JPH031529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は、住宅等の建物において、梁や土台
等の横架材と壁パネルとの接合部に用いられる壁
パネルの固定構造に関するものである。

（背景技術） 従来、耐力壁等の間仕切用の壁パネルを梁等の
横架材に固定する固定構造としては第３図および
第４図に示すようなものがあつた。すなわち、こ
の構造は、ベース部１２とこのベース部１２の上
面に立設された垂直板部１３からなる壁パネル固
定具１４のベース部１２を横架材１６の上フラン
ジに載置してボルト１８で固定し、垂直板部１３
を壁パネル１５下端部に設けた取付板部１１にボ
ルト１９により固定したものである。

しかし、この構造では、第３図に示すように、
壁パネル１５の取付板部１１と壁パネル固定具１
４の垂直板部１３を固定する際に、ボルト１９を
水平方向に締付けなければならないので、梁１６
に固定された床パネル１７が邪魔になつてボルト
１９を締付けるのが難しかつた。また、そのため
に締付けも十分に行われない場合もあつた。

また、この壁パネル１５を設置する際には、壁
パネル１５を吊上げた状態のままでボルト１９を
締めなければならないので、取付板部１１とボル
ト穴１３ａの位置を合わせるのに時間がかかり、
施工の能率が悪かつた。

（考案の目的） この考案の目的は、ボルトの締付けが容易かつ
確実で、施工性の向上を図ることができる壁パネ
ルの固定構造を提供することである。

（考案の開示） この考案の壁パネルの固定構造は、壁パネルの
下端に突設した逆Ｔ字断面を有する取付具と、横
架材上面に載置固定されたベース部とこのベース
部の上面に突設されかつ前記取付具の水平材に固
定されるＴ字断面の固定部とからなる壁パネル固
定具とを備えたものである。

この考案の構成によると、壁パネルの下端に設
けた取付具のフランジと壁パネル固定具の固定部
のフランジとを垂直方向にボルト締めしているの
で、ボルト締めの作業を床パネルに邪魔されるこ
となく水平方向から行うことができ、取付作業が
容易かつ確実になる。従つて、施工性の向上を図
ることができる。また、壁パネルは、壁パネル固
定具に載置した状態においてボルト締めが行える
ので、取付作業がより容易になる。

（実施例） この考案の一実施例を第１図および第２図に基
づいて説明する。この壁パネルの固定構造は、壁
パネル５の下端に突設した逆Ｔ字断面を有する取
付具１と、横架材６上面に載置固定されたベース
部２とこのベース部２の上面に突設されかつ取付
具１の水平材１ｂに固定されるＴ字断面の固定部
３とからなる壁パネル固定具４とを備えたもので
ある。

壁パネル５は、ラーメン工法でかつ一部に耐力
間仕切壁を用いた建物において使用されるもので
ある。

取付具１は、鋼板等を加工したもので、逆Ｔ字
断面のウエブ１ａが壁パネル５の下端に固定され
ている。フランジ１ｂには壁パネル固定具４に固
定するためのボルト８が挿通するボルト挿通孔３
ｂが設けられている。

壁パネル固定具４は、第２図に示すように、鋼
板等を加工したもので、ベース部２と固定部３と
からなる。ベース部２には、ラチス梁の上弦材の
上フランジに固定するためのボルト１０が挿通す
るボルト挿通孔２ａが設けられている。ベース部
２の上面には、Ｔ字断面を有する固定部３が溶接
等で固定されている。固定部３のフランジ３ａに
は、ボルト挿通孔３ｂが設けられている。また、
このフランジ３ａ下面のボルト挿通孔３ｂの位置
にはナツト９が溶接等で固定されている。

この実施例による壁パネル５と横架材６との接
合手順を説明する。梁、柱等の軸組が形成された
段階で壁パネル固定具４のベース部２を横架材６
の上フランジにボルト１０で固定する。上階床パ
ネル７を横架材６に固定して床を形成する。壁パ
ネル５下端に設けた取付部１のフランジ１ｂを壁
パネル固定具４の固定部３フランジ３ａに密着さ
せ、ボルト８で固定して壁パネル５の梁６への接
合が完了する。なお、壁パネル固定具４は一枚の
壁パネル５に対して複数個設けるものとする。

この構成によると、壁パネル５の下端に設けた
取付具１のフランジ１ｂと壁パネル固定具４の固
定部３のフランジ３ａとを垂直方向にボルト締め
しているので、ボルト締めの作業を上階床パネル
７に邪魔されることなく水平方向から行うことが
でき、取付作業が容易かつ確実になり、施工性の
向上を図ることができる。また、壁パネル５は、
壁パネル固定具４に載置した状態においてボルト
締めが行えるので、取付作業がより容易になる。

なお、前記実施例においては、壁パネル固定具
４を上階の壁パネル５を固定するのに用いていた
が、下階の壁パネルを固定する場合にも同様に用
いることができる。

（考案の効果） この考案の壁パネルの固定構造によると、壁パ
ネルの下端に設けた取付具のフランジと壁パネル
固定具の固定部のフランジとを垂直方向にボルト
締めしているので、ボルト締めの作業を床パネル
に邪魔されることなく水平方向から行うことがで
き、取付作業が容易かつ確実になる。従つて、施
工性の向上を図ることができる。また、壁パネル
は、壁パネル固定具に載置した状態においてボル
ト締めが行えるので、取付作業がより容易になる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の部分断面図、第
２図はその壁パネル固定具の斜視図、第３図は従
来例の部分断面図、第４図はその壁パネル固定具
の斜視図である。 １…取付具、２…ベース部、３…固定部、４…
壁パネル固定具、５…壁パネル、６…横架材、７
…上階床パネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁パネルの下端に突設した逆Ｔ字断面を有する
   取付具と、横架材上面に載置固定されたベース部
   とこのベース部の上面に突設されかつ前記取付具
   の水平材に固定されるＴ字断面の固定部とからな
   る壁パネル固定具とを備えた壁パネルの固定構
   造。