JPH0317828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は水洗い式の電気かみそりに関する。

〔従来の技術〕

水洗い式電気かみそりは近年提供されたもので
あり、モータ、スイツチ、蓄電池等を内蔵する本
体ケースは、防水のために筒状に成形されてい
て、このケースの軸方向端部の開口を、防水パツ
キンを挾んで底蓋で塞ぐように構成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このような従来構造では、何らかの原
因で本体ケース内に僅かでも浸水した場合、この
水が本体ケースの内面に沿つて任意にまわり広が
ることができるから電気的な安全性を保障できな
い。また、防水が十分であつても、本体ケース内
に封じ込められた湿気が結露するため、この結露
水もケース内面に沿つて任意にまわり広がり、や
はり電気的な安全性を損う原因となる。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、二つの縦割り分割ケースの合せ部間
に防水パツキンを挟着して、これら各分割ケース
を連結して上部のひげそり部と下部の握り部とか
らなる本体ケースを形成し、この本体ケースに、
このケースの内部を複数の隔室に仕切る上部仕切
り手段および下部仕切り手段を夫々設け、軸方向
両端部に端部平面を夫々有するモータを、その軸
線を上記握り部の軸方向と一致させて、上記握り
部の上記ひげそり部側の隔室に収納し、上記上下
の仕切り手段は、上記各分割ケースを横切る方向
に沿つて上記分割ケースの内面から夫々一体に突
設された仕切り板で形成し、これら各仕切り板の
突出先端部は上記分割ケースの合せ部を持つた開
口縁部に連なる内面に達しているとともに、その
突出先端同志が互いに当接されて、これら仕切り
板が環状の隔壁を形成しており、上記モータの端
部平面を上記仕切り板に面接触させた構成とし、
このような技術的手段により、上記従来の問題点
を解決するとともに、防水性を向上し、かつ、モ
ータの支持を確実にしたものである。

〔作用〕

この水洗い式電気かみそりによれば、本体ケー
ス内を環状の隔壁により複数の隔室に仕切つてあ
るから、万一外部から本体ケース内に浸水した場
合や本体ケース内に結露水を生じた場合におい
て、これらの水の流動を、環状隔壁および、これ
とモータとの面接触部により夫々防止できる。こ
のため、本体ケースの内部全体に水が伝い広がつ
て電気的な安全性を損うことが防止される。そし
て、環状隔壁を形成する仕切り板は縦割り分割ケ
ースの内面に一体に設けてあるため、分割ケース
の強度換言すれば本体ケースの強度を仕切り板に
よつて高めることができる。しかも、隔壁を形成
する仕切り板の突出先端部は分割ケースの合せ部
を持つた開口縁部に連なる内面に達しているの
で、上記開口縁を内側空支持して、その変形を抑
制できる。したがつて、防水パツキンが挟着され
ている合せ部での隙間の発生が防止され、本体ケ
ースの防水性を向上できる。さらに、モータを環
状隔壁に面接触させるため、モータの支持強度も
高めることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

図中１は例えば前後一対の合成樹脂製の縦割り
分割ケース２，３を連結してなる本体ケースであ
る。この本体ケース１は第１図に例示されるよう
に上部のひげそり部４と、下部の握り部５とで形
作られている。

分割ケース２，３の各合せ部２ａ，３ａは夫夫
環状であつて、第３図および第４図に示すように
一方の合せ部３ａは外側に位置される嵌合縁３ｂ
を有しているとともに、他方の合せ部２ａは上記
縁３ｂの内面に対向して内側に位置される嵌合縁
２ｂを有している。これら合せ部２ａ，３ｂ間に
は合成ゴム製の環状をなす防水パツキン６が挟着
されている。

そして、縦割にされた分割ケース２，３同志の
連結は、一方の分割ケース３の上部内面に一体に
突設したねじ受けボス７と、他方の分割ケース２
の内面に一体に突設したねじ受けボス８に、対向
する相手側の分割ケースを通してねじ９，１０を
夫々ねじ込むことでなされている。分割ケース３
の上記ボス７，８に対向する部分はねじ通孔１
１，１２を有した座部１３，１４となつている。
これら座部１３，１４はいずれもねじ９，１０の
頭を支持する。

上記ひげそり部４に内刃体１５が取付けられて
いるとともに、外刃体１６が分割ケース２の上部
において着脱可能に取付けられている。しかも、
分割ケース２の上部には、このケース２と外刃体
１６との間に形成される空所１７に連なる排出口
１８が設けられてるとともに、分割ケース３の上
部には排出口１８を開閉可能な排出口蓋１９が設
けられている。２０は排出口蓋１９の枢軸で、こ
の蓋１９は枢軸２０を中心に回動して開閉され、
その開閉は蓋操作体２１の往復動により行われる
ようになつている。

したがつて、水洗いを行なうには、排出口蓋１
９を開くとともに外刃体１５の外刃が上を向くよ
うな姿勢にした後に、第１図中矢印方向から水を
注いで上記空所１７を通して排出口１８からひげ
くずを伴つて排出させればよい。

また、本体ケース１の各分割ケース２，３の内
面には、分割ケース２，３を横切る方向に沿つて
上下の仕切り板２２，２３が一体に形成されてい
る。これら仕切り板２２，２３は各分割ケース
２，３に対して、その向い合う壁部およびこれら
両壁部を繋いだ壁部にわたつて設けられている。
したがつて各仕切り板２２，２３の突出先端部
は、分割ケース２，３の合せ部２ａ，３ａを持つ
た開口縁部に連なる内面に達している。そして、
上部の仕切り板２２同志の先端部は第３図に示す
ように互いに当接されており、これら仕切り板２
２により上部仕切り手段が形成されているととも
に、下部の仕切り板２４同志の先端部も第４図に
示すように互に当接されており、これら仕切り板
２３により下部仕切り手段が形成されている。こ
れら上下の仕切り手段により、本体ケース１の上
部と中間部とに夫々環状の隔壁が形成されてい
る。

先端部が互に当接る仕切り板２２同志、および
同仕切り板２３同志からなる上下の仕切り手段に
より、本体ケース１内は、複数の隔室例えば外刃
体１６側の隔室Ａと、分割ケース２，３間に挾着
されるモータ２４を収納する隔室Ｂと、蓄電池２
５および押しぼたんスイツチ等を収納する隔室Ｃ
とに仕切られている。モータ２４はその上下端部
に夫々端部平面を有しているとともに、これら平
面の中央部に位置する凸部２４ａ，２４ｂを有し
ている。そして、このモータ２４は、その軸線を
上記握り部５の軸線と一致させて、握り部５の上
記ひげそり部４側の隔室Ｂに収納されている。

仕切り板２２は第３図に示すように半円形の凹
みを有していて、この凹みにはモータ２４の上端
凸部２４ａが挿通されている。仕切り板２３も第
４図に示すように凹みを有していて、この凹みに
はモータ２４の下端凸部２４ｂおよび突出端子２
４ｃが夫々挿通されている。そして、モータ２４
の端部平面は仕切り板２２，２３に面接触されて
いる。

このような構造によりモータ２４の支持強度が
向上されるとともに、電気的な安全性が高められ
る。つまり、本体ケース１は防水パツキン６によ
つて密閉構造となつているが、内部に封じられた
空気が結露した場合、あるいは万一外部から浸水
した場合に、上記仕切り板２２，２３およびこれ
らとモータ２４との面接触により、水が本体ケー
ス１の内面を伝つて内面全体にまわるように隔室
Ａ，Ｂ，Ｃ間にわたつて移動することを妨げて、
短絡等の電気的な危険性をなくすことができる。
さらに、各仕切り板２２，２３が、分割ケース
２，３自体を補強に役立つことは勿論、これらケ
ース２，３を横断する方向に沿う内外嵌合縁２
ｂ，３ｂの変形を、抑制するのに特に有効であ
る。このため、防水パツキン６の挾着がより確実
となり、合せ部２ａ，３ａ間の隙間の発生がより
確実に防止され、したがつて本体ケース１の防水
性能が向上される。

上記握り部５の隔室ＣにはPC板２６が収納さ
れている。このPC板２６には蓄電池２５および
例えば押しぼたん式スイツチの主部２７、ならび
に充電時にモータ駆動回路を開く常開のスイツチ
２８等が取付けられている。さらに、握り部５に
は、蓄電池２５を挾む凸部２９ａを有し、かつ、
これら凸部２９ａ間にわたつてPC板２６を支持
した合成樹脂製のPC板支え２９が内蔵されてい
る。この支え２９は分割ケース２の内面に設けた
図示しない係止部との係合で位置決めされるよう
になつているとともに、このPC板２６とPC板支
え２９との組立て体は、上記ねじ９，１０の締付
けによつて分割ケース２，３間に挾着されるよう
になつている。また、第１図中３０はスイツチの
主部２７に対向して分割ケース２に取付けたスイ
ツチの操作部である。この操作部３０のつまみ部
３０ａは、第１図中少し上側に移動させて分割ケ
ース２の表面との係合を外して操作子３０ｂとと
もに押し込まれ、これにより上記主部２７をON
−OFFでき、その復帰はバネ３１でされるよう
になつている。なお、３０ｃは操作子３０ｂの可
撓変形部で、つまみ部３０ａを常に分割ケース２
の表面に係合させる方向に付勢している。また、
３２はバネ３１で付勢されたガス抜き弁、３３は
上記操作部３０の動きを許容するとともにこの部
分の防水なすスイツチ部防水パツキンであり、こ
れは上記PC板支え２９の延出部２９ｂで分割ケ
ース２の内面に挾着されている。

なお、第１図中３４は充電用端子ピンであり、
また、３５は軸方向に移動可能でスイツチ２８の
可動接片を動作させる動作ピン、３６は防水用の
Ｏリング、３７は動作ピン押し圧ばねである。

また、上記隔室Ａを有したひげそり部４には内
刃駆動機構３８が内蔵されている。この機構３８
はモータ、２４の回転軸３８に固定された偏心駆
動体４２に回転軸３８に対して偏心した位置に偏
心駆動軸４３を突設し、この軸４３を合成樹脂製
の駆動体４４の図示しない細長い係合溝に係合さ
せて形成されている。駆動体４４は一対の薄肉の
可撓変形部４４ａ、および上記ねじ受けボス７が
貫通する一対の長孔４４ｂを有しているととも
に、押しバネ４５で付勢される往復動形の内刃体
１５を支持している。また、４６は駆動部防水パ
ツキン、４７はパツキン押えである。さらに、４
８は外刃体１６の固定係止凸部、４９は外部から
押されて弾性変形により動かされる可動係止体
で、これらに係合されて外刃体１６が取付けられ
るようになつている。

なお、上記一実施例は以上のように構成した
が、本考案は回転式電気かみそりにも実施できる
他、考案の実施に当つては、考案の要旨に反しな
い限り、本体ケース、分割ケース、防水パツキ
ン、仕切り板、隔室、モータ等の具体的な構造、
形状、位置、材質等は、上記一実施例に制約され
ることなく、種々の態様に構成して実施できるこ
とは勿論である。

〔考案の効果〕

上記実用新案登録請求の範囲に記載の構成を要
旨とする本考案によれば、本体ケース内への万一
の浸水および本体ケース内での結露に対する本体
ケース内での水の広がりを防止して電気的な安全
性を保障できるとともに、上下仕切り手段をなす
仕切り板によつて、本体ケースをなす分割ケース
の互いに合わされる開口縁部の変形を抑制し、合
せ部間でのシール性が向上されるので、本体ケー
スの防水性を向上できるとともに、上下仕切り手
段をなす仕切り板に端部平面を面接触させて、こ
れら上下仕切り手段間にモータを挟んで設けたか
ら、モータの支持を確実化できるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断
側面図、第２図は前側分割ケースと内刃駆動機構
を外して示す正面図、第３図は第１図中−線
に沿う断面図、第４図は第１図中−線に沿う
断面図、第５図はひげそり部の横断平面図であ
る。 １……本体ケース、２，３……分割ケース、６
……防水パツキン、２２，２３……仕切り板、２
４……モータ、Ａ，Ｂ，Ｃ……隔室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 二つの縦割り分割ケースの合せ部間に防水パツ
   キンを挟着して、これら各分割ケースを連結して
   上部のひげそり部と下部の握り部とからなる本体
   ケースを形成し、 この本体ケースに、このケースの内部を複数の
   隔室に仕切る上部仕切り手段および下部仕切り手
   段を夫々設け、 軸方向両端部に端部平面を夫々有するモータ
   を、その軸線を上記握り部の軸方向と一致させ
   て、上記握り部の上記ひげそり部側の隔室に収納
   し、 上記上下の切り手段は、上記各分割ケースを横
   切る方向に沿つて上記分割ケースの内面から夫々
   一体に突設された仕切り板で形成し、 これら各仕切り板の突出先端部は上記分割ケー
   スの合せ部を持つた開口縁部に連なる内面に達し
   ているとともに、その突出先端同志が互いに当接
   されており、これら仕切り板が環状の隔壁を形成
   しており、 上記モータの端部平面を上記仕切り板に面接触
   させたことを特徴とする水洗い式電気かみそり。