JP2782852B2 - 内輪の取付構造 - Google Patents

内輪の取付構造

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JP2782852B2 JP1277991A JP27799189A JP2782852B2 JP 2782852 B2 JP2782852 B2 JP 2782852B2 JP 1277991 A JP1277991 A JP 1277991A JP 27799189 A JP27799189 A JP 27799189A JP 2782852 B2 JP2782852 B2 JP 2782852B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、たとえば転がり軸受、滑り軸受の内輪
を、それとは線膨張係数の異なる材料からなる軸に取り
付けて、高温または低温で使用する場合に、伝達荷重お
よび熱応力の増大による内輪の破損を防止した取付構造
に関する。
〔従来の技術〕
従来、たとえば転がり軸受とこれを取り付ける相手部
材との線膨張係数が相違する場合の取付構造に関する報
文が、LUBRICATION ENGINEERIG 1981年7月号の407〜41
5頁に掲載されている。
この転がり軸受は、第2図に示すように、軸1に取り
付けられた内輪2と、図示を省略した軸箱に取り付けら
れた外輪3との間に、保持器6付きの円筒ころ5が配設
されており、軸1は鋼材により、内輪2はセラミックス
材により作られている。内輪2の軸方向の両側端面は中
心軸線に対して外開きに拡径するテーパ面であって、軸
1にすきまばめにより嵌合されている。この内輪2の両
面端面は、軸1にしまりばめにより嵌合された鋼材から
なる一対の間座4によって挾着されており、軸1や間座
4が熱膨張したときに、内輪2と間座4とが挾着面上で
相対的に摺動することによって過大な負荷が作用しない
ようにしてある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の転がり軸受においては、軸受に負荷される荷重
は内輪2の両側端面のくさび作用により拡大されて間座
4に伝達されるため、内輪2の両側端面における接触面
圧が著しく増大して摩耗,破損したり、負荷荷重が限界
に達して破壊するなどの不都合が生じることがあり、負
荷荷重の上限値が小さい値に制約されるという問題があ
る。
また、内輪2と間座4とを軸1に組み付けるに当たっ
て、すきまばめにより嵌合されている内輪2と、しまり
ばめにより勘合されている間座4との間で相対滑りが生
じるため、正確な心出しが困難であって組付け作業に熟
練を要し、作業性の点でも支障がある。
この発明は上記の問題を解決して、軸とは異なる線膨
張係数を有する内輪の運転使用中に、内輪の摩耗,破損
等が生じ難く、また軸に対して内輪の正確な組付けが容
易にできる取付構造を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、第1発明においては、軸
と、軸とは異なる線膨張係数を有し、軸の外周に取り付
けられる内輪との間に、軸と内輪との各線膨張係数の中
間値の線膨張係数を有する取付部材が介在して嵌合され
る構造であって、取付部材と内輪との嵌合面および取付
部材と軸との嵌合面のいずれか一方を係合手段により固
く係合し、いずれか他方の少なくとも一方の嵌合面に、
任意方向に形成した少なくとも一種の溝を設け、取付部
材との嵌合面に設けた溝は、少なくともその一部分に、
取付部材および軸のいずれよりも変形抵抗の小さい充填
材を充填し、取付部材と内輪との嵌合面に設けた溝は、
少なくともその一部に、取付部材および内輪のいずれよ
りも変形抵抗の小さい充填材を充填してある。
第2発明においては、軸と、軸とは異なる線膨張係数
を有し、軸の外周に取り付けられる内輪との間に、軸と
内輪とのいずれか一方の線膨張係数とほぼ等しい線膨張
係数を有する取付部材が介在して嵌合される構造であっ
て、線膨張係数がほぼ等しい取付部材と軸または内輪と
の嵌合面は係合手段により固く係合し、線膨張係数が等
しくない取付部材と内輪または軸との少なくとも一方の
嵌合面に、任意方向に形成した少なくとも一種の溝を設
け、取付部材と軸との嵌合面に設けた溝は、少なくとも
その一部分に、取付部材および軸のいずれよりも変形抵
抗の小さい充填材を充填し、取付部材と内輪との嵌合面
に設けた溝は、少なくともその一部分に、取付部材およ
び内輪のいずれよりも変形抵抗の小さい充填材を充填し
てある。
〔作用〕
第1発明においては、軸に取付部材を介して取り付け
られた内輪は、内輪に負荷された荷重を、取付部材を介
して軸に伝達するが、軸と取付部材との少なくとも一方
の嵌合面に溝が設けられている場合は、取付部材から軸
への荷重伝達は嵌合面の溝と溝との間の凸状部分により
行われ、取付部材と内輪との少なくとも一方の嵌合面に
溝が設けられている場合は、内輪から取付部材への荷重
伝達は嵌合面の溝と溝との間の凸状部分により行われ
る。
内輪の取付時と運転使用時との間で温度変化が生じた
場合、線膨張係数の差により、取付部材の軸および内輪
との各嵌合面のしめしろが変化するが、このしめしろの
変化は、取付部材と軸または内輪のいずれか一方の部材
との嵌合面においては、その少なくとも一方の面に設け
てある凸状部分の弾性変形量が変化することによって吸
収され、しかも溝に充填された変形抵抗の小さい充填材
が嵌合面の一部を形成して負荷された荷重を伝達するた
め、嵌合面の凸状部分の負荷荷重が軽減される。また、
取付部材と軸または内輪のいずれか他方の部材との嵌合
面においては、取付部材が軸と内輪との中間値の線膨張
係数を有しているため、内輪が軸に直接嵌合されている
場合に比べて、しめしろの変化が軽減される。これらの
相乗作用により、嵌合面応力の増大,減少は最小限度に
抑制される。
第2発明においては、軸に取付部材を介して取り付け
られた内輪は、内輪に負荷された荷重を、取付部材を介
して軸に伝達する。
この場合において、取付部材の線膨張係数が軸のそれ
とほぼ等しいときは、内輪から取付部材への荷重伝達
は、内輪と取付部材との少なくとも一方の嵌合面に設け
てある溝と溝との間の凸状部分により行われ、取付部材
の線膨張係数が内輪のそれとほぼ等しいときは、取付部
材から軸への荷重伝達は、取付部材と軸との少なくとも
一方の嵌合面に設けてある溝と溝との間の凸状部分によ
り行われる。
内輪の取付時と運転使用時との間で温度変化が生じた
場合、取付部材の軸および内輪との各嵌合面のうち、取
付部材の線膨張係数とは異なるいずれか一方の部材との
嵌合面においては、しめしろが変化するが、このしめし
ろの変化は、その嵌合面の少なくとも一方の面に設けて
ある凸状部分の弾性変形量が変化することによって吸収
され、しかも溝に充填された変形抵抗の小さい充填材が
嵌合面の一部を形成して負荷された荷重を伝達するた
め、嵌合面の凸状部分の負荷荷重が軽減される。また、
取付部材の線膨張係数とほぼ等しいいずれか他方の部材
との嵌合面においては、しめしろの変化はほとんど生じ
ない。これらの相乗作用により嵌合面応力の増大,減少
は最小限度に抑制される。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、この発明の実施例を玉軸受について示した
ものである。同図の玉軸受は、内輪20,外輪30および内
輪20と外輪30との間で保持器54に保持案内されて転動す
る玉53により構成されており、内輪20は軸10に対して取
付部材40を介して嵌合されている。取付部材40は、軸10
に螺着した押さえナット18により軸10のフランジ部16と
の間で挾着され、内輪20は取付部材40に螺着した押さえ
ナット19により取付部材40のフランジ部45との間で挾着
された状態で取り付けられている。
玉軸受の内輪20および軸10の材料については、内輪20
がセラミックス材、軸10が鋼材によりそれぞれ構成され
ている。
取付部材40は、軸10と内輪20との各線膨張係数の中間
値の線膨張係数を有する材料、たとえば、鋳鉄,ニッケ
ル鋼,インバー等により構成するか(第1発明)、ある
いは軸10と内輪20とのいずれか一方の線膨張係数とほぼ
等しい線膨張係数を有する材料により構成する(第2発
明)。
第1発明においては、軸10の外周面12に、たとえば軸
心に対して交差する方向と軸方向との2種類の溝13を組
み合わせて設け、溝13の中に、軸10および内輪20のいず
れよりも変形抵抗の小さい材料(たとえば合成ゴム,プ
ラスチック等)からなる充填材15を適宜の容積で充填す
る。
溝13の断面形状,深さ,幅,ピッチ,等の寸法につい
ては、必要に応じて最適の形状および寸法を自由に選
択,設計することができる。
溝13に充填する充填材15の体積については、溝13の全
容積よりも小さい割合で適宜のものを選択するのが一般
的であるが、軸10,内輪20および充填材15の材質,軸10
と内輪20との嵌合条件、使用時の温度条件の如何によっ
ては、逆に溝13の全容積よりも大きい体積をもつ充填材
15を充填する場合もある。
なお、充填材15の溝13からの脱落,流出を防止するた
め、溝13には嵌合面内で閉路になるように設けるのが好
ましいが、前述した条件如何によっては、溝13の端部を
嵌合面の外部に開口させ、充填材15が溝13からの脱落,
流出するようにしてもよい。
取付部材40の内周側嵌合面41は、軸10の外周面12の溝
13と溝13との間の凸状部分14に、しめしろをもって嵌合
し、内輪20の内周側嵌合面21は、取付部材40の外周面42
に固く係合させて取り付ける。
あるいは、上記の取付けとは反対に、取付部材40の外
周面42に溝を設け、この溝と溝との間の凸状部分に、内
輪20の内周側嵌合面21をしめしろをもって嵌合し、取付
部材40の内周側嵌合面41は、軸10の外周面12に固く係合
させて取り付けてもよい。この場合に溝の中に充填する
充填材は、内輪20および取付部材40のいずれよりも変形
抵抗の小さい材料を用いる。
上記の取付構造において、軸10の外周面12に溝を設け
る代わりに、取付部材40の内周側嵌合面41に溝を設ける
か、またはこれら双方の面に溝を設けてもよく、また取
付部材40の外周面42に溝を設ける代わりに、内輪20の内
周側嵌合面21に溝を設けるか、またはこれら双方の面に
溝を設けてもよい。
取付部材40と軸10に固く係合させる手段、または内輪
20を取付部材40に固く係合させる手段としては、嵌合面
のしめしろ,ねじ,接着,溶着,キー等のうち、適宜の
手段を選択することができる。
第1発明においては、内輪20に負荷された荷重は、取
付部材40を介して軸10に伝達されるが、この玉軸受を、
取付時よりも高温または低温の環境下で運転使用する場
合、内輪20,取付部材40および軸10の各嵌合面に作用す
る応力(嵌合面応力)は次のようになる。
高温状態で運転する場合には、取付部材40と軸10およ
び内輪20との線膨張係数の差により、取付部材40の軸10
および内輪20との各嵌合面には、温度上昇に応じたしめ
しろの増加を生じる。しかし、この各嵌合面のうち、溝
13が形成されていない側の嵌合面においては、取付部材
40の線膨張係数が軸10と内輪20との中間値になっている
ので、温度上昇によるしめしろの増加は、取付部材40を
介さずに内輪20が軸10に嵌合されている場合に比べて小
さい割合に抑制することができる。また、溝13が形成さ
れている側の嵌合面においては、取付部材40と内輪20及
び軸10との少なくとも一方の嵌合面に形成した溝13によ
る弾性変形作用および溝に充填された充填材15による荷
重一部負担作用が働くから、温度上昇によるしめしろの
増加は、溝13の形成されていない場合に比べてはるかに
小さく、充填材15が充填されていない場合に比べて嵌合
面応力の絶対値が減少する。
すなわち、溝13が形成されている側の嵌合面は、溝13
が設けられていない場合に比べて荷重に対する弾性変形
量がはるかに大きく、あたかも見掛け上、ばね定数が小
さくなったのと同様の状態になっている。したがって、
温度上昇によりしめしろが増大しても、これによる嵌合
面応力の増大は、溝13が設けられていない場合に比べて
はるかに小さくなる。
さらに、温度上昇による嵌合面のしめしろの増大に伴
って、隣接する溝13の間の凸状部分14が変形していく
と、溝13に充填されている充填材15は、変形抵抗が取付
部材40と軸10および内輪20のいずれよりも小さいため、
溝13との間の空間をしだいに占有して充満し、嵌合面同
士が相接して内輪20の荷重の一部を支持するようにな
る。このため、凸状部分14は、溝13のない場合に比べて
見掛け上の有効受圧面積が減少したことによる嵌合面応
力の増加を打ち消すように作用するので、嵌合面応力の
絶対値が減少することになる。
上記の作用が綜合される結果、嵌合面応力が内輪20の
破壊応力を超えて増大するのを防止することができる。
低温状態で運転する場合には、取付部材40と軸10およ
び内輪20との線膨張係数の差により、取付部材40の軸10
および内輪20との各嵌合面には、温度低下に応じたしめ
しろの減少を生じる。しかし、この場合においても前述
した高温状態の場合と同じ理由により、嵌合面応力の減
少は、取付部材40が介在しない場合および溝13が形成さ
れず、かつ充填材15が溝13に充填されていない場合に比
べてはるかに小さくなるから、クリープの発生を防止す
ることが可能になる。
第2発明においては、取付部材40の線膨張係数を内輪
20の線膨張係数とほぼ等しくした場合は、軸10の外周面
12に、たとえば軸心に対して交差する方向と軸方向との
2種類の溝13を組み合わせて設け、溝13の中に、軸10お
よび内輪20のいずれよりも変形抵抗の小さい材料(たと
えば合成ゴム,プラスチック等)からなる充填材15を適
宜の容積で充填する。
取付部材40の内周側嵌合面41は、軸10の外周面12の溝
13と溝13との間の凸状部分に、しめしろをもって嵌合
し、内輪20の内周側嵌合面21は、取付部材40の外周面42
に固く係合させて取り付ける。
上記とは反対に、取付部材40の線膨張係数を軸10の線
膨張係数とほぼ等しくした場合は、取付部材40の外周面
42に溝を設け、この溝と溝との間の凸状部分に、内輪20
の内周側嵌合面21をしめしろをもって嵌合し、取付部材
40の内周側嵌合面41は、軸10の外周面12に固く係合させ
て取り付ける。この場合に溝の中に充填する充填材は、
内輪20および取付部材40のいずれよりも変形抵抗の小さ
い材料を用いる。
上記各取付構造において、軸10の外周面12に溝を設け
る代わりに、取付部材40の内周側嵌合面41に溝を設ける
か、またはこれら双方の面に溝を設けてもよく、また取
付部材40の外周面42に溝を設ける代わりに、内輪20の内
周側嵌合面21に溝を設けるか、またはこれら双方の面に
溝を設けてもよい。
取付部材40または内輪20を、それぞれ軸10または取付
部材40に固く係合させる手段については、第1発明にお
いて説明した手段を適宜選択することができる。
第2発明においては、内輪20に負荷された荷重は、取
付部材40を介して軸10に伝達されるが、この玉軸受40
を、取付時よりも高温または低温の環境下で運転使用す
る場合、内輪20、取付部材40および軸10の各嵌合面に作
用する応力(嵌合面応力)は次のようになる。
高温状態で運転する場合には、内輪20に負荷された荷
重は、取付部材40と、線膨張係数が取付部材40とほぼ等
しい軸10または内輪20のいずれか一方との間では、温度
上昇によるしめしろの増加はほとんど生じないから、嵌
合面応力が増大することなく伝達される。取付部材40
と、線膨張係数が取付部材40と等しくない軸10または内
輪20のいずれか他方との各嵌合面においては、温度上昇
に応じたしめしろの増加を生じる。しかし、この嵌合面
においては、第1発明において説明したところの、少な
くとも一方の嵌合面に形成した溝13による弾性変形作用
および溝13に充填された充填材15による荷重一部負担作
用と同一の作用が働くから、温度上昇によるしめしろの
増加は、溝13の形成されていない場合に比べてはるかに
小さく、充填材15が充填されていない場合に比べて嵌合
面応力の絶対値が減少する。
上記の作用が綜合される結果、嵌合面応力が内輪20の
破壊応力を超えて増大するのを防止することができる。
低温状態で運転する場合には、内輪20に負荷された荷
重は、取付部材40と、線膨張係数が取付部材40とほぼ等
しい軸10または内輪20のいずれか一方との間では、温度
低下によるしめしろの減少はほとんど生じないから、嵌
合面応力が減少することなく伝達される。取付部材40
と、線膨張係数が取付部材40と等しくない軸10または内
輪20とのいずれか他方との各嵌合面においては、温度低
下に応じたしめしろの減少を生じる。
しかし、この場合においても、前述した高温状態の場
合と同じ理由により、嵌合面応力の減少は、取付部材40
が介在しない場合および溝13が形成されず、かつ充填材
15が溝13に充填されていない場合に比べてはるかに小さ
くなるから、クリープの発生を防止することが可能にな
る。
なお、上記各発明においては、溝に充填された充填材
が嵌合面の一部を形成して荷重の一部を支持する場合に
ついて説明したが、充填材の種類(材質,弾性係数,線
膨張係数)や溝の寸法、軸、内輪および取付部材の各材
質との関係によっては、充填材のみによって嵌合面を形
成して荷重の全部を支持するように設計することもでき
るし、高温または低温となる場合に、ある所定の温度を
超えたときに、このような支持を行うように設計しても
よい。
〔発明の効果〕 以上説明したように、第1発明によれば、軸と、軸に
取付部材を介して取り付けられた内輪との線膨張係数が
異なり、取付部材は軸と内輪との線膨張係数の中間の値
を有している場合に、取付時と、使用時との温度変化に
起因して軸と取付部材との嵌合面、および取付部材と内
輪との嵌合面のしめしろが変化しても、内輪に負荷され
た荷重は、取付部材の軸および内輪との各嵌合面のう
ち、溝を設けた側の嵌合面においては、溝と溝との間の
凸状部分により伝達されるため、嵌合面応力の変化は凸
状部分の弾性変形によって吸収することができ、さらに
嵌合面の溝に充填された充填材が嵌合面の凸状部分の変
形に伴って溝内に拡がり、嵌合面の少なくとも一部を形
成して荷重の一部を支持するので、凸状部分に負荷され
る荷重が軽減されることになる。また溝を設けていない
側の嵌合面においては、取付部材と軸または内輪との間
の線膨張係数の差が、内輪と軸との線膨張係数の差より
も小さいため、嵌合面応力の変化が緩和される。
したがって、これらの綜合結果として、高温時におけ
る嵌合面応力の増大によって生じる内輪の破壊、または
低温時における嵌合面応力の減少ないし消失に伴うクリ
ープによって生じる内輪の振動,摩耗を防止することが
可能になる。
また、取付部材と軸または内輪との嵌合面に設ける溝
の形状,寸法等の諸元,充填材の種類,量,充填位置等
については、必要に応じて最適のものとなるように自由
に選択,設計することができ、取付けのための特別な加
工を要する他の取付部材は一切必要としないので、取付
けに熟練を要せず、正確な心出しが容易にできるだけで
なく、単純な構成でより確実な信頼性の高い取付構造が
得られる。
さらに、第1発明によれば、取付部材を介在させてあ
るため、材料選択や設計の自由度が増大し、より的確で
経済的な設計が可能であるとともに、長期間の使用に伴
う部品交換に際しての対応もより容易になるという利点
が併せて得られる。
第2発明によれば、軸と、軸に取付部材を介して取り
付けられた内輪との線膨張係数が異なり、取付部材は軸
と内輪とのいずれか一方の線膨張係数とほぼ等しい値を
有している場合に、取付時と使用時との温度変化に起因
して軸と取付部材との嵌合面、または取付部材と内輪と
の嵌合面のしめしろが変化しても、内輪に負荷された荷
重は、取付部材の軸および内輪との各嵌合面のうち、溝
を設けた側の嵌合面においては、溝と溝との間の凸状部
分により伝達されるため、嵌合面応力の変化は凸状部分
の弾性変形によって吸収することができ、さらに嵌合面
の溝に充填された充填材が嵌合面の凸状部分の変形に伴
って溝内に拡がり、嵌合面の少なくとも一部を形成して
荷重の一部を支持するので、凸状部分に負荷される荷重
が軽減されることになる。また溝を設けていない側の嵌
合面においては、取付部材と軸または内輪との線膨張係
数がほぼ等しいため、温度変化による嵌合面応力の変化
が殆ど生じない。したがって、高温時における嵌合面応
力の増大によって生じる内輪の破壊、または低温時にお
ける嵌合面応力の減少ないし消失に伴うクリープによっ
て生じる内輪の振動,摩耗を防止することが可能になる
とともに、第1発明において説明した第2段以降の利点
が併せて得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明を玉軸受に適用した実施例を示す上
半部縦断側面図、第2図は従来の円筒ころ軸受の取付構
造を示す縦断側面図である。 図中、10は軸、12は軸の外周面、13は溝、15は充填材、
20は内輪、21は内輪の内周側嵌合面、40は取付部材、4
1,42はそろぞれ取付部材の内周側嵌合面,外周面であ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸と、軸とは異なる線膨張係数を有し、軸
    の外周に取り付けられる内輪との間に、軸と内輪との各
    線膨張係数の中間値の線膨張係数を有する取付部材が介
    在して嵌合され、取付部材と内輪との嵌合面および取付
    部材と軸との嵌合面のいずれか一方を係合手段により固
    く係合し、いずれか他方の少なくとも一方の嵌合面に、
    任意方向に形成した少なくとも一種の溝が設けられ、取
    付部材と軸との嵌合面に設けた溝は、少なくともその一
    部分に、取付部材および軸のいずれよりも変形抵抗の小
    さい充填材が充填され、取付部材と内輪との嵌合面に設
    けた溝は、少なくともその一部分に、取付部材および内
    輪のいずれよりも変形抵抗の小さい充填材が充填されて
    いることを特徴とする内輪の取付構造。
  2. 【請求項2】軸と、軸とは異なる線膨張係数を有し、軸
    の外周に取り付けられる内輪との間に、軸と内輪とのい
    ずれか一方の線膨張係数とほぼ等しい線膨張係数を有す
    る取付部材が介在して嵌合され、線膨張係数がほぼ等し
    い取付部材と軸または内輪との嵌合面は係合手段により
    固く係合し、線膨張係数が等しくない取付部材と内輪ま
    たは軸との少なくとも一方の嵌合面に、任意方向に形成
    した少なくとも一種の溝が設けられ、取付部材と軸との
    嵌合面に設けた溝は、少なくともその一部分に、取付部
    材および軸のいずれよりも変形抵抗の小さい充填材が充
    填され、取付部材と内輪との嵌合面に設けた溝は、少な
    くともその一部分に、取付部材および内輪のいずれより
    も変形抵抗の小さい充填材が充填されていることを特徴
    とする内輪の取付構造。
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