JPH0312469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 「産業上の利用分野」 この考案はレーザ光を用いてフープに多数の細
孔を穿孔するレーザ加工機に関する。

「従来の技術」 従来、レーザ光で金属、プラスチツクス、ゴム
等の薄板に細孔を穿設できることはよく知られて
いる。この技術を応用して一定幅の長尺の薄いテ
ープに多数の穿孔を行なうことが行われている
（以下、テープに多数の穿孔したもの又は素材を
フープという）。

従来、フープの穿孔はレーザ光を投射する加工
ヘツドによりレーザ光をフープの板面に直交する
方向に投射して穿孔し、送りはフープの長手方向
に交叉する幅方向に連続の送りを該加工ヘツドに
与えフープの幅全体にレーザ光を間欠投射して行
ない、フープの全幅について一列の穿孔が終ると
フープを長手方向に穿孔すべき細孔間の一ピツチ
分を送り、加工ヘツドを復動させフープの全幅に
わたり、幅方向送りを行つて順次穿孔している。
かゝる加工ヘツドのフープの幅方向の往復動とフ
ープの長手方向送りがくり返されてフープには多
数の細孔が形成される。

このようなフープの幅方向の細孔を穿設する範
囲はレーザ光を投射する側でレーザ光投射口の移
動限度位置の調節、或はレーザ光投射口の移動限
度位置をフープＷの幅よりも大きく一定にしてお
いてレーザ光発振装置の駆動範囲を加減すること
により行われている。

「考案が解決しようとする問題点」 フープの穿孔する幅方向の範囲を変えるのに応
じて投射口の移動限度位置を調節するものは投射
口の移動範囲を調節する装置が必要であり、又レ
ーザ光発振装置の駆動範囲を加減するには制御装
置が複雑となる。投射口の移動範囲を調節するも
のはフープの幅方向の端部の細孔位置を正しい位
置とするために調節後確認動作が必要であり、レ
ーザ光発振装置の駆動範囲をを加減する制御装置
ではフープの幅方向に対する位置と、細孔の穿孔
範囲を併せて制御する必要がある。従つて、フー
プの幅方向の穿孔範囲変更の都度、上記各装置で
はレーザ光の投射口を備える加工ヘツド或はレー
ザ光発振装置の制御装置を調節しなければならな
いという問題点がある。

この考案は上記従来のフープ加工における細孔
のフープ幅方向の穿孔範囲の調節における問題点
に鑑みてなされたもので加工ヘツド或は制御装置
を調節することなく、簡易且つ直接的に細孔のス
ープの幅方向の穿孔範囲を調節できるシヤツタ装
置を備えたレーザ加工機を提供することを目的と
する。

〔考案の構成〕

「問題点を解決するための手段」 この考案はフープをその長手方向に送りを与え
ると共にレーザ光をフープに向つて投射する加工
ヘツドを該フープの幅方向に送りを与えてレーザ
光を間欠的に投射しフープに多数の細孔をレーザ
光を用いて加工するレーザ加工機において、フー
プの側方にフープと重なりフープ上を移動する加
工ヘツドのレーザ光投射口とフープ間に介在する
ようにフープと平行な円板状のシヤツタを回転自
在に支持台に取付け、支持台をフープの長手方向
と交叉する方向でフープに平行に移動させる案内
支持装置を設け、シヤツタの回転駆動装置並びに
シヤツタの冷却装置を備えたレーザ加工機であ
る。

「実施例」 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。第１図は一部断面を含む正面図、第２図は第
１図の加工ヘツドを除く平面図、第３図は第１図
の底面図である。加工ヘツド１は軸部１ａが固設
した軸受２により軸方向移動しないように支持さ
れている。軸部１ａに固定したタイミングギヤ３
に巻掛けたタイミングベルト４はDCモータ６の
軸端に固定したタイミングギヤ５に巻掛けられて
いる。DCモータ６と同軸にエンコーダ７が取付
けられ、エンコーダ７の信号は計数回路８に送ら
れるようになつている。計数回路８は加工ヘツド
１の投射口１ｂの中心が被加工物のテープ状のフ
ープＷの加工領域上及びそれに隣接する若干の間
パルスレーザ発振器１１がレーザ光を発射するよ
うにする。計数回路８は従つて上記投射口１ｂが
フープＷの幅より若干大きい範囲の間を通過して
いる時制御装置９に信号を送り、駆動回路を用い
て一定間隔でパルスレーザ発振器１１からレーザ
光を発射させる。発射されたレーザ光は加工ヘツ
ドの中空の軸部１ａの上方中心部に固設した反射
ミラー１２により加工ヘツドの軸心方向に方向を
変え、軸部１ａ中をとおり、加工ヘツド１中に入
る。該レーザ光は加工ヘツド１中で加工ヘツド１
に固定した反射ミラー１３にて加工ヘツド１の半
径方向に反射し、加工ヘツド１内に固定した反射
ミラー１４にて垂直方向に反射し、集光レンズ１
５をとおり、投射口１ｂを通じてフープＷの上に
結像するようになつている。

フープＷは加工ヘツド１の軸心１０に直交し、
軸心１０をフープＷの幅方向の中心がとおり、延
在し、図示されない一方でロール状に捲回された
フープＷは他方でロール状に巻取られるようにな
つており、又フープＷの長手方向に関し、連続又
は間欠送り装置を備えている。

フープＷの側方にフープＷの端部側から重なり
フープＷ上を移動する加工ヘツド１の投射口１ｂ
とフープＷの間に介在するようにフープＷと平行
な円板状のシヤツタ１６，１６′をその軸心をモ
ータ１７，１７の軸端に固定してあり、モータ１
７，１７を支持台１８，１８に固定することによ
り、シヤツタ１６，１６′は回転自在に且つ回転
駆動されるように取付けられている。

支持台１８，１８はフープＷの長手方向に直交
しフープに平行に移動させる案内支持装置が設け
られる。

案内支持装置はフープＷに平行でフープＷの長
手方向に直交する二本のガイドバー１９，１９に
支持台１８を滑合しており、ガイドバー１９，１
９の両端は図示されない不動部分に固定されてい
る。支持台１８，１８には同径同ピツチでねじの
ねじれ勝手の異なる送りナツト２１，２１′が取
付けられている。送りナツト２１，２１′には長
手方向両端側でねじれ勝手の異なる送りねじ２２
がねじ込まれている。送りねじ２２は第４図に示
すようにガイドバー１９の二等分平面上に配さ
れ、固設した軸受２３に軸方向移動しないように
支持され、端部に操作ハンドル２４を備える。

シヤツタの冷却装置はシヤツタ１６，１６′板
面に空気流が衝突するように軸流フアン２５，２
５が配される。軸流フアン２５，２５は支持台１
８に固定したブラケツト２６に固定されている。

上記において、シヤツタ１６，１６′はレーザ
光により穿孔され難いような材質、例えばアルミ
ニウム、銅等で厚さの厚い材料で作られている。

次に上記実施例の作用を説明する。パルスレー
ザ発振器１１はレーザ光発射可能なように附勢さ
れている。同時にモータ１７、軸流フアン２５は
附勢され、シヤツタ１６，１６′は回転し、シヤ
ツタ１６，１６′の表面には軸流フアン２５から
の空気流が吹き付けられている。DCモータ６を
附勢するとタイミングギヤ５が回転し、その回転
はタイミングベルト４を介してタイミングギヤ３
を回転し、加工ヘツド１は軸部１ａが回されるこ
とにより、投射口１ｂの中心は第２図の図示矢印
ロで示すように円を画いて回転する。第２図の位
置Ａにおいてはパルスレーザ発振器１１はレーザ
光を発射しない。即ち、DCモータ６の回転によ
りエンコーダ７は計数回路８にパルス信号を送る
が計数回路８はレーザ光を発射すべき信号を制御
装置９へ送らない。そしてフープＷが間欠送りの
場合は計数回路８の信号を受けて図示されない制
御装置、送り駆動装置によりフープＷが長手方向
に細孔Ｗ（ｉ，ｊ）、Ｗ（ｉ＋１，ｊ）（第２図に黒
色の丸で示す）間のピツチWPだけ送られる。投
射口１ｂは位置Ａから、フープＷの片側の空間を
とおりフープＷ上をとおるがレーザ光は投射され
ずフープＷは加工されない。投射口１ｂが第２図
の位置Ｂに来るとエンコーダ７から送られた信号
を計数していた計数回路８は制御装置９へ信号を
送り、制御装置９は変調信号によりパルスレーザ
発振器１１からパルスレーザを一定間隔で発射さ
せる。レーザ光は反射ミラー１２，１３，１４に
て反射して集光レンズ１５をとおり、シヤツタ１
６′に当たり、シヤツタ１６′に向けて一定間隔で
レーザ光を投射し乍ら進む。シヤツタ１６′は高
速度で回転しているのでレーザ光の一点への集中
は緩和され、エネルギーは若干分散されるので穿
孔され難い。更にシヤツタ１６′が軸流フアン２
５の空気により冷却されているので昇温が抑制さ
れる。シヤツタ１６′の端縁を投射口１ｂがすぎ
るとフープＷの第１の細孔Ｗ１，１をあける位置
にレーザ光が投射され該細孔が穿孔される。以
下、投射口１ｂがフープＷ上を移動するにつれて
細孔Ｗ１，２、Ｗ１，３、Ｗ１，４…Ｗ１，ｎが
穿孔される。投射口１ｂ中心がシヤツタ１６上に
来ると投射されたレーザ光はシヤツタ１６に当
る。シヤツタ１６は高速回転しており、軸流フア
ン２５により、冷却されているので穿孔されず昇
温は抑制される。位置Ａまではレーザ光は投射さ
れるが位置Ａでは位置Ｂから位置Ａまでに相当す
るエンコーダ７の信号を計数した計数回路８は制
御装置９へ信号を送らなくなり、パルスレーザ発
振器１１はレーザ光の発射を停止する。同時にフ
ープＷが間欠送りの場合は該計数回路８の信号は
フープＷの送り装置を駆動してフープをWPだけ
送る。従つて、次に投射口１ｂが位置Ｂをすぎて
フープＷ上に来ると細孔Ｗ２，１から始まる細孔
２，ｊ：１…ｎの加工が行われる。これをくり返
して細孔３，ｊ、４，ｊ各列が加工される。かく
してフープＷ上にはフープＷの幅方向の中心をフ
ープＷの長手方向に通る中心線１０′（軸心１０
と交叉する）上に中心がある円弧上に並列する細
孔Ｗ１，１…Wm，ｎ群が形成される。

フープＷが連続送りの場合はフープＷ上の各列
の細孔は加工ヘツド１が一回転する間にフープＷ
が送られる量をリードとするスパイラル曲線上に
並列する。

細孔が穿孔する範囲が変更になつた場合はシヤ
ツタ１６，１６′を矢印イの方向に移動して投射
口１ｂがフープＷに差しかゝり又離れる位置をフ
ープＷの端部になるように調整する。この調整は
操作ハンドル２４を回転すると送りねじ２２が回
転し、ナツト２１，２１′が互に近より或は互に
遠のくのでこれに従つて支持台１８，１８はガイ
ドバー１９上を移動し、支持台１８に対して取付
けてあるシヤツタ１６，１６′は互に近より、或
は遠のくのでシヤツタ１６，１６′の対向する縁
辺間は距離が変るのでフープＷの幅方向の穿孔範
囲が変更され、この範囲は目視によつても確認で
きる。軸流フアン２５も支持台１８と一体に移動
するのでシヤツタ１６，１６′の冷却能力に変化
はない。

実施例は加工ヘツドをレーザ光の投射口が円を
画くものとしてのべたが、加工ヘツドがフープ上
を投射口が直線運動をして往復動するような形式
の場合も同様に実施され得ることは明らかであろ
う。

〔考案の効果〕

この考案はフープをその長手方向に送りを与え
ると共にレーザ光をフープに向つて投射する加工
ヘツドを該フープの幅方向に送りを与えてレーザ
光を間欠的に投射しフープに多数の細孔をレーザ
光を用いて加工するレーザ加工機において、フー
プの側方にフープと重なりフープ上を移動する加
工ヘツドのレーザ光投射口とフープ間に介在する
ようにフープと平行な円板状のシヤツタを回転自
在に支持台に取付け、支持台をフープの長手方向
と交叉する方向でフープに平行に移動させる案内
支持装置を設け、シヤツタの回転駆動装置並びに
シヤツタの冷却装置を備えたレーザ加工機とした
から、フープの幅方向の穿孔範囲の調節を容易に
行うことができる。目視により確認できる。シヤ
ツタが回転しているため、レーザ光による損傷が
極めて少なく耐久性がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一部断面を含む正面図、第
２図は第１図の加工ヘツドを除く平面図、第３図
は第１図の底面図、第４図は第１図の一部側面で
ある。 １…加工ヘツド、１ａ…軸部、１ｂ…投射口、
２…軸受、３…タイミングギヤ、４…タイミング
ベルト、５…タイミングギヤ、６…DCモータ、
７…エンコーダ、８…計数回路、９…制御装置、
１０…軸心、１０′…中心線、１１…パルスレー
ザ発振器、１２，１３，１４…反射ミラー、１５
…集光レンズ、１６，１６′…シヤツタ、１７…
モータ、１８…支持台、１９…ガイドバー、２
１，２１′…ナツト、２２…送りねじ、２３…軸
受、２４…操作ハンドル、２５…軸流フアン、２
６…ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フープをその長手方向に送りを与えると共にレ
   ーザ光をフープに向つて投射する加工ヘツドを該
   フープの幅方向に送りを与えてレーザ光を間欠的
   に投射しフープに多数の細孔をレーザ光を用いて
   加工するレーザ加工機において、フープの側方に
   フープと重なり、フープ上を移動する加工ヘツド
   のレーザ光投射口とフープ間に介在するようにフ
   ープと平行な円板状のシヤツタを回転自在に支持
   台に取付け、支持台をフープの長手方向と交叉す
   る方向でフープに平行に移動させる案内支持装置
   を設け、シヤツタの回転駆動装置並びにシヤツタ
   の冷却装置を備えたレーザ加工機。