JPH0238713A - すきま補正装置付転がり軸受 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、軸受とハウジングとの間に、すきま補正装置
を取付けた転がり軸受に関し、転がり軸受の使用中の温
度の影響による軸方向のすきまないしは予圧の変化を、
確実に補正するようにしたものである。

〔従来の技術〕

一般に、転がり軸受は、外輪をハウジングに取付け、内
輪を軸に取付けて使用するが、軸受を組付ける機械、装
置によっては、ハウジングと軸とが線膨張係数の異なる
材料によって形成されたものが使用されている。

この種の軸受の一例を第５図に示す。これは、自動車用
変速機に用いた例である。軽量化のために、ハウジング
（ギヤボックス）１の材質をアルミ合金にしている。こ
の、ハウジング１と歯車２を取付けた浸炭鋼からなる軸
３との間に、２個の単列の円すいころ軸受４，４を正面
を向い合わせに組み込んだ組合わせ型の軸受である。各
円すいころ軸受４の外輪５は、ハウジングｌに緩い嵌め
合いで取付けられた静止側の軌道輪であり、内輪６は軸
３に強固な嵌め合いで取付けられた回転側の軌道輪であ
る。外輪５と内輪６との間には、保持器７付の円すいこ
ろ８が介装されている。

しかして、組合わせた２個の軸受４，４のうちの一方の
軸受の外輪５は、その背面（肉厚側端面）をハウジング
１の底部ＩＡの内面１ａに当接させることにより位置決
めされている。他方の軸受の外輪５は、その背面〔肉厚
側端面〕をハウジング１の開口部ＩＢ側の内面１ｂに当
接させることにより位置決めされている。また内輪６は
、その対向面（肉厚側端面）を軸３に設けられた段部３
Ａの面に当接させることにより、両軸受４，４相互間の
軸方向の間隔を規制している。且つそれぞれの軸受にお
いて、外輪５および内輪６と、円すいころ８との間には
、一定の予め設定された軸方向のすきまが与えられた状
態になっている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のように、自動車変速機の場合は、アルミ合金材の
ハウジングｌと鉄鋼材の軸３とに組み合わせて転がり軸
受４が取付けられている。その場合、ハウジング１の線
膨張係数が軸３の線膨張係数よりも太きいため、軸受の
使用中に温度が変化すると、ハウジング１の軸方向のす
きま又は予圧が常に変化する。

すなわち、組付は時おけるアルミ合金製のハウジング１
側の軸受間距離Ｌ１の寸法変化量ΔＬ１と、これに対応
する軸３の長さＬ２との関係は１ΔＬｌｌ＞ＩΔＬＸ　
　１ となる。

その結果、組付は時のＬ＋　とＬ２との関係が崩れてし
まい、その差１ΔＬ、−ΔＬ２　１分の軸受すきまの増
減を招く。転がり軸受である円すいころ軸受４を正面組
み合わせで使用したときは、低温時には予圧が加わる方
向に、高温時に逆にすきまが大きくなる方向に変化する
。この温度変化による軸方向のすきま又は予圧の変化は
、ハウジング１と軸３との線膨張係数の差が大きい程、
又軸受間距離Ｌ１が長い程、大きい。

このような軸受すきまや予圧の変動で、低温時は回転軸
３の回転トルクが過大となり、これに起因する不具合が
発生する。また、高温時は回転軸３のガタつきに伴い歯
車２等の騒音が大きくなる。

勿論、転がり軸受４の転がり疲れ寿命も影響を受ける。

従来は、その防止対策として、ハウジング内面と軸受外
輪の端面との間にスペーサとしての皿ばねや波形ばね（
実開昭５７−５５５３６）、波板ばね（実公昭６０−４
９５）　、コイルばね（実開昭５８−６１９２２）等を
介挿して軸方向すきまの変化を吸収するものがある。ま
た、ハウジング内面と軸受外輪の端面との間にスペーサ
としで、線膨張係数が異なる２種の金属リングを組み合
わせて介挿したもの（特公昭３９−２９３８１、実開昭
５８−１２２０１７）がある。或いはまた、ハウジング
と軸受の軌道輪の端面との間に、温度変化による軸受す
きまの変化量を補償する形状を予め記憶させた形状記憶
合金からなるスペーサを組み込んだもの（特開昭６ｌ−
１５３２９０）等が提案されている。

しかし、これら従来のすきま調整手段はアキシャル荷重
を受けると変形してしまい、所期の効果が得られないと
いう問題点があった。

そこで、本発明は、ハウジングおよび軸の構成材料より
も大きな線膨張係数を有する弾性物質（以下、弾性心材
という）に着目し、その弾性心材の形状を円錐面を有す
る環状体としたすきま補正装置を備えた転がり軸受を提
供することにより、上記の問題点を解決することを目的
としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本発明は、回転軸を支承した
転がり軸受と、その回転軸より線膨張係数が大きいハウ
ジングとの間に介装されて使用されるすきま補正装置を
有する転がり軸受において、前記すきま補正装置は、前
記ハウジングの線膨張係数より大きい線膨張係数を有す
る環状体であってその内外周面のうち少なくとも一面が
テーパ状の円錐面である弾性心材と、該弾性心材とは異
なる線膨張係数を存して弾性心材の内周面及び外周面に
それぞれ密着させた押え部材とを備え、軸受をハウジン
グに組付けた状態で、弾性心材がハウジングと押え部材
と軸受に囲まれて密封されるように構成した。

〔作用〕

本発明の転がり軸受のあっては、すきま補正装置におけ
る弾性心材は、ハウジングと軸との成形材料の線膨張係
数が異なる場合において、温度変動により軸方向のすき
まや予圧が設定量に対して正または負の方向に変化した
とき、次のように作動する。

ｆｌ、ｌ　　高温時には、アルミ合金製のハウジングが
鋼製の軸より大きく膨張して、軸受すきまが大きくなる
。そのため、軸受に設定量を越える正の軸方向のすきま
の変化が生じる。そのとき、弾性心材はハウジングより
更に大きく膨張する。この弾性心材は、軸方向にテーバ
状の円錐面を有して、ハウジング、押え部材５軸受に囲
まれ密封されている。これにより、弾性心材の体積膨張
に伴う半径方向への拡張力は、上類円錐面で押さえこま
れると共に、その円錐面の斜面作用で軸方向への拡張力
に転換される。この軸方向拡張力は、テーバ状の円錐面
がない場合のそれに比べて極めて大きなものであり、単
なる線膨張にのみ基づく軸方向の伸び量の不足分を十分
に補うことができる。その結果、はめあいが緩い側の軌
道輪を軸方向のすきまを減少させる方向に移動させ、熱
膨張で発生した、設定量を越える正の軸方向の軸受すき
まが、補正される。

テーバ状の円錐の傾斜角αを種々変えることにより、上
記軸受すきまの補正量を変えることが可能であり、軸受
間距離り、が長くても、すきま補正が十分に行える。

（２）低温時には、アルミ合金製のハウジングが縮小し
て軸受すきまが小さくなり、軸受にスラスト荷重や予圧
が加わることになるが、より線膨張係数の大きい弾性心
材により緩和される。

（３）　　アキシャル荷重を受けてもすきま補正装置が
変形しない。

〔実施例〕

以下１本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお
従来と同一または相当部分には同一記号を付しである。

第１図は本発明の第１実施例である。回転軸３の軸端側
に装着される軸受４の外輪５に、一体的にすきま補正装
置を取付けたものを示している。

この実施例のすきま補正装置１０は、弾性心材１１が例
えばふっ素ゴムを材料として肉厚円環状に成形されてい
る。その線膨張係数は、浸炭鋼からなる軸３、および、
アルミ合金製のハウジング１より大きい。そしてこの弾
性心材１工の外周面は、所定角度の傾斜角αを与えたテ
ーバ状の円錐面１２として形成されている。一方、その
内周面は円筒面１３である。

弾性心材１１の軸方向の幅Ｗは、上記傾斜角αとの関連
において、次のように形成される。すなわち、その幅Ｗ
の温度変化による増減ΔＷが、当該温度変化に応じたハ
ウジング１例の軸受間距離Ｌ１０寸法変化量ΔＬ１と、
これに対応する軸の長さＬ２の寸法変化量ΔＬｔとの差
１ΔＬ、−ΔＬ、１分に略等しくなるように算定されて
いる。

弾性心材１１の外周のテーバ状の円錐面１２と頂面１４
には、外周押え部材１５が当接している。

この外周押え部材１５は、横断面略し字状の肉厚円環で
あるが、弾性心材１１のテーバ状の円錐面１２に当接す
る内周面は傾斜角αの円錐面を有し、線膨張係数の大き
い金属であるアルミ合金製である。また、弾性心材１１
の内周の円筒面１３と低面１６には、内周押え部材１７
が加硫接着などの方法で一体的に接着されている。この
内周押え部材１７は、横断面り字状のアルミ合金製円環
である。但し、この実施例の外周押え部材１５と内周押
え部材１７は別体である。

なお、弾性心材１１及び外周押え部材１５におけるテー
バ状の円錐の傾斜角αを種々変えることにより、上記軸
受すきまの補正量を変えることが可能であり、軸受間距
離Ｌｌが長くても、すきま補正が十分に行える。

このように形成されたすきま補正装置１０を、軸受４と
共にハウジング１に組付けた状態では、第１図に示され
るように、弾性心材１１がハウジングｌと押え部材１５
．１７と軸受４に囲まれて密封される。外周押え部材１
５の外面は、ハウジング１の軸方向の係止面１ａ及び内
周面１ｃに係合する。内周押え部材１７の外面は外輪５
の肉厚側端面５ａに係合する。

そして、この段部１５に前記補強板１２の保合部１４を
嵌合し、固着することで、軸受４の外輪５に、一体的に
すきま補正装置１０が取付けられた構成になっている。

次に作用を説明する。

すきま補正装置１０の弾性心材１１は、外周押え部材１
５．内周押え部材１７及びハウジング１の内周面１ｃに
より囲まれて密着した状態で拘束されている。したがっ
て、温度変化による弾性心材１１の膨張・収縮に際して
、その体積変化が全て軸方向に集中し、幅Ｗの変化とし
てのみ出現する。

このすきま補正装置付転がり軸受の使用中に温度が上昇
し、高温になると、ハウジングｌの軸受間距離り、の伸
びΔＬ、が軸３の軸受間距離Ｌ２の伸びΔＬ２よりも大
きくなる。よって、軸受の外輪５が内輪６よりも軸方向
外側にΔＬ＋　−ΔＬ２分だ大きく変位して、設定量を
越える正の軸方向のすきまが大きくなる９そのため、軸
受４に設定量を越える正の軸方向のすきまの変化が生じ
る。

そのとき、弾性心材１１はハウジング１より更に大きく
膨張する。この弾性心材１１は、軸方向にテーバ状の円
錐面１２を有して密封されている。

これにより、弾性心材１１の体積膨張に伴う半径方向へ
の拡張力は、上記円錐面１２の斜面作用で軸方向への拡
張力に転換される。この軸方向拡張力は、テーバ状の円
錐面１２がない場合のそれに比べて極めて大きなもので
あり、単なる線膨張にのみ基づく軸方向の伸び量の不足
分を十分に補うことができる。その結果、はめあいが緩
い側の軌道輪である外輪５を軸方向のすきまを減少させ
る方向に移動させる。かくして、熱膨張で発生した正の
軸方向の過大な軸受すきまは完全に補正される。

テーバ状の円錐面１２の傾斜角αを種々変えることによ
り、上記軸受すきまの補正量を変えることが可能であり
、軸受間距離Ｌ１が長くても、すきま補正が十分に行え
る。

また、軸受の使用中に温度が高温から低温になると、ア
ルミ合金製のハウジング１が縮小して軸受すきまが小さ
くなり、軸受４にスラスト荷重や予圧が加わることにな
るが、線膨張係数の大きい弾性心材ＩＩにより緩和され
る。すなわち、すきま補正装置１０の弾性心材１１の軸
方向の幅Ｗが縮小し、外輪５を軸方向外側に移動させて
組付は時の原位置に戻す。

更に、すきま補正装置１０は、アキシャル荷重を受けて
も変形しない。

第２図は、本発明の第２実施例の要部を示すものである
。すきま補正装置２０と外輪５との係合構造が上記第１
実施例とは異なっている。すなわち、すきま補正装置２
０における弾性心材１１の内周押え部材２１は、円すい
ころ軸受４の外輪５と一体に形成しである。

部品点数が第１実施例のものより少なくなる利点がある
。その他の構成１作用、効果は第１実施例と同様である
。

第３区は、本発明の第３実施例の要部を示すものである
。

この実施例の弾性心材３１は、その外周面３２をテーバ
状の円錐面として形成すると共に、その内周面３３を逆
テーバ状の円錐面として形成している。更に又、弾性心
材３１の押え部材は、第１図における外周押え部材１５
と内周押え部材１７とを一体化した構成の内外周押え部
材３４として形成している。

第１図のものより部品点数が少なくなり、且つ斜面作用
が倍加される利点がある。その他の構成作用、効果は第
１実施例と同様である。

第４図は、本発明の第４実施例の要部を示すものである
。

この実施例のすきま補正装置４０は、円すいころ軸受４
のはめあいの緩い側の軸受軌道輪である外輪４１自体で
、弾性心材４２の外周押え部材を兼用させる構成とした
点が、第１〜第３の各実施例と異なっている。

すなわち、弾性心材４２の外周面は、逆テーパ状の円錐
面４３として形成しである。そして、この逆テーパ状の
円錐面４３の押え部が、外輪４Ｉに一体的に形成しであ
る。弾性心材４２の内周押え部材４４は、横断面り字状
の円環体である。

この実施例によればすきま補正装置の構造が簡単になる
利点がある。その他の作用効果については、特に異なる
点はない。

なお、本発明は、前記各実施例で説明した円すいころ軸
受に限定されるものではなく、その他例えば玉軸受、外
輪と内輪との少なくとも一方に案内つばを有する円筒こ
ろ軸受などの転がり軸受についても、適用することがで
きる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、すきま補正装置
は回転軸およびハウジングの線膨張係数より大なる線膨
張係数を有すると共に、内外周面のうち少なくとも一面
がテーパ状の円錐面である弾性心材と、その弾性心材と
は異なる線膨張係数を有して弾性心材の内周面及び外周
面にそれぞれ密着させた押え部材とを備え、軸受をハウ
ジングに組付けた状態で、弾性心材がハウジングと押え
部材と軸受に囲まれて密封されるように構成した。

そのため、次のような効果が得られる。

■　すきま補正装置の弾性心材の体積変化は、円錐面の
斜面作用で軸方向への拡張力に転換される。

この軸方向拡張力は、テーパ状の円錐面がない場合のそ
れに比べて極めて大きなものであり、単なる線膨張にの
み基づく軸方向の伸び量の不足分を十分に補うことがで
きる。その結果、はめあいが緩い側の軌道輪を軸方向の
すきまを減少させる方向に移動させ、熱膨張で発生した
設定量を越える正の軸方向の軸受すきまが補正できる。

■　テーパ状の円錐面の傾斜角αを種々変えることによ
り、上記軸受すきまの補正量を適宜に変えることが可能
であり、軸受間距離り、が長くても、すきま補正が十分
に行える。

■　アキシャル荷重を受けてもすきま補正装置が変形し
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の要部の縦断側面図、第２
図は本発明の第２実施例の要部の拡大縦断側面図、第３
図は本発明の第３実施例の要部の縦断側面図、第４図は
本発明の第４実施例の要部の拡大縦断側面図１．第５図
はすきま補正装置を有しない従来の円すいころ軸受の一
例を示す縦断側面図である。 ■はハウジング、３は回転軸、４は（転がり）軸受、５
は外輪、６は内輪、１０，２０．３０４０はすきま補正
装置、１１，３１．４２は弾性心材、！２．３２．３３
．４３はテーパ状の円錐面、１５．１７，２１，３４．
４４は押え部材。 第１図 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）回転軸を支承した転がり軸受と、その回転軸より
   線膨張係数が大きいハウジングとの間に介装されて使用
   されるすきま補正装置を有する転がり軸受において、 前記すきま補正装置は、前記ハウジングの線膨張係数よ
   り大きい線膨張係数を有する環状体であってその内外周
   面のうち少なくとも一面がテーパ状の円錐面である弾性
   心材と、該弾性心材とは異なる線膨張係数を有して弾性
   心材の内周面及び外周面にそれぞれ密着させた押え部材
   とを備え、軸受をハウジングに組付けた状態で、弾性心
   材がハウジングと押え部材と軸受に囲まれて密封される
   ように構成したことを特徴とするすきま補正装置付転が
   り軸受。