JPS6350502B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明の建築物における壁板とその取付方法
は、鉄骨梁、柱間に耐震壁などの壁板を取付ける
にあたり、迅速かつ簡易に行うことができ、また
取付の精度も高く、一方取付中の壁板が鉄骨接合
溶接時に風よけの役目もなすもので、すなわち上
部中央位置に建物側の嵌合孔に挿入すべき回転用
突起を設け、下端中央位置に建物側からの回転用
突起を係合すべき回転用凹部を設け、該回転用凹
部近傍に下端から垂直に立上がり、建物側からの
回転用突起を一時的に取込める形状の側面切欠き
とを形成し、また建物を形成する鉄骨への接合金
属片を周辺上下部から顕出させ、かつ吊り上げ用
のフツクを側面に設けた壁板を鉄骨建方で１節分
の鉄骨を建入れた後、つぎの節の鉄骨の建入れで
柱の中間部を仮止めする際に、吊り上げ垂直状態
として、下部鉄骨梁の上フランジに垂設した回転
用突起を側面切欠き内に一時的に取込む状態で壁
板を上方へ吊り上げて建物側の嵌合孔に壁板上部
位置の回転用突起を挿入し、壁板を少し降ろし、
回転用突起に回転用凹部を係合し、壁板を適宜回
転させて梁方向と直角方向に置きこれを仮付けし
て柱継手の溶接作業時の風よけとして利用した
後、壁板自体を半回転して梁と平行にし、梁と壁
板の接合金属片とを本付けすることを特徴とする
ものである。

従来、鉄骨間に耐震壁、例えば内部に適宜にス
リツトを設けたスリツト壁（特公昭48−11135号
参照）を建込むには、鉄骨建方→建入計測修正→
デツキプレート仮敷→高力ボルト本締め→柱継手
溶接→スリツト壁取付という手順で行われてお
り、かかる場合には、スリツト壁は当然鉄骨が立
上がつた後に、梁と平行な状態でのみ取付を行つ
ていた。

また、スリツト壁取付時には、鉄骨建方が３節
近く先行するための荷降ろし用のダメ開口が必要
であり、更に、鉄骨建方最上階より40ｍ近い下層
階での作業となり安全及び能率面でも問題があつ
た。

この発明は上記不都合を解消するもので、次に
図面について実施例を詳細に説明する。

まず、この発明の壁板を説明すると、壁板４は
鉄骨コンクリートを用いて耐震壁として工場また
は現場内の敷地であらかじめ製作され、壁板４の
上部にはボルト等を用いた回転用突起１が中央部
から突出して設けられ、また下端には中央位置に
建物側からの回転用突起８を係合すべき回転用凹
部２が設けられ、該回転用凹部２の近傍に下端か
ら垂直に立上がり凹部２の上方（望ましくは直
上）に位置して後述の該建物側からの回転用突起
８を一時的に取込める形状の側面切欠き９とを形
成し、また建物を形成する鉄骨への接合金属片と
して壁板４の周辺中、上辺部から断面Ｔの字形の
金属片３が複数個、下辺部からは板状の金属片
３′が複数個突出して設けてある。

一方、建物を構成する上部鉄骨梁下フランジ５
のスパン中央部に円筒体等の中空部材をその開口
を下に向けて下方に突設して形成する嵌合孔６を
設け、また下部鉄骨梁の上フランジ７のスパン中
央部にはナツト１０を用いてボルトからなる回転
用突起８を垂設し、同じくフランジ７上に接合金
属板１５が適宜に設けてある。

つぎに、壁板４の取付方法を説明すると、鉄骨
建方で１節分の鉄骨を建入れた後、つぎの節の鉄
骨の建入れで、柱１１の中間部を仮止めした後で
壁板４をフツク１２を利用して吊り上げ、第３〜
５図に示すように上部鉄骨梁下フランジ５の嵌合
孔６に壁板４の上部回転用突起１を挿入する。か
かる壁板４の建込みについては第３図に示すよう
に壁板４を垂直状態として、まず下方の回転用突
起８を側面切欠き９内に挿入し、一時的に取込ん
でそしてその状態で壁板４を少し上方へ吊り上げ
ることにより、第４図に示すように壁板４の上部
回転用突起１が嵌合孔６内へ直下から差込まれて
いく。すると、その分壁板４は上昇位置となり、
一時的に側面切欠き９内へ取込まれていた突起８
は壁板４下端に横方向から入り込み、さらに少し
だけ壁板４を上げれば、凹部２と突起８とは対向
するので、今度は少し壁板４を降ろせば、第５図
に示すよう凹部２に下部鉄骨梁上フランジ７の突
起８は係合する。

そして、壁板１４を梁方向と直角方向に支え棒
１３を用いて仮付けした後、高力ボルトを本締め
し、床版１４を本敷して、柱１１の継手を溶接す
る。この場合、壁板４は溶接時の風よけとして利
用する。

ついで、支え棒１３を外し、壁板４の突起１及
び梁の上にフランジ７の突起８を支点として壁板
４自体を半回転して梁と平行にし、上部鉄骨梁の
下フランジ５と壁板４の上辺部から顕出した場合
金属片３を、また下部鉄骨梁の上フランジ７に垂
設した金属板１５と壁板４の下片部から顕出した
接合金属片３′とをそれぞれ溶接又はボルト締め
して、梁に壁板４を本付けする。

最後に、床版１４上にコンクリートを打設し、
該コンクリートにより壁板４の下部と梁との隙間
を埋める。

以上述べたように、この発明の建築物における
壁板とその取付方法は、壁板を梁と直角方向に取
込みその状態でボルト等による仮止めや仮溶接な
どの作業を行わずかにかかる壁板の取込み作業だ
けで仮付けを行うので、迅速かつ簡易に作業を行
うことができる。また、壁板が柱継手の接合溶接
のときの風よけにもなり、さらに、壁板を後に半
回転して金属片を用いて接合するものであるから
取付の精度も高く、しかも鉄骨建方との同時作業
により、荷降ろし用のダメ開口が不要で、シヤフ
ト廻りの早期閉鎖が可能となり他作業の安全性確
保にも寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の建築物における壁板とそ
の取付方法の実施例を示す斜視図、第２図は建物
の全体的斜視図、第３〜５図は壁板取込み手順を
示す説明図、第６，７図は接合部分の断面図であ
る。 １…回転用突起、２…回転用凹部、３，３′…
接合金属片、４…壁板、５…鉄骨梁下フランジ、
６…嵌合孔、７…鉄骨梁上フランジ、８…回転用
突起、９…切欠き、１０…ナツト、１１…柱、１
２…フツク、１３…支え棒、１４…床版、１５…
金属板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上部中央位置に建物側の嵌合孔に挿入すべき
   回転用突起を設け、下端中央位置に建物側からの
   回転用突起を係合すべき回転用凹部を設け、該回
   転用凹部近傍に下端から垂直に立上がり、建物側
   からの回転用突起を一時的に取込める形状の側面
   切欠きとを形成し、また建物を形成する鉄骨への
   接合金属片を周辺上下部から顕出させ、かつ吊り
   上げ用のフツクを側面に設けたことを特徴とする
   建築物における壁板。 ２ 鉄骨建方で１節分の鉄骨を建入れた後、つぎ
   の節の鉄骨の建入れで柱の中間部を仮止めする際
   に、上部中央位置に建物側の嵌合孔に挿入すべき
   回転用突起を設け、下端中央位置に建物側からの
   回転用突起を係合すべき回転用凹部を設け、該凹
   部近傍に下端から垂直に立上がり建物側からの回
   転用突起を一時的に取込む側面切欠きとを形成
   し、また建物を形成する鉄骨への接合金属片を周
   辺上下部から顕出させ形成した壁板を吊り上げ垂
   直状態として、下部鉄骨梁の上フランジに垂設し
   た回転用突起を側面切欠き内に一時的に取込む状
   態で壁板を上下へ吊り上げて建物側の嵌合孔に壁
   板上部位置の回転用突起を挿入し、壁板を少し降
   ろし、回転用突起に回転用凹部を係合し、壁板を
   適宜回転させて梁方向と直角方向に置きこれを仮
   付けして柱継手の溶接作業時の風よけとして利用
   した後、壁板自体を半回転して梁と平行にし、梁
   と壁板の接合金属片とを本付けすることを特徴と
   する建築物における壁板の取付方法。