JPH031448Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、病気の治療及び予防等の目的で、軟
膏等の塗布薬剤を人及び動物の皮膚に施用、処理
するのに使用される皮膚塗布薬剤保持シートに関
するものである。特に、狭心症等に著効を示すニ
トログリセリン軟膏による治療及び予防や、副腎
皮質ホルモン含有軟膏等による乾癬その他の抵抗
性皮膚疾患の局所的密封療法等に有利に使用する
ことができる皮膚塗布薬剤保持シートに関するも
のである。

従来、ニトログリセリン軟膏を施用するには、
中央に計量目盛の印刷された非滲透性フイルム上
に、ニトログリセリン軟膏をチユーブから目盛に
したがつて必要量を押し出し、該フイルム上に薄
く伸ばして皮膚に貼り付け、その上からばんそう
膏などで固定していた。しかし、この場合のばん
そう膏による固定は手間がかかり面倒であるばか
りでなく、フイルムが充分に固定されず脱落しや
すい等の欠点があつた。また、乾癬等の密封療法
においては、副腎皮質ホルモン（消炎性ステロイ
ド）を含有する軟膏やクリームを皮膚に塗り、そ
の上から非滲透性、非通気性フイルム、たとえば
ポリエチレンフイルム等で覆つてから、ばんそう
膏等の粘着テープで固定していた。しかし、この
場合も、ばんそう膏等による固定は手間がかかり
面倒であるうえに、固定が充分でない欠点があつ
た。特に、軟膏等を塗布した部分に固定用のばん
そう膏等が当接するようなときには、ばんそう膏
等の粘着力が減少し、フイルムが部分的にはが
れ、充分に固定できないばかりでなく、有効な密
封療法が行なえなくなるので、軟膏等の塗布及び
ばんそう膏固定を最初からやりなおす必要が生じ
た。かかる欠点を除くために粘着テープの粘着剤
中に副腎皮質ホルモン等を含有せしめておく提案
もされたが、粘着剤中に混和されたホルモンは皮
膚への移行が充分でなく、充分な薬効が期待でき
ない欠点があつた。

本考案は、かかるニトログリセリン軟膏や副腎
皮質ホルモン含有軟膏等をはじめとする種々の皮
膚塗布薬剤による治療及び予防のために、該塗布
薬剤を皮膚に施用するのに有利に使用することの
できる皮膚塗布薬剤保持シートを提供せんとする
ものである。

すなわち、本考案の皮膚塗布薬剤保持シート
は、平面状基材シート１の外周側縁部を額縁状に
被覆する粘着剤層２が設けられ、該粘着剤層２を
覆うように額縁状剥離シート３が設けられ、かつ
該基材シート１及び／又は剥離シート３に薬剤計
量目盛４が表示されてなるシートである。

本考案の保持シートは、上記のように構成され
てなるものであるから、額縁状剥離シートの剥離
前に同剥離シートの内側の基材シート上に所定量
の塗布薬剤を塗布して薄く展延し、次いで剥離シ
ートを剥離すれば、内側には塗布薬剤が塗布さ
れ、その外側には額縁状に粘着剤層が設けられた
保持シートになるので、これをそのまま皮膚の所
定の個所に貼り付ければ、該額縁状粘着剤層が皮
膚に貼着してシートが強固に固定されると同時
に、薬剤が皮膚の所定の患部等に密封状態で密着
することになるので、極めて簡単に、かつ容易に
軟膏等による病気の治療及び予防等の処置をする
ことができる。しかも、その場合に、薬剤の塗布
量は基材シート及び／又は剥離シートに表示され
た薬剤計量目盛によつて容易に計量できるし、ま
た額縁状剥離シートの剥離前に塗布薬剤の塗布及
び展延を行なうので、たとえ展延しすぎたような
ときでも、皮膚に貼り付けるべき粘着剤層が薬剤
によつて汚染されず、その粘着力の低下をさせる
おそれが全くない。

特に、本考案の保持シートは、基材シート１が
単なる平面状のシートであつて、その構造が簡単
である。また、その額縁状に設けられた粘着剤層
２が額縁状剥離シート３で覆われているから、そ
の額縁状剥離シート３の剥離前にその内側の基材
シート１上に薬剤を塗布し、展延すれば、その塗
布・展延時に、多少の薬剤がシート３上に塗布さ
れるようなことになつても、その下の粘着剤層２
は薬剤によつて汚染されることが全くない。した
がつて、薬剤の塗布・展延後に剥離シート３を剥
離して除いてから、該シート１を薬剤塗布面を内
側にして皮膚に貼着すれば、皮膚に対して薬剤を
容易に密封状態で密着させることができる。さら
に、基材シート１及び／又は剥離シート３に薬剤
目盛が表示されているから、薬剤の施用量を容易
に計量することができる。

次に、添付図面にもとづいて、本考案の実施態
様例について詳述する。第１図〜第４図は本考案
の皮膚塗布薬剤保持シートを例示したものであ
り、第１図はその平面図、第２図は第１図の−
線切断側面図、第３図は保持シートの中央部に
薬剤チユーブ５から塗布薬剤６を押し出し中の状
態を示す平面図、第４図はその押出した薬剤を展
延してから剥離シート３を剥離中の状態を示す平
面図である。この第１図〜第４図から明らかなよ
うに、この保持シートは、平面状の基材シート１
の外周側縁部には額縁状に粘着剤層２が設けら
れ、その粘着剤層２を覆うように額縁状剥離シー
ト３が設けられ、かつ基材シート１には薬剤計量
目盛４が表示されている。なお、この場合の薬剤
計量目盛４は剥離シート３に表示してもよい。こ
の図示された保持シートを用いて皮膚に軟膏等の
塗布薬剤を施用するには、第３図に示されたよう
に、まず剥離シートの中央部の基材シート１の上
に薬剤チユーブ５から薬剤６を押し出し、その押
出量を計量目盛４によつて計量して適量に定め
る。次いで、第４図に示したように、その押し出
された薬剤を所望の厚さに展延する。この場合
に、剥離シート３がまだ剥離されていないから、
薬剤を展延しすぎても、剥離シート３が薬剤によ
つて汚染されるだけで、その下の皮膚に貼着せし
められる粘着剤層２は汚染されないので、基材シ
ートの貼着・固定には全く支障がない。さらに、
第４図に示したように薬剤を延展してから剥離シ
ート３を剥離して除いたのち、保持シートをその
薬剤側を内側にして皮膚の所定の個所に貼り付け
て固定すれば、容易に薬剤を密封状態で皮膚に密
着させることができる。

なお、第１図〜第４図に示す保持シートにおけ
る剥離シート３は、図示された額縁状のものに代
えて、容易に額縁状に中央部を切り抜いて除去で
きる切目を入れた１枚のシートを用いて実施して
も差支えがない。この場合においては、薬剤を塗
布するために、その剥離シートの中央部を切り抜
いで額縁状の剥離シートにしたときに、その保持
シートは本考案の保持シートとなることになる。

本考案における基材シートとしては、紙、布、
不織布及び種々のプラスチツクシート（フイル
ム）等が単独で、又はこれらの任意の２種若しく
はそれ以上の積層物として使用することができ
る。また、紙、布及び不織布等にポリエチレン等
のプラスチツク被覆を施したものや、その他種々
の加工を施した加工紙が加工フイルム等も使用で
きる。特に好ましい基材シートは、非滲透性で非
通気性のものである。

また、本考案における粘着剤層用の粘着剤とし
ては、皮膚にかぶれ等の炎症を起すおそれのない
非毒性のものであれば何でもよい。たとえば、ば
んそう膏や貼り薬用等において用いられる公知の
粘着剤はすべて使用できる。

さらに、本考案における剥離シートとしては、
たとえばセロフアン、ポリエチレンフイルム等の
プラスチツクフイルム、シリコーン加工紙、その
他種々のものが使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の保持シートの実施態
様の一例を示したものであり、第１図はその平面
図、第２図は第１図の−線切断側面図、第３
図及び第４図はその使用中の状態を示す平面図で
ある。 図中の各符号はそれぞれ下記のものを示す。１
……基材シート、２……粘着剤層、３……額縁状
剥離シート、４……薬剤計量目盛、５……薬剤チ
ユーブ、６……塗布薬剤、７……粘着剤層の内縁
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面状基材シート１の外周側縁部を額縁状に被
   覆する粘着剤層２が設けられ、該粘着剤層２を覆
   うように額縁状剥離シート３が設けられ、かつ該
   基材シート１及び／又は剥離シート３に薬剤計量
   目盛４が表示されてなる皮膚薬剤保持シート。