JPH03140624A - 内輪の取付構造 - Google Patents

内輪の取付構造

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JPH03140624A
JPH03140624A JP27799189A JP27799189A JPH03140624A JP H03140624 A JPH03140624 A JP H03140624A JP 27799189 A JP27799189 A JP 27799189A JP 27799189 A JP27799189 A JP 27799189A JP H03140624 A JPH03140624 A JP H03140624A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、たとえば転がり軸受、滑り軸受の内輪、外
輪などの環状体を、それとは線膨張係数の異なる材料か
らなる軸、軸箱などの相手部材に取り付けて、高温また
は低温で使用する場合に、伝達荷重および熱応力の増大
による環状体の破損を防止した取付構造に関する。
〔従来の技術] 従来、たとえば転がり軸受とこれを取り付ける相手部材
との線膨張係数が相違する場合の取付構造に関する報文
が、LIJBRICATION ENGINEERIG
 1981年7月号の407〜415頁に掲載されてい
る。
この転がり軸受は、第4図に示すように、軸1に取り付
けられた内輪2と、図示を省略した軸箱に取り付けられ
た外輪3との間に、保持器6付きの円筒ころ5が配設さ
れており、軸1は鋼材により、内輪2はセラミック材に
より作られている。
内輪2の軸方向の両側端面は中心軸線に対して外開きに
拡径するテーパ面であって、軸1にすきまばめにより嵌
合されている。この内輪2の両側端面ば、軸1にしまり
ばめにより嵌合された鋼材からなる一対の間座4によっ
て挟着されており、軸1や間座4が熱膨張したときに、
内輪2と間座4とが挟着面上で相対的に摺動することに
よって過大な負荷が作用しないようにしである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の転がり軸受においては、軸受に負荷される荷重は
内輪2の両側端面のくさび作用により拡大されて間座4
に伝達されるため、内輪2の両側端面における接触面圧
が著しく増大して摩耗、破損したり、負荷荷重が限界に
達して破壊するなどの不都合が生じることがあり、負荷
荷重の上限値が小さい値に制約されるという問題がある
また、内輪2と間座4とを軸lに組み付けるに当たって
、すきまばめにより嵌合されている内輪2と、しまりば
めにより嵌合されている間座4との間で相対滑りが生じ
るため、正確な心出しが困難であって組付は作業に熟練
を要し、作業性の点でも支障がある。
この発明は上記の問題を解決して、相手部材とは異なる
線膨張係数を有する環状体の運転使用中に、環状体の摩
耗、破損等が生じ難く、また相手部材に対して環状体の
正確な組付けが容易にできる取付構造を提供することを
目的とする。
(課題を解決するための手段〕 上記目的を達成するため、第1発明においては、相手部
材とは異なる線膨張係数を有する環状体が相手部材の外
周または内周に嵌合される構造であって、相手部材と環
状体との少なくとも一方の嵌合面に、任意方向に形成し
た少なくとも一種の溝を設け、この溝の少なくとも一部
分に、相手部材および環状体のいずれよりも変形抵抗の
小さい充填材を充填しである。
第2発明においては、相手部材と、相手部材とは異なる
線膨張係数を有し、相手部材の外周または内周に取り付
けられる環状体との間に、相手部材と環状体との各線膨
張係数の中間値の線膨張係数を有する取付部材が介在し
て嵌合される構造であって、取付部材と環状体との嵌合
面および取付部材と相手部材との嵌合面のいずれか一方
を係合手段により固く係合し、いずれか他方の少なくと
も一方の嵌合面に、任意方向に形成した少なくとも一種
の溝を設け、取付部材と相手部材との嵌合面に設けた溝
は、少なくともその一部分に、取付部材および相手部材
のいずれよりも変形抵抗の小さい充填材を充填し、取付
部材と環状体との嵌合面に設けた溝は、少なくともその
一部分に、取付部材および環状体のいずれよりも変形抵
抗の小さい充填材を充填しである。
第3発明においては、相手部材と、相手部材とは異なる
線膨張係数を有し、相手部材の外周または内周に取り付
けられる環状体との間に、相手部材と環状体とのいずれ
か一方の線膨張係数とほぼ等しい線膨張係数を有する取
付部材が介在して嵌合される構造であって、線膨張係数
がほぼ等しい取付部材と相手部材または環状体との嵌合
面は係合手段により固く係合し、線膨張係数が等しくな
い取付部材と環状体または相手部材との少なくとも一方
の嵌合面に、任意方向に形成した少なくとも一種の溝を
設け、取付部材と相手部材との嵌合面に設けた溝は、少
なくともその一部分に、取付部材および相手部材のいず
れよりも変形抵抗の小さい充填材を充填し、取付部材と
環状体との嵌合面に設けた溝は、少なくともその一部分
に、取付部材および環状体のいずれよりも変形抵抗の小
さい充填材を充填しである。
〔作用〕
第1発明においては、相手部材に取り付けられた環状体
は、環状体に負荷された荷重を、相手部材と環状体との
少なくとも一方の嵌合面に設けである溝と溝との間の凸
状部分により相手部材に伝達する。
環状体の取付時と運転使用時との間で温度変化が生じた
場合、線膨張係数の差により嵌合面のしめじろが変化す
るが、このしめしろの変化は、嵌合面の凸状部分の弾性
変形量が変化することによって吸収され、しかも溝に充
填された変形抵抗の小さい充填材が嵌合面の一部を形成
して負荷された荷重を伝達するため、嵌合面の凸状部分
の負荷荷重が軽減される。これにより嵌合面応力の増大
減少は最小限度に抑制される。
第2発明においては、相手部材に取付部材を介して取り
付けられた環状体は、環状体に負荷された荷重を、取付
部材を介して相手部材に伝達するが、相手部材と取付部
材との少なくとも一方の嵌合面に溝が設けられている場
合は、取付部材から相手部材への荷重伝達は嵌合面の溝
と溝との間の凸状部分により行われ、取付部材と環状体
との少なくとも一方の嵌合面に溝が設けられている場合
は、環状体から取付部材への荷重伝達は嵌合面の溝と溝
との間の凸状部分により行われる。
環状体の取付時と運転使用時との間で温度変化が生じた
場合、線膨張係数の差により、取付部材の相手部材およ
び環状体との各嵌合面のしめじろが変化するが、このし
めじろの変化は、取付部材と相手部材または環状体のい
ずれか一方の部材との嵌合面においては、その少なくと
も一方の面に設けである凸状部分の弾性変形量が変化す
ることによって吸収され、しかも溝に充填された変形抵
抗の小さい充填材が嵌合面の一部を形成して負荷された
荷重を伝達するため、嵌合面の凸状部分の負荷荷重が軽
減される。また、取付部材と相手部材または環状体のい
ずれか他方の部材との嵌合面においては、取付部材が相
手部材と環状体との中間値の線膨張係数を有しているた
め、環状体が相手部材に直接嵌合されている場合に比べ
て、しめしろの変化が軽減される。これらの相乗作用に
より、嵌合面応力の増大、減少は最小限度に抑制される
第3発明においては、相手部材に取付部材を介して取り
付けられた環状体は、環状体に負荷された荷重を、取付
部材を介して相手部材に伝達する。
この場合において、取付部材の線膨張係数が相手部材の
それとほぼ等しいときは、環状体から取付部材への荷重
伝達は、環状体と取付部材との少なくとも一方の嵌合面
に設けである溝と溝との間の凸状部分により行われ、取
付部材の線膨張係数が環状体のそれとほぼ等しいときは
、取付部材から相手部材への荷重伝達は、取付部材と相
手部材との少なくとも一方の嵌合面に設けである溝と溝
との間の凸状部分により行われる。
環状体の取付時と運転使用時との間で温度変化が生じた
場合、取付部材の相手部材および環状体との各嵌合面の
うち、取付部材の線膨張係数とは異なるいずれか一方の
部材との嵌合面においては、しめしるが変化するが、こ
のしめじろの変化は、その嵌合面の少なくとも一方の面
に設けである凸状部分の弾性変形量が変化することによ
って吸収され、しかも溝に充填された変形抵抗の小さい
充填材が嵌合面の一部を形成して負荷された荷重を伝達
するため、嵌合面の凸状部分の負荷荷重が軽減だれる。
また、取付部材の線膨張係数とほぼ等しいいずれか他方
の部材との嵌合面においては、しめじろの変化はほとん
ど生じない。これらの相乗作用により嵌合面応力の増大
、減少は最小限度に抑制される。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、この発明を円筒ころ軸受の内輪(環状体)と
軸(相手部材)との組付けに適用した第1発明の実施例
である。同図の円筒ころ軸受は、内輪20.外輪30お
よび内輪20と外輪30との間に配設された円筒ころ5
0を備え、円筒ころ50は保持器51に組み込まれてい
る。
上記の円筒ごろ軸受の内輪20は線膨張係数の比較的小
さい材料、たとえばセラミックス材により構成され、内
輪20が嵌合された軸10は、内輪20よりも線膨張係
数が大きい材料、たとえば鋼材により構成されている。
軸10の外周面12には、軸心に対して一定の角度で交
差する方向をもって軸10を一周する溝13が、所定の
軸方向間隔をおいて複数条設けてあり、溝13の中には
、適宜の容積をもつ充填材15が充填されている。この
充填材15としては、軸10および内輪20のいずれよ
りも変形抵抗の小さい材料、たとえば合成ゴム、プラス
チック等が用いである。
内輪20の内周側嵌合面21は、軸10の外周面12に
設けた溝13と溝13との間の凸状部分14に、しめし
ろ(締代)をもって嵌合されており、内輪20の一方の
軸方向端面が軸10のフランジ部16の側面に当接し、
内輪20の他方の軸方向端面が、軸10のねじ部10a
に螺着した押さえナラ1−17により挟着された状態で
取り付けられている。
上記構成により軸10に内輪20が取り付けられた円筒
ころ軸受を、取付時よりも高温または低温の環境下で運
転使用する場合、軸10と内輪20との嵌合面に作用す
る応力(嵌合面応力)は次のようになる。
まず、高温の状態で運転する場合を考えると、この場合
は軸10と内輪20との線膨張係数の差によって、温度
上昇に応じたしめしろの増加を生じる。したがって、こ
のしめしろの増加による嵌合面応力がセラミックス材か
らなる内輪20の破壊応力を超えて大きくなると、内輪
20の破壊を生じることになる。
しかし、上記構成の円筒ころ軸受は、内輪20に負荷さ
れた荷重は、軸lOの外周面12に設けられた溝13と
溝13との間の凸状部分14が負担して軸10に伝達す
る。
このため、軸10の外周面12は、溝13が設けられて
いない場合に比べて荷重に対する弾性変形量がはるかに
大きく、あたかも見掛は上、ばね定数が小さくなったの
と同様の状態になっている。
したがって、温度上昇によりしめしろが増大しても、こ
れによる嵌合面応力の増大は、溝13が設けられていな
い場合に比べてはるかに小さ(なる。
さらに、温度上昇による嵌合面のしめしろの増大に伴っ
て、軸10の外周面12の凸状部分14が変形していく
と、溝13に充填されている充填材15は、変形抵抗が
軸10および内輪20のいずれよりも小さいため、溝1
3との間の空間をしだいに占有して充満し、内輪20の
内周側嵌合面21と相接して内輪20の荷重の一部を支
持するようになる。このため、軸10の外周面12の凸
状部分14は、溝13のない場合に比べて見掛は上の有
効受圧面積が減少したことによる嵌合面応力の増加を打
ち消すように作用するので、嵌合面応力の絶対値が減少
することになる。
このように、軸10の外周面12における凸状部分14
の弾性変形と、溝13に充填された充填材15による荷
重一部負担との相乗作用により、嵌合面応力が内輪20
の破壊応力を超えて大きくなるのを防止することができ
る。
次に、低温の状態で運転する場合を考えると、この場合
は軸10と内輪20との線膨張係数の差によって、温度
低下に応じたしめじろの減少を生じる。したがって、こ
のしめしろが過度に減少または消失すると、すきまばめ
になって、内輪2゜は軸10との間でクリープを発生し
、不都合な振動、摩耗が生じることになる。しかし、こ
の実施例の内輪20は、軸IOの外周面12に設けられ
た溝13と溝13との間の凸状部分14に嵌合されてお
り、また溝13には軸lOおよび内輪20のいずれより
も変形抵抗の小さい充填材15が充填されているため、
高温の場合について述べたのと同じ理由により、凸状部
分14における見掛は上のばね定数が小さく、かつ溝1
3の充填材15が嵌合面としての作用を奏して、内輪2
0の内周側嵌合面21は軸10の外周面12とほぼ全面
で接触するようになる。したがって、この場合において
も、溝13が設けられていない場合に比べて、嵌合面応
力の減少はきわめて小さくなり、クリープの発生を防止
することが可能になる。
上記実施例の溝13は、軸心に対して交差する方向に設
けであるが、この溝13を設ける方向は第2図(a)に
示すように、円周方向に設けるか、または第2図Φ)に
示すように軸方向に設けてもよく、さらにこれら各種方
向の溝を適宜組み合わせて設けてもよい。また、上記の
ような軸lOの外周面12を一周する独立の溝に代えて
、単条または複条の螺旋状の溝を設けてもよい。
溝13の断面形状、深さ9幅、ピッチ、等の寸法につい
ては、必要に応じて最適の形状および寸法を自由に選択
、設計することができる。
溝13に充填する充填材15の体積については、溝13
の全容積よりも小さい割合で適宜のものを選択するのが
一般的であるが、軸10.内輪20および充填材15の
材質、軸10と内輪20との嵌合条件、使用時の温度条
件の如何によっては、逆に溝13の全容積よりも大きい
体積をもつ充填材15を充填する場合もある。
なお、充填材15の溝13からの脱落、流出を防止する
ため、溝13には嵌合面内で閉路になるように設けるの
が好ましいが、前述した条件如何によっては、溝13の
端部を嵌合面の外部に開口させ、充填材15が溝13か
らの脱落、流出するようにしてもよい。
上記実施例では、軸10の外周面12に溝13を設けた
場合について説明したが、この溝13は内輪20の内周
側嵌合面21に設けてもよく、軸10の外周面12と内
輪20の内周側嵌合面21との双方に設けてもよい。
第3図は、第2発明および第3発明の実施例を玉軸受に
ついて示したものである。同図の玉軸受は、内輪20.
外輪30および内輪20と外輪30との間で保持器54
に保持案内されて転動する玉53により構成されており
、内輪20は軸1・0に対して取付部材40を介して嵌
合されている。
取付部材40は、軸10に螺着した押さえナツト18に
より軸10のフランジ部16との間で挟着され、内輪2
0は取付部材40に螺着した押さえナツト19により取
付部材40のフランジ部45との間で挟着された状態で
取り付けられている。
玉軸受の内輪20および軸10の材料については、第1
発明の場合と同様に内輪20がセラミックス材、軸10
が鋼材によりそれぞれ構成されている。
取付部材40は、軸10と内輪20との各線膨張係数の
中間値の線膨張係数を有する材料、たとえば、鋳鉄、ニ
ッケル鋼、インバー等により構成するか(第2発明)、
あるいは軸lOと内輪20とのいずれか一方の線膨張係
数とほぼ等しい線膨張係数を有する材料により構成する
(第3発明)。
第2発明においては、第3図に示すように軸10の外周
面12に、たとえば軸心に対して交差する方向と軸方向
との2種類の溝13を組み合わせて設け、溝13の中に
、軸10および内輪20のいずれよりも変形抵抗の小さ
い材料(たとえば合成ゴム、プラスチック等)からなる
充填材15を適宜の容積で充填する。
取付部材40の内周側嵌合面41は、軸lOの外周面1
2の溝13と溝13との間の凸状部分14に、しめじろ
をもって嵌合し、内輪20の内周側嵌合面21は、取付
部材40の外周面42に固く係合させて取り付ける。
あるいは、上記の取付けとは反対に、取付部材40の外
周面42に溝を設け、この溝と溝との間の凸状部分に、
内輪20の内周側嵌合面21をしめじろをもって嵌合し
、取付部材40の内周側嵌合面41は、軸10の外周面
12に固く係合させて取り付けてもよIL、この場合に
溝の中に充填する充填材は、内輪20および取付部材4
0のいずれよりも変形抵抗の小さい材料を用いる。
上記の取付構造において、軸10の外周面12に溝を設
ける代わりに、取付部材40の内周側嵌合面41に溝を
設けるか、またはこれら双方の面に溝を設けてもよく、
また取付部材40の外周面42に溝を設ける代わりに、
内輪20の内周側嵌合面21に溝を設けるか、またはこ
れら双方の面に溝を設けてもよい。
取付部材40と軸10に固(係合させる手段、または内
輪20を取付部材40に固く係合させる手段としては、
嵌合面のしめしろ、ねじ、接着溶着、キー等のうち、適
宜の手段を選択することができる。
第2発明においては、内輪20に負荷された荷重は、取
付部材40を介して軸10に伝達されるが、この玉軸受
を、取付時よりも高温または低温の環境下で運転使用す
る場合、内輪20.取付部材40および軸10の各嵌合
面に作用する応力(嵌合面応力)は次のようになる。
高温状態で運転する場合には、取付部材40と軸10お
よび内輪20との線膨張係数の差により、取付部材40
の軸10および内輪20との各嵌合面には、温度上昇に
応じたしめじろの増加を生じる。しかし、この各嵌合面
のうち、溝13が形成されていない側の嵌合面において
は、取付部材40の線膨張係数が軸10と内輪20との
中間値になっているので、温度上昇によるしめじろの増
加は、取付部材40を介さずに内輪20が軸10に嵌合
されている場合に比べて小さい割合に抑制することがで
きる。また、溝13が形成されている側の嵌合面におい
ては、先の第1発明において説明したところの、内輪2
0と軸10との少なくとも一方の嵌合面に形成した溝1
3による弾性変形作用および溝に充填された充填材15
による荷重一部負担作用と同一の作用が働くから、温度
上昇によるしめじろの増加は、溝13の形成されていな
い場合に比べてはるかに小さく、充填材15が充填され
ていない場合に比べて嵌合面応力の絶対値が減少する。
上記の作用が綜合される結果、嵌合面応力が内輪20の
破壊応力を超えて増大するのを防止することができる。
低温状態で運転する場合には、取付部材40と軸10お
よび内輪20との線膨張係数の差により、取付部材40
の軸10および内輪20との各嵌合面には、温度低下に
応じたしめしろの減少を生じる。しかし、この場合にお
いても前述した高温状態の場合と同じ理由により、嵌合
面応力の減少は、取付部材40が介在しない場合および
溝13が形成されず、かつ充填材15が溝13に充填さ
れていない場合に比べてはるかに小さくなるから、クリ
ープの発生を防止することが可能になる。
第3発明においては、取付部材40の線膨張係数を内輪
20の線膨張係数とほぼ等しくした場合は、第3図に示
したのと同様に、軸10の外周面12に、たとえば軸心
に対して交差する方向と軸方向との2種類の溝13を組
み合わせて設け、溝13の中に、軸IOおよび内輪20
のいずれよりも変形抵抗の小さい材料(たとえば合成ゴ
ム、プラスチック等)からなる充填材15を適宜の容積
で充填する。
取付部材40の内周側嵌合面41は、軸10の外周面1
2の溝13と溝13との間の凸状部分に、しめじろをも
って嵌合し、内輪20の内周側嵌合面21は、取付部材
40の外周面42に固く係合させて取り付ける。
上記とは反対に、取付部材40の線膨張係数を軸10の
線膨張係数とほぼ等しくした場合は、取付部材40の外
周面42に溝を設け、この溝と溝との間の凸状部分に、
内輪20の内周側嵌合面21をしめじろをもって嵌合し
、取付部材40の内周側嵌合面41は、軸10の外周面
12に固く係合させて取り付ける。この場合に溝の中に
充填する充填材は、内輪20および取付部材40のいず
れよりも変形抵抗の小さい材料を用いる。
上記各取付構造において、軸10の外周面12に溝を設
ける代わりに、取付部材40の内周側嵌合面41に溝を
設けるか、またはこれら双方の面に溝を設けてもよく、
また取付部材40の外周面42に溝を設ける代わりに、
内輪20の内周側嵌台面21に溝を設けるか、またはこ
れら双方の面に溝を設けてもよい。
取付部材40または内輪20を、それぞれ軸10または
取付部材40に固く係合させる手段については、第2発
明において説明した手段を適宜選択することができる。
第3発明においては、内輪20に負荷された荷重は、取
付部材40を介して軸10に伝達されるが、この玉軸受
40を、取付時よりも高温または低温の環境下で運転使
用する場合、内輪20、取付部材40および軸10の各
嵌合面に作用する応力(嵌合面応力)は次のようになる
高温状態で運転する場合には、内輪20に負荷された荷
重は、取付部材40と、線膨張係数が取付部材40とほ
ぼ等しい軸10または内輪20のいずれか一方との間で
は、温度上昇によるしめしろの増加はほとんど生じない
から、嵌合面応力が増大することなく伝達される。取付
部材40と、線膨張係数が取付部材40と等しくない軸
10または内輪20のいずれか他方との各嵌合面におい
ては、温度上昇に応じたしめじろの増加を生しる。
しかし、この嵌合面においては、先の第1発明において
説明したところの、少なくとも一方の嵌合面に形成した
溝13による弾性変形作用および溝13に充填された充
填材15による荷重一部負担作用と同一の作用が働くか
ら、温度上昇によるしめしろの増加は、溝13の形成さ
れていない場合に比べてはるかに小さく、充填材15が
充填されていない場合に比べて嵌合面応力の絶対値が減
少する。
上記の作用が綜合される結果、嵌合面応力が内輪20の
破壊応力を超えて増大するのを防止することができる。
低温状態で運転する場合には、内輪20に負荷された荷
重は、取付部材40と、線膨張係数が取付部材40とほ
ぼ等しい軸10または内輪20のいずれか一方との間で
は、温度低下によるしめしろの減少はほとんど生じない
から、嵌合面応力が減少することなく伝達される。取付
部材40と、線膨張係数が取付部材40と等しくない軸
10または内輪20とのいずれか他方との各嵌合面にお
いては、温度低下に応じたしめじろの減少を生じる。
しかし、この場合においても、前述した高温状態の場合
と同じ理由により、嵌合面応力の減少は、取付部材40
が介在しない場合および溝13が形成されず、かつ充填
材15が溝13に充填されていない場合に比べてはるか
に小さくなるから、クリープの発生を防止することが可
能になる。
なお、上記各発明においては、溝に充填された充填材が
嵌合面の一部を形成して荷重の一部を支持する場合につ
いて説明したが、充填材の種類(材質1弾性係数、線膨
張係数)や溝の寸法、相手部材、環状体および取付部材
の各材質との関係によっては、充填材のみによって嵌合
面を形成して荷重の全部を支持するように設計すること
もできるし、高温または低温となる場合に、ある所定の
温度を超えたときに、このような支持を行うように設計
してもよい。
また、上記各発明の実施例においては、転がり軸受の内
輪と軸との取付構造について説明したが、転がり軸受の
外輪と軸箱との取付けについても適用することができ、
また転がり軸受に限らず、カム、歯車、滑り軸受の軸ス
リーブ等と軸との取付けなど、他の環状体とその相手部
材との取付けにも適′用することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、第1発明によれば、相手部材と、
相手部材に取り付けられた環状体との線膨張係数が異な
る場合に、取付時と使用時との温度変化に起因して嵌合
面のしめしろが変化しても、環状体に負荷された荷重は
、嵌合面に設けられた溝と溝との間の凸状部分により相
手部材に伝達されるため、嵌合面応力の変化を凸状部分
の弾性変形によって吸収することができ、さらに嵌合面
の溝に充填された充填材が嵌合面の凸状部分の変形に伴
って溝内に拡がり、嵌合面の少な(とも一部を形成して
荷重の一部を支持するので、凸状部分に負荷される荷重
が軽減されることになる。
このため、高温時における嵌合面応力の増大によって生
じる構成部材の破壊、または低温時における嵌合面応力
の減少ないし消失に伴うクリープによって生じる構成部
材の振動、摩耗を防止することが可能となる。
また、環状体と相手部材との嵌合面に設ける溝の形状1
寸法等の諸元、充填材の種類、量、充填位置等について
は、必要に応じて最適のものとなるように自由に選択、
設計することができ、取付けのための特別な加工を要す
る他の取付部材は一切必要としないので、取付けに熟練
を要せず、正確な心出しが容易にできるだけでなく、単
純な構成でより確実な信軌性の高い取付構造が得られる
第2発明によれば、相手部材と、相手部材に取付部材を
介して取り付けられた環状体との線膨張係数が異なり、
取付部材は相手部材と環状体との線膨張係数の中間の値
を有している場合に、取付時と使用時との温度変化に起
因して相手部材と取付部材との嵌合面、および取付部材
と環状体との嵌合面のしめしろが変化しても、環状体に
負荷された荷重は、取付部材の相手部材および環状体と
の各嵌合面のうち、溝を設けた側の嵌合面においては、
溝と溝との間の凸状部分により伝達されるため、嵌合面
応力の変化は凸状部分の弾性変形によって吸収すること
ができ、さらに嵌合面の溝に充填された充填材が嵌合面
の凸状部分の変形に伴って溝内に拡がり、嵌合面の少な
くとも一部を形成して荷重の一部を支持するので、凸状
部分に負荷される荷重が軽減されることになる。また溝
を設けていない側の嵌合面においては、取付部材と相手
部材または環状体との間の線膨張係数の差が、環状体と
相手部材との線膨張係数の差よりも小さいため、嵌合面
応力の変化が緩和される。
したがって、これらの綜合結果として、高温時における
嵌合面応力の増大によって生じる構成部材の破壊、また
は低温時における嵌合面応力の減少ないし消失に伴うク
リープによって生じる構成部材の振動、摩耗を防止する
ことが可能になるとともに、第1発明において説明した
第2段以降の利点と同一の利点が得られる。
さらに、第2発明によれば、取付部材を介在させである
ため、材料選択や設計の自由度が増大し、より的確で経
済的な設計が可能であるとともに、長期間の使用に伴う
部品交換に際しての対応もより容易になるという利点が
併せて得られる。
第3発明によれば、相手部材と、相手部材に取付部材を
介して取り付けられた環状体との線膨張係数が異なり、
取付部材は相手部材と環状体とのいずれか一方の線膨張
係数とほぼ等しい値を有している場合に、取付時と使用
時との温度変化に起因して相手部材と取付部材との嵌合
面、または取付部材と環状体との嵌合面のしめしろが変
化しても、環状体に負荷された荷重は、取付部材の相手
部材および環状体との各嵌合面のうち、溝を設けた側の
嵌合面においては、溝と溝との間の凸状部分により伝達
されるため、嵌合面応力の変化は凸状部分の弾性変形に
よって吸収することができ、さらに嵌合面の溝に充填さ
れた充填材が嵌合面の凸状部分の変形に伴って溝内に拡
がり、嵌合面の少なくとも一部を形成して荷重の一部を
支持するので、凸状部分に負荷される荷重が軽減される
ことになる。また溝を設けていない側の嵌合面において
は、取付部材と相手部材または環状体との線膨張係数が
ほぼ等しいため、温度変化による嵌合面応力の変化がほ
とんど生じない。したがって、第3発明においても、高
温時における嵌合面応力の増大によって生じる構成部材
の破壊、または低温時における嵌合面応力の減少ないし
消失に伴うクリープによって生じる構成部材の振動、摩
耗を防止することが可能になるとともに、第1発明にお
いて説明した第2段以降の利点および第2発明において
説明した最終段の利点が併せて得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1発明を円筒ころ軸受に適用した実施例を
示す上半部縦断側面図、第2図(a)、 (b)は、そ
れぞれ溝の他の配置例を示す側面図、第3図は、第2発
明および第3発明を玉軸受に適用した実施例を示す上半
部縦断側面図、第4図は従来の円筒ころ軸受の取付構造
を示す縦断側面図である。 図中、lOは軸(相手部材)、12は軸の外周面、13
は溝、15は充填材、20は内輪(環状体)、21は内
輪の内周側嵌合面、40は取付部材、41.42はそれ
ぞれ取付部材の内周側嵌合面、外周面である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)相手部材とは異なる線膨張係数を有する環状体が
    相手部材の外周または内周に嵌合され、相手部材と環状
    体との少なくとも一方の嵌合面に、任意方向に形成した
    少なくとも一種の溝が設けられ、この溝の少なくとも一
    部分に、相手部材および環状体のいずれよりも変形抵抗
    の小さい充填材が設けられていることを特徴とする環状
    体の取付構造。
  2. (2)相手部材と、相手部材とは異なる線膨張係数を有
    し、相手部材の外周または内周に取り付けられる環状体
    との間に、相手部材と環状体との各線膨張係数の中間値
    の線膨張係数を有する取付部材が介在して嵌合され、取
    付部材と環状体との嵌合面および取付部材と相手部材と
    の嵌合面のいずれか一方を係合手段により固く係合し、
    いずれか他方の少なくとも一方の嵌合面に、任意方向に
    形成した少なくとも一種の溝が設けられ、取付部材と相
    手部材との嵌合面に設けた溝は、少なくともその一部分
    に、取付部材および相手部材のいずれよりも変形抵抗の
    小さい充填材が充填され、取付部材と環状体との嵌合面
    に設けた溝は、少なくともその一部分に、取付部材およ
    び環状体のいずれよりも変形抵抗の小さい充填材が充填
    されていることを特徴とする環状体の取付構造。
  3. (3)相手部材と、相手部材とは異なる線膨張係数を有
    し、相手部材の外周または内周に取り付けられる環状体
    との間に、相手部材と環状体とのいずれか一方の線膨張
    係数とほぼ等しい線膨張係数を有する取付部材が介在し
    て嵌合され、線膨張係数がほぼ等しい取付部材と相手部
    材または環状体との嵌合面は係合手段により固く係合し
    、線膨張係数が等しくない取付部材と環状体または相手
    部材との少なくとも一方の嵌合面に、任意方向に形成し
    た少なくとも一種の溝が設けられ、取付部材と相手部材
    との嵌合面に設けた溝は、少なくともその一部分に、取
    付部材および相手部材のいずれよりも変形抵抗の小さい
    充填材が充填され、取付部材と環状体との嵌合面に設け
    た溝は、少なくともその一部分に、取付部材および環状
    体のいずれよりも変形抵抗の小さい充填材が充填されて
    いることを特徴とする環状体の取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10300611B4 (de) * 2003-01-10 2012-03-29 Geräte- und Pumpenbau GmbH Dr. Eugen Schmidt Merbelsrod Lageranordnung

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JPS62108622U (ja) * 1985-12-27 1987-07-11
JPS63254225A (ja) * 1987-04-13 1988-10-20 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd セラミツク軸受
JPH0177136U (ja) * 1987-11-11 1989-05-24

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