JPH03134197A - 片面電気めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

片面電気めっき鋼板の製造方法

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JPH03134197A
JPH03134197A JP1271196A JP27119689A JPH03134197A JP H03134197 A JPH03134197 A JP H03134197A JP 1271196 A JP1271196 A JP 1271196A JP 27119689 A JP27119689 A JP 27119689A JP H03134197 A JPH03134197 A JP H03134197A
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JP
Japan
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plating
plated surface
steel sheet
solution
pickling
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JP1271196A
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English (en)
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Seiji Bando
坂東 誠治
Nobukazu Suzuki
鈴木 信和
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、非めっき面の外観が優れると共に化成処理
性も良好な、自動車用防錆鋼板として好適な片面電気め
っき鋼板を安定して製造する方法に関する。
(従来の技術) 近年、自動車の耐久性向上のため、亜鉛系(Znおよび
Zn合金)等の片ml電気めっき鋼板が自動車用防錆鋼
板として多用されるようになってきた。
かかる片面電気めっき鋼板では、めっき面を内面とする
ことによって優れた耐食性が確保されると共に、外面と
なる非めっき面の良好な溶接性や塗装性を活用できるか
らである。また、亜鉛系めっき鋼板の中でも、耐食性の
改善効果が大きいZnNiなどの亜鉛合金めっき鋼板の
比率が高まっている。
ところが、このような片面電気めっき鋼板の製造には次
のような問題があった。即ち、鋼板の連続電気めっきに
は硫酸塩浴や塩化物浴等の酸性めっき浴が用いられるた
め、非めっき面にめっき液(酸)による侵食が起こって
、表面に黒色を呈する腐食生成物に起因した汚れ(酸ヤ
ケ)が生じる。
更に、この現象により鋼板の非めっき面が変色して外観
品位が損なわれるばかりか、化成処理性も劣化して塗装
性の悪化を招く結果となる。
そこで、実作業においては、その対策として、めっき後
の鋼板の非めっき面にブラッシング等の機械的な研磨或
いは電解処理を施し、非めっき面に析出した金属その他
の汚れを除去する手段が採られている。
しかし、めっき後鋼板の非めっき面を機械的に研摩する
手段では、非めっき面の汚れや黒変した部分(以下、「
黒色皮膜」と称す)の除去効果は成る程度認められるも
のの、母材部の研削を伴うために表面粗さが低下し、自
動車メーカーでのブランキングラインにおいて「すベリ
」が生じると言う問題があった。
そのため、一般には、めっき後に鋼板の非めっき面を電
解処理する手段が採用されており、この方法によって更
に安定な効果を確保すべく、片面電気めっき後の電解処
理に関して、次のような種々の提案がなされている。
a)めっき後、pH5〜9、濃度50〜300 g/ 
lの硫酸塩とリン酸塩との混合溶液中で電解処理を実施
する(特開昭62−99494号)。
b)めっき後、特定の硫黄化合物を含有する導電性の浴
中で陽極電解処理と陰極電解処理の形態で電解処理を実
施する(特開昭62−13595号)。
C)薄めつき後、pl+緩衝剤と酸化剤を含む電解浴中
で、被めっき面を陽極、めっき面を陰極とする間接通電
を行う形態で電解処理を実施する(特開昭6l−1(i
3292号)。
d)めっき後、トリエタノールアミンを含む可溶性硫酸
塩の水溶液中で電解処理を実施する(特開昭61−11
7300号)。
e)めっき後、硫酸塩又はリン酸塩を含む水溶液中で陽
極処理する形態で電解処理を実施する(特開昭61−1
06800号)。
f)めっき後、pH4〜10で界面活性剤を0.05〜
20%含む導電性の浴中で陽極処理する形態で電解処理
を実施する(特公昭61−36597号)。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このようなめっき後の電解処理のためには、コ
ストや設置スペース等の関係から処理槽は実際は1〜2
槽しか設置できないのが普通であり、実際のめっきライ
ンにおいて鋼帯がこの処理槽を通過する数秒或いはそれ
以下の短い時間内に非めっき面を十分に清浄化するのは
困難でありた。
特に、Zn−Ni合金等の合金めっきを行う場合には、
めっき処理中に非めっき面上にFeより責なNi等の元
素が析出するのを回避できないが、上記短時間の電解処
理ではこのような元素の除去は更に困難なことであった
本発明の目的は、片面電気めっき鋼板製造時における前
記問題点を解消し、非めっき面に優れた外観と共に良好
な化成処理性が確保された片面電気めっき鋼板を安定し
て製造し得る方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記目的を達成すべく数多くの実験を繰
り返しながら研究を重ねた結果、以下に示すような知見
を得ることができた。即ち、(al実際の設備等の条件
を考慮すると、めっき中に非めっき面に生成した黒色皮
膜をめっき後に非めっき面の機械研削や電解処理により
除去することは、非めっき面の外観や化成処理性改善の
根本的解決策とはなり得ない、この問題の解消には、鋼
板の非めっき面がめつき液による侵食によって変色する
酸ヤケ現象そのものを防止する手段を講することが必要
である。
(b)このような手段として、めっき液中に特定濃度で
吸着皮膜形成型の有機インヒビターを添加しておくこと
が極めて有効である。すなわち、鋼板の活性面に前記有
機インヒビターが吸着すると、めっき液中での非めっき
面の酸ヤケが効果的に抑制されて、十分に清浄化された
非めっき面が得られる上、化成処理性にも格別な悪影響
が生じない。
(C)吸着皮膜形成型の有機インヒビターの添加による
上記効果は、めっき前処理液である酸洗液あるいは酸洗
後の水洗液の一方もしくは両方にこのインヒビターを添
加することでも同様に達成される。すなわち、これによ
っても鋼板の活性面に前記有機インヒビターが吸着し、
その後のめつき液中での非めっき面の酸ヤケや化成処理
性の劣化が一段と効果的に抑制される。
(d)さらに、このような有機インヒビターが鋼板に吸
着した状態でめっきが行われると、鉄より責な合金元素
を含む合金めっき、例えば、Zn−Ni合金めっきでは
、非めっき面への電流廻り込みによりNiの析出が促進
され、これが化成処理性に悪影9(いわゆるスケ現象)
を起こす場合がある。
この対策として、めっき後、非めっき面をブラシにより
研削して活性点を出現させると、化成処理性が向上する
。ただし、このブラシによる研削は、研削が過度である
と前述したように粗さの低下による「すべり」の問題が
あるため、あくまでも軽く研削することが必要であり、
軽い研削でも化成スケ防止に有効である。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、そ
の要旨は、酸性浴による片面電気めっき鋼板の製造にお
いて、(a)めっき前に鋼板を前処理する酸洗液ないし
は酸洗後の水洗液、または(b)めっき液、のいずれか
に吸着皮膜形成型有機インヒビターを1 ppm以上添
加するか、あるいは前記(a)の酸洗液ないしは水洗液
と(b)のめっき液の両方に吸着皮膜形成型有機インヒ
ビターをそれぞれ0.1pp+m以上づつ添加してめっ
き工程を行い、かつ、めっき後に非めっき面をブラシで
軽研削することを特徴とする、非めっき面の外観および
化成処理性に優れた片面電気めっき鋼板の製造方法にあ
る。
本発明の方法を適用しうる片面電気めっき鋼板としては
、亜鉛系めっき鋼板、特にZn−Ni、Zn−Co、Z
n−Ni −Co、 Zn−Mn等の亜鉛合金めっき鋼
板が好適である。
本発明で用いる吸着皮膜形成型の有機インヒビターの種
類は特に限定されない。かかるインヒビターの代表例と
しては、各種の含硫黄有機化合物および含窒素有機化合
物がある。めっき液が塩化物または硫酸塩浴の低pHの
酸性域であることから、従来より酸洗い用に使用されて
きた有機インヒビターを本発明に用いることもできる。
(作用) 一般に、金属の防食方法の一つとして、腐食環境に少量
の物X<インヒビター)を添加して腐食を抑制すること
が古くから行われてきた。これらインヒビターとしては
、非常に多くのものが知られており、例えば下記のよう
に色々の観点から分類されている。
人 のノによる\ 無機系インヒビターニ クロム酸塩、亜硝酸塩等、 有機系インヒビター: アミン、アミド、アセチレン、メルカプタン等、 作朋U様位去ゑ分類 陽極インヒビターニ リン酸塩、ケイ酸塩、クロム酸塩等、 陰極インヒビタm: マグネシウム塩、亜鉛塩等、 吸着インヒビタm: アミン、アミド、アセチレン、メルカプタン等。
本発明では、このうち、有機系の吸着型インヒビターを
使用する。有機インヒビターは一段に極性を持つ有機化
合物で、金属面の活性点(アノード域またはカソード域
)に吸着することによって腐食を抑制する吸着型のイン
ヒビターであると言われている。すなわち、インヒビタ
ー分子中のN、S、0原子等の孤立電子対、または不飽
和結合のπ電子等の易動性の電子が金属側に移動して吸
着すると言われ、アノード域またはカソード域或いはそ
の双方に吸着し、それぞれの域で起きる反応を停止させ
るか、反応速度を抑制するという作用を示す。
本発明では、これらの有機インヒビターの1種または2
種以上を、めっき液、および/またはめっき前に使用す
る酸洗液ないし酸洗後の水洗液に添加する。これにより
、有機インヒビターは鋼板表面に吸着して吸着皮膜を形
成し、H°イオンの放電を阻止することによって、めっ
き液中へのFeイオンの溶出を抑制する。その結果とし
て、めっき液中で非めっき面の黒色皮膜の生成が防止さ
れ、外観劣化や化成処理性の低下が抑えられる。
これら有機インヒビターとして働く化合物は、前述した
ように、その分子中に金属表面に吸着するのに都合の良
い極性基を1つ或いは2つ以上持っている。このような
極性基としては、N、S、O等の孤立電子対か、不飽和
結合のπ電子等の易動性電子を持つものがあるが、イン
ヒビター分子の大きさ、配向性、形および電荷等によっ
て、鋼板に対する吸着能力およびその結合の強さは変化
する。また、めっき液中のイオンも吸着皮膜や電気的二
重層の構造に関係しており、このため、同じ有機インヒ
ビターを用いても塩酸中と硫酸中とでは効果が異なる0
例えば、硫酸塩浴系のめっき浴の場合には、特に吸着力
の強いSを有するインヒビターを用いるのが好ましいが
、NおよびOを有するインヒビターも使用可能である。
また、塩化浴系のめっき浴に対しては、Nを有するイン
ヒビターが好ましいが、これに限定されるものではなく
、その他のものでも十分な効果を示す。
Sの孤立電子対を持つ有機インヒビターの具体例を第1
表に、Nの孤立電子対を持つ有機インヒビターの具体例
を第2表にそれぞれ示すが、これ以外のものも使用可能
である。なお、第1表および第2表において、R,R’
およびR′は炭化水素基を意味し、AおよびA゛はアミ
ノ基を意味し、いずれも脂肪族、脂環式および芳香族の
いずれでもよい。
第2表 −(N含有化合物の例) 第1表 (S含有化合物の例) また、0の孤立電子を有する有機インヒビターとしては
、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒ
ド類、アセトンなどケトン類等が挙げられる。さらに、
π電子を持つ化合物としては、アセチレンなどのアルキ
ン類がある。
添加する有機インヒビターの種類および添加量は、めっ
き液種およびめっき条件に合わせて、最善の結果が得ら
れるように適宜選択する。上記の有機インヒビターを、
めっき液か、めっき前処理つ酸洗液もしくは酸洗後の水
洗液のいずれか一方に添加する場合であっても、1pp
−以上という少量の添加で、非めっき面のめっき液侵食
による酸ヤケが効果的に抑制される。添加量がI Pp
ff1未満であると、この効果が不十分となる。添加量
の上限は特に限定されないが、特に合金めっきの場合は
、あまり多量に添加するとめっき層の組成や相構造が変
化することがあるので、添加量は好ましくは1001)
P慣以下、より好ましくは50 ppm以下とする。通
常は、1〜10 ppmの範囲内で概ね良好な結果が得
られる。
有機インヒビターをめっき液中に添加する場合には、例
えば電気ZnめっきではZnの結晶配向性が変わってめ
っき外観が灰黒色化すると言った問題が、またZn−N
i、 Zn−Fe、 Zn−Ni−Co、 Zn−Mn
等の合金電気めっきでは合金組成が変動する等の問題(
例えばNi含有率やFe含有率が低下するとの間8)が
懸念される。
その意味では、めっき前の段階、即ち、酸洗液ないし酸
洗後の水洗液に有機インヒビターを添加する方が、この
ような問題がないので、より好ましいと言える。このよ
うに、めっきに先立つ酸洗液ないし酸洗後の水洗液に有
機インヒビクーを添加しておき、これに鋼板の少なくと
も非めっき面を浸すことによっても、非めっき面に吸着
された有機インヒビターの皮膜により、次のめっき工程
でのめっき液による非めっき面の侵食が効果的に防止さ
れ、酸ヤケが十分に抑えられる。この場合の、有機イン
ヒビターを含有する酸洗液ないしは水洗液による鋼板の
前処理は、通常の同様の条件、すなわち、温度25°C
1処理時間5秒程度で十分に本発明の目的を達すること
ができる。また、有機インヒビクーは、酸洗液か水洗液
の一方に1 ppm以上の量を添加すればよいが、その
両方に添加することも可能である。
また、酸洗液ないし酸洗後の水溶液と、めっき液との両
方に有機インヒビターを添加することもできる。この場
合には、有機インヒビターの添加量は、各々の液のo、
xpp−以上であれば十分な効果を得ることができる。
添加量がごく僅かであるため、インヒビターをめっき液
に加えても、それによるめっき作業への実質的な影響は
ほとんど認められない、従って、この方法も、非めっき
面の酸ヤケ防止に好ましい方法である。各法に添加する
インヒビターは同じものでも、異なるものでもよい。
有機インヒビターをめっき液中に添加する場合、例えば
Zn−Ni等の合金めっきにおいては、有機インヒビタ
ーの添加により、旧の析出電位が責な方向に移動する。
たて型やよこ型めっき槽ではマスキングによりエツジ部
の電流廻り込みを抑えているが、微弱電流の廻り込みは
避けられない、そのためエンジのごく一部でNiが優先
析出し、いわゆる正常型電析をおこすことがある。この
ようなFeより責な金属が多量に析出すると、化成処理
の際に鋼板の溶解が起こりにくく、化成結晶が生成しな
くなり、いわゆるスケ現象を起こす。
有機インヒビターを酸洗液や酸洗後の水洗液に添加した
場合も、鋼板表面に吸着された有機インヒビターがめつ
き液に持ち込まれるため、上記と同様の化成スケが認め
られる。
本発明では、この対策として、めっき後に非めっき面を
ブラシで軽く研削し、化成処理の際の活性点を出現させ
る。この研削は、過度に行うと、上述のように表面粗さ
が著しく低下して、その後の加工時の「すベリ」の原因
となるので、ピークカウント値(PPI) [1インチ
当りの山(0,8−以上)の数1の原板 からの減少率
が20%以内となる範囲内にとどめる。それには、原板
の粗さをなるべく低下させないように、線径か細く、砥
材も細かいブラシを使用して非めっき面の研削を行うこ
とが好ましい。このようなブラシとしては、ホタニ製の
1.B5−1000−248.3A−1000−711
,3A−500−711等があるが、これらに限定され
るものではない。
本発明のめっき鋼板の製造方法は、以上に説明した吸着
皮膜形成型の有機インヒビターを、めっき前の酸洗液な
いし酸洗後の水洗液と、めっき液との一方もしくは両方
に添加することと、めっき後の非めっき面の軽研削とい
う本発明の特徴部分を除いては、従来の片面電気めっき
鋼板の製造方法と同様に実施でき、めっき条件などの作
業条件も通常は特に変更する必要はない。ただ、合金め
っき液にインヒビターを添加する場合には、めっき層の
合金組成が、インヒビターの添加により変動することが
あるので、必要であればめっき浴組成を所望の合金組成
のめっき層が得られるように調整する。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明する。
(実施例) 実施例1 まず、次に示す条件の硫酸塩めっき液を準備した。
畜11波 Zn5O4・111z0   二  130  g/ 
1 。
N15Oa・6HiO:  260 g/1−NatS
Os・6HzO:   75 g/ l 。
ヱH:  1.8、 浴温 :50 C0 次いで、このめっき液に第3表に示したを機インヒビタ
ーを添加してから、 電流密度  :60^/dt*” めっき付着量: 20 g/nf のめつき条件で、実操業用の連続めっき装置により鋼板
の片面Zn−Ni合金めっきを施した。使用調板は、厚
み0.8mmの冷延鋼板であり、めっき前処理として、
常法によりカセイソーダ系の電解脱脂液によりアルカリ
脱脂し、硫酸液中で電解して酸洗し、水洗してから、め
っきを行った。
その後、得られた片面めっき鋼板の一部について、本発
明の方法により、その非めっき面をホタニ製の研削ブラ
シを使用して、PPIの減少率が20%以下となるよう
に軽く研削した。
こうして得られた片面Zn−Ni合金電気めっき鋼板の
非めっき面について、目視によるその外観評価、螢光X
線によるN;残存量の測定、ならびにリン酸亜鉛処理に
よる化成処理性の評価を実施した。
化成処理性は、試験片を常法によりリン酸亜鉛処理した
後、生成した化成皮膜の付着量を測定し、目視および走
査型電子顕@鏡観察により非めっき面のセンタ一部とエ
ツジ部での化成皮膜の均一性、緻密さを評価すると共に
、X線回折によりホスホフィライト(ZnzFe(PO
n) z・411g0)とホパイト(Zn3 <Po4
) t・411.0)のピークを測定し、次式により耐
アルカリ性および塗装密着性の指標であるP値を求める
ことにより評価した。
一方、Zn−Ni合金めっき面については、螢光X線に
よりめっき皮膜のNi含有率を測定し、X線回折により
めっき皮膜の相構造の同定を行った。
これらの調査結果を第3表に併せて示す。
第3表に示される結果からも明らかなように、めっき液
中に有機インヒビターを1 ppm以上添加する本発明
法によれば、非めっき面には酸ヤケ皮膜が生成せず、化
成処理性も向上することがわかる。
ただ試験番号5から、有機インヒビターの添加量が多く
なると、めっき皮膜のNi含有率が低下し、相構造とし
てはγからη+γ(この相は耐食性不良につながる)へ
と変化する傾向があることがわかる。従って、有機イン
ヒビターの必要以上の添加は、めっきの耐食性劣化を招
くことも推測される。
また、前述したように非めっき面のエツジ部は電流廻り
込みのため有機インヒビターが添加されていると化成ス
ケが発生する。これ番5ついては本発明例のように軽研
削を施すと化成処理性が回復するのがわかる。
しかし、粗さの確保の点からPPfの減少率は20%以
内の軽研削が好ましく、試験番号5のようムこ比較的線
径が太く砥材の粒度が粗いブラシを使用することにより
PPIの減少率が20%を超えると、ユーザーのブラン
キングライン等においてすべり等の問題が懸念される。
実施例2 次に示す条件の塩化物めっき液を準備した。
釡凪底 Zna2*    : 250 g/ 1、KCl2 
   : 320 g#!、Ni四g・6HtO: 1
00 g/j!。
Ll :4.5. 1iIL:  55℃。
次いで、これに第4表に示した有機インヒビターを添加
してから、 電流密度  :  60 A/da+”めっき付着量:
20g/イ のめつき条件で、実施例1と同様に鋼板の片面Zn−N
i合金めっきを施した。
その後、得られた片面Zn−Ni合金電気めっき鋼板の
非めっき面およびめっき面について、実施例1と同様の
評価を行い、その結果を第4表に併せて示した。
この第4表に示される結果から、塩化物めっき浴の場合
も、本発明により外観や化成処理性の良好な非めっき面
を有する片面めっき鋼板が安定して得られることが分か
る。
実施例3 非処理鋼板面をカセイソーダ系の電解脱脂液でアルカリ
脱脂し、次いで硫酸酸洗液中で電解した後、第5表に示
す種々の濃度でチオ尿素を含有する洗浄水で水洗処理し
た(水洗処理温度25°C1処理時間5秒)、その後、
次の条件で実施例1と同様に片面Zn−Ni合金電気め
っきを施した。
汝ユ春釡■威 Zn5Oa・711zO:  120 g/It、Ni
SO4・6H!0  :  250 g/l−1Nat
SO4・6HtO:  75 g/j!、Ll : 2
、 俗1 : 55℃、 1抜1度   :  60 A/da”及n]」1【1
:  20 g/ボ。
その後、得られた片面めっき鋼板における非めっき面の
外観評価、Ni残存量の螢光X線による測定並びにリン
酸亜鉛処理性の評価を、実施例1と同様に実施した。こ
れらの結果を第5表に併せて示す。
第5表に示される結果からも明らかなように、洗浄水中
にチオ尿素1 pp−以上を添加して水洗を行う本発明
法によると、得られる片面めっき鋼板の非めっき面に酸
ヤケが発生せず、化成処理性も向上することが分かる。
また、チオ尿素の添加量が51911以上になると、さ
らに良い結果が得られ、ることも推測される。
実施例4 実施例3と同様に、被処理鋼板面を苛性ソーダ系の電解
脱脂液でアルカリ脱脂してから硫酸酸洗液中で電解し、
次いで第6表に示す各種有機インヒビターを含有する洗
浄水で水洗処理した。その後、次のめっき液に各種有機
インヒビター(第6表に併記)を添加して片面Zn  
Ni合金電気めっきを施し、得られためっき鋼板の非め
っき面の外観評価、Ni残存量およびリン酸亜鉛処理性
の評価を実施例1と同様に実施した。なお、めっき条件
は次の通りであった。
汝ユl俗■底 Zn5Oa ・IHzO二  120  g/ l 。
NiSO4・61zO:  250 g/ I! 。
NazSO4・6HtO:  75 g/j!、Ll 
: 2、 B11L:  55℃、 l抜±皮   :  60 A/da”、汝ユ嘉付Jt
JL  :  20 g/ポ。
これらの結果を第6表に併せて示す。
第6表に示される結果から明らかなように、酸洗後の水
溶液中とめっき液の両方に有機インヒビターを添加する
と、いずれか一方のみに添加する場合の有機インヒビタ
ー量よりも少ない添加量、具体的にはそれぞれ0.1 
ppm以上の添加量で良好な効果が得られ、より効果的
に酸ヤみを防止し得ることが分かる。
なお、以上の実施例では、片面Zn−Ni電気めっき鋼
板について説明したが、片面Zn電気めっき鋼板、片面
Zn−Feめっき鋼板、片面Zn−Ni−Coめっき鋼
板、片面Zn −Mnめっき鋼板等、他の片面電気めっ
き鋼板についても同様の結果が得られることも確認され
た。
さらに非めっき面を軽研削することにより鋼板の幅方向
に均一に良好な化成処理皮膜が得られることも確認され
た。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明によれば、めっき面に悪影響
を及ぼさずに、非めっき面の外観と化成処理性とに優れ
た片面電気めっき鋼板を簡単にかつ安定して製造するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)酸性浴による片面電気めっき鋼板の製造において
    、(a)めっき前に鋼板を前処理する酸洗液ないしは酸
    洗後の水洗液、または(b)めっき液、のいずれかに吸
    着皮膜形成型有機インヒビターを1ppm以上添加して
    めっき工程を行い、かつ、めっき後に非めっき面をブラ
    シで軽研削することを特徴とする、非めっき面の外観お
    よび化成処理性に優れた片面電気めっき鋼板の製造方法
  2. (2)酸性浴による片面電気めっき鋼板の製造において
    、(a)めっき前に鋼板を前処理する酸洗液ないしは酸
    洗後の水洗液、ならびに(b)めっき液、の両方に吸着
    皮膜形成型有機インヒビターをそれぞれ0.1ppm以
    上添加してめっき工程を行い、かつ、めっき後に非めっ
    き面をブラシで軽研削することを特徴とする、非めっき
    面の外観および化成処理性に優れた片面電気めっき鋼板
    の製造方法。
  3. (3)前記軽研削のレベルがピークカウント値(PPI
    )の原板からの減少率が20%以内である請求項1また
    は2記載の片面電気めっき鋼板の製造方法。
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