JPH03172318A - 新規な硬化系およびそのための樹脂組成物 - Google Patents

新規な硬化系およびそのための樹脂組成物

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JPH03172318A
JPH03172318A JP31286389A JP31286389A JPH03172318A JP H03172318 A JPH03172318 A JP H03172318A JP 31286389 A JP31286389 A JP 31286389A JP 31286389 A JP31286389 A JP 31286389A JP H03172318 A JPH03172318 A JP H03172318A
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悟郎 岩村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規にして有用なる硬化系ならびにそれ用の樹
脂組成物に関する。さらに詳細には、本発明はシロキシ
基、酸無水基、エポキシ基およびアルコキシシリル基と
いう四つの反応性極性基(以下、官能基ともいう、)が
関与する硬化反応を通して硬化皮膜を形成しうるような
、斬新な形の硬化系ならびにそのための樹脂組成物に関
する。
とりわけ、本発明はそれぞれ、シロキシ基および酸無水
基を併有するビニル共重合体と、エポキシ基およびアル
コキシシリル基を併有する化合物とを必須の成分とし、
上記した四つの官能基の間での硬化反応を通して硬化皮
膜を形成しうる、全く斬新な硬化系ならびに樹脂組成物
に関する。
〔従来の技術〕
近年、自動車産業において、アクリル樹脂とメラミン樹
脂との組み合わせは、ライン塗装における塗料の安定性
や塗膜性能の面から、主に用いられている。
また、オフライン塗装においては、アクリル樹脂とポリ
イソシアナート樹脂が塗膜外観や低温硬化性の面より用
いられる。しかし、今日なお主流であるメラミン硬化系
においては、塗膜外観は必ずしも優れているとはいえず
、しかも、メラミン樹脂に起因する耐酸性の弱さから曝
露時の酸性雨による塗膜の劣化が見られる。さらに、ポ
リイソシアネート硬化においては、毒性の問題がある。
しかもポットライフが短く、連続的に大量に用いるライ
ン塗装には用いることができないという問題もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
それぞれの問題点の解決のために、数多くの提案も為さ
れてはいるけれども、非イソシアネート系で、かつ、非
メラミン系であって、塗膜外観にすぐれ、−成型として
使用でき、しかも、自動車外板用として用いることがで
きる程度の耐酸性をも有した硬化系は、目下の処、実用
化されていない、というのが実状である。
しかるに、本発明者らは上述した如き従来技術における
種々の欠点の存在に鑑み、とりわけ、耐酸性が良好で、
−成型で、したがって、塗料の安定性にすぐれ、ひいて
は、ライン塗装にも適した、しかも、毒性の問題からも
全く開放された、画期的にして極めて有用なる樹脂組成
物を求めて、鋭意、研究に着手した。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、−にか
かって、毒性の無い、保存安定性にすぐれた、しかも、
就中、低温硬化性や耐酸性などにもすぐれた塗膜を与え
ることのできる斬新な形の硬化系、そして、斬新な形の
樹脂組成物を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
そのために、本発明者らは上述した如き発明が解決しよ
うとする課題に照準を合わせて、つまり、現状の確認と
、従来技術における種々の未解決課題の抜本的な解決と
、当業界における切なる要望との上に立って、鋭意、検
討を重ねた結果、それぞれ、シロキシ基および酸無水基
を有するビニル共重合体と、エポキシ基およびアルコキ
シシリル基を有する化合物とを組み合わせた形の樹脂組
成物が、さらには、こうした特定の官能基を有するビニ
ル共重合体および化合物に、シロキシ基解離触媒、エポ
キシ基開環触媒および/またはアルコキシシリル基用硬
化触媒をも組み合わせた形の樹脂組成物が、前述した如
き諸々の課題性能を、驚異的に、向上せしめうろことを
見い出すに及んで、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明はシロキシ基、酸無水基、エポキシ基
およびアルコキシシリル基が関与する複合硬化反応を通
して硬化皮膜を形成する新規な硬化系を提供しようとす
るものであり、そして、一分子中に1個以上のシロキシ
基および酸無水基を併せ有するビニル共重合体(A)と
、一分子中に1個以上のエポキシ基およびアルコキシル
基を併せ有する化合物(B)とを必須の成分として含有
することから成る、あるいは、上記ビニル共重合体(A
)と上記化合物(B)と、さらに、シロキシ基解離用触
媒、エポキシ基開環触媒(以下、エポキシ開環触媒とも
いう。)および/またはアルコキシシリル基用硬化触媒
をも含有することがら成る樹脂組成物を提供しようとす
るものである。
ここにおいて、前記した一分子中に少なくとも1個のシ
ロキシ基および酸無水基を併せ有するビニル共重合体(
A)とは、側鎖にそれぞれ、一般式 %式%(1) で示されるシロキシ基と、式 で7示される酸無水基とを有するものを指称する。
当該ビニル共重合体(A)は、たとえば、かかるシロキ
シ基を有するモノマーと、かかる酸無水基を有するモノ
マーとを、常法により、共重合させることによって得ら
れる。
そのうち、ます、シロキシ基含有モノマーとしては、た
とえば、トリエチルアミンやピリジンなどの、いわゆる
塩酸補促剤の存在下で、トリアルキルクロルシラン、ト
リフェニルクロルシラン、ジアルキルクロルシラン、ジ
アリルジクロルシランまたはジアルキルヒドロシランな
どで代表される有機シラン化合物を、水酸基含有ビニル
モノマーと反応させて得られるものが特に代表的なもの
であり、そのらのうちでも特に代表的なものとしては、
トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、トリ
メチルシロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメ
チルシロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチル
シロキシエチル(メタ)アクリレート、トリブチルシロ
キシプロビル(メタ)アクリレートまたはトリフェニル
シロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
次に、酸基含有モノマーとしては、一分子中にエチレン
性不飽和二重結合(以下、不飽和基ともいう。)と酸無
水基とを併せ有する化合物を指称するものであり、特に
代表的なもののみを例示するに留めれば、無水(メタ)
アクリル酸、無水マレイン酸または無水イタコン酸など
であるが、就中、無水マレイン酸の使用が望ましい。
また、シロキシ基含有モノマーおよび酸無水基含有モノ
マーと共重合性を有するモノマーとしては、勿論、共重
合可能なものであれば、いずれも使用することができる
が、特に代表的なもののみを例示するに留めれば、Ct
 ””’ Cz□なるアルキル基を有するアルキル(メ
タ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、p
−t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、2−エトキシ
エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、N、N−ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレート類、(メタ)アクリロニトリル、(メ
タ)アクリルアミド、マレイン酸もしくはフマル酸と0
1〜C1lなる1価アルコールとのジエステル類、燐酸
基含有(メタ)アクリレート1!、ヘキサフルオロプロ
ピレンもしくはテトラフルオロエチレンの如き含ふっ素
モノマー類、またはビニルエステル類などである。
以上に掲げられた如き各種のモノマー類を用いて当該ビ
ニル共重合体(A)を調製するには、公知慣用の重合方
法に従って行なうことができるが、好ましくは、溶液ラ
ジカル重合方法によるのが、最も簡便である。
そのさいに用いられる溶剤類としては、酸無水基と容易
に反応しうるアルコール系のものの使用だけは、避ける
べきである。
その余は、特に限定されるものではない。
次いで、前記した一分子中に少なくとも1個のエポキシ
基とアルコキシシリル基とを併せ有する化合物(B)と
しては、一分子中に不飽和基とエポキシ基とを併せ有す
るモノマーと、一分子中に不飽和基とアルコキシシリル
基とを併せ有するモノマーとを必須として用い、さらに
は、シロキシ基含有モノマーおよび酸無水基含有モノマ
ーと共重合性を有するモノマーとして前掲されている如
き、各種の共重合可能なモノマー類をも用いて、常法に
より、就中、溶液ラジカル重合法によって得られるもの
が、特に代表的なものである。
ここにおいて、まず、不飽和基とエポキシ基とを併せ有
するモノマーとして特に代表的なもののみを例示するに
留めれば、グリシジル(メタ)アクリレートまたはアリ
ルグリシジルエーテルなどであるし、また、不飽和基と
アルコキシシリル基とを併せ有するモノマーとして特に
代表的なもののみを例示するに留めれば、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシランまたはビニル
トリメトキシシランなどであるし、さらに、一分子中に
エポキシ基およびアルコキシシリル基を併せ有するモノ
マーとして特に代表的なもののみを例示するに留めれば
、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなど
であるが、かかるエポキシおよびアルコキシシリル基を
分子中に併有する化合物を、そのまま、用いることによ
、す、わざわざ、不飽和基およびエポキシ基を分子中に
併有する七ツマ−と、不飽和基およびアルコキシシル基
を分子中に併有するモノマーとを軸とした共重合反応を
経由する必要も無くなる。
そして、上掲された如き、それぞれ、ビニル共重合体(
A)と化合物(B)とに含有されている、シロキシ基、
酸無水基、エポキシ基およびアルコキシシリル基なる四
つの官能基の、本発明組成物中における存在比率として
は、シロキシ基:酸無水基:エボキシ基:アルコキシシ
リル基の当量比で等当量となるのが望ましいけれども、
勿論、本発明はこれのみに限定されるものでは決してな
く、本発明の目的を逸脱し、本発明の効果を損じない限
りにおいて、かかる存在比率ないしは使用比率は、適宜
、選択することができる。
ただし、特に注意を喚起すべきは、かかるシロキシ基ま
たは酸無水基のみが大過剰となるように用いられる場合
には、塗膜中に残存する水酸基またはカルボキシル基の
影響によって、耐水性ならびに耐薬品性などが著しく低
下することになるということである。
このように、本発明は(A)および(B)なる各成分に
、いかなる樹脂あるいは化合物を配しようと、こうした
シロキシ基、酸無水基、エポキシ基およびアルコキシシ
リル基なる四つの官能基(反応性極性基)による複合硬
化、とりわけ、空気中などにおける僅かな水分の存在に
よって、まず、シロキシ基から水酸基が生起し、次いで
、この水酸基と酸無水基とが反応することによって、分
子間で架橋すると共に、これらの水酸基と酸無水基との
反応によって生起するカルボキシル基とエポキシ基とが
反応することによって、分子間で架橋が行なわれると同
時に、アルコキシシリル基同志の、いわゆる自己縮合も
また、行なわれるという、いわゆる複合硬化を取り扱っ
ている点に、基本的な特徴を有するものである。
かくして得られる本発明の基本的な形の被覆材は、まず
、大気中に曝露されることにより、空気中の水分との反
応を通して、シロキシ基が加水分解されて、酸無水基と
反応しうる水酸基を生成する。そこで、かかる加水分解
を促進せしめるための触媒が必要となる。
そうした触媒として特に代表的なもののみを例示するに
留めれば、燐酸エステル類、亜燐酸エステル類またはp
−トルエンスルホン酸もしくはその塩類の如き各種の酸
性触媒;水酸化リチウムまたは水酸化カリウムの如き各
種のアルカリ性触媒;アルキルチタン酸塩、オクチル酸
塩、ジプチル錫ジラウレートまたはオクチル酸鉛の如き
各種のカルボン酸の金属塩類;モノブチル錫サルファイ
ドまたはジオクチル錫メルカプタイドの如き各種のスル
フィド型ないしはメルカプチド型有機化合物類;あるい
はテトラエチルアンモニウムフルオライドの如き各種の
、ふっ素イオン発生性化合物などである。
そして、かかるシロキシ基解離触媒の使用量としては、
前記ビニル共重合体(A)に対して0.001〜10重
量%、好ましくは、o、oosから8重量%なる範囲内
が適切である。
なお、当該シロキシ基解離触媒として上掲された如き各
種の化合物は、エポキシ基開環触媒としても、あるいは
アルコキシシリル基の自己縮合用触媒としても用いられ
るものである。
また、前記したエポキシ開環触媒として特に代表的なも
ののみを例示するに留めれば、アセチルアセトネート・
クロム、1−モルホリノ−1−シクロヘキセンの如きエ
ナミン類、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
、トリエタノールアミンボレート、第四級ホスホニウム
塩、オクチル酸錫、第四級アルソニウム塩、三ふっ化は
う素、アミン・コンプレックス(錯体)、または各種ア
ミン化合物などである。
そして、かかるエポキシ開環触媒の使用量としては、前
記化合物(B)に対して0.01〜5重量%、好ましく
は、0.05〜2重量%なる範囲内が適切である。
さらに、前記したアルコキシシリル基硬化用触媒の使用
量としては、0.05〜3重量%、好ましくは、0.1
〜2重量%なる範囲内が適切である。
ところで、本発明の樹脂組成物は、大気中に曝露されな
い限り、分子内あるいは分子間の#無水基と反応しうる
水酸基を生成しない処から、本発明組成物はそれ自体、
基本的には、−成型で、極めて安定性の良好なものであ
る。
しかし、長期の保存安定性を確保するためには、何らか
の理由により侵入する微量の水分を、常に、捕捉してや
ればよい。
すなわち、水分と反応性を有する水結合剤を添加するこ
とによって、長期の安定性が確保される処となる。
また、かかる水結合剤を、予め、前記したビニル共重合
体(A)などを調製するさい、その初期に、混合して使
用しても差し支えはない。
かかる水結合剤として特に代表的なもののみを例示する
に留めれば、オルトぎ酸トリメチル、オルトぎ酸トリエ
チルもしくはオルトぎ酸トリブチルの如きオルトぎ酸ト
リアルキル類;オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリ
エチルもしくはオルト酢酸トリブチルの如きオルト酢酸
トリアルキル類;オルトはう酸トリエチルもしくはオル
トはう酸トルブチルの如きオルトはう酸トリアルキル類
;テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、
テトラブチルシリケート、テトラ(2−メトキシエチル
)シリケートもしくはテトラ(2−クロロエチル)シリ
ケートの如きテトラ(置換)アルキルシリケート類単体
;テトラフェニルシリケートもしくはテトラベンジルシ
リケートの如き、上記テトラ(置換)アルキルシリケー
ト類の同効物質(以下、同効単体と略称する。);また
はテトラエチルシリケートのグイマー トリマー、テト
ラマー ヘキサマー 「エチルシリケート40」〔コル
コート(株)製品、テトラエチルシリケートのテトラマ
ー、ペンタマー ヘキサマーの混合物〕の如き、上掲の
各テトラ(置換)アルキルシリケート頻単体や、該シリ
ケート類の同効単体の縮合物などの加水分解性エステル
化合物類:あるいは、フェニルイソシアネート、p−ク
ロロフェニルイソシアネート、ベンゼンスルホニルイソ
シアネート、p−1−ルエンスルホニルイソシアネート
またはイソシアネートエチルメタクリレート(アメリカ
国ダウ・ケミカル社製のNCO基含有モノマー)などの
イソシアネート基含有化合物類などである。
そして、当該水結合剤の使用量としては、前記ビニル共
重合体(A)などに対して0.1〜30重量%、好まし
くは、0.5〜20重景%なる範囲内が適切である。
かくして得られる本発明の樹脂組成物は、そのまま、ク
リヤー塗料として使用することもできるし、さらに、顔
料を混合せしめることによりエナメル塗料として用する
こともできる。
また、本発明組成物に対しては、必要に応じて、レベリ
ング剤、紫外線吸収剤または顔料分散剤などの各種の公
知慣用の添加剤類の混合せしめることもできる。
さらには、公知慣用のセルロース系化合物、可塑剤また
はポリエステル樹脂などを混合せしめることもできる。
そして、本発明の樹脂組成物の塗装方法としては、刷毛
塗り、スプレー塗装またはロール塗装などの常用の方法
が採用できるし、さらに、本発明被覆材の硬化方法とし
ては、常温乾燥から加熱硬化までの幅広い範囲で、本発
明組成物を構成する各成分樹脂または化合物の組み合わ
せに応じた最適の硬化条件が設計ないしは設定できる。
かくして得られた本発明の樹脂組成物は、溶液の形で、
あるいは粉体の形で、自動車、家電製品、あるいは建築
外装をはじめとして、金属のプレコート用として、多岐
に亘って、利用することができるが、就中、−成型で貯
蔵安定性の要求される分野において、その効果が顕著な
ものである。
〔作用〕 本発明の硬化系、そして、本発明の樹脂組成物は、空気
中などの僅かな水分(湿気)の存在によって、シロキシ
基から水酸基が生起し、この水酸基が酸無水基と反応す
ることによって、分子内で架橋化が果たされると共に、
そのさいに生成するカルボキシル基がエポキシ基に作用
し、これらの両官能基(反応性極性基)の反応によって
別の形式の分子内架橋化が果たされるし、更なる別形式
の架橋化として、残るアルコキシシリル基同志の自己縮
合が、空気中などの水分(湿気)によって果たされると
いう、いわゆる複合硬化反応を営むものである。
〔発明の効果〕
以上のように得られる本発明の樹脂組成物は、それ自体
が、加水分解性のシロキシ基が引き金となって、シロキ
シ基が水酸基を生起し、その水酸基が酸無水基と反応し
てカルボキシル基を生起し、そのカルボキシル基がエポ
キシ基と反応するという一連の過程の中で、一つには、
水酸基と酸無水基との反応による分子間架橋が、二つに
は、カルボキシル基とエポキシ基との反応による分子間
架橋が、三つには、アルコキシシリル基同志の自己縮合
による分子内架橋が、それぞれ、複合化された形で起こ
るという、いわゆる複合硬化を通して硬化塗膜を形成す
る、斬新なものである。
そのために、本発明の樹脂組成物は、単一的硬化による
硬化塗膜では得られないような、多元的で多面的な効果
を発現するものであり、とりわ↓す、本発明組成物は、
−波型で保存安定性にすぐれ、しかも、耐酸性ならびに
低温硬化性などの諸性能の上で優れ、かつ、諸性能のバ
ランス化が絶妙なる、極めて有用な塗膜を与えるもので
ある。
このように、本発明は基本的に、シロキシ基、酸無水基
、エポキシ基およびアルコキシシリル基を必須とする硬
化系を提供しようとするものであり、具体的には、それ
ぞれ、一分子中に少なくとも1個のシロキシ基および酸
無水基を併有する特定のビニル共重合体と、一分子中に
少なくとも1個のエポキシ基およびアルコキシシリル基
を併有する化合物とを必須の成分とする樹脂組成物を提
供しようとするものである。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、−
層、具体的に説明する。
以下において、部および%は特に断りのない限り、すべ
て重量基準であるものとする。
参考例1〔シロキシ基および酸無水基を併せ有するビニ
ル共重合体(A)の調製例〕 トリメチルシロキシエチルメタクリレートの138部、
スチレンの200部、n−ブチルアクリレートの356
部、メチルメタクリレートの183部、n−ブチルメタ
クリレートの57部および無水マレイン酸の66部から
なるモノマー混合物のうちの200部と、トルエンの7
00部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の5
部およびt−ブチルパーオキシベンゾエート(TBPB
)の12部とを、撹拌機、温度計、冷却器および窒素ガ
ス導入管を備えた四ツロフラスコに仕込んで、90゛C
に1時間のあいだ保持してから、30分を要して110
’Cまで昇温したのち、残りのモノマー800部とAI
BNの25部およびトルエンの300部とを4時間に亘
って滴下し、さらに同温度に5時間のあいだ反応を行な
って、25°Cにおけるガードナー粘度(以下同様)が
L−Mで、かっ、不揮発が50.8%なる巨的共和体(
A)の溶液を得た。
以下、これを樹脂(A−1)と略記するが、この樹脂の
数平均分子量は10.000であった。
参考例2(同上) トリメチルシロキシエチルメタクリレートの360部、
スチレンの220部、無水イタコン酸の198部および
ラウリルメタクリレートの222部よりなるモノマー混
合物を、参考例1と同様の反応容器に予めキシレンの7
00部を仕込んで、120℃に昇温させた処へ、キシレ
ンの300部およびL−ブチルパーオキシオクトエート
(TBPO)の30部と共に、6時間かけて滴下し、滴
下終了後も、同温度に6時間のあいだ保持して反応を続
行させ、粘度がQ−Rで、かつ、不揮発分が50.6%
なる目的共重合体(A)の溶液を得た。以下、これを樹
脂(A−2)と略記するが、この樹脂の数平均分子量は
14,000であった。
参考例3(シロキシ基含有の対照用ビニル共重合体の調
製例) トリメチルシロキシエチルメタクリレートの138部、
スチレンの200部、n−プチルアクレリートの356
部、メチルメタクリレートの249部およびn−ブチル
メタクリレートの57部からなるモノマー混合物を用い
るように変更した以外は、参考例1と同様にして、粘度
がS−Tで、かつ、不揮発分が50.7%なる、対照用
ビニル共重合体の溶液を得た。以下、これを樹脂(A’
−1)と略記するが、この樹脂の数平均分子量は11.
000であった。
参考例4(酸無水基含有の対照用ビニル共重合体の調製
例) 参考例1と同様の反応容器に、キシレンの700部を仕
込んで120°Cまで昇温し、ここへ、スチレンの30
0部、無水イタコン酸の220部、nブチルメタクリレ
ートの280部およびメチルメタクリレートの200部
よりなる混合物と、キシレンの300部、TBPOの1
00部および八IBNのIOとを、5時間かけて滴下し
た。
以後は、参考例1と同様にして、不揮発分が50.3%
で、粘度がA2で、かつ、数平均分子量が4.800な
る、対照用ビニル共重合体の溶液を得た。
以下、これを樹脂(A’−1)と略記する。
参考例5〔エポキシ基およびアルコキシシリル基含有化
合物(B)の調製例〕 モノマー混合物として、スチレンの200部、グリシジ
ルメタクリレートの280部、n−ブチルメタクリレー
トの380部、rA−174J〔日本ユニカー(株)製
のシランカップリンク剤〕の292部からなる混合物を
用いるように変更した以外は、参考例1と同様にして、
粘度がCで、不揮発分が50.4%で、かつ数平均分子
量が4,500なる、目的化合物(B)の溶液を得た。
以下、これを樹脂(B−1)と略記する。
参考例6(同上) 七ツマー混合物として、グリシジルメタクリレートの4
00部、rA−174Jの416部およびラウリルメタ
クリレートの184部よりなる混合物を用いるように変
更した以外は、参考例1と同様にして、粘度がA−Bで
、不揮発分が50.3%で、かつ、数平均分子量が4,
200なる、目的化合物(B)の溶液を得た。以下、こ
れを樹脂(B2)と略記する。
実施例1 参考例1で得られた樹脂(A−1)の100部と、参考
例5で得られた樹脂(B−1)の34.7部と、テトラ
ブチルアンモニウムブロマイドの0.5部と、オルソぎ
酸メチルの1.0部との配合物を均一に混合せしめて、
目的とする樹脂組成物を得た。
実施例2〜7 第1表に示されるような配合割合に従う以外は、実施例
1と同様にして、目的とする樹脂組成物を得た。
比較例1 参考例3で得られた対照用の樹脂(A’−1)の100
部と、参考例4で得られた対照用の樹脂(A″−1)の
34.7部と、「ベッカミンP−198Jの0.5部と
、オルソぎ酸メチルの1.0部との配合物を均一に混合
せしめて、対照用の樹脂組成物を得た。
比較例2 参考例1で得られた樹脂(A−1)の100部と、オル
ソぎ酸メチルの0.5部との配合物を均一に混合せしめ
て、対照用の樹脂組成物を得た。
比較例3 「アクリディック A−800J(大日本インキ化学工
業(株)製のアクリルポリオール〕と、「バーノック 
DN−950J(同上社製のポリイソシアネート化合物
〕とを、ポリオール/ポリイソシアネート=100/3
0(固形分重量比)となるように均一に混合せしめて、
対照用の樹脂組成物を得た。
比較例4 「アクリディック A−800Jと、「スーパーベッカ
ミン L−117−60J  (大日本インキ化学工業
(株)製のブチルエーテル化メラミン樹脂〕とをポリオ
ール/メラミン樹脂=100/20(固形分重量比)と
なるように均一に混合せしめて、対照用の樹脂組成物を
得た。
以上の各実施例および比較例で得られた、それぞれの樹
脂組成物についての塗膜性能の比較検討を行なうべく、
次に示されるような方法によって試験板を作製し、性能
の評価を行なった。これらの結果を第1表に、まとめて
示した。
素材;ボンデライ)#144処理軟鋼板塗装方法;6m
1lアプリケーター 焼き付は方法;60℃/30分間と、80℃/30分間
との比較的に温和な条件下で。
但し、メラミン硬化の場合だけは、止むを得ず、140
’C/30分間という厳格な条件下で行なった。
(試験方法および判定方法) 光沢;村上式光沢針(60°) 硬度;鉛筆硬度 エリクセン;エリクセンテスターを用いて′”mmで表
示。
密着性;ゴバン目(IOXIO)状にカットを入れたの
ちセロファンテープ剥離を行ない、残ったエリアの数(
残存ゴバン目数)を表示。
耐水性;40°Cの温水に10日間浸漬したのちの塗膜
の状態を目視判定。
耐酸性;5%硫酸水溶液を塗膜上に落とし、70°Cで
1時間乾燥したのち水で洗ってから塗膜の状態を目視に
より判定。
耐アルカリ性;5%Na0fl水溶液に24時間浸漬し
たのちの塗膜の変化を目視判定。
耐候性、QUV試験機で2.000時間照射後の光沢保
持率(%)を以て表示。
耐溶剤性;キシレンを浸したガーゼを用いて荷重1.5
Kg テ10回ラビングしたのちの塗膜の状態を目視判
定。
保存安定性;クリヤー塗料を、キシレン/酢酸ブチル=
1/1 (重量比)なる混合溶剤により、岩田カップで
12秒となるように希釈してから50°Cに7日間保存
したのちの粘度を測定。
/ シロキシ基、酸無水基、エポキシ基およびアルコキシシ
リル基を必須の官能基(反応性極性基)を主体とする複
合硬化系は、換言すれば、かかるシロキシ基および酸無
水基を併有するビニル共重合体と、かかるエポキシ基お
よびアルコキシシリル基を併存する化合物とから成る樹
脂組成物は、各種触媒や水結合剤などの使用によって、
保存安定性にもすぐれ、耐酸性ならびに低温硬化性など
にもすぐれる塗膜を与えうるちのであることが、第1表
からも、明らかになろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、シロキシ基と酸水基とエポキシ基とアルコキシシリ
    ル基との複合硬化を通して硬化皮膜を形成することを特
    徴とする、新規な硬化系。 2、一分子中に少なくとも1個のシロキシ基および酸無
    水基を併せ有するビニル共重合体(A)と、一分子中に
    少なくとも1個のエポキシ基およびアルコキシシリル基
    を併せ有する化合物(B)とを含有することを特徴とす
    る、樹脂組成物。 3、一分子中に少なくとも1個のシロキシ基および酸無
    水基を併せ有するビニル共重合体(A)と、一分子中に
    少なくとも1個のエポキシ基およびアルコキシシリル基
    を有する化合物(B)と、シロキシ基解離触媒、エポキ
    シ開環触媒およびアルコキシシリル基用硬化触媒とを含
    有することを特徴とする、樹脂組成物。
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WO1995035336A1 (fr) * 1994-06-17 1995-12-28 Kansai Paint Company, Limited Composition thermodurcissable et procede de constitution d'une pellicule de finition
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JP2013087211A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Aica Kogyo Co Ltd プライマー組成物

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