JPH03131843A - 写真フィルム - Google Patents

写真フィルム

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JPH03131843A
JPH03131843A JP1269090A JP26909089A JPH03131843A JP H03131843 A JPH03131843 A JP H03131843A JP 1269090 A JP1269090 A JP 1269090A JP 26909089 A JP26909089 A JP 26909089A JP H03131843 A JPH03131843 A JP H03131843A
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Yuichi Oki
祐一 大木
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真フィルムに関し、詳しくは特定のヘースフ
ィルム層と感光層からなり、軽量で力学物性に優れ、し
かも寸法安定性の良好な写真フィルムに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕従来、
写真フィルムのベースフィルムとしては、セルロース系
ポリマーフィルム、ポリエステルフィルム、アタクチッ
ク構造のポリスチレンフィルム等が用いられている。特
に巻フィルム以外のフィルムベースとしては、力学物性
に優れかつその他のバランスのとれたポリエステルフィ
ルムが用いられている。
しかし、セルロース系ポリマーフィルムは、湿式法にて
フィルムを製造するためコストが高く、また力学的強度
が充分でない。一方、ポリエステルフィルムは、比重が
大きく、湿度に弱いという欠点があり、水分を含んだま
ま高温乾燥した場合、加水分解による劣化のおそれがあ
るうえに、室温付近の使用の際にも湿度変化による寸法
変化が生じ(湿度膨張係数1〜2X10−’/%RH)
精度の要求されるマスターフィルム等の用途で改善が望
まれていた。また、アタクチック構造のポリスチレンフ
ィルムは透明性、湿度寸法安定性、吸水率等に優れてい
るが、耐熱性、力学物性に劣るものである。
このように従来利用されているベースフィルムには、様
々な問題があり、得られる写真フィルムの物性は必ずし
も満足しえないものであった。
そこで、本発明者らは、より物性の優れた写真フィルム
を開発するために鋭意研究を重ねた。その結果、シンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体あるいはそ
の組成物が、従来の耐熱性樹脂に比べて著しく低い湿度
膨張係数をもち、写真フィルムの素材として好適である
ことを見出し、かつ特定の厚さ、ヘイズ値、湿度膨張係
数のフィルムをベースフィルムとして用いた写真フィル
ムが上記目的を達成することを見出した0本発明はかか
る知見に基いて完成したものである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は(A)シンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体あるいはそれを含む組成物からな
るとともに厚さ20〜500μmであってヘイズ3%以
下、湿度膨張係数1×10−’/%RHである延伸フィ
ルム層(以下、A層と記す)及び(B)rg、光層(以
下、B層と記す)からなる写真フィルムを提供するもの
である。
本発明におけるA層は、写真フィルムのいわゆるベース
フィルムであって、シンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体あるいはそれを一成分として含有する組
成物からなるフィルムを用いる。ここでシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体とは、炭素−炭素結
合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や
その誘導体が交互に反対方向に位置する立体構造を有す
るものであり、その立体規則性(タフティシティ−)は
同位体炭素による核磁気共鳴法(1”c−NMR法)に
より定量されるのが一般的でかつ精度に優れる。この1
3C−NMR法により測定される立体規則性は、連続す
る複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダ
イアツド、3個の場合はトリアット、5個の場合はペン
タッドによって示すことができる。本発明に言うシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、通常
はラセミダイアツドで75%以上、好ましくは85%以
上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましく
は50%以上の立体規則性を有するものである。具体的
には立体規則性のポリスチレン。
ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン
)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)。
ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エ
ステル)、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、
あるいはこれらの構造単位を含む共重合体を指称する。
なお、ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ
(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(
プロピルスチレン)。
ポリ(ブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)。
ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)。
ポリ(アセナフチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化
スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)。
ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)な
どがある、また、ポリ(アルコキシスチレン)としては
、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン
)などがある。
またこれらの構造単位を含む共重合体のコモノマー成分
としては、上述の如きスチレン系重合体のモノマーのほ
か、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテ
ン等のオレフィンモノマーブタジェン、イソプレン等の
ジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエン
モノマーやメタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アク
リロニトリル等の極性ビニル七ツマー等をあげることが
できる。
これらのうち特に好ましいスチレン系重合体としては、
ポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)。
水素化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合
体が挙げられる。
またこのスチレン系重合体の分子量について特に制限は
ないが、重量平均分子量が10.000以上3.000
.000以下のものが好ましく、特に好ましくは50.
000以上1,500.000以下のものである。
さらに、分子量分布についてもその広狭は制約がなく、
様々なものを充当することが可能であるが、重量平均分
子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.5以上8以
下が好ましい。なお、このシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体は、従来のアタクチック構造のス
チレン系重合体に比べて耐熱性が格段に優れている。
このようなシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不
存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニ
ウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上
記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合すること
により製造することができる(特開昭62−18770
8号公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン
)については特開平1−46912号公報、これらの水
素化重合体は特開平1−178505号公報に記載され
た手法により得ることができる。
本発明において、A層は基本的には上記スチレン系重合
体をフィルムの素材として用いるが、更に成形性、力学
物性9表面性等を考慮して他の樹脂成分を含有させても
よい。例えば、アタツチ・ンク構造やアイソタクチック
構造のスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル等は
、前述のシンジオタクッチク構造を有するスチレン系重
合体と相溶に成りやすく、延伸用予備成形体を作成する
ときの結晶化の制御に有効でその後の延伸性が向上し、
延伸条件制御が容易でかつ力学物性に優れたフィルムを
得ることができる。このうちアタクチック構造および/
またはアイソタクチック構造のスチレン系重合体を含有
させる場合、シンジオタクッチク構造を有するスチレン
系重合体と同様のモノマーからなるものが好ましい。ま
た、これら相溶性樹脂成分の含有割合は70〜1重量%
、特に好ましくは50〜2重量%とすればよい。ここで
相溶性樹脂成分の含有割合が70重量%を超えると、シ
ンジオタクチック構造のスチレン系重合体の長所である
耐熱性等が損なわれるため好ましくない。また、非相溶
性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリペンテン等のポリオレフィン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイ
ロン−6やナイロン−6,6等のポリアミド、ポリフェ
ニレンスルフィド等のポリチオエーテル、ポリカーボネ
ート、ボリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、テ
フロン等のハロゲン化ビニル系重合体、ポリメタクリル
酸メチル等のアクリル系重合体、ポリビニルアルコール
等、上記相溶性の樹脂以外はすべて相当し、さらに、上
記相溶性の樹脂を含む架橋樹脂が挙げられる。
これらの樹脂は、本発明のシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体と非相溶であるため、少量含有す
る場合、シンジオタクチック構造のスチレン系重合体中
に島のように分散させることができ、延伸後に程良い光
沢を与えたり、表面のすべり性を改良するのに有効であ
る。これら非相溶性樹脂成分の含有割合は、光沢を目的
とする場合は50〜2重量%、表面性の制御を目的とす
る場合、0.001〜5重量%が好ましい。また、製品
として使用する温度が高い場合は、耐熱性のある樹脂を
用いることが好ましい。
またさらに本発明の目的を妨げない範囲で無機微粒子、
酸化防止剤、帯電防止剤1色素等を配合することができ
る。
ここで使用し得る無機微粒子としては、IA族。
IIA族、IVA族、VIA族、■A族、■族、IB族
nB族、 I[IB族、IVB族元素の酸化物、水酸化
物。
硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、燐
酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸
塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、それらを中心とす
る複合化合物、天然鉱物粒子などが挙げられる。具体的
には、弗化リチウム、硼砂(硼酸ナトリウム含水塩)等
のIA族元素化合物、炭酸マグネシウム、燐酸マグネシ
ウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、塩化マグネシ
ウム、酢酸マグネシウム、弗化マグネシウム、チタン酸
マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム含
水塩(タルク)、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、亜
燐酸カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)。
酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウム、水酸化カル
シウム、珪酸カルシウム、弗化カルシウム。
チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム。
炭酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜燐酸バ
リウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタニ
ア)、−酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、−酸化ジルコニウム等のIVA族元素
化合物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モ
リブデン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸
マンガン等の■A族元素化合物、塩化コバルト、酢酸コ
バルト等の■族元素化合物、沃化第一銅等のIB族元素
化合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物、
酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化アルミニウム、弗
化アルミニウム、アルミノシリケート(珪酸アルミナ、
カオリン、カオリナイト)等のI[[B族元素化合物、
酸化珪素(シリカ、シリカゲル)9石墨。
カーボン、グラファイト、ガラス等のIVB族元素化合
物、カーナル石、カイナイト雲母(マイカ。
キンウンモ)、バイロース鉱等の天然鉱物の粒子が挙げ
られる。
本発明のA層を構成するフィルムは、上記の如き素材か
らなるフィルムであり、かつ厚さ20〜500μmでヘ
イズが3%以下のものである。この範囲の厚さ、ヘイズ
を有するフィルムを得るためには、比較的結晶化速度の
遅いものが好適である。例えば(1)溶解度パラメータ
ーδが8.5(cal/c+j) ””以上の芳香族炭
化水素溶媒により重合された上記スチレン系重合体、(
2)上記の如き相溶性の熱可塑性樹脂を配合して成る上
記スチレン系重合体、(3)上記スチレン系重合体のう
ち、ランダム共重合体であって、その含量が30mo1
%以下であるものなどである。(1)の溶媒の具体例と
しては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレ
ン、プロピルベンゼン等のアルキルベンゼンの他に、塊
状重合中のスチレン系モノマー、例えばスチレン、アル
キルスチレン、ハロゲン化スチレン等も含まれる。また
(2)の相溶性の熱可塑性樹脂を含有させる方法に限定
はないが、重合時に添加あるいは同時に生成させる方法
や溶融混合法が好ましい。
さらに本発明のA層において上記の如き性状のフィルム
を得るためには、スチレン系重合体あるいはその組成物
中の残留スチレン単量体が7000ppm以下であるこ
とが好ましい。そのようなスチレン系重合体あるいは組
成物を得るためには以下の方法に依るとよい。
(1)重合後あるいはさらに処理後のスチレン系重合体
を減圧乾燥する方法。ここで減圧乾燥するにあたっては
、乾燥温度を該重合体のガラス転移温度以上の温度にす
ると効率が良い。
(2)さらに押出機により脱気し、同時に成形用材料(
ペレット)とする。ここで押出機はベント付が好ましく
、−軸、二軸いずれの押出機を用いてもよい。
ここで残留モノマー揮発分が7000pp+aを超える
と、押出成形時に発泡したり、延伸時に表面が粗くなっ
たりして、ヘイズが3%を超えることがあり、好ましく
ない。
以上の如き本発明のスチレン系重合体あるいは該重合体
を含む組成物を素材として、A層となるフィルムを製造
する。フィルムの製造方法は上記の目的を達することが
できる条件で行えばよく、特に制限はない。具体的には
、加熱溶融して押出し、冷却、固化させて製造する。こ
こで用いる押出成形機は、−軸押出成形機、二軸押出成
形機のいずれでもよく、またベント付き、ベント無しの
いずれでもよいが、−軸のタンデム型が好ましい。
なお、押出機には二次凝集粒子を粉砕、除去あるいはゴ
ミ、異物除去のために適当なメツシュを使用しても良い
またここで押出条件は、特に制限はなく、様々な状況に
応じて適宜選定すればよいが、好ましくは温度を成形素
材の融点〜分解温度より50’C高い温度の範囲で選定
する。用いるダイはT−ダイ。
円環ダイ等をあげることができる。
上記押出成形後、得られた予備成形体(原反シート)を
冷却固化する。この際の冷媒は、気体。
液体、金属ロール等各種のものを使用することができる
。金属ロール等を用いる場合、エアナイ乙エアチャンバ
ー、タッチロール、静電印荷等の方法によると厚みムラ
や波うち防止に効果的である。
冷却固化の温度は、通常はO℃〜原反シートのガラス転
移温度より30°C高い温度の範囲、好ましくはガラス
転移温度より50°C低い温度〜ガラス転移温度の範囲
である。また冷却速度は200〜3°C/秒の範囲で適
宜選択する。このようにして得られる原反シートは厚さ
100〜5,000μmの範囲のものである。
次に冷却、固化した原反シートを一軸あるいは二輪に延
伸する。二軸延伸の場合は縦方向及び横方向に同時に延
伸してもよいが、任意の順序で逐次延伸してもよい。ま
た延伸は一段で行ってもよく、多段で行ってもよい。
ここで延伸方法としては、テンターによる方法。
ロール間で延伸する方法、気体圧力を利用してバブリン
グによる方法、圧延による方法など様々であり、これら
を適当に選定あるいは組み合わせて適用すればよい。延
伸温度は、一般には原反シートのガラス転移温度と融点
の間で設定すればよい。
但し、逐次延伸あるいは多段延伸する場合には、−段目
にガラス転移温度と冷結晶化温度の範囲で後段にガラス
転移温度と融点の範囲で行うことが好ましい。また延伸
速度は、通常は1×10〜1×105%/分、好ましく
は1×103〜l×105%/分である。延伸倍率につ
いては特に制限はないが、6倍以上とすることが好まし
い。6倍未満では充分な力学物性、湿度膨張係数を有す
るフィルムが得られない。
上述の如き条件で延伸して得られた延伸フィルムに、さ
らに高温時の寸法安定性、耐熱性、フィルム面内の強度
バランス性の向上のために熱固定を行うことが好ましい
。熱固定は、通常行われている方法で行うことができる
が、この延伸フィルムを緊張状態、弛緩状態あるいは制
限収縮状態の下で、該フィルムのガラス転移温度〜融点
、好ましくは使用環境上限温度〜融点の範囲にて、0.
5〜180秒間保持することによって行えばよい。
なお、この熱固定は、上記範囲内で条件を変えて二回以
上行うことも可能である。また、この熱固定はアルゴン
ガス、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよ
い。この熱固定を行わないと、特にガラス転移温度近傍
で変形が生じやすく、加工時や使用時に制約がある。
さらに延伸、熱固定の条件をフィルムの複屈折の絶対値
1Δn1が40X10”3以下となるように調整するこ
とより、透明性などの物性の優れたフィルムとなり好ま
しい。
この様にして得られたスチレン系重合体あるいはその組
成物の延伸フィルムは、厚さ20〜500μm、特に5
0μm以上であり、またヘイズが3%以下、湿度膨張係
数が1×10−b/%RH以下であって、本発明のA層
として用いることができる。
本発明の写真フィルムは、さらにこのA層のフィルムを
支持体として、これにB層の感光層を積層してなるもの
である。このA層に隣接する層との接着力を向上する目
的で、このA層表面をコロナ処理することもできる。
本発明におけるB層である感光層は、その使用目的、感
光材料の種類により適宜選定され、通常の方法にて積層
すればよい。具体的にはこの感光層を形成した写真フィ
ルムとして、■銀塩感光材料を用いた銀塩写真フィルム
、■ジアゾ感光材料を用いたジアゾ感光フィルム、■フ
ォトクロミック感光材料を用いたホトクロミックフィル
ムあるいは■光導電性材料を用いたサーモプラスチック
レコーディングフィルムなどがある。
以下、各々について説明する。なおここで用いるベース
フィルムには上記A層が用いられる。
まず■銀塩写真フィルムは、基本的に保護層/銀塩感光
層/下引き層/ベースフィルム/裏引き層から成る。こ
こで保護層には、各種のゼラチン等が用いられる。また
銀塩感光層は、臭化銀等の感光性根塩、クロム塩、第二
銀塩とバインダーのゼラチンから成るゼラチン乳剤層で
あり、下引き層は、ベースフィルムとゼラチン乳剤層と
の接着性を考慮して選定する。例えば、ゼラチン、カゼ
イン等の天然高分子物、ポリビニルアルコール及びその
誘導体、無水マレイン酸とメチルビニルエーテル、酢酸
ビニル、メチルメタクリレートスチレン等との共重合体
並びにメタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸などと酢
酸ビニル、メチルメタクリレート、スチレンなどとの共
重合体等の単独又はこれらの混合物などが挙げられる。
カラー写真の場合には、銀塩感光層中に発色剤を分散さ
せ、この銀塩感光層を複数層、中間ゼラチン層やフィル
ター層を介在させて形成させる。
さらに銀塩感光材料には、上記積層体のほかに、ハレー
ション防止層や、帯電防止層等を積層してもよい、なお
、銀塩感光材料の用途の一つとしてX線写真用途がある
が、この場合には本発明のベースフィルム(基材)の両
面に感光層であるゼラチン乳剤層が設けられる。
各々の層の積層は、通常は塗布によればよく、各層の厚
みはベースフィルムを20〜500μm1好ましくは2
5〜300μm、さらに好ましくは75〜250μmと
し、ゼラチン乳剤層を1〜50am、好ましくは3〜3
0μmとし、保護層を0.01〜10μm、好ましくは
0.1〜5μmとし、裏引き層を0.01〜208m、
好ましくは0.1〜10μmとし、下引き層を10μm
以下、好ましくは5μm以下とする。
次に■ジアゾ感光フィルムについて説明する。
ジアゾ感光材料は、通常、ジアゾ感光層/ベースフィル
ム/裏引き層からなる。ジアゾ感光層は通常のジアゾニ
ウム塩とカプラーからなる組成物とバインダーとからな
るが、かかる感光層に使用されるバインダーとしては、
ポリビニルアルコール系バインダー並びに酪酢酸セルロ
ース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロ
ース系バインダー、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニ
ル・酢酸ビニルなどの塩化ビニル系バインダー、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル系バイン
ダー、ポリスチレン・マレイン酸、ポリスチレン・アク
リル酸エステル系バインダー、ポリアミド系バインダー
をあげることができる。かかるバインダーからなるジア
ゾ感光層は0.1〜15μm1好ましくは2〜8μmの
厚さでベースフィルムの片面に設けられる。
また裏引き層を該フィルムに設ける場合は0.1〜15
am、好ましくは2〜8μmの厚さに塗布する。かかる
裏引き層を設けることによって、該フィルムのカール防
止及びスリ傷欠点を改善することができる。
ジアゾ感光材料におけるA層(ベースフィルム)の厚さ
は25〜500μm、好ましくは38〜300μmであ
る。尚必要に応じてA層に更に適当な接着剤層、アンカ
ーコート層を設けてもよい。
さらに■ホトクロミックフィルムは、上記A層に感光性
物質のスピロピラン(二つの環に共通な1個の炭素原子
を含む環式化合物)とバインダーを塗布したものからな
り、その厚さは0.1〜15μmである。
また■サーモプラスチックレコーディングフィルムは、
透明な光導電性物質を含む熱可塑性樹脂層/透明または
反射電導層/ベースフィルムの構成から成るものである
。透明導電層としては、′蒸着金、銅、導電性酸化スズ
等が用いられ、反射導を層としては、蒸着アルミニウム
の層等が用いられる。これらの積層方法はベースフィル
ムに透明導電層を蒸着により50〜5000人積層した
後に0.5〜5μmの厚みとなる様に光導電性物質を含
む熱可塑性樹脂層を塗布する方法が好適である。
以上のようにして得られる写真フィルムは、いずれもベ
ースフィルムとして本発明のA層を用いるため、各種物
性に優れたものである。
次に本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説明
する。
製造例1 (1)トリメチルアルミニウムと水との接触生成物の調
製 アルゴン置換した内容積500dのガラス製容器に、硫
酸銅5水塩(CuS Oa ・5 HtO) 17.8
g(71ミリモル)、トルエン200d及びトリメチル
アルミニウム24Jll(250ミリモル)を入れ、4
0℃で8時間反応させた。その後固体部分を除去して得
られた溶液から、更に、トルエンを室温下で減圧留去し
て接触生成物6.7gを得た。
この接触生成物の分子量を凝固点降下法によって測定し
たところ610であった。
(2)スチレン系重合体の製造 内容積21の反応容器に、精製スチレン142゜上記(
1)で得られた接触生成物をアルミニウム原子として5
ミリモル、トリイソブチルアルミニウムを5ミリモル、
ペンタメチルシクロペンタジェニルチタントリメトキシ
ド0.025ミリモルを用いて90°Cで5時間重合反
応を行った。反応終了後、生成物を水酸化ナトリウムの
メタノール溶液で触媒成分を分解後、メタノールで繰返
し洗浄後、乾燥して重合体308gを得た。1,2.4
トリクロベンゼンを溶媒として、135℃でゲルパーミ
ェーションクロマトグラフィーにて測定したこの重合体
の重量平均分子量は389.000、重量平均分子量/
数平均分子量は2.64であった。
また、融点及び13C−NMR測定により、この重合体
はシンジオタクチック構造のポリスチレンであることを
確認した。
製造例2 製造例1(2)において、重合時に重合溶媒としてヘプ
タン500dを加えたことの他は、製造例1(2)と同
様にして重量平均分子量412,000、重量平均分子
量/数平均分子量2.28のシンジオタクチック構造の
ポリスチレンを得た。
製造例3 製造例2において、原料モノマーとしてスチレン950
dおよびp−メチルスチレン50Idを用いて共重合を
行ったこと以外は、製造例2と同様に行った。得られた
共重合体は、共シンジオタクチック構造でp−メチルス
チレン単位を9.5モル%含むことが”C−NMRによ
り確認できた。
また重量平均分子量は438.000、重量平均分子量
/数平均分子量は2.51であった。
実施例1 製造例1で製造されたスチレン系重合体を、150°C
にて減圧、乾燥後、ベント付単軸押出機にてペレット化
し、このペレットを130℃の熱風中攪拌しながら結晶
化させた。この結晶化ペレット中のスチレンモノマー含
有量は1.100ppmであった。
次に、このペレットを、250メツシユのフィルターの
内在する押出機の先端にT−ダイを取り付けた装置で押
出した。このときの溶融温度は、330°Cであった。
この溶融状態のシートを、ロール表面が55°Cに調節
されたタッチロール引取機を用いて結晶化度12%、厚
さll1IIIlのシートに成形した。
得られたシートを縦方向に3倍、横方向に3倍、さらに
縦方向に1.3倍、120°Cにて延伸した。
続いて230″Cにて制限収縮下で20秒間熱処理した
。得られたフィルムは厚さ85μm、ヘイズ1.8.複
屈折の絶対値1Δnlは10×10−3であった。また
このフィルムの密度は1.06g/cdであった。また
、このフィルムの湿度膨張係数を、サーマルメカニカル
アナリシス(真空理工型)に湿度可変装置を取りつけ、
室温で20%RHより80%RHの平均として測定した
ところ5×10−’/%RHであった。
次に、銀塩写真フィルムの代表例として模擬的なX線写
真フィルムを次の手順で作り性能評価を行った。
(1)ゼラチン・ザビング 5重量%ゼラチン水溶液9部に対し、4重量%ホルマリ
ン1部を添加し、上記積層フィルムに乾燥後の厚みが0
.7μmになるように塗布し、100°C,3分間乾燥
した。
(2)X線写真フィルム用乳剤 宮本五部著「写真感光材料と取扱法」共立出版■195
5年、P84記載の乳剤を用いた。
〔A液〕
〔B液〕 (3)保護膜、裏引きゼラチン層 2重量%のゼラチン水溶液9部に、4%ホルマリン1部
を添加したものを乳剤層面に0.3μm及び乳剤層とは
反対の面に7μmになるように塗布し、室温で乾燥した
この写真フィムを用いてAI!、箔のX線回折像を撮影
し、現象した。
この時、現象直後及び80°C185%RH下で12時
間後の画像の状態、引張試験(JISC2318)およ
び密度を測定した。結果を表に示す。
実施例2 実施例1において、ベースフィルム作成時にアタクチッ
クポリスチレン(出光石油化学■製HH30E)を10
重量%含むような材料を用いたこと以外は、実施例1と
同様の操作を行った。結果を表に示す。
実施例3 実施例1において、製造例3のスチレン系重合体を用い
たこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を
表に示す。
実施例4 実施例1と同様にしてベースフィルムを作成し、その片
面に感光層、他面にカール防止層をもつ模擬的なジアゾ
感光フィルムを次の要領で作った。
酪酢酸セルロース(イーストマン社製、EAB−171
)の酢酸エチル15重量%溶液40d。
4−ジアゾ−N、N’−ジエチルアニリンクロライド塩
化亜鉛複塩1.5g、酒石酸1.5g、  β−レゾル
シン酸エタノールアミン1.2g、オイルブルー0.0
1gおよびメタノール60tttlを混合して、ベース
フィルムに塗布し、100°C,3分間乾燥して厚さ6
μのジアゾ感光層を得た。
カール防止層として、他面に酪酢酸セルロースのみを塗
布し、同様に乾燥した。
得られたジアゾ感光フィルムの感光層に原稿を密着させ
て水銀ランプで感光させ、モノエタノールアミン10%
水溶液中で2秒間浸漬し、現像した。結果を表に示す。
比較例1 実施例1において、製造例2の重合体を用い、135°
Cで延伸したこと以外は、実施例1と同様にした。結果
を表に示す。
比較例2 実施例1において、アタクチックポリスチレン(出光石
油化学■製、)IH−30E)を用い、溶融温度を22
0 ’Cとし、熱処理を施さなかったこと以外は、実施
例1と同様にしてフィルム及び写真フィルム作成した。
結果を表に示す。
比較例3 ポリエチレンテレフタレート(ティジン製、テトロン、
OF2.75μm)を用いて実施例1と同様にした。結
果を表に示す。
(以下余白) 1)SPSニシンジオタクチックポリスチレンaPSニ
アタクチックポリスチレン coSPSニシンジオタクチック(スチレン−p −メ
チルスチレン)共重合体 PET:ポリエチレンテレフタレート 2)JIS  K  705により測定3)現像特性 処理前(現像直後) 画像 良好:A1回折点が鮮明に撮影出来ている。
不良:高次のA1回折点が不鮮明である。
処理後=90°C285%RH下で12時間処理画像 
良好:現像直後上同様 不良;フィルムの反り、収縮等で画像 のずれあり 弾性率 固体粘弾性装置(スペクトロメーター)にて3
0°Cで測定 良好: 40.000kg / cd以上可  : 2
5,000〜40.000kg / cd不良: 25
 、000 kg / c艷以下〔発明の効果] 以上のように本発明の写真フィルムは、ベースフィルム
として物性の優れたフィルムを用いるため、従来の写真
フィルムより軽量であり、また力学物性1寸法安定性等
が極めて良好である。
したがって本発明の写真フィルムは、白黒、カラー、印
刷製版、  X、l、複写等の写真フィルムとして幅広
く利用される。
、:L+

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(A)シンジオタクチック構造を有するスチレン
    系重合体あるいはそれを含む組成物からなるとともに厚
    さ20〜500μmであってヘイズ3%以下、湿度膨張
    係数が1×10^−^6/%RH以下である延伸フィル
    ム層及び(B)感光層からなる写真フィルム。
  2. (2)感光層が、銀塩感光材料、ジアゾ感光材料、フォ
    トクロミック感光材料あるいは光導電性材料からなる請
    求項1記載の写真フィルム。
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