JPH03130476A - 透湿性繊維状シート材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、透湿性、吸排温性に優れ、かつ肌触りの良い
風合を持った合成皮革ないしは防水布、コーティング布
帛などに用いられる透湿性繊維状シート材に関するもの
ある。

（従来技術） 従来、ポリウレタン系樹脂などの樹脂皮膜による繊維状
シート材に肌触りの良い風合を付与するには合成樹脂素
材に発泡剤を添加して多孔質化していた。また、透湿性
や吸排湿性を付与するには、樹脂液を基布に塗付した後
凝固液により樹脂を凝固させるいわゆる湿式凝固法によ
って多孔質皮膜とする　か、あるいは最近になり天然皮
革の持っ吸排温性に注目し、合成樹脂素材に天然皮革粉
末ないしはゼラチン末を混入しこれらの性質を付与する
試みがなされている。（例えば特開昭６３−１５２４８
３号公報） （発明が解決しようとする課題） 合成樹脂素材に発泡剤を添加して多孔質化して風合を付
与しても吸排温性は無い。他方、皮革粉末やゼラチン粉
末を混入して充分な透湿性、吸排湿性を与えるには、こ
れら粉末の添加量を増さねばならないが、反面それに伴
って樹脂の柔款性が失われ、皮膜が脆弱化し強度、耐久
性などが低下し、場合によっては実用上の使用に耐えな
くなる。

したがって、強度を確保する為には自ずと皮革粉末など
の添加量に限界があり、皮膜の持つ透湿性、吸排温性に
も多くを期待できなかった。本発明の目的は、こうした
問題を解決し、透湿性、吸排湿性に優れた、柔らかい感
触の透湿性繊維状シート材を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本第１の発明の特徴手段は羊毛などに代表される獣毛、
絹、皮革などの動物性繊維の粉末を混入した樹脂液を撥
水処理をした基布に塗布し、溶剤を乾燥させ皮膜を形成
させた後、アルカリ水溶液に浸漬し、混入している動物
性繊維粉末の一部ないし全部を溶出させミクロン単位の
微細な多孔質構造を持つ表皮を有する透湿性繊維状シー
ト材とすることにある。

又、本第２の発明の特徴手段は、アルカリに対する溶解
度合いの異なる少なくとも二種類の！！ｌＩ物性繊維の
粉末を混入して、溶解度の高い方の動物性繊維粉末を溶
出させ、他方の動物性繊維粉末の大部分を樹脂中に残留
させることにある。

（作用） 本第１発明は、飢物性繊維、例えば皮革や羊毛がアルカ
リに弱く比較的容易に浸され溶けてしまう性質を利用し
たもので、熱可塑性樹脂の樹脂液に動物性繊維の粉末を
比較的多量に混入したものをＩＢ水処理をした基布に塗
布し、溶剤を乾燥させ皮膜を形成させた後、薄いアルカ
リ溶液に所定の時間浸漬し、樹脂内に均一に分散してい
るこれら粉末を溶出した後、中和水洗、乾燥すると、粉
末の溶は出した後が微細な気孔となって多孔質構造の皮
膜を有する透湿性繊維状シート材となる。又、混入した
動物性繊維の一部が、その気孔の壁面に溶けきれないで
残った場合、この動物性繊維の粉末の露出によって、著
しく接触面積が増加するので、動物性繊維の持つ特性で
ある吸排湿性と染色性が顕著に現われ、その結果、柔ら
かい感触を持ち、柔軟性に冨み透湿性、吸排湿性に優れ
、後染め可能な透湿性繊維状シート材が得られる。

又、本第２発明は、動物性繊維によってアルカリに対し
溶解度合いの異なるもの、例えば皮革と羊毛を比較する
と皮革の方がアルカリに弱く比較的容易に溶けてしまう
性質を利用したもので、熱可塑性樹脂に皮革粉末と動物
の毛の粉末など少なくとも二種類の動物性繊維の粉末を
混入して樹脂液を造り、これを撥水処理をした不織布な
との基布に塗布し、溶剤を乾燥させ皮膜を形成させた後
、薄いアルカリ溶液に所定の時間浸漬し、樹脂内に均一
に分散しているこれらの粉末の内アルカリに良く溶ける
動物性繊維粉末を溶出した後、中和水洗、乾燥させて、
多孔質構造の皮膜とするものである。なお、前記の皮革
粉末のようにアルカリに良く溶ける動物性繊維粉末は、
必ずしもその全部を溶出する必要はなく、一部溶出しな
いで残留させておいても良い。また、本発明における基
布は、繊維製品てあれば特に制限はなく、例えば織布、
不織布、紙、人工皮革、合成皮革及び天然の皮革などが
用いられる。

（発明の効果） このように本発明によれば、従来品に比し柔らかい感触
を持ち、柔軟性に富み透湿性、吸排湿性に優れ、後染め
も可能な透湿性繊維状シート材が安価に提供出来る。ま
た、本発明になる透湿性繊維状シート材にあっては、樹
脂液に混入する動物繊維の種類、粉末の粒度、混入割合
、およびアルカリ処理の程度などにより感触、弾力性、
吸排湿性など皮膜の特性を調整すると共に、基布の材質
の選択により透湿性繊維状シート材の風合や、吸排温性
などを任意に調整することによって、使用目的に適合し
た透湿性繊維状シート材となし得る。

（実施例） ポリウレタン樹脂に平均粒径が１０．ｃｌｍである羊毛
の粉末を重量割合で２５％混入した樹脂液を１ｅ水処理
をした不織布に塗布し、溶剤を乾燥させ皮膜を形成させ
た後、これを濃度５％の力性ソーダ溶液に２０分漫潰し
た復、中和洗浄し乾燥した。

第１図は、以上の処理をした透湿性繊維状シート材で繊
維粉末の一部が溶出した状態の断面の拡大図である。こ
うして得られた透湿性繊維状シート材は、透湿性、吸水
性があり、柔軟性、引っ張り強度充分で、肌触り感もソ
フトで従来の繊維状シート材にない優れた特徴を有する
。

（別の実施例） ポリウレタン樹脂に平均粒径１０μ功の皮革粉末と、平
均粒径１８μＤ羊毛の粉末を重量割合で各々２０％と１
５％混入した樹脂液を造りこれを撥水処理をした織布に
塗布し、溶剤を乾燥させ皮膜を形成させた後、これを濃
度５％の力性ソーダ溶液に３０分漫漬し皮革粉末のほぼ
全量を溶出させた後、中和洗浄し乾燥した。第２図は、
以上の処理をした透湿性繊維状シート材で皮革粉末を溶
出させて多孔質構造となった断面の拡大図である。

この様な処理を行なって造った透湿性繊維状シート材は
、透湿性、吸水性があり、柔軟性に冨み、肌触り感のソ
フトな従来の繊維状シート材にない優れた特徴を持って
いた。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は＄発明の実施例を示す。 図において １は羊毛の粉末、 ２は皮革粉末、 ３はボリウＬ／タン樹脂、 ４は気孔、 ５は基布を示す。 以上

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）熱可塑性樹脂に動物性繊維の粉末を混入した樹脂
   液を基布に塗布後乾燥し、樹脂皮膜を作成させた後、ア
   ルカリ水溶液に浸漬し、動物繊維粉末の一部ないしは全
   部を溶出して多孔質構造としたことを特徴とする透湿性
   繊維状シート材。
2. （２）前記動物性繊維としてアルカリに対する溶解度合
   いの異なる２種類以上の動物性繊維を使用することを特
   徴とする請求項（１）記載の透湿性繊維状シート材。