JPH0314980Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は田植機、湛水播種機又は湛水施肥機等
の水田作業機におけるフロートに関する。

(ロ) 従来技術 従来、田植機その他の水田作業機におけるフロ
ートは舟状に構成すると共にその中間部を機体に
連結して支持していた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知のフロートは舟状をなしていて上面が
第１２図に示す如く平担であるか、又は凹部にな
つており、かつ取付部が中央にあつたので、作業
中に泥土、雑草又は堆肥等が乗り上がつて堆積
し、フロートに対する荷重が著しく大になつて均
平性能及び機体重量分担性能が低下し、また、機
体回行時又は走行方向修正時等に大きな操作力を
要し、更に、作業終了時にフロート上に堆積した
泥土等を除去することが困難であつた。

その上、中央の支持部材に雑草や堆肥が引掛つ
て堆積物が増大すると共にフロートが左右傾動し
易く、接地面積を有効に利用することができなか
つた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案はフロートの上面を前後方向からみて山
型の斜面に形成すると共に両側部を機体に傾動可
能に支持することにより、フロート上に乗り上げ
た泥土等が両側方へ流下するようにして堆積を防
止し、該フロートの両側部を支持することにより
フロートの中央の支持部材を排除してフロートの
中央部に雑草や堆肥等が引掛つて堆積することを
も防止すると共にフロートの横倒れを防止して前
述の問題点を解決した。

(ホ) 作用 作業中フロートは田面上を滑走するが、その
際、泥土等がフロートに乗り上げても、泥土等は
フロートの上面に形成した山型斜面を滑落して堆
積することがなく、雑草や堆肥等が泥土と共にフ
ロート上に乗り上げても従来のもののようにフロ
ートの中央の支持部材に絡み付いて堆積すること
がなく、また、作業が完了して洗浄する時、フロ
ートの上面に泥土等が堆積していないので簡単か
つ迅速に洗浄することができる。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は前部にエンジン２及びミツシヨンケース３を
取付け、後部に植付杆４及び横方向に往復動する
苗載台５等からなる植付装置６を装着した機体フ
レームであつて、前記ミツシヨンケース３の両側
から後方へ伸びるスイングチエンケース７，７に
車輪８，８を軸支し、前記機体フレーム１の下部
中央にはセンターフロート９を配設し、車輪８，
８の両外側にはサイドフロート１１，１１を配設
し、それらのフロート９，１１，１１の後部は植
付深さ調節レバー１０…を介して植付伝動ケース
１２と一体なレバーガイド又は支持部材１３に連
繋し、前部は機体フレームと一体な部材にく字状
リンク１７で連結してある。

また、前記センターフロート９及びサイドフロ
ート１１，１１の上面は、第１図に示す如く前後
方向から見て山型状をなす斜面に形成してあり、
センターフロート９及びサイドフロート１１，１
１の後部両側の取付部１４，１４に固定した受金
１５…を、前記植付深さ調節レバー１０の下部と
一体なコ字状部の下端に、ピンで回動自在に連結
し、前部の取付部１４，１４は前述のようにリン
ク１７…により機体フレーム１と一体な部材に連
結してある。

次に、前記車輪８，８の昇降装置について説明
すると、前記スイングチエンケース７，７の前部
に立設したアーム１８，１８は、第９図に示す如
く前部がミツシヨンケース３に枢支された油圧シ
リンダー１９，１９のピストンロツドにリフトロ
ツド２０を介して連動連結してあり、前記油圧シ
リンダー１９，１９に附随する左右一対の制御バ
ルブ２１，２１はそれぞれ上向きレバー２２と前
向きレバー２３を備えていて無負荷状態では戻し
スプリング２４により第１０図に示す姿勢に保持
されている。

また、前記苗載台５の下端部に設けたエプロン
２５の下部両側に、田面上を滑走する感知板２
６，２６の基部を揺動可能に軸支し、該感知板２
６，２６と一体なアーム２７，２７に後端を連繋
したロツド２８，２８の前部の長孔２８ａ，２８
ａは前記上向きレバー２２，２２に突設したピン
２９，２９に遊嵌しており、前向きレバー２３，
２３に突設したピン３０，３０は、下端が前記セ
ンターフロート９に係合した矩形状枠杆３１の上
部両側の長孔３２，３２に遊嵌している。

前述の田植機において、植付作業中、車輪８，
８は耕盤上を転動し、センターフロート９及びサ
イドフロート１１，１１は田面上を滑走する。

その際、前記センターフロート９及びサイドフ
ロート１１，１１上には泥土や雑草等が泥水と共
に乗り上げるが、それらのフロート９，１１，１
１の上面は山形状の斜面に形成してあるので、泥
土等は該斜面に沿つて流下し、堆積することがな
く、かつ、前記センターフロート９及びサイドフ
ロート１１，１１は両側縁部で懸架されているの
で、横倒れすることがない。

また、前記車輪８，８は耕盤上を転動する際、
耕盤の高低により昇降し、それにともなつて前記
センターフロート９は後部を中心として上下揺動
する。その時、矩形状枠３１が不感帯と逃げとを
兼ねた前記長孔３２，３２の範囲以上に昇降する
と、制御バルブ２１が開閉して油圧シリンダー１
９，１９が作動するので車輪８，８が昇降し、適
正な高さになると第１０図に示す状態に戻り制御
バルブ２１，２１が中立になり、機体は所定の高
さに保持される。

逆に、車輪８，８が耕盤の高い部分に乗り上げ
ると、センターフロート９の前部が下降し、制御
バルブ２１，２１のレバー２３，２３は下降回動
するので、機体は下降する。

また、植付作業中、耕盤の高さが左右で異なつ
て機体がローリングすると、下降した側の感知板
２６が田面により押し上げられ、上昇した側の感
知板２６は自重により下降回動し、それによりロ
ツド２８，２８が不感帯と逃げを兼ねた前記長孔
２８ａ，２８ａの範囲以上に前後動すると、一方
の油圧シリンダー１９はその側の車輪８，８を押
し下げ作動し、他方の油圧シリンダー１９のタン
クに通ずるポートが開になつてその側の車輪８は
上昇し、機体が水平になると、制御バルブ２１，
２１が中立になる。

更に、フロートを備えた水田用の播種機又は施
肥機においてもセンターフロート９又はサイドフ
ロート１１，１１若くは車輪昇降装置は前述の田
植機のものと同様な作用をなす。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように機体に作業機と田面上を
滑走するフロートを装着した水田作業機におい
て、前記フロートの上面を前後方向からみて山型
の斜面に形成すると共に両側部を機体に傾動可能
に支持したので、作業中、フロート上に乗り上げ
た泥水と共に泥土や雑草等はフロートの上面の山
形斜面を両側方へ流下することとなり、フロート
上に泥土等が第１２図に示す如く堆積することが
なく、フロートの重量が異常に大となつて操作が
困難になつたり、田面均平性能及び機体重量分担
性能が低下したりするのを防止することができ、
かつ、作業終了後機体を洗浄するとき、フロート
上に泥土等が堆積していないことと、洗浄水が山
形斜面に沿つて流下することとが相俟つて迅速に
しかも容易に洗浄することができる。また、フロ
ートは、その両側部を機体に支持されているの
で、圃場面が左右に傾斜していて両側部が不均等
な土圧を受けても左右傾斜することがなく、接地
面を有効に利用することができると共に機体が蛇
行を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はフロートの配置図、第２図はフロートの
平面図、第３図は同上側面図、第４図ａは第２図
のＡ−Ａ断面図、ｂは同上Ｂ−Ｂ断面図、第５図
はフロートの斜視図、第６図は田植機の側面図、
第７図は感知板取付部の正面図、第８図は同上側
面図、第９図は車輪昇降装置の平面図、第１０図
は制御部の側面図、第１１図は一部を破断した同
上正面図、第１２図は従来のフロートを示すもの
で、ａはサイドフロートの横断面図、ｂはセンタ
ーフロートの横断面図である。 ８……車輪、９……センターフロート、１１…
…サイドフロート、１４……取付部、２１……制
御バルブ、２６……感知板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体に作業機と田面上を滑走するフロートを装
   着した水田作業機において、前記フロートの上面
   を前後方向からみて山型の斜面に形成すると共に
   両側部を機体に傾動可能に支持したことを特徴と
   する水田作業機におけるフロート。