻し時にストリップＳがロ
ールフェースに接触角まで密着して繰り出せる大きさが
必ずなくてはならない。即ち、巻戻し時のストリップＳ
の幅方向断面が矩形である状態（フラットな状態）で巻
き戻されることである。これは、幅反りが大きく残ると
次のレベラーで腰折現象が発生することになるから、幅
反りが発生する前に逆曲げの塑性加工を与えて巻戻しを
行うと共に、押えロール２ｌを通過した後の幅反りを軽
減させるためである。

ロールフェースへのストリップＳの密着性は、コイル圧
延時の母材の平坦によっても大きく左右される。即ち、
平坦が良い程密着度が増すことになる。従って、張力は
、見掛けの平坦を改善してストリップＳをロールフェー
スに均一に密着させるだけの大きさがあれば最も腰折現
象の発生防止に有効となる。しかし、張力を高くするに
は設備的な面と、巻締り疵の発生を防止する面とから限
界があり、適正な範囲が決められる。第４図にコイルの
圧延先端側約２００ｆｌの平坦測定結果（板厚と母材平
坦度の関係）を示す如く、薄物は、一般に平坦度は厚物
に比べて良くなく、単位当たりの張力は大きくなるが、
トータルの張力はそれ程大きくなくて良い。厚物は、平
坦度は良いので、断面積は大きいが単位当たりの張力が
少なく、トータルの張力は薄物と大差なくなる。また、
薄物では張力を余り大きくすると巻締疵が生じるので、
腰折と巻締り疵の両者の兼ね合いで決まる。

第５図は押えロール２１を使用しないでバンクテンショ
ンを印加した場合の腰折発生のメカニズムを示し、第６
図は押えロール２１を使用し、かつ、バソクテンション
を印加した場合の腰折発生のメカニズムを示す。夫々の
断面係数（ｚ）図、曲げモーメン｝　（Ｍ）図及び曲げ
応力（σ）図で分かるように、押えロール２１の使用は
腰折の発生防止に有効であるが、バックテンションを印
加すると、ストリップＳの見掛けの平坦が改善され（ス
トリップＳの幅方向断面形状が矩形に保持され）、ロー
ルフェースにストリップＳが密着した巻戻しが可能とな
り、ストリップＳが座屈し難いから、押えロール２ｌに
よる腰折の発生防止効果が更に高まる。

次に、以上のような効果をｆＩ！認するためにユニット
張力を増減し操業中でのテストを行った。

押えロール２１は　φ２８０　ｗ　ｘ　ｌ　１８５０ｍ
を使用し、油圧シリンダ２０による押付圧力は３〜５ト
ンに設定した。また、押えロール２１の押付け位置には
第７図に示すようにａ，ｂ，．ｃの位置があるが、位置
ｂにおいて、押えロール２１がピンチロール７の上面の
接線でコイルＣの中心（マンドレル中心）を通る線上を
押すようにした。

次の表１．に、板幅Ｗ（ｍ）に応じた設定張力Ｔｕ（ｋ
ｇ／ｗ”）を示す。尚、最大張力は設備仕様から約４ト
ンであるから、板幅寸法によっては設定張力Ｔｕより低
くなることもある。

表１．設定張力Ｔｕ また、表２．に、板幅Ｗ　（ｍ）　、板厚ｔ（ｍ）に応
じた設定張力Ｔ　ｕ　（ｋｇ／ｍ”　）を示す。

表２．設定張力Ｔｕ 前記のテスト結果を第８図、第９図、第１０図に示す。

第８図はケース■　（低張力時）での板厚、板幅別の腰
折発生状況を示し、第９図はケース■（高張力時）での
板厚、板幅別の腰折発生状況を示し、また、第ｌＯ図は
各ケースでの板厚別、張力区分別の腰折発生状況を示す
。

上記結果から、表２．に示す設定張力Ｔｕ　（押えロー
ル２ｌとピンチロール７との間のストリップ張力）、即
ち、ストリップＳの幅方向断面形状を矩形に保持できる
ようなストリップ寸法に対応した張力以上となるように
張力を適正に制御しながら押えロール２１を使用すれば
、腰折現象の発生を大幅に減少させることが可能になっ
た。

第１１図は全てのストリップ寸法での腰折発生指数の推
移を示したものである， また、コイルＣの内径巻弛みがない場合はユニット張力
を下限として１〜５ｋｇ／ａｍ”大きくしても巻締疵は
生じないが、コイルＣの内径巻弛みがある場合には、例
えばユニット張力を下限として１　〜５　ｋｇ／ｔｍ”
大きくすると板厚１．２ｕで１０〜５５ｍ、１〜３ｋｇ
／ｍ”大きくすると板厚１．６　０で２０〜７９ｍと大
きい巻締疵が生じるから、張力の制御に当たってはコイ
ルＣの内径巻弛みの有無によりストリップに巻締疵が発
生しないような張力未満とすることが必要である。

〔発明の効果〕

以上の通り、本発明によれば、ストリップの繰出し点に
て押えロールによりストリンプをコイル表面に押し付け
て密着させながら、押えロールとピンチロールとの間の
ストリソプ張力を適正に制御することによって腰折現象
の発生を大幅に滅少させ、かつ、ストリップに巻締疵が
発生しないようにできる。従って、設備に供給するスト
リソプの品質を向上させて製品品質の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を実施するスキンパスラインにおける
入側アンコイラーの概念図、第２図、第３図はアンコイ
ラーに設置したコイル巻戻し装置を示す側面図、正面図
、第４図は熱延コイルの板厚と母材平坦度の関係を示す
グラフ、第５図は押えロールを使用しないでパックテン
ションを印加した場合の腰折発生のメカニズムを示す概
略図、第６図は押えロールを使用してバックテンシヲン
印加した場合の腰折発生のメカニズムを示す概略図、第
７図は押えロールの押付け位置を示す概略図、第８図は
低張力時での板厚、板幅別の腰折発生状況を示す概略図
、第９図は高張力時での板厚、板幅別の腰折発生状況を
示す概略図、第１０図は各ケースでの板厚別、張力区分
別の腰折発生状況を示す概略図、第１１図は全てのスト
リップ寸法での腰折発生指数の推移を示すグラフ、第１
２図、第１３図は押えロールの従来例を示す概略図、第
１４図は押えロール有無による腰折不良率を示すグラフ
である。 １・・・・・・コイル支持・駆動装置、２・・・・・・
マンドレル、５・・・・・・モータ、７・・・・・・ピ
ンチロール、１１・・・・・・支持フレーム、１６・・
・・・・回動軸、ｌ７・・・・・・軸受、１Ｂ・・・・
・・スイングアーム、１９・・・・・・レバー、２０・
・・・・・スイング用油圧シリンダ、２ｌ・・・・・・
押エロール、２７・・・・・・レベラ−２８・・・・・
・スキンバスミル．

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）マンドレルに装着したコイルを回転させつつコイ
   ルからストリップを繰り出してピンチロールを介し送り
   出すコイル巻戻し方法において、ストリップの繰出し点
   にて押えロールによりストリップをコイル表面に押し付
   けて密着させると共に、前記押えロールとピンチロール
   との間のストリップ張力を、ストリップの幅方向断面形
   状を矩形に保持できるようなストリップ寸法に対応した
   張力以上で、かつ、ストリップに巻締疵が発生しないよ
   うな張力未満としてコイルを巻き戻すことを特徴とする
   コイル巻戻し方法。