JP2903154B2 - 合成皮革 - Google Patents

合成皮革

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JP2903154B2 JP62326213A JP32621387A JP2903154B2 JP 2903154 B2 JP2903154 B2 JP 2903154B2 JP 62326213 A JP62326213 A JP 62326213A JP 32621387 A JP32621387 A JP 32621387A JP 2903154 B2 JP2903154 B2 JP 2903154B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は合成皮革の改良に関するものである。(従来
技術とその問題点) 自動車用シート材として合成皮革シートが汎用され、
近年の至っては例えば、革粉を混入した合成樹脂液を生
地状に塗着して皮革状被膜とし、皮革状性質を持たせる
ようにしたシートが提案されている。(特開昭62−2633
84号)。 しかしながら、かかる革粉は皮革副産物としてシェー
ビング工程等で多量に産出するものであるため、経時変
化によってシート表面に縞模様が浮き出てきて、著しく
商品価値を滅ずるという問題がある。 そこで、本発明者は鞣された皮革のシェービング工程
等にて得られる革粉を洗浄処理後、繊維成分が滅失しな
い温度範囲で低温乾燥し、乾燥革粉を50〜150メッシュ
パスに微粉砕することにより、シェービング工程等の副
産物として産出される革粉の欠点である経時変化によっ
てシート表面に縞模様が浮き出てくる原因を天然皮革の
風合いを創出する繊維分を滅失させることなく解消する
ことができる革粉を提供するに至った。 (発明の目的) 即ち、本発明の第1の目的はかかる処理された革粉を
使用して品質の優れた合成皮革を提供することにある。 ところで、革粉を樹脂層全体に均一に分散させること
により、樹脂層に天然皮革の物性を付与することができ
るが、革粉の添加量が多くなると、また、革粉を樹脂層
に均一に分散させなければ、樹脂層の引っ張り強度が低
下して耐久性に欠ける欠点が出てくる。 そこで、本発明の第2の目的は合成皮革の引っ張り強
度を低減させることなく、合成樹脂層に革粉を均一に分
散させ、革粉添加の効果を最大限引き出すことのできる
合成皮革を提供することにある。 (目的を達成するための手段) 本発明の第1の構成は、「合成皮革用樹脂に対し、充
填用フィラーとして鞣された皮革のシェービング工程等
にて得られる革粉を湯温30℃以上で洗浄処理後、繊維成
分が滅失しないように大気圧下100℃以下の加熱乾燥又
は減圧乾燥によって低温乾燥し、50〜150メッシュパス
に微粉砕してなる革粉10〜30重量%を配合し、均一分散
してシート状に成形してなる合成皮革シート」にある。 本発明において、充填用フィラーとして用いられる革
粉は次のようにして処理される。 洗浄温度は革粉内に含浸される種々の化学成分の除去
効果が飛躍的に向上する30℃を下限とするのが好まし
い。それ以下では除去効果が余り期待できず、それ以上
でも余り変化が見られないため、熱効果を勘案して30〜
50℃で洗浄するのがよい。洗浄水には洗浄効果を上げる
ために、浸透剤、例えば、LTS−1000及びリビエールM
(商品名:日本国大阪在三和化学工業(株)製造)を少
量添加するのがよい。 洗浄後の乾燥は大気圧下100℃以下で加熱乾燥する
か、減圧乾燥を行うことが必要である。大気圧下100℃
以上で乾燥すると、革粉内の繊維成分が加熱分解して滅
失し、所定の効果を奏し得ない。粉砕には水分5%以下
まで乾燥するのがよい。 このようにして得られる革粉は粉砕した後、スクリー
ニングされ、50〜150メッシュパスの範囲に微粉砕した
ものを回収する。 150メッシュパス以下になると、革粉の繊維成分の物
性を有効に利用できず、天然皮革の風合いを創出できな
い。他方、50メッシュパス以上になると、表面にざらつ
きが生じ、表面状態が悪くなる。したがって、50〜150
メッシュパスの範囲が好ましい。。 合成皮革用樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ウレタン
樹脂等一般に合成皮革用として用いられている熱可撓性
樹脂が用いられ、上記処理された革粉を10〜30重量%の
範囲で充填され、均一に分散してカレンダー加工に代表
される被覆法によりシート状に加工されるのが好まし
い。 配合量が10重量%以下では革粉添加の効果が現出せ
ず、他方、30重量%を越えると引っ張り強度等のシート
材としての耐久性に欠けるためである。但し、合成樹脂
層を発泡させる場合は気泡との相乗効果を考慮すると、
配合量は5重量%から革粉添加の効果が現出するが、15
重量%を越えると、引っ張り強度等のシート材としての
耐久性が低下するため、5〜15重量%の範囲にするのが
よい。したがって、本発明は、「合成皮革用樹脂に対
し、充填用フィラーとして鞣された皮革のシェービング
工程等にて得られる革粉を湯温30℃以上で洗浄処理後、
繊維成分が滅失しないように大気圧下100℃以下の加熱
乾燥又は減圧乾燥によって低温乾燥し、50〜150メッシ
ュパスに微粉砕してなる革粉5〜15重量%を配合して発
泡成形してなる合成皮革シート」を提供することにもあ
る。 上記発明の構成によれば、発泡および非発泡合成皮革
シートにおいて、引っ張り強度等の合成皮革に必要な耐
久性を阻害することなく、天然皮革の風合、例えば従来
の合成皮革にない透湿度を付与することができる。特に
塩化ビニルシートはウレタン系シートに比し透湿度が極
端に低いため、風合いが劣るという欠点があり、安価
で、耐久性に優れる欠点があるものの、安物として取り
扱われているのが現状であったが、塩化ビニル樹脂を主
体としても透湿度に優れた改良された合成皮革を提供す
ることができる。 他方、上記構成では革粉はその繊維成分が合成樹脂の
フィラー形式の添加材として機能していると考えられる
が、係る革粉繊維成分と合成樹脂成分とのバインダーと
して天然皮革の副産物として産出する膠又はゼラチンを
利用すれば、より一層合成皮革に天然皮革の風合を付与
することができる。そこで、本発明の第2の構成は、
「合成皮革用樹脂に対し、充填用フィラーとして鞣され
た皮革のシェービング工程等にて得られる革粉を湯温30
℃以上で洗浄処理後、繊維成分が滅失しないように大気
圧下100℃以下の加熱乾燥又は減圧乾燥によって低温乾
燥し、50〜150メッシュパスに微粉砕してなる革粉10〜3
0重量%」を配合してなる非発泡合成皮革シート及び
「合成皮革用樹脂に対し、充填用フィラーとして鞣され
た皮革のシェービング工程等にて得られる革粉を洗浄処
理後、繊維成分が滅失しない温度範囲で低温乾燥し、50
〜150メッシュパスに微粉砕してなる革粉5〜15重量
%」を配合し、発泡させてなる発泡合成皮革シートを形
成するにあたり、「バインダーとして膠又はゼラチンを
希釈してなる添加剤を膠又はゼラチン乾燥重量で、0.5
〜10重量%を配合して均一分散し、シート状に成形して
なる合成皮革シート」を提供することにある。 バインダーとして配合される膠又はゼラチンは合成樹
脂成分に対して均一に分散させる必要がある。しかしな
がら、膠又はゼラチン粉末をそのまま合成皮革用樹脂に
対して混合しても均一に分散し難い。そのため、本発明
においては、合成皮革用樹脂として塩化ビニル樹脂を使
用する場合は、膠又はゼラチンを予め可塑剤および分散
安定剤等と混合して希釈して用い、ウレタン樹脂を使用
する場合はポリオール成分に予め混合するか、又は鎮伸
長剤であるグリコール成分と予め混合して希釈して用い
るのがよい。 樹脂分に対するその配合量は膠又はゼラチン乾燥重量
で、0.5〜10重量%が配合される範囲が好ましい。 0.5重量%以下では所定の添加効果が現出しない一
方、10重量%以上では合成皮革の耐久性を阻害する原因
となるからである。 本発明の上記第2の構成によれば、革粉と合成樹脂と
のバインダーとして樹脂性質を有する膠又はゼラチン成
分が作用し、より一層天然皮革の風合を現出させること
ができる。因み、単に革粉だけを添加混合する場合より
透湿度が2倍以上向上する。また、膠又はゼラチン成分
を含む合成皮革シートを熱水処理すると、合成皮革シー
ト内の膠又はゼラチンの一部が流失して天然皮革の毛穴
様の細孔が形成されるためか、上記透湿度は飛躍的に向
上し、天然皮革に匹敵する物性が現出することが見出さ
れている。 現在、合成皮革シートに通気性を付与する方法として
機械的・電気的に○孔する方法、基布上にプラスチ
ゾルをステンシルプリントし、露出した基布の織目を利
用する方法、水に可溶性のDMFを混合して圧延被覆
し、水洗してDMFをと溶出する方法が提案されている
が、本発明における熱水処理されたシートは細孔を介し
て外部と樹脂内部の膠又はゼラチン及び革粉成分が連通
する結果、あたかも天然皮革の透湿物性構成を形成する
と考えられる点で差異を有する。 上記本発明の第1および第2の構成は、発泡層表面に
トップ層を膜精製してなる軟質塩化ビニル、ウレタン樹
脂等の合成皮革シートに利用することができる。即ち、
本発明の第3の構成は、発泡層表面にトップ層を膜精製
してなる合成皮革シートにおいて、「発泡層は合成皮革
用樹脂に対し、充填用フィラーとして鞣された皮革のシ
ェービング工程等にて得られる革粉を湯温30℃以上で洗
浄処理後、繊維成分が滅失しないように大気圧下100℃
以下の加熱乾燥又は減圧乾燥によって低温乾燥し、50〜
150メッシュパスに微粉砕してなる革粉5〜15重量%を
配合して発泡成形するか、又は合成皮革用樹脂に対し、
充填用フィラーとして鞣された皮革のシェービング工程
等にて得られる革粉を湯温30℃以上で洗浄処理後、繊維
成分が滅失しないように大気圧下100℃以下の加熱乾燥
又は減圧乾燥によって低温乾燥し、50〜150メッシュパ
スに微粉砕してなる革粉5〜15重量%とバインダーとし
て膠又はゼラチンを希釈してなる添加剤を膠又はゼラチ
ン乾燥重量で、0.5〜10重量%を配合して発泡成形して
なる一方、トップ層は合成皮革用樹脂に対し、充填用フ
ィラーとして鞣された皮革のシェービング工程等にて得
られる革粉を湯温30℃以上で洗浄処理後、繊維成分が滅
失しないように大気圧下100℃以下の加熱乾燥又は減圧
乾燥によって低温乾燥し、50〜150メッシュパスに微粉
砕してなる革粉10〜30重量%混合して膜形成するか、又
は合成皮革用樹脂に対し、充填用フィラーとして鞣され
た皮革のシェービング工程等にて得られる革粉を湯温30
℃以上で洗浄処理後、繊維成分が滅失しないように大気
圧下100℃以下の加熱乾燥又は減圧乾燥によって低温乾
燥し、50〜150メッシュパスに微粉砕してなる革粉10〜3
0重量%とバインダーとして膠又はゼラチンを希釈して
なる添加剤を膠又はゼラチン成分として、0.5〜10重量
%を配合して膜形成してなる合成皮革シート」を提供す
ることにある。 なお、一般に表層として皮革表面処理剤を塗布する必
要がある場合は、表面処理剤中に膠又はゼラチンを乾燥
重量で、0.5〜10重量%を配合してなる表面処理剤を塗
布するようにするのが、下層とのなじみを阻害しないの
で好ましい。 以下、本発明の実施例に基づき、詳細に説明すること
にする。 (革粉製造例) 鞣工程後、シェービング工程で得られた革粉を温水洗
浄し、排水後浸透剤を添加し、温水下2時間撹拌する。
排水後1時間水洗して再び排水し、浸透剤を添加し、温
水下1時間撹拌する。その後、排水、温水洗浄を3回繰
り返す。洗浄した革粉を大気圧下炉内温度60〜80℃で、
含水率5%以下までじっくりと低温乾燥させ、これを衝
撃微粉砕機(イトマンエンジニアリング製)にて粉砕す
る。ついで、スクリーニングして50〜150メッシュパス
の革粉を回収する。 (実施例1) 合成皮革用軟質塩化ビニルコンパウンドを加熱溶融
し、これに本発明に係る処理された革粉(100メッシュ
パス)を15重量%混合し、均一に分散させてカレンダー
ロールにてシート状に形成する。 (実施例2) 発泡型合成皮革用軟質塩化ビニルコンパウンドを加熱
溶融し、これに本発明に係る処理された革粉(100メッ
シュパス)を5重量%混合し、均一に分散させてカレン
ダーロールにてシート状に形成した後、加熱工程を通し
て発泡させ、発泡シートを製造する。 (比較試験例1) 他方、本発明に係る革粉に代え、未処理の革粉(100
メッシュパス)を同量混合し、均一に分散させて形成し
たシートと経時変化を観察した。その結果、本発明に係
る革粉を使用したシートは未処理の革粉を使用したシー
トと透湿性等の天然皮革風合は同等であるが、その表面
に何の変化も生じないのに対し、未処理の革粉を使用し
たシートの表面には縞模様が現出して著しく商品外観を
阻害するに至った。 (実施例3) 合成皮革用軟質塩化ビニルコンパウンドに対し、膠又
はゼラチンを予め可塑剤および分散安定剤と予め混合し
て希釈分散し、膠又はゼラチンを乾燥重量にして5重量
%添加して加熱下に撹拌混合し、これに本発明に係る処
理された革粉(100メッシュパス)を15重量%混合し、
均一に分散させてカレンダーロールにてシート状に形成
する。 (実施例4) 発泡型合成皮革用軟質塩化ビニルコンパウンドに対
し、膠又はゼラチンを予め可塑剤および分散安定剤と予
め混合して希釈分散し、膠又はゼラチンを乾燥重量にし
て5重量%添加して加熱下に撹拌混合し、これに本発明
に係る処理された革粉(100メッシュパス)を5重量%
混合し、均一に分散させてカレンダーロールにてシート
状に形成した後、加熱工程を通して発泡させ、発泡シー
トを製造する。 (実施例5および6) 実施例3および4で製造された塩化ビニルシートを10
0℃前後に熱水に浸漬して熱水処理して乾燥した。 他方、本発明に係る革粉に代え、未処理の革粉(100
メッシュパス)を同量混合する以外は実施例3および4
と同様にしてシート形成し、熱水処理を施した。その結
果、本発明に係る革粉を使用したシートは未処理の革粉
を使用したシートと透湿性等の天然皮革風合は同等であ
るが、その表面に何の変化も生じないのに対し、未処理
の革粉を使用したシートの表面には縞模様が現出して著
しく商品外観を阻害するに至った。 (透湿度比較試験例) 日本工業規格「革の透湿度試験方法」(JISK6549)に
より、実施例1〜5で製造された合成皮革シートの透湿
度を試験し、未処理天然皮革と比較した。結果を下表第
1表に示す。 なお、本規格では、透湿度とは、一定時間に単位面積
の膜状物性を通過する水湿度80±5%に、反対側の空気
を乾燥状態に保ったとき、1時間にこの境界面を通過す
る水蒸気の質量(mg)をその革1cm2当たりに換算し、
その値をその値を透湿度としている。 第1表 試験項目 平均値(mg/cm2・hr) 実施例1 0.1 2 0.2 3 0.2 4 0.25 熱水処理 実施例5 0.5 6 0.6 天然皮革 (未処理) 1.0 塩ビシート 0 (実施例7) 実施例1に示すように、合成皮革用軟質塩化ビニルコ
ンパウンドを加熱溶融し、これを本発明に係る処理され
た革粉(100メッシュパス)を15重量%混合し、均一に
分散させてカレンダーロールにてフィルム状に形成され
るトップ層と、実施例2に示すように、発泡型合成皮革
用軟質塩化ビニルコンパウンドを加熱溶融し、これを本
発明に係る処理された革粉(100メッシュパス)を5重
量%混合し、均一に分散させてカレンダーロールにてシ
ート状に形成した後、加熱工程を通して発泡させて形成
した発泡シートとを接着した合成皮革を製造した。 (実施例8) 実施例3に示すように、合成皮革用軟質塩化ビニルコ
ンパウンドに膠又はゼラチンを乾燥重量にして5重量%
添加して加熱下に撹拌混合し、これに本発明に係る処理
された革粉(100メッシュパス)を15重量%混合し、均
一に分散させてカレンダーロールにてフィルム状に形成
されるトップ層と、実施例4に示すように、発泡型合成
皮革用軟質塩化ビニルコンパウンドに膠又はゼラチンを
乾燥重量にして5重量%を添加して加熱下に撹拌混合
し、これに本発明に係る処理された革粉(100メッシュ
パス)を5重量%混合し、均一に分散させてカレンダー
ロールにてシート状に形成した後、加熱工程を通して発
泡させ、発泡シートとを接着して合成皮革シートを製造
した。 (発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明の第1の構成に
よれば、合成皮革用樹脂に対し、充填用フィラーとして
鞣された皮革のシェービング工程等にて得られる革粉を
洗浄処理後、繊維成分が滅失しない温度範囲で低温乾燥
し、50〜150メッシュパスに微粉砕してなる革粉を配合
して合成皮革シートを製造するので、引っ張り強度等の
合成皮革に必要な耐久性を阻害することなく、革粉の特
質を有効利用して合成皮革の欠点であった透湿度を改善
し、天然皮革の風合を付与することができると同時に、
鞣工程において含浸させた種々の成分が合成皮革表面に
浸出して品質を阻害することもない。 他方、本発明の第2の構成によれば、充填用フィラー
として配合される革粉とバインダーとして配合される膠
又はゼラチンを希釈してなる添加剤を併用して革粉添加
効果を増強するようにしたので、革粉単独の場合よりも
透湿度を含め、天然皮革の風合いを増大させることがで
きる。しかも、かかる構成ではバインダーとして使用さ
れる膠又はゼラチンは希釈して分散配合されているた
め、熱水処理を施すことによりその一部が流失すて天然
皮革毛穴様の細孔を多数形成し、樹脂内部の革粉からな
る繊維成分と残留する膠又はゼラチン成分とによって形
成される皮革様組織が外部と連通するため、天然皮革に
類似の物性を付与することができる。 更に、発泡層表面にトップ層を膜精製してなる合成皮
革を製造するにあたり、トップ層だけに天然皮革の風合
を持たせるのではなく、基布層に対しても天然皮革の風
合を持たせるようにしたので、表面物性だけでなく、全
体としての組織物性を天然皮革様に構成することができ
る結果、例えば、従来の合成皮革には見られない引っ張
りに対する方向性が現れる。 特に、塩化ビニルシートはウレタン系シートに比し透
湿度が極端に低いため、風合いが劣るという欠点があ
り、安価で、耐久性に優れる利点があるものの、安物と
して取り扱われているのが現状であったが、塩化ビニル
樹脂を主体としても透湿度に優れた改良された合成皮革
を提供することができ、しかも保湿性、保水性、電導
性、耐老化性(可塑剤の発散防止)等の効果も付加され
る利点がある。 なお、本発明に係るシートは本出願人が別途出願した
合成皮革、即ち、合成皮革用樹脂に膠又はゼラチンを希
釈分散してなる添加剤を膠又はゼラチン成分として乾燥
重量で0.5〜10重量%配合し、膠又はゼラチン成分を均
一に分散させてなる発泡又は非発泡層を有する合成皮革
シートと適宜組み合わせて積層して用いることも可能で
あることは言うまでもない。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.合成皮革用樹脂に対し、充填用フィラーとして鞣さ
    れた皮革のシェービング工程等にて得られる革粉を湯温
    30℃以上で洗浄処理後、繊維成分が滅失しないように大
    気圧下100℃以下の加熱乾燥又は減圧乾燥によって低温
    乾燥し、50〜150メッシュパスに微粉砕してなる革粉10
    〜30重量30%を配合し、均一分散してシート状に成形し
    てなる非発泡合成皮革シート。 2.バインダーとして膠又はゼラチンを希釈してなる添
    加剤を膠又はゼラチン乾燥重量で、0.5〜10重量%を配
    合して均一分散してなる前記第項記載の合成皮革シー
    ト。 3.表層として膠又はゼラチンを乾燥重量で、 0.5〜10重量%を配合してなる表面処理剤を塗布してな
    る前記第項又は第項記載の合成皮革シート。 4.合成皮革用樹脂に対し、充填用フィラーとして鞣さ
    れた皮革のシェービング工程等にて得られる革粉を湯温
    30℃以上で洗浄処理後、繊維成分が滅失しないように大
    気圧下100℃以下の加熱乾燥又は減圧乾燥によって低温
    乾燥し、5〜150メッシュパスに微粉砕してなる革粉5
    〜50重量%を配合して発泡成形してなる発泡合成皮革シ
    ート。 5.バインダーとして膠又はゼラチンを希釈してなる添
    加剤を膠又はゼラチン乾燥重量で、0.5〜10重量%を配
    合してなる前記第項記載の発泡合成皮革シート。 6.表層として膠又はゼラチンを乾燥重量で、 0.5〜10重量%を配合してなる表面処理剤を塗布してな
    る前記第項又は第項記載の合成皮革シート。 7.発泡層表面にトップ層を膜精製してなる合成皮革シ
    ートにおいて、 発泡層は合成皮革用樹脂に対し、充填用フィラーとして
    鞣された皮革のシェービング工程等にて得られる革粉を
    湯温30℃以上で洗浄処理後、繊維成分が滅失しないよう
    に大気圧下100℃以下の加熱乾燥又は減圧乾燥によって
    低温乾燥し、50〜150メッシュパスに微粉砕してなる革
    粉5〜15重量%を配合するか、又は更にバインダーとし
    て膠又はゼラチンを希釈してなる添加剤を膠又はゼラチ
    ン乾燥重量で、0.5〜10重量%を配合して発泡成形して
    なる一方、トップ層は合成皮革用樹脂に対し、充填用フ
    ィラーとして鞣された皮革のシェービング工程等にて得
    られる革粉を湯温30℃以上で洗浄処理後、繊維成分が滅
    失しないように大気圧下100℃以下の加熱乾燥又は減圧
    乾燥によって低温乾燥し、50〜150メッシュパスに微粉
    砕してなる革粉10〜30重量%混合するか、又は更にバイ
    ンダーとして膠又はゼラチンを希釈してなる添加剤を膠
    又はゼラチン乾燥重量で、0.5〜10重量%を配合して膜
    形成してなる合成皮革シート。 8.表層として膠又はゼラチンを乾燥重量で、 0.5〜10重量%を配合してなる表面処理剤を塗布してな
    る前記第項記載の合成皮革シート。
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