JPH03180343A - 多層押出ポリイミドフィルムの製法 - Google Patents

多層押出ポリイミドフィルムの製法

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JPH03180343A
JPH03180343A JP1317706A JP31770689A JPH03180343A JP H03180343 A JPH03180343 A JP H03180343A JP 1317706 A JP1317706 A JP 1317706A JP 31770689 A JP31770689 A JP 31770689A JP H03180343 A JPH03180343 A JP H03180343A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ビフェニルテトラカルボン酸系の異種の複
数芳香族ポリイミドからなる二層、三層などの多層押出
ポリイミドフィルムに係わるものであり、この発明の多
層押出ポリイミドフィルムは、ビフェニルテトラカルボ
ン酸類とフェニレンジアミン類とから得られた高強度及
び高耐熱性の芳香族ポリイミドフィルムにおけるrエポ
キシ系熱硬化性樹脂接着剤などによる接着性」を、その
片面又は両面に設けた特定の異種芳香族ポリイミドの薄
層によって改良したものであり、前述の接着性が改良さ
れているので、前記の多層押出ボリイミドフィルム(薄
層の外面)と銅箔とが熱硬化性樹脂接着剤によって強く
接着した銅張ポリイミドフィルムを容易に形成すること
ができる。
また、この発明は、前記の各芳香族ボリイくドの前駆体
である異種の芳香族ポリアミック酸溶液を、同時に、二
層、三層などの多層押出成形して、溶液流延製膜法で底
形することによって、工業的に容易に製造する方法に係
わるものである。
〔従来技術の説明〕
従来、二層以上の多層ポリイミドフィルムとしては、例
えば、特公昭55−2193号公報に記載されているよ
うに、「ベースゲルフィルム構造の少なくとも一つの表
面をポリアミド−酸組成物で被覆し、しかる後、その被
覆したベースフィルムを、被覆N<コーティングN)と
ベース層とが相互拡散により結合して一体化しているポ
リイミド構造(フィルム)に変換せしめることによって
、製造される「ポリイミド重合体材料の二層が一緒に結
合しているポリイミド積層フィルム」が知られていた。
しかしながら、前記のポリイミド積層フィルムは、−旦
ベースゲルフィルムを形成した後、そのベースフィルム
上にさらにポリアミド−酸組成物(溶液組成物)を被覆
するという煩雑な工程によって製造されるので、再現性
よく安定した品質のポリイミド積層フィルムを製造する
ことが極めて困難であり、また、特に、異種のポリイミ
ド前駆体溶液を使用して前記製膜法で積層フィルムを製
造した場合には、コーティング層とベース層との層間接
着力が充分に高いレベルのポリイミド積層フィルムが、
得られなかったのである。
また、特開昭62−140822号公報には、ビフェニ
ルテトラカルボン酸類と複数のベンゼン環を有する芳香
族シアミン類とから得られたガラス転移点(二次転移温
度)250〜350 ’Cの芳香族ポリイミドからなる
フィルム同士、または、前記フィルムと他の芳香族ポリ
イミドフィルムとが接着剤層を介さずに直接に加熱・圧
着されている厚さ50μm以上の厚手の芳香族ポリイミ
ド積層シート、および、その製造法について記載されて
いる。
しかしながら、前記の加熱・圧着によって製造されたポ
リイミド積層シートは、特定のポリイミドの薄層を有す
る柔軟な薄手のポリイミドフィルムとは異なるものであ
り、また、特に、異種ポリイミドフィルム同士から製造
された積層シートにおいては、眉間の接着力が必ずしも
充分ではなかったのである。
また、ビフェニルテトラカルボン酸類とフェニレンジア
ミン類とから得られたポリアミック酸溶液を使用して、
溶液流延製膜法で、優れた耐熱性、機械的強度などを有
する芳香族ポリイミドを製造する方法は、特公昭60−
42817号公報などにおいて知られていた。
しかし、前記の芳香族ポリイミドフィルムは、種々の熱
硬化性樹脂接着剤などとの接着性が充分ではなく、前記
フィルムと銅箔との熱硬化性樹脂接着剤による接着性が
充分でないので、その接着性の改良が期待されていた。
公知の問題点を有していない二層、三層などの多層ポリ
イミドフィルム、および、優れた性能の多層ポリイミド
フィルムを再現性よく製造できる新規な製法が期待され
ていたのである。
〔解決すべき問題点〕
この発明の目的は、ビフェニルテトラカルボン酸類とフ
ェニレンジアミン類とから得られたポリアミック酸溶液
を使用して、溶液流延製膜法で、製造されたr優れた耐
熱性、機械的強度などを有する芳香族ポリイミド1にお
いて、その接着性の改良された多層ポリイミドフィルム
を提供すること、ならびに、前記のビフェニルテトラカ
ルボン酸類とフェニレンジアミン類とから得られたポリ
アミック酸溶液などから、高接着性の二層、三層などの
多層ポリイミドフィルムを再現性よく製造することがで
きる新規な製法を提供することである。
〔問題点を解決する手段〕
この出願の第1の発明は、芳香族テトラカルボン酸類と
、複数個のベンゼン環を有する芳香族ジアミン類とから
得られた芳香族ポリイ5ドからなる厚さ10μm以下の
薄層の少なくとも1層が、ビフェニルテトラカルボン酸
類とフェニレンジアミン類とから得られた芳香族ポリイ
ミドからなる基体層の少なくとも片側に一体に積層され
ていることを特徴とする多層押出ポリイミドフィルムに
関する。
また、この出願の第2の発明は、芳香族テトラカルボン
酸類と複数個のベンゼン環を有する芳香族ジアミン類と
から得られた芳香族ポリアミック酸が均一に溶解してい
る第一芳香族ポリアミック酸溶液と、ビフェニルテトラ
カルボン酸類とフェニレンジアミン類とから得られた芳
香族ポリアミック酸が均一に溶解している第二芳香族ポ
リアミック酸溶液とを、二層以上の押出成形用ダイスを
有する押出成形機へ同時に供給して、前記ダイスの吐出
口から両溶液を少なくとも二層の′pl膜状棒状体て平
滑な支持体上に連続して押出し、そして、前記支持体上
の該薄膜状体を乾燥し自己支持性の多層フィルムを形成
し、次いで、支持体上から該多層フィルムを剥離し、最
後に、該多層フィルムを加熱処理することを特徴とする
多層押出ポリイミドフィルムの製法に関する。
以下、この発明について、図面を参考にして、さらに詳
しく説明する。
第1図は、この発明の実施例1〜3で得られた各二層押
出ポリイミドフィルムの断面の一部を示す電子顕微鏡写
真である。
第2図は、この発明の二層押出ポリイミドフィルムの製
法に使用する製膜装置の概要の一例を示す断面図であり
、第3図及び第4図は、前記製膜装置に設置される二層
押出底形用ダイスの例をそれぞれ概略示す断面図である
この発明の多層押出ポリイミドフィルムは、例えば、ビ
フェニルテトラカルボン酸類とフェニレンジアミン類と
から得られた高い耐熱性の芳香族ポリイミドからなる基
体層Aの片面又は両面に、芳香族テトラカルボン酸類と
、複数個のベンゼン環を有する芳香族ジアミン類とから
得られた芳香族ポリイミドからなる厚さ10μm以下、
好ましくは0.05〜8μmの薄層Bが、フィルムの厚
み方向に向かって連続して一体に積層・形成されている
、後述の二層、三層などの多層押出成形−溶液流延製膜
法によって得られた二層、三層などの多層押出芳香族ポ
リイミドフィルム(例えば、第1図に示す二層押出ポリ
イミドフィルムを参照)で構成されている。
この発明の多層押出ポリイミドフィルムにおいて、前記
薄層Bの厚さが余りに厚くなり過ぎると、基体層を形成
している芳香族ポリイミドフィルムの優れた種々の特性
が失われたり、あるいは、多層フィルムの製造工程、あ
るいは、多層フィルムの加工工程などにおいて、多層押
出ポリイミドフィルムが大きくカールして取扱いが、困
難となることがあるので、適当ではない。
この発明の多層押出ポリイミドフィルムにおいては、全
体の厚さが10〜200μm、特に15〜150μm1
さらに好ましくは15〜100μm程度であることが好
ましく、また、その基体層への厚さが、5〜200μm
、特にlO〜150μm程度であることが好ましく、さ
らに、前記の薄層Bと基体層Aとの厚さの比(B/A)
が、約0、005〜0.5、特に0.01〜0.4程度
であることが、前述のような点から特に好ましい。
前記の多層押出ポリイミドフィルムは、電子顕微鏡写真
で断面を観察すると、第1図に示すように、薄層Bが帯
状に鱗状部として観察され、特に両層の境界部に沿って
はっきりとした太線状に濃い鱗状部が観察されるのであ
る。しかし、この多層押出ポリイミドフィルムは、前記
の境界部分で二層に剥離することがまったくできないの
であり、各ポリイミドが実質的に連続して一体的にそし
て強固に結合した少なくとも二層の多層フィルムを形成
しているものである。
この発明において、多層°押出ポリイミドフィルムは、
図面に示さなかったが、後述の実施例4で製造されてい
るように、前述の基体層Aの両側に厚さ10μm以下の
薄層Bがそれぞれ一体に積層されている三層構造のフィ
ルム(三層フィルム)であってもよい。
前記の三層フィルムは、フィルムのカール性が少なくな
るので好適であり、前記三層フィルムの薄層BおよびB
oがほぼ同じ厚さ(薄層の厚さの比B/B’が0.8〜
1.2、特に0.9〜1.1の範囲内)であることが極
めて小さいカール性となるので最も最適であり、また、
三層フィルムの両面に接着剤による接着性の優れた薄層
を有しており、その結果、その三層フィルムの両面に、
それぞれ接着剤を介して、銅箔などを容易に貼り合わせ
ることができるので好適である。
前記の基体層Aを形成している芳香族ポリイミドは、ビ
フェニルテトラカルボン酸類を主として(特に好ましく
は50モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上)
含有する芳香族テトラカルボン酸成分と、フェニレンジ
アミン類を主として(特に好ましくは50モル%以上、
さらに好ましくは60モル%以上)含有する芳香族ジア
ミン成分とから重合およびイミド化によって得られる耐
熱性で高分子量の芳香族ポリイミドであることが、耐熱
性、機械的強度、寸法安定性などの点から好ましい。
前記ビフェニルテトラカルボン酸類としては、3.3°
、4.4’−ビフェニルテトラカルボン酸又はその酸二
無水物、2,3.3’ 、4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸又はその酸二無水物などを挙げることができ、前
記のビフェニルテトラカルボン酸類と併用することがで
きる他の芳香族テトラカルボン酸類としては、ピロメッ
ト酸又はその酸二無水物などのピロメリット酸類、3,
3°、4,4”−ベンゾフェノンテトラカルボン酸又は
その酸二無水物などを好適に挙げることができる。
また、前記のフェニレンシア5ン類としては、0−lm
−またはp−フェニレンジアミンなどのフェニレン系ジ
アミン化合物などを挙げることができ、また、前記フェ
ニレンジアミン類と共に併用することができる他の芳香
族ジアミンとしては、4.4゛−ジアミノジフヱニルエ
ーテル、3.4’−シアごノジフェニルエーテルなどの
ジフェニルエーテル系ジアミン化合物、4.4”−ジア
ミノジフェニルスルホン、3,4°−ジアミノジフェニ
ルスルホンなどのジフェニルスルホン系ジアミン化合物
などを挙げることができる。
この発明では、基体層Aを構成する芳香族ポリイミドと
しては、特公昭60−42817号公報、および、特開
昭61−111359号公報に記載されているような、 (A−1)特公昭60−42817号 4.4°−シアごノジフェニルエーテル(以下、DAD
Eと略記する)とp−フェニレンジアミン(以下、PP
Dと略記する)とのモル比(DADE/PPD)が0〜
1である芳香族シアミン成分と、3.3’、4.4”−
ビフェニルテトラカルボン酸類とを、有機極性溶媒中、
O〜80″Cの温度で、重合して得られるポリアミック
酸の溶液から形成される芳香族ポリイミド、 (A−2)特開昭61−111359号ビフヱニルテト
ラカルボン酸類(50モル%以上、特に60〜90モル
%含有)およびピロメリット酸*(50モル%未満、特
に10〜40モル%含有)を主成分とする芳香族テトラ
カルボン酸成分と、フェニレンジアミン(50モル%以
上、特に60〜95モル%含有)およびジアミノジフェ
ニルエーテル(50モル%未満、特に5〜40モル%程
度含有)を主成分とする芳香族ジアミン取分とを、 両取分等モル、有機溶媒中で、重合して、生成したポリ
アミック酸から形成される芳香族ポリイミドなどが、 機械的物性、耐熱性、寸法安定性などの点において、特
に好適である。
また、前記の薄層Bを形成している芳香族ポリイミドは
、ビフェニルテトラカルボン酸類、ピロメリット酸類、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸類などの芳香族テトラ
カルボン酸類を主として含有する芳香族テトラカルボン
酸成分と、4.4′−ジアミノジフェニルエーテル、3
.4”−ジアミノジフェニルエーテルなどのジフェニル
エーテル系シアミン化合物、4,4゛−シアミノジフェ
ニルメタン、31°−シア亙ノジフェニルメタンなどの
シアミノジフェニルメタン系ジアミン化合物、4.4”
−ジアミノジフェニルスルホン、3.4’−ジアミノジ
フエニルスルホンなどのジフェニルスルホン系ジアミン
化合物などの複数個のベンゼン環を有する芳香族シアく
ン類を主として含有する芳香族ジアミン成分とから、重
合およびイミド化によって得られた芳香族ポリイミドで
あることが好ましい。
この発明においては、薄層Bを形成している芳香族ポリ
イミドは、特に、ビフェニルテトラカルボン酸類を主と
して(特に60モル%以上、さらに好ましくは80モル
%以上)含有する芳香族テトラカルボン酸成分と、複数
個のベンゼン環を有する芳香族ジアミン類を主として(
特に50モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上
)含有する芳香族ジアミン成分とから得られた、二次転
移温度が250〜400℃、好ましくは260〜360
°Cである芳香族ポリイミドであることが、前記の基体
層Aとの融和性(相溶性)、および、熱硬化性樹脂の接
着剤を介するrw4箔との接着性の点1において、最適
である。
この発明の製法においては、第2図におけるように、例
えば、第−及び第二芳香族ポリアミック酸溶液a及びb
を、ポリマー溶液供給口9aおよび9bから、二層押出
成形用ダイス1を有する押出成形機へ、同時に供給し、
次いで、前記のダイス1の吐出口から両溶液の二層の薄
膜状体を、対の駆動輪2の上に巻き掛けられて回動する
平滑な支持体(金属製のベルトなど)3の上面に連続的
に押出し、そして、キャスティング炉6において、前記
支持体3の上面の薄膜状体4を、ヒーターまたは熱風吹
き出し装置5によって、前記支持体3上で適度に乾燥し
、自己支持性のフィルム4′を形成し、次いで、支持体
上から自己支持性のフィルム4゛を剥離し、 最後に、その自己支持性のフィルム4°を、複数のヒー
ター11の内設されたキュアー炉13を通過させて加熱
処理して、この発明の二層押出芳香族ポリイミドフィル
ム4”を形成し、更に、冷却室20内で常温(約O〜5
0°C)まで冷却して、巻き取り機31(全体を図示し
ていない)の巻き取りロール30に巻き取るのである。
前記の二層押出成形用ダイスは、例えば、第3図に示す
ように、ポリマー溶液の供給口46および47を有し、
ポリマー溶液の通路が、その各供給口から各マニホール
ド42に向かってそれぞれ形成されており、そのマニホ
ールド42の底部の流路が合流点43で合流して、その
合流した後のポリマー溶液の通路(リップ部)がスリッ
ト状の吐出口44に連通していて、この吐出口44から
ポリマー溶液が薄膜状に支持体4日上に吐出される構造
(マルチマニホールド型二層ダイス41)になっている
ものを挙げることができる。
前記の第3図のダイスにおいて、前記リップ部は、リッ
プ調整ボルトによって、その間隔を調節できるようにな
っていて、また、各マニホールド42の底部(合流点に
近い箇所)は、各チョークパー45によってその流路の
空隙部の間隔が調節される。前記の各マニホールドは、
ハンガーコートタイプの形状を有していることが好まし
い。
また、二層押出成形用ダイスとしては、第4図に示すよ
うに、ダイス上部の左右にポリマー溶液の供給口56お
よび57を有し、ポリマー溶液の通路が、仕切り板59
を備えた合流点53で直ちに合流するようになっており
、その合流点からマニホールド52にポリマー溶液の流
路が連通していて、そのマニホールド52の底部のポリ
マー溶液の通路(リップ部)がスリット状の吐出口54
に連通していて、この吐出口54からポリマー溶液が薄
膜状に支持体58上に吐出される構造(フィードブロッ
ク型二層ダイスまたはシングルマニホールド型二層ダイ
ス51)になっているものであってもよい。
この発明の製法においては、前述のような二層押出ポリ
イミドフィルムばかりでなく、三層押出成形用ダイスを
使用して、二層押出成形と同様の成形方法で、基体層A
の両側に薄層BおよびB′をそれぞれ有する多層押出ポ
リイミドフィルムを製造することもできる(実施例4を
参照)。
この発明の製法において、前記の第−及び第二のポリア
ミック酸溶液a及びbは、前述の芳香族テトラカルボン
酸成分と芳香族ジアミン成分とから得られた芳香族ポリ
アミック酸(芳香旅ポリイミド前駆体)および有機溶媒
とからなるものであればよく、それらの芳香族ポリアミ
ック酸の含有率が5〜40重量%、特に10〜30重量
%程度であって、前述の二層、三層などの多層押出成形
の際の多層押出用ダイスからの吐出の温度における「溶
液粘度(回転粘度)」が、約50〜10000ボイズ、
特に100〜6000ボイズ程度であることが好ましい
前記の芳香族ポリアミック酸は、対数粘度(測定温度:
30℃、濃度i 0−5 g/100mff1溶媒、お
よび、溶媒;N−メチル−2−ピロリドン)が、約0.
5〜6、特に1.0〜5、さらに好ましくは1.5〜4
程度を示すものであることが好ましい。
また、前記の有機溶媒は、例えば、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N、N−ジメチルアセトアミド、N。
N−ジエチルアセトアミド、N、N−ジメチルホルムア
ミド、N、N−ジエチルホルムアミドなどのアミド系有
機溶媒、あるいはそれらを主成分とする混合溶媒を挙げ
ることができる。
本発明の製法において、二層、三層などの多層押出成形
の際の多層押出用ダイスからの吐出する際の芳香族ボリ
ア旦ツク酸溶液の温度は0〜150℃、特に5〜100
°C1さらに好ましくは10〜60’Cであり、また、
そのポリマー溶液が吐出された後の薄膜状体を乾燥する
温度(キャスティング温度)は、100〜180°C1
特に120〜150°C程度であればよい。
この発明の製法で製造される多層押出ボリイ多ドフィル
ムにおける「基体層Aと薄層Bとの厚さの割合」を調節
するには、二層、三層などの多層押出成形用ダイスから
の各ポリマー溶液の吐出量を調整することによって行う
ことができる。
また、支持体上でのポリマー溶液の薄膜(二層膜、三層
膜などの多層膜)の乾燥は、乾燥温度が100〜180
”C,特に120〜160 ”C程度であって、乾燥時
間が1〜60分間特に5〜30分間程度であることが好
ましい。
さらに、支持体から剥離された自己支持性のポリマーフ
ィルムの加熱処理は、加熱処理温度が約250〜600
°C1特に300〜550°C程度で、加熱処理時間が
約1〜60分間、特に2〜30分間程度であることが、
ポリマーのイミド化およびフィルム中の溶媒の除去のた
めに好ましい。
この発明の多層押出ポリイミドフィルムの製法において
は、製膜速度が0.1−10m/分、特に、0、2〜5
m/分として、前述の性能を有する多層押出芳香族ポリ
イミドフィルムを連続的に製造することができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例、比較例、および、参考例を示
し、この発明をさらに詳しく説明する。
実施例および比較例において、各測定試験は、次に示す
方法で行った。
引張り試験は、ASTM  D−882に準する方法で
行い、引張強度、伸び率(破断点)、弾性率を測定した
加熱収縮率は、試料フィルムを400°Cで2時間加熱
し次いで冷却した際の寸法変化率を測定した。
線膨張係数は、400°Cで熱処理した後の試料フィル
ムについて、25〜300℃において測定した。
カールの程度は、縦20CI11および横3.5 cm
の試料フィルムを平面基板上に載置して、平面基板から
最も離れている試料部分の高さを測定する「東し法1に
よって測定した。
接着強度は、エポキシ樹脂接着剤(東し■製、TE−5
701)を使用して、試料フィルムと35μmの銅箔と
を張り合わせて、約180 ’Cの温度に加熱し圧着し
て、両者を接着し、銅張ポリイミドフィルムを製造し、
その銅張ポリイミドフィルムの剥離強度をT−剥離法で
測定して、その結果を示した。
参考例1 3.3’、4.4”−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、パラフェ
ニレンシアごンからなる芳香族ジアミン成分と、N、N
−ジメチルアセトアミドとを混合して、約30°Cの重
合温度で共重合して、芳香族ポリアミック酸溶液a〔ポ
リマー濃度:18重量%、対数粘度(30℃);4.0
、溶液粘度(30℃、回転粘度);約5000ボイズ)
〕を調製した。
参考例2 3.3”、4.4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、4.4”
−ジアミノジフェニルエーテルからなる芳香族ジアミン
取分と、N、N−ジメチルアセトアミドとを混合して、
30″Cの重合温度で共重合して、芳香族ボリアごツタ
酸溶液b(ポリマー濃度;18重量%、対数粘度(30
″C);3.8、溶液粘度(30″C1回転粘度);約
4500ボイズ〕を調製した。
実施例1 第3図に示す二層押出成形用ダイス(マルチマニホール
ド型二層ダイス)を設けた第2図に示すような製膜装置
を使用して、前述の各芳香族ポリアミック酸溶液a及び
bを、ポリマー溶液供給口9aおよび9bから、二層押
出成形用ダイス1を有する押出成形機構へ、同時に供給
し、次いで、前記のダイスlの吐出口から両溶液の二層
の薄膜状体を、吐出温度30″Cで、一対の駆動輪2の
上に巻き掛けられて回動する平滑な支持体(金属製のベ
ルトなど)3の上面に連続的に押出し、そして、キャス
ティング炉6において、前記支持体3の上面の薄膜状体
4を、前記支持体3上で、熱風吹き出し装置5によって
、約140°Cの温度において、6分間乾燥し、自己支
持性のフィルム4° (溶媒含有率;40重量%以下)
を形威し、次いで、支持体上から自己支持性のフィルム
4°を剥離し、 最後に、その自己支持性のフィルム4°を、赤外線ヒー
ター11の内設されたキュアー炉13を通過させて、約
150から450″Cまでの段階的に昇温される温度範
囲において4分間加熱処理して、二層押出芳香族ポリイ
ミドフィルム4”を形威し、 さらに、前記フィルム4”を冷却室20内で常温まで冷
却して、巻き取り機31(全体を図示していない)の巻
き取りロール30に巻き取って、厚さ31.3μmの芳
香族ポリイミドフィルムを製造した。
前述の製法の製膜速度は、0.3m/分であった。
前述のようにして製造した各二層成形芳香族ポリイミド
フィルムは、第1図の(a)における電子顕微鏡写真に
に示すように、厚さ26.1μmの基体層Aに隣接して
、厚さ5.2μmの薄層Bに帯部の鱗状部が見られた。
また、実施例1で得られた前記の二層押出芳香族ポリイ
くドフィルムについて、引張り試験などを行ったが、そ
れらの結果を第1表に示す。
実施例2〜3 芳香族ボリア逅フク酸溶液の吐出量を変えて、基体層A
と薄層Bとの厚さを第1表に示すように変えたほかは、
実施例1と同様に製膜して、第1表に示す厚さの二層押
出芳香族ポリイミドフィルムをそれぞれ成形した。
第1図のい)に、実施例2で得られた二層押出ポリイミ
ドフィルム、そして、第1図の(C)に、実施例3で得
られた二層押出ポリイミドフィルムの電子顕微鏡写真(
10000倍)に基づく断面図をそれぞれ示した。
それらの二層押出芳香族ポリイミドフィルムについて、
その性能試験を各種行ったが、それらの結果を第1表に
示す。
実施例4 三層押出成形用ダイス(マルチマニホールド型三層ダイ
ス)を設けたほかは第2図に示す製膜装置と同様の製膜
装置を使用すると共に、参考例1で調製した芳香族ポリ
アミック酸溶液aを前記三層押出成形用ダイスの内層部
へ供給し、参考例2で調製した芳香族ポリアミック酸溶
液すを前記三層押出成形用ダイスの両側の外層部へ同時
に供給したほかは、実施例1と同様にして、基体層Aと
、薄層Bおよび薄層B”を有する三層押出ポリイミドフ
ィルムを製造した。
前述のようにして製造した三層押出ポリイミドフィルム
の物性などを第1表に示す。
比較例1 ポリアミック酸溶液aのみを使用し、そして、二層押出
用ダイスの代わりに単層押出用ダイスを設けた押出し成
形機を使用したほかは、実施例1と同様に製膜して、単
層の芳香族ポリイ5ドフィルムを製造した。
そのポリイ≧ドフィルムの性能試験の結果を第1表に示
す。
第 二層こbi巨(ンリ1 実施例2 実施例3 実施例4 辻鮫例1 多層フィルムの厚さ 全体      μm 基体層A    μm 薄層B     μm 薄層B′     μm (2層) 31.3 26.1 5.2 (2層) 26.0 24.9 1.1 (2層) 30.7 30.5 0.2 (3N) 28.8 27.6 0.6 0.6 (中層) 24.6 弓B長が3貧(TDプ升司) 弓Fact    kg/1I11” イ0−ζ〕くΣ9工     % 弾性率   眩/−2 33,345,941,542,535,034443
94029 743799876883914 鰭閾賄数(TD力方向 (×1O−S)cVc111/′C 2,10 1,68 1,36 1,26 1,20 カー1tata寥【しノンに) m 2 接着強度(B口卸kg/cm 0.90 0.80 0.88 0.85 0.09 〔本発明の作用効果〕 この発明の多層押出ポリイミドフィルムは、優れた機械
的物性、耐熱性、寸法安定性などを有するビフェニルテ
トラカルボン酸系の芳香族ポリイミドフィルムが、前述
の優れた性能を損なうことなく、唯一の課題であった接
着性能を、特定の芳香族ポリイミドの薄層によって改良
されているものであり、熱硬化性樹脂の接着剤を介して
該多層フィルムの薄層の外面と銅箔とを接合して、優れ
た性能の銅張ポリイミドフィルムを製造することができ
る。
また、この発明の多層押出ポリイミドフィルムの製法は
、少なくとも2種の芳香族ポリアミック酸溶液を二層、
三層などの多層押出成形用ダイスから同時に押出し、ポ
リマー溶液の多層薄膜状体形成する溶液流延製膜するこ
とによって、基体層の片側又は両側に、接着性を付与す
るためのポリイミド薄層を有する「二層、三層などの多
層押出芳香族ポリイミドフィルム」を工業的に再現性よ
く連続的に製造することができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例1〜3で得られた各二層押
出ポリイミドフィルムの断面の一部を示す電子顕微鏡写
真である。 第2図は、この発明の二層押出ポリイミドフィルムの製
法に使用する製膜装置の概略を示す断面図であり、第3
図および第4図は、前記の製膜装置に設置される二層押
出底形用ダイスの例の概略をそれぞれ示す断面図である
。 A;基体層、B;薄層 l;二層押出成形用ダイス、3;支持体、4;薄膜状体
、4° ;自己支持性のフィルム、4” ;二層押出芳
香族ボリイ5ドフィルム、6:キヤステイング炉、13
;キュアー炉、20;冷却室、41;マルチマニホール
ド型ダイス、51;フィードブロック型ダイス。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)芳香族テトラカルボン酸類と、複数個のベンゼン
    環を有する芳香族ジアミン類とから得られた芳香族ポリ
    イミドからなる厚さ10μm以下の薄層の少なくとも1
    層が、ビフェニルテトラカルボン酸類とフェニレンジア
    ミン類とから得られた芳香族ポリイミドからなる基体層
    の少なくとも片側に一体に積層されていることを特徴と
    する多層押出ポリイミドフィルム。
  2. (2)芳香族テトラカルボン酸類と複数個のベンゼン環
    を有する芳香族ジアミン類とから得られた芳香族ポリア
    ミック酸が均一に溶解している第一芳香族ポリアミック
    酸溶液と、ビフェニルテトラカルボン酸類とフェニレン
    ジアミン類とから得られた芳香族ポリアミック酸が均一
    に溶解している第二芳香族ポリアミック酸溶液とを、二
    層以上の押出成形用ダイスを有する押出成形機へ同時に
    供給して、前記ダイスの吐出口から両溶液を少なくとも
    二層の薄膜状体として平滑な支持体上に連続して押出し
    、そして、前記支持体上の該薄膜状体を乾燥し自己支持
    性の多層フィルムを形成し、次いで、支持体上から該多
    層フィルムを剥離し、最後に、該多層フィルムを加熱処
    理することを特徴とする多層押出ポリイミドフィルムの
    製法。
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