JPH0693571A - 合成皮革の製造方法 - Google Patents

合成皮革の製造方法

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JPH0693571A
JPH0693571A JP31874491A JP31874491A JPH0693571A JP H0693571 A JPH0693571 A JP H0693571A JP 31874491 A JP31874491 A JP 31874491A JP 31874491 A JP31874491 A JP 31874491A JP H0693571 A JPH0693571 A JP H0693571A
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JP
Japan
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powder
porous
synthetic leather
natural leather
animal
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Pending
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JP31874491A
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English (en)
Inventor
Haruo Ishikawa
治男 石川
Toshikatsu Mitsuhashi
敏克 三觜
Masuhiro Morimoto
益弘 森本
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DAIICHI LACE KK
Hosokawa Micron Corp
Original Assignee
DAIICHI LACE KK
Hosokawa Micron Corp
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Publication date
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  • Treatment And Processing Of Natural Fur Or Leather (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた透湿性と高度な吸湿・放湿性を有し、か
つしなやかな風合いを有する合成皮革を得るためのもの
である 【構成】天然皮革粉末および/または動物の毛の粉末を
含有するポリウレタン重合体を主体とする実質的に無孔
質の樹脂皮膜層を形成させた後に、動物性蛋白質分解酵
素を含む溶液中に浸漬処理することにより、該粉末の所
定量を残存させた状態で、多孔質構造を形成させること
が出来るもので、優れた透湿性と高度な吸湿・放湿性を
有する合成皮革が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた透湿性と高度な
吸湿・放湿性を有し、かつしなやかな風合いを有する合
成皮革の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、ポリウレタン系合成皮革の透湿
性を付与するために種々な提案がなされており、例え
ば、繊維基材にポリウレタン重合体を主体として含有す
る極性有機溶剤溶液を塗布し、次いで、水を主体とする
凝固浴中に浸漬してポリウレタンの多孔質皮膜層を形成
させる、いわゆる湿式凝固法によりポリウレタン系合成
皮革を製造する方法は良く知られている。
【0003】また、最近では基布上にゼラチンの微粉末
を混入したポリウレタン重合体を主体とする無孔性の乾
式皮膜を形成させた後、熱水で処理してゼラチンを溶解
除去して多孔質の皮膜を有するポリウレタン系合成皮革
を製造する方法(特開平2−91279号公報)、ある
いは天然皮革粉末などの動物性繊維の微粉末を含有する
ポリウレタン重合体を主体とする無孔性の乾式皮膜をア
ルカリ水溶液に浸漬して混入している動物性繊維の微粉
末を溶出して多孔質の皮膜を有するポリウレタン系合成
皮革を製造する方法(特開平3−130476号公報)
などが知られている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、湿式
凝固法により製造されたポリウレタン系合成皮革は生成
した多孔質皮膜層の表面は平滑性に乏しく、また摩擦堅
牢度などの物性も不充分であり、通常はこの表面にポリ
ウレタン樹脂溶液などを使用して表面処理を施すのが一
般的であり、その結果として透湿度が著しく低減した。
【0005】また、ゼラチンの微粉末を混入したポリウ
レタン重合体を主体とする無孔性の乾式皮膜を熱水で処
理してゼラチンを溶解除去する方法、あるいは天然皮革
粉末などの動物性繊維の微粉末を含有するポリウレタン
重合体を主体とする無孔性の乾式皮膜をアルカリ水溶液
に浸漬して動物性繊維の微粉末を溶出する方法は、処理
条件(温度、時間)の僅かな変化によって溶出量が大幅
に異なるため、残留量を任意に調節することが困難で、
皮膜中に動物性繊維の微粉末を所定量残存させて天然皮
革に類似した風合いと感触、および吸湿・放湿性を付与
させようとする場合、きわめて厳密な管理を必要とし
た。また、天然皮革粉末などをアルカリ溶液で溶出する
時に発生する悪臭が作業環境を悪化させると言う新たな
問題を発生させた。本発明はこのような欠点を改善し優
れた透湿性と高度な吸湿・放湿性を有し、かつしなやか
な風合いを有する合成皮革の製造方法を提供しようとす
るものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に種々研究を重ねたところ、天然皮革粉末などの動物性
繊維の微粉末を含有するポリウレタン重合体を主体とす
る無孔質の乾式皮膜を動物性蛋白質分解酵素を含む溶液
中に浸漬処理することにより、多孔質構造を形成させる
ことが出来、かつ該皮膜中に微粉末の所定量を残存させ
て、優れた透湿性と高度な吸湿・放湿性を有する合成皮
革が得られることを見いだした。
【0007】すなわち本発明は、多孔性の繊維質基材の
表面に、天然皮革粉末および/または動物の毛の粉末を
含有するポリウレタン重合体を主体とする実質的に無孔
質の樹脂皮膜層を形成させた後、動物性蛋白質分解酵素
を含む溶液中に浸漬して天然皮革粉末および/または動
物の毛の粉末の一部を分解し、次いで湯洗処理を施して
分解生成物を除去することにより、天然皮革粉末および
/または動物の毛の粉末の一部を残存させてポリウレタ
ン重合体の多孔質皮膜層を形成することを要旨とするも
のである。
【0008】
【作用】以下、本発明の作用を製造工程に従って説明す
る。まず、多孔性の繊維質基材の表面に天然皮革粉末お
よび/または動物の毛の粉末を含有するポリウレタン重
合体を主体とする実質的に無孔質の樹脂皮膜層を形成さ
せる。
【0009】なお、繊維質基材の表面に天然皮革粉末お
よび/または動物の毛の粉末を含有するポリウレタン重
合体を主体とする実質的に無孔質の皮膜層を形成させる
方法は、繊維基材の表面に天然皮革粉末および/または
動物の毛の粉末を含有するポリウレタン重合体を主体と
する溶剤溶液を塗布し、乾燥して溶剤を溜去する方法、
あるいは、離型性を有する基材(離型紙など)に天然皮
革粉末および/または動物の毛の粉末を含有するポリウ
レタン重合体を主体とする溶剤溶液を塗布し、乾燥して
皮膜形成させ、これを繊維質基材と貼り合わせるなどの
方法がある。
【0010】本発明の多孔性の繊維質基材とは織物、編
物、不織物など、及びこれらの繊維基材にあらかじめ合
成重合体を主体として構成された多孔質皮膜を有するも
のである。
【0011】本発明に使用するポリウレタン重合体とし
ては通常のポリエステル系ポリウレタン重合体、ポリエ
ーテル系ポリウレタン重合体などの任意のものが、単独
ないしは併用して使用できる。なお、この溶液中にはポ
リウレタン重合体以外の重合体を含有していてもよく、
安定剤、充填剤、着色剤、その他各種の添加剤などが配
合されていても差し支えない。
【0012】次いで、皮膜層を形成させた繊維質基材を
動物性蛋白質分解酵素を含む溶液中に浸漬して天然皮革
粉末および/または動物の毛の粉末の一部を分解する。
本発明は、動物性蛋白質分解酵素の特性である 常温常圧に近い比較的穏和な条件で反応させる事が出
来る。 酵素濃度を変化させることにより、任意の反応速度に
調整出来る。 酵素と反応基質の組み合わせが決まっている。 ことを利用したものであり、皮膜層内に天然皮革粉末お
よび/または動物の毛の粉末を任意の割合で分解除去す
ることによって多孔質構造を形成させると共に、該粉末
を任意の割合で残留させ、これによって、透湿性および
吸湿・放湿性を有し、かつしなやかな風合い、感触の合
成皮革が得られるのである。
【0013】なお、本発明に用いられる動物性蛋白質分
解酵素は、例えばアルカリプロテアーゼ、中性プロテア
ーゼなどが挙げられ、使用量は分解酵素の種類、天然皮
革粉末および/または動物の毛の粉末などの種類および
量などの条件により異なる。これらの分解酵素を反応に
適したPHに調整した緩衝液中に分散させて使用する。
この動物性蛋白質分解酵素を反応させる溶液の温度は一
般には20〜40℃の範囲が適しているが、処理時間を
短縮したい場合には酵素が失活しない範囲で温度を上げ
ることが出来る。
【0014】動物性蛋白質分解酵素を反応させる処理時
間は溶液中に10分ないし2時間で充分である。次に、
浸漬し分解酵素を作用させた樹脂皮膜層を有する繊維質
基材は、50〜80℃の温水により蛋白質分解酵素の作
用で生成した天然皮革粉末および/または動物の毛の分
解生成物を洗い流す。なお、温水浴中でもみ洗いをする
ことにより確実に天然皮革粉末および/または動物の毛
の分解生成物を除去することが出来る。この天然皮革粉
末および/または動物の毛の分解生成物が除去された跡
には全体に亘って均質で微細な気孔が形成され、また比
較的多量の天然皮革粉末および/または動物の毛の粉末
が残留する多孔質皮膜層が形成される。
【0015】
【実施例】シボ付き離型紙表面にポリエステル系ポリウ
レタン樹脂の25%ジメチルホルムアルデヒド(以下D
MFと略す)溶液100部に、平均粒径が9μmの天然
皮革粉末50部をDMF100部に分散させた液を加
え、更にカーボンブラック5部を添加調合した樹脂液を
ナイフオーバーロールコーターで厚さ0.12mmに均
一に塗布し、充分乾燥させて厚さ25μmの樹脂層を作
成した。この樹脂層にナイロン100%のハーフトリコ
ットを熱圧着して貼り合わせた後、離型紙を剥離して無
孔質の合成皮革を得た。
【0016】この無孔質の合成皮革を四ホウ酸ナトリウ
ム0.2重量%,塩化カルシウム0.05重量%を加
え、PHが10で液温が35℃の緩衝液に蛋白質分解酵
素の濃度を0.001%にした混合溶液に60分間浸漬
した後、60℃の温水中で約30分間もみ洗いし、温水
中に溶出してきた分解蛋白質の量を測定して樹脂層中の
皮革粉末の分解溶出量を調べたところ、45%程度溶出
している事が判った。この様にして得られた合成皮革の
透湿度は3100gr/m24Hr(JISZ020
8)で、この製品はドレープ性を有し衣料用素材として
有用であった。
【0017】
【比較例】上記実施例で製作した無孔質の合成皮革の透
湿度は930gr/m24Hrで柔軟性に欠け、特に
樹脂面の強度は脆くこのままでは合成皮革としては使用
不可能なものであった。
【0018】
【別の実施例】ポリエステル系ポリウレタン樹脂の30
%DMF溶液100部にDMF100部、カーボンブラ
ック7部、酸化防止剤1部を添加した樹脂液をベンベル
グ80%、ナイロン20%編成のハーフトリコットの起
毛面に、ナイフオーバーロールコーターで厚さ0.8m
mに均一に塗布し、30℃の水浴中で凝固し微多孔質の
シート材を得た。一方、ポリエステル系ポリウレタン樹
脂の25%DMF溶液100部に、平均粒径が10μm
の天然皮革粉末40部と平均粒径が8μmの羊毛粉末1
0部を200部のDMFに分散させた液を加え、これに
カーボンブラック7部を添加した樹脂液をシボ付き離型
紙表面に塗布して厚さ25μmの樹脂層を形成させ、こ
れを微多孔質のシート材に熱圧着して貼り合わせた。こ
の樹脂層を熱圧着した微多孔質シート材を四ホウ酸ナト
リウム0.1重量%、塩化カルシウム0.05重量%を
加えてPHが8.5で液温が35℃の緩衝液に天然皮革
粉末を分解する蛋白質分解酵素を0.001重量%の割
合で添加した溶液に50分間浸漬した後、60℃の温水
で30分間もみ洗いすると天然皮革粉末および羊毛粉末
が酵素により分解された分解物と残留酵素が除去されて
多孔質皮膜を有する合成皮革を得た。この様にして得ら
れた合成皮革の表皮には温水中に溶け出した蛋白質の量
の測定結果より逆算すると添加した粉末の約40%が残
留している事が判った。この切断面を顕微鏡で観測する
と表皮面には天然皮革粉末及び羊毛の粉末が溶け出した
後を示す多数の気孔と、その周辺に分散されている多量
の天然皮革粉末と羊毛粉末の存在が確認された。得られ
た合成皮革は風合がソフトでドレープ性があり、極めて
柔軟性に富み、透湿度は2400g/m24hrで水
分率は6.4%で吸湿・放湿性に富み表面の感触がシッ
トリと落ち着いたものであった。
【0019】
【比較例】一方、実施例と同じ原料素材を使って60℃
の2%のNaOH溶液に20分間浸漬し水洗して得た合
成皮革は、表皮に含まれている粉末のほとんど全部が溶
出して居り、顕微鏡の観察によっても天然皮革粉末など
の存在を認め難い。この合成皮革の透湿度は3200g
/m24hrと実施例よりも相当大きいが、水分率は
5.3%と劣り吸湿・放湿性はかなり低く、表面の感触
もゴムライクなタッチであった。
【0020】
【発明の効果】この様に、本発明の製造方法によれば、
皮膜層に形成される均質な微多孔質がもたらす透湿性と
通気性に加えて、皮膜層に残留している天然皮革粉末お
よび/または動物の毛の粉末の作用による吸湿・放湿性
と暖かみのある感触、染色性などの特性を有し、従来の
合成皮革では得られなかった独特の風合・感触と色艶、
吸湿・放湿性と透湿性を自由に設計することが出来るよ
うになり、使用目的に適応した良質の合成皮革を提供出
来るようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性の繊維質基材の表面に、天然皮革粉
    末および/または動物の毛の粉末を含有するポリウレタ
    ン重合体を主体とする実質的に無孔質の樹脂皮膜層を形
    成させた後、動物性蛋白質分解酵素を含む溶液中に浸漬
    して天然皮革粉末および/または動物の毛の粉未の一部
    を分解し、次いで湯洗処理を施して分解生成物を除去す
    ることにより、天然皮革粉末および/または動物の毛の
    粉末を含有するポリウレタン重合体の多孔質皮膜層を形
    成させることを特徴とする合成皮革の製造方法。
JP31874491A 1991-09-26 1991-09-26 合成皮革の製造方法 Pending JPH0693571A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006055632A (ja) * 2004-07-20 2006-03-02 Yamatoya:Kk バッグ
CN106702760A (zh) * 2016-12-14 2017-05-24 上海华峰超纤材料股份有限公司 水性聚氨酯超细纤维合成革原生基布及其制备方法
CN113622190A (zh) * 2021-08-06 2021-11-09 武汉纺织大学 一种服装用仿真皮彩色功能纱线及其制备方法

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CN106702760B (zh) * 2016-12-14 2019-06-21 上海华峰超纤材料股份有限公司 水性聚氨酯超细纤维合成革原生基布及其制备方法
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