JPH0424822B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は充電式電気機器に関する。

（背景技術） 従来、電池から発生する可燃性水素ガスがスイ
ツチ接点の火花やモータのアーク等によつて爆発
するのを防止するため、このガスを外部に逃がす
ガス抜き機構を備えた充電式電気機器が提供され
ている。例えば、特公昭45−8893号においては、
プラグ２０と称するフイルターによつてケースの
内外に連通する気体の流通路を形成し、同時にケ
ース内部に侵入する湿気を遮断するようにしてい
る。また、類似する従来例として米国特許第
3329880号が上げられる。

また、この種の機器において防水式のものは水
の内部への侵入を防止するためにハウジングを密
閉構造とする必要があるが、密閉されたものは、
上述のようにガス抜き機構を設ける必要がある。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上述の従来例においては、充電
式電気機器を洗浄する際の洗剤やアカ、油、化粧
品等がフイルターに直接触れるおそれがあり、こ
れによつてフイルター部材が目詰まりし通気性が
低下するという問題があつた。また、電気機器本
体の密閉性テストの際に、フイルターが露見され
ない構造であるためにテストが行ないにくいとい
う欠点があつた。

本発明は主としてこの欠点を解決するために提
案されたものである。

（発明の目的） 本発明の主たる目的は、気体を通過させ、かつ
液体の通過を阻止するフイルターを充電式電気機
器の開孔部に付設すると共に、この開孔部と直接
対面しない小孔を有する蓋体によつてフイルター
を覆うことにより、可燃性水素ガス等の通気性を
よくして爆発の危険をなくし、しかも水密性を良
くした充電式電気機器を提供することにある。

本発明の他の目的は、フイルターの露見し易い
構造とすることにより、密閉性の確認テストを容
易に行なえるようにした充電式電気機器を提供す
ることにある。

本発明のまた別の目的は、蓋体によつてフイル
ターの目詰まりを完全に防止し、通気性を常に良
好とし得る充電式電気機器を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 以下、図に沿つて本発明を説明する。

第１図および第２図は本発明の第１実施例を示
すもので、これらの図において１は充電式電気機
器の内部が密閉されるハウジングであり、この充
電式電気機器には充電用の蓄電池（図示せず）が
内蔵されている。ハウジング１の表面には凹部１
ａが設けられていると共に、この凹部１ａの底面
には、前記蓄電池が内蔵された空間に連通する開
孔部１ｂが形成される。また、この開孔部１ｂを
閉塞するようにフイルター２ががヒートシール等
により溶着され、開孔部１ｂのリブに付設されて
いる。ここで、このフイルター２は例えば四弗化
エチレン樹脂を材料とするシート状のものであ
り、気体は通過させる水等の液体の通過を阻止で
きる約１〔μｍ〕の孔を有するものである。

このフイルター２の上方に隙間をおいて位置す
るように、凹部１ａ内には蓋体としてのスイツチ
ハンドル３が配設されている。このスイツチハン
ドル３は凹部１ａ内を移動可能であり、凹部１ａ
の側璧との間に形成される空間によつて、開孔部
１ｂと直接対面しない位置に水抜き用の小孔１ｃ
を形成するものである。また、スイツチハンドル
３の内面には磁石４が付設されており、スイツチ
ハンドル３の移動に伴つてハウジング１の内側の
リードスイツチ５を動作させるようになつてい
る。このリードスイツチ５は充電式電気機器のメ
インスイツチである。

この実施例の動作を説明すると、蓄電池から発
生する可燃性水素ガスは開孔部１ｂおよび小孔１
ｃを介して外部に漏出するためハウジング１内に
充満することがなく、充電式電気機器の構成部品
であるモータのアーク等により可燃性水素ガスに
引火して爆発するおそれがない。また、この充電
式電気機器が水洗い可能なシエーバー等である場
合に、水や洗剤液がハウジング１の外部から凹部
１ａを介して内部に侵入しようとしても、フイル
ター２によつて液体の通過が阻害されて液体は再
び小孔１ｃから外部へ排出されることとなり、完
全な防水構造とすることができる。

次に、第３図ないし第６図は本発明の第２実施
例を示すものである。この実施例は充電式電気機
器としてのシエーバーに本発明を適用したもの
で、第３図に示すように円筒状のハウジング６の
下端部一側面に凹部６ａが設けられ、この凹部６
ａとハウジング６の内部とは開孔部６ｂによつて
連通されている。また、凹部６ａには、詳しくは
第４図に示す如くリブ７が設けられていると共
に、これらのリブ７に当接するように蓋体として
の銘板８が付設されている。更に、開孔部６ｂを
塞ぐようにフイルター２が配設される。このフイ
ルター２は第１実施例と同様の材料からなり、や
はり気体をを通過させて液体の通過を阻止するも
のである。そしで、フイルター２と銘板８との間
には隙間が保有されていると共に、開孔部６ｂと
直接対面しない銘板８の上下の位置には小孔８ａ
がそれぞれ形成されている。これらの小孔８ａ
は、第１実施例と同様に水抜き用およびガス抜き
用として機能するものである。

次に、ハウジング６内の下方には蓄電池９が内
蔵され、この蓄電池９の収納された空間は開孔部
６ｂに連通している。また、蓄電池９の上方には
モータ１０が配設され、その出力軸には偏心バラ
ンサ１１、偏心軸１２を介して駆動子１３が連結
されている。駆動子１３の上部には内刃フレーム
１４が連結され、その上面には多数の内刃１５が
並設される。一方、フレーム開放ボタン１６（第
５図参照）の押圧に伴なうフツク１６ａの解除に
よつて着脱される外刃フレーム１７には、往復動
する内刃１５が摺接する外刃１８が取付けられて
いる。なお、この外刃フレーム１７には外刃１８
を覆う着脱可能なキヤツプ１９が取付けられる。

更に、ハウジング６の側面にはスイツチ基台２
０が付設され、その内部には摺動可能なスイツチ
ハンドル２１が配設される。このスイツチハンド
ル２１はロツクボタン２１ａを備えており、スイ
ツチハンドル２１に伴つてたわむスイツチ接点２
２がモータ１０の外周面に付設された接点ラグ２
３に接触するものである。なお、第３図、第５図
および第６図において２４は駆動子シール、２５
はゴム押え板、２６は刃取付台、２７，２８，３
２，３３はシール用Ｏリング、２９は蓄電池９の
陰極バネ、３０は陽極端子、３１はレバー、３４
はスイツチシールをそれぞれ示す。

この実施例によれば、凹部６ａのリブ７によつ
て、銘板８が外力により変形してもフイルター２
を損傷する心配がない。また、銘板８の上下に設
けられた小孔８ｃにより、充電式電気機器を横あ
るいは縦に置いても凹部６ａからの水抜きを完全
に行なうことができる。なお、開孔部６ｂ、フイ
ルター２および小孔８ｃを介してのガス抜き作用
は第１実施例と同様である。

次いで、第７図および第８図は本発明の第３実
施例を示す。この実施例では、銘板８′の下端部
近くに多数の小孔８a′が設けられており、これら
の小孔８a′によつて水抜きおよびガス抜きを行な
わせるものである。他の構成は第２実施例と同様
であるため、説明を省略する。

第９図および第１０図は本発明の第４実施例を
示している。この実施例ではハウジング６の下端
部にパツキング３６を介してほぼコツプ状の下カ
バー３５を取付け、この蓋体としての下カバー３
５の側璧によて凹部６ａを覆うことによりフイル
ター２を保護するように構成されている。なお、
下カバー３５の側璧の上下には水抜きおよびガス
抜き用の小孔３５ａがそれぞれ設けられる。

この実施例によれば、下カバー３５によつてフ
イルター２を外部から完全に保護することができ
る。

次に、第１１図および第１２図は本発明の第５
実施例を示している。すなわち、ハウジング６の
下端部側面に設けられた開孔部６ｂおよびフイル
ター２の両側に銘板接着面６ｃが設けられ、その
相互間に縦方向のスリツト６ｄが形成される。そ
して、フイルター２との間に若干の隙間を保有さ
せながら蓋体としての銘板８″が銘板接着面６ｃ
上に接着される。なお、銘板８″の上下端部中央
には半円状の水抜きおよびガス抜き用の小孔８
a″がそれぞれ設けられる。

この実施例によれば、銘板接着面６ｃが銘板
８″を補強するため銘板８″を薄くしても変形のお
それがなく、この銘板８″によつてフイルター２
が確実に保護される利点がある。また、銘板８″
の上下両端部に小孔８a″が設けられるため、銘板
８″の表面のほぼ全域にわたつて文字を効率よく
表示でき、デザイン上の制約も少ない。なお、ス
リツト６ｄはガスおよび水等の液体の通路として
機能する。

なお、以上の各実施例はそれぞれあくまで本発
明の一例を示したものであり、本発明の精神を逸
脱しない範囲で種々の変更が可能である。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、目詰まりをする
ことのないフイルターによつてケーシング内部の
可燃性水素ガスを確実に外部に逃がすことがで
き、爆発の危険のない充電式電気機器を提供でき
る効果がある。

また、フイルターによつてハウジング内に水等
の液体が侵入するのを確実に防止でき、また、フ
イルターに対し偏位して水抜き用の小孔があり、
完全に防水構造とすることができる。

更に、フイルターが電気機器の組立段階で外部
に露見するため、密閉性の確認テストが行ない易
い等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の第１実施例を示
すもので第１図は要部の断面図、第２図は第１図
のＡ−Ａ断面図、第３図ないし第６図は本発明の
第２実施例を示すもので第３図および第５図は縦
断面図、第４図は要部の側面図、第６図は第３図
のＢ−Ｂ断面図、第７図および第８図は本発明の
第３実施例を示すもので第７図は要部の側面図、
第８図は第７図のＣ−Ｃ断面図、第９図および第
１０図は本発明の第４実施例を示すもので第９図
は要部の側面図、第１０図は同じく断面図、第１
１図および第１２図は本発明の第５実施例を示す
もので第１１図は要部の側面図、第１２図は第１
１図のＤ−Ｄ断面図である。 １，６……ハウジング、１ｂ，６ｂ……開孔
部、１ｃ，８ａ，８a′，８a″，３５ａ……小孔、
２……フイルター、３……蓋体としてのスイツチ
ハンドル、４……磁石、５……リードスイツチ、
６ａ……凹部、６ｃ……銘板接着面、６ｄ……ス
リツト、７……リブ、８，８′，８″……蓋体とし
ての銘板、９……蓄電池、３５……蓋体としての
下部カバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 充電用の蓄電池を内蔵した充電式電気機器に
   おいて、前記蓄電池が収納され、密閉されたハウ
   ジング内の空間とこのハウジング外部とに連通
   し、かつ前記ハウジングに設けられた開孔部と、
   この開孔部を塞ぐように付設され、かつ気体を通
   過させて液体の通過を阻止するフイルターと、こ
   のフイルターとの間に〓間をおいてフイルターを
   覆うように前記ハウジングに取付けられ、かつ前
   記フイルターを介して前記開孔部に直接対面しな
   い位置に液体を通過させる小孔を設けてなる蓋体
   とを備えたことを特徴とする充電式電気機器。 ２ 蓋体が、移動可能なスイツチハンドルにて形
   成され、このスイツチハンドルに付設された磁石
   によりメインスイツチとしてのリードスイツチを
   動作させるように構成した特許請求の範囲第１項
   記載の充電式電気機器。 ３ 蓋体が銘板にて形成され、この銘板がハウジ
   ングに形成された凹部内のリブに当接されてなる
   特許請求の範囲第１項記載の充電式電気機器。 ４ 蓋体がハウジングの下端部に取付けられるカ
   バーにて形成された特許請求の範囲第１項記載の
   充電式電気機器。 ５ 蓋体が銘板にて形成され、この銘板が、開孔
   部およびフイルターの両側にスリツトを介して形
   成された補強用リブとしての銘板接着面に接着さ
   れてなる特許請求の範囲第１項記載の充電式電気
   機器。