JPH0314559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、建物開口部に取付けられ、開口部
全体を開放することのできる多数枚のパネルを備
えた開閉装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、建物の開口部分を全幅に亘つて開放しよ
うとする場合には、障子を開口部側端外に突出さ
せる必要から、障子を案内する固定枠を建物の外
側に延長して設けなければならず、外観を損ない
取付作業は労力と経費が嵩み安価に提供できなか
つた。これを解決する手段として本出願人は、パ
ネルを組込んだ開閉体を側方に移動させる装置を
提案したが、開閉体に多数のパネルを組込もうと
すれば、開閉体の可動横枠を大きく室外側へ張り
出す必要があり、これに伴つて、この張り出した
部分を支えるために建物開口部に設けたガイド横
枠も大きく突出させる必要があるため、全体に大
きく突出すると外観を損う不都合があると共に、
ガイド横枠および可動横枠も共に強度上の不安定
があり、歪みが発生する問題点が考えられる。

（考案が解決しようとする問題点） そこで、この考案は上記した問題点を解決せん
とするものであり、開閉体に組み込まれるパネル
の枚数にかかわらず、可動横枠およびガイド横枠
の屋外突出量を小さくして夫々の歪み発生を防止
すると共に、良好な外観を保持することのできる
開閉装置を得ることを目的としたものである。

（問題点を解決するための手段） これを達成する手段として、この考案は建物開
口部の上下に取付けられたガイド上下枠の走行部
に沿つて走行自在な可動上下枠間に、上記建物開
口部の一部を閉鎖するパネルを組込み、上記可動
上下枠の屋外側に上記走行部の屋外側に突出する
支持部を連設すると共に、当該支持部に夫々縦方
向に間隔をおいて複数のパネル走行部を列設して
各パネル走行部に上記建物開口部の残る部分を閉
鎖する複数のパネルを走行自在に係合し、上記可
動上下枠を上記ガイド上下枠の一側方にパネル一
枚分だけ食み出し可能としたものである。

（実施例） この考案の具体的構成を図面に示す実施例につ
いて以下詳細に説明する。

この実施例は、室外に面した建物の開口部の場
合を示し、開閉体が室内側から見て右側方向に移
動するものを示す。

１はサツシ枠で、建物の開口部Ａの室外側周辺
に外付けされており、上下枠２，３および左右竪
枠４，５から構成されている。上枠２には外側に
開閉体８を支持するための下向きに開口する溝状
走行部６を形成したガイド上枠２ａを延設し、ま
た下枠３には外側に開閉体８を支持するためのレ
ール状走行部７を突設したガイド下枠３ａを延設
する。８は雨戸として使用される開閉体であつ
て、可動上下枠９，１０、可動上下枠９，１０間
に固定されるパネル１１、および可動上下枠９，
１０の全長に亘つて走行できる第１雨戸としての
パネル１９ａで構成されている。可動上枠９には
外側にガイド上枠２ａの走行部６の屋外側に位置
する支持部９ａを延設しており、該支持部９ａに
は下面に突出する第１パネル走行部１２と、外側
面には縦方向に間隔をおいて並行する溝状の第２
パネル走行部１３と、第３パネル走行部１４を突
出形成している。また可動下枠１０には下面にガ
イド下枠３ａに沿つて走行する戸車１５を取付
け、外側にガイド下枠３ａの走行部７の屋外側に
位置する支持部１０ａを延設しており、該支持部
１０ａには上面に突出する第１パネル走行部１６
と、外側面には縦方向に間隔をおいて並行する溝
状の第２パネル走行部１７と、第３パネル走行部
１８を突出形成している。そしてこの開閉体８の
可動上枠９をガイド上枠２ａの溝状走行部６に嵌
込み、可動下枠１０の戸車１５をガイド下枠３ａ
のレール状走行部７上に載置して開閉体８がガイ
ド上下枠２ａ，３ａの左右方向に移動自在にす
る。また開閉体８の可動上枠９には右側に固定さ
れたパネル１１の左端上にストツパーを取付け、
一方ガイド上枠２ａの食み出し側である右端にキ
ヤツプを固定し、これによつて開閉体８を右に移
動した際、ストツパーがキヤツプに当接して開閉
体８の食み出し量をパネル一枚分に規制する。１
９ａは第１雨戸としてのパネルであつて、その上
框２０に形成したガイド溝２１を可動上枠９の第
１パネル走行部１２に係合すると共に、下框２２
に取付けた戸車２３を可動下枠１０の第１パネル
走行部１６に載置して移動自在とする。１９ｂは
第２雨戸としてのパネル、１９ｃは第３雨戸とし
てのパネルであつて、夫々上框２４，２４′の側
面に戸車２５，２５′を取付け、可動上枠９の第
２パネル走行部１３と第３パネル走行部１４に嵌
入係合し、一方下框２６，２６′の側面にも各々
戸車２７，２７′を取付け、可動下枠１０の第２
パネル走行部１７と第３パネル走行部１８に嵌入
係合することによつて、第２雨戸１９ｂ、第３雨
戸１９ｃを夫々開閉体８に対して移動自在とす
る。これらの各雨戸１９ａ，１９ｂ，１９ｃは固
定パネル１１とほぼ同一横巾で形成され建物開口
部Ａを閉鎖できるようになつている。

このように構成されているので、建物開口部Ａ
を閉鎖する際は、開閉体８を左方向に移動すれば
開閉体８の右端に固定されているパネル１１で開
口部Ａの右約1/4を閉鎖し、次いで第１雨戸１９
ａ、第２雨戸１９ｂ、第３雨戸１９ｃを順次引出
せば開口部Ａ全幅を完全に閉鎖することができ
る。その際、第２雨戸１９ｂおよび第３雨戸１９
ｃの上下の戸車２５，２５′，２７，２７′は、
夫々上下に設けた走行部１３，１４，１７，１８
に嵌合されているので脱落することなく円滑に走
行させることができる。また開口部Ａを開放する
際は、上記操作と逆に行ない、各雨戸１９ａ，１
９ｂ，１９ｃを開閉体８の右端側に寄せた後、開
閉体８を可動上枠９のストツパーがガイド上枠２
ａのキヤツプに当接するまで移動し、ガイド上下
枠２ａ，３ａの右側にパネル１枚分だけ食み出さ
せれば、開口部Ａ全幅を開放することができる。

なお、雨戸は３枚に限定されるものでなく、ま
た固定パネルを可動パネルとしてもよい。

（考案の効果） 以上、実施例について詳述したように、この考
案は、可動上下枠におけるパネル走行部を縦方向
に設けたので、可動上下枠に連設された支持部
は、ガイド上下枠の走行部から屋外側へ大きく突
出することはなく、支持部を支えるガイド上下枠
および可動上下枠自体の屋外側への前傾荷重を小
さくできるので、竪牢で、しかも開閉体を軋みな
く走行させることができる効果を有している。ま
た組込まれるパネルの枚数を多くすることができ
ると共に、この場合各パネルの幅員を短かくでき
るから、建物開口部を全幅に亘つて開口する際、
開閉体がガイド上下枠の側方に食み出す量が短く
でき、開閉体の歪み、変形を防止し堅老に構成す
ることができる。また側方への食み出し量が少な
いので建物開口部の側方に余裕の無い施行場所で
もコンパクトに取付けることができると共に、移
動量が短いので開閉操作が容易となり、円滑軽快
に行なうことができる等の種々の優れた効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の室外側より見た正面図、第
２図は同じく縦断側面図を示す。 １……サツシ枠、２ａ……ガイド上枠、３ａ…
…ガイド下枠、８……開閉体、９……可動上枠、
９ａ……支持部、１０……可動下枠、１０ａ……
支持部、１１……パネル、１２……第１パネル走
行部、１３……第２パネル走行部、１４……第３
パネル走行部、１６……第１パネル走行部、１７
……第２パネル走行部、１８……第３パネル走行
部、１９ａ……第１雨戸、１９ｂ……第２雨戸、
１９ｃ……第３雨戸、２１……ガイド溝、２３，
２５，２５′，２７，２７′……戸車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物開口部の上下に取付けられたガイド上下枠
   の走行部に沿つて走行自在な可動上下枠間に、上
   記建物開口部の一部を閉鎖するパネルを組込み、
   上記可動上下枠の屋外側に上記走行部の屋外側に
   突出する支持部を連設すると共に、当該支持部に
   夫々縦方向に間隔をおいて複数のパネル走行部を
   列設して各パネル走行部に上記建物開口部の残る
   部分を閉鎖する複数のパネルを走行自在に係合
   し、上記可動上下枠を上記ガイド上下枠の一側方
   にパネル一枚分だけ食み出し可能としてなる建物
   開口部の開閉装置。