JPH03124521A - 包装体のガス置換方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、食品等を充填する包装体のガス置換方法に関
する。

〔従来の技術〕

一般に、酸化し易い食品や成分安定性を要する医薬品等
を包装体に密封する際、同時に空気が密封されないよう
に包装体中の空気を不活性ガス等でガス置換して包装体
を密封することが行われている。

従来、ガス置換方法としては、チャンバー内で内容物を
充填した包装体を真空に吸引した後、置換するガスを送
り込んで包装体を密閉する方法が用いられている。しか
し、この方法では包装体を真空に吸引する必要があるこ
と、真空吸引のため内容物が沸騰し包装体の密閉が困難
になること等の問題があった。

そこで、真空吸引に依らず常圧でガス置換する各種の方
法が提案されている。例えば、■二重パイプを使用し、
大管で食用液体を充填した後、細管で窒素ガスを封入（
フラッシュ）して食用液体を媒体とする窒素ガス内包の
気泡体を形成してガス置換し、容器を密封する方法（特
公昭５１−９８１４号公報）、■ガス置換室内で、内容
物が充填された容器の進行方向上流に向かってガスを噴
射して容器内のガス置換を行い、カバーフィルムをかぶ
せる方法（特公昭６０−２８７２９号公報）、■容器中
に液体窒素を滴下してガス置換を行い、容器を密封する
方法などがある。

しかし、■の方法では、ジュースやスープ等の粘度の低
い食品や医薬品を熱成形容器や袋に入れてガスをフラッ
シュさせると、内容物が吹き飛ばされること、吹き飛ば
された内容物がヒートシール等の密封時に熱溶着部に挾
み込まれ密封不良となること、■の方法では、空気等の
気体を不活性ガスのような同じ気体で置換するので、必
要以上のガスを要し不経済であること、■の方法では、
液体窒素が滴下と同時に体積膨張して密封時に容器を変
形させる場合があること、密封後には容器に内圧が掛か
るので大きな容器強度が必要であることなどの問題があ
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、常圧で行うことができ、少ないガス使用量で
置換率が高く、内容物の飛散及び飛散に伴う包装体の密
封不良を回避することが可能な包装体のガス置換方法を
提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を重ね
た結果、ガス、水及び泡沫生成助剤からなる泡沫を用い
て包装体のガス置換を行うことにより、その目的が達成
されることを見出し本発明を完成するに至った。

すなわち本発明は、内容物が充填された包装体の内容物
と包装体とで形成される空間にガス、水及び泡沫生成助
剤からなる泡沫を充填した後、包装体を密封する包装体
のガス置換方法を提供するものである。

本発明では先ず、内容物が充填された包装体の内容物と
包装体とで形成される空間にガス、水及び泡沫生成助剤
からなる泡沫を充填する。

本発明に用いられる包装体としては、内容物等を出し入
れできる開口部とその開口部につながり内容物等を充填
できる空間とを有し、内容物等を充填後密封することが
できる包装体であれば、任意の形状、材質のものを用い
ることができる。具体的には例えば、（ａ）開口部周縁
に蓋材をシールできるフランジ部を有する凹状の熱成形
容器と、該開口部を覆い該フランジ部とシールされて容
器を密封することができる蓋材とからなる包装体、Φ）
三方がシールされており他の一方が開口している袋状で
、開口部をシールすることにより密封できるパウチ等の
包、装体などが挙げられる。

上記の包装体には、酸化し易い食品や成分安定性を要す
るものなどの内容物が充填されている。

酸化し易い食品には例えばジュース、スープ、魚肉、畜
肉、野菜等が挙げられる。また、成分安定性を要するも
のには例えば医薬品、防虫剤、化粧品等が挙げられる。

本発明のガス置換方法はあらゆる内容物の包装体に使用
可能であるが、特に液状、微粒子状の内容物の包装体に
対して効果的に用いられる。

包装体には、上記の内容物は満杯に充填されておらず、
内容物と包装体とで形成される空間が残されている。こ
の空間にガス、水及び泡沫生成助剤からなる泡沫を充填
する。この泡沫の充填により上記空間に存在した空気は
泡沫と置換される。

泡沫はガス、水及び泡沫生成助剤からなる。

ここでガスは、上記空間に存在する空気と置換されるガ
スである０例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガ
ス等の不活性ガスが好適に用いられる。内容物の酸化防
止が目的でない場合には酸素等を用いることもできる。

また、泡沫生成助剤としては、例えば、モノグリセリン
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル等のエステル類、卵白アルブミン、ゼラチ
ン、牛乳、大豆タンパク質、カラゲニン、アルギン酸ナ
トリウム、ローカストビンガム、繊維素グリコール酸ナ
トリウム（ＣＭＣ）等の水溶性高分子類などが挙げられ
る。その他の界面活性機能を有するあらゆる物質も使用
することができる。

上記のガス、水及び泡沫生成助剤を、水１００容量に泡
沫生成助剤０．１〜５容量加えたものとガスとが容量比
で１：１．５〜２０となるように配合することが好まし
い。

泡沫の製造法としては、上記のガス、水及び泡沫生成助
剤をプロペラミキサーやタービンミキサ、コロイドミル
、加圧ノズル式乳化機、超音波式乳化機等で撹拌混合し
て発泡させる方法が挙げられる。

泡沫を内容物と包装体とで形成される空間に充填するに
は、通常の充填器を使用することができる。この泡沫の
充填は内容物の充填の後に行われるのであるが、充填す
るのが泡沫であるので、たとえ内容物が液状や微粒子状
であっても内容物を飛散させることなく充填することが
できる。従って、包装体密封時にシール部に内容物が挾
み込まれて密封不良となることを回避することができる
。

充填する泡沫の量は置換すべき空気の量に応じて決定す
るとよい。上記空間の全空気をガス置換する場合は、上
記空間を満たすような量又はそれ以上の量の泡沫を充填
することが好ましい。泡沫を上記空間を満たす量より多
く充填すると、ガスの置換率をより高くすることができ
る。

次いで、包装体を密封する。

包装体の密封は、包装体が容器と蓋材とからなるときは
、蓋材を容器開口部に覆い被せ、開口部周縁のフランジ
部と蓋材とをシールすることにより行うことができる。

また、包装体が袋状のときは、袋の口をシールすること
により行うことができる。

シールの方法としては、ヒートシール、インパルスシー
ル、高周波シール、超音波シール等の方法を用いること
ができる。

本発明の方法では、内容物が飛散することがないので、
密封時のシール部に内容物が挾み込まれ夾雑シールとな
って密封不良を起こすことがなく、良好な密封性を得る
ことができる。

包装体に密封された泡沫は、通常、時間の経過又は包装
体の加熱殺菌時等の熱などにより、消滅し、泡沫の存在
した空間は泡沫中に存在したガスにより満たされる。

次に、本発明の包装体のガス置換方法の一例を第１図に
従って説明する。

ここでは、包装体として開口部周縁に蓋材をヒートシー
ル等によりシールできるフランジ部２を有する凹状の熱
成形容器１と、該開口部を覆い該フランジ部２とシール
されて容器を密封することができる蓋材８とからなる包
装体が用いられている。容器１には、内容物充填ノズル
３により内容物４が充填されている（第１図（ａ））。

この内容物４と容器１とで形成される空間５に、泡沫充
填ノズル６により泡沫７を充填し、上記空間５の空気と
泡沫とを置換する（第１図（ｂ））、このとき、泡沫７
は容器のフランジ部２の水平高さより盛り上がって高く
なるように充填されている０次いで蓋材８で開口部を覆
い、蓋材８と容器のフランジ部２とをシールして密封す
る（第１図（Ｃ））。その後充填された泡沫７は時間の
経過により消滅し、空間５は泡沫７中に存在したガス９
で満たされる（第１図（ｄ））。

以上、本発明のガス置換方法によると、ガス置換を高い
置換率で行うことができ、内容物の飛散やそれに伴う包
装体の密封不良を回避することができるＶ 〔実施例〕 実施例１ 高速回転強剪断型撹拌分散機にて、窒素を吹き込みなが
ら、０．５重量％ゼラチン水溶液を５０°Ｃ程度に暖め
つつ５０００ｒｐｍで５分間の攪拌して発泡させた。生
成した泡沫を５°Ｃに冷却し、安定な泡沫とした。

次いで、バンプキンスープが充填されたＰＰ（ポリプロ
ピレン）／ＥＶＯＨ（エチレン−ビニルアルコール共重
合体）／ＰＰシートからなる口径７０ｍｍφ、深さ７０
ｍ＋で開口部周縁にフランジ部を有する熱成形容器に、
上記の泡沫をバンプキンスープの上に容器周縁水平高さ
より盛り上がって高くなるように充填した。その後、バ
ンプキンスープと泡沫を蓋材で覆って容器フランジ部と
ヒートシールして密封した。ヒートシールは泡沫の夾雑
シールになったが、シール性には全く影響しなかった。

次に、この容器を１２０°Ｃ１３０分の加圧加熱殺菌を
した結果、泡沫は熱によって消滅し、９９゜９％の高い
ガス置換率が得られた。

また、本発明の方法でガス置換したバンプキンスープは
、満杯充填されたバンプキンスープに比べて２８℃３力
月保存後も黄色が維持され、褐変もほとんど発生しなか
った。

実施例２ 高速回転強剪断型攪拌分散機にて、窒素を吹き込みなが
ら、０．２重量％シュガーエステル（Ｈ３Ｂ１５）を水
に添加したものを１１０００Ｏｒｐで１分間攪拌して発
泡させた。

次いで、カレーが充填されたＰＥＴ（ポリエチレンテレ
フタレート）／ＡＩ箔／ＣＰＰ（無延伸ポリプロピレン
）ラミネートフィルムからなるアルミパウチに、上記の
泡沫を満杯に充填した後、パウチの口をヒートシールし
て密封した。

更に、この包装品に１２０°Ｃｌ２Ｏ分の殺菌処理を施
した。

次に、通常のアルミパウチの開口手段であるノツチ部か
らの引き裂きにより、得られた包装品を開口した。通常
のアルミパウチの開口においては、開口特装を圧縮する
力が働き開口と同時に内容物が飛び出すことが多いが、
本発明の方法でガス置換した包装品においては内容物が
飛び出すことは全くなかった。また、ヘッドスペース内
すなわちパウチと内容物とにより形成された空間内の酸
素量は空間容積３０ｄ中０．１％であった。

〔発明の効果〕

本発明の包装体のガス置換方法によると、ガス置換を常
圧で行うことができ、少ないガス使用量で高い置換率を
得ることができ、内容物の飛散及び飛散に伴う包装体の
密封不良を回避することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）、（ハ）、（Ｃ）及び（ｄ）は、本発明の
包装体のガス置換方法の例を表す説明図である。 符号の説明 容器　　　　　　　２　フランジ部 内容物充填ノズル　４　内容物 内容物と容器とで形成される空間 泡沫充填ノズル　　７　泡沫 蓋材　　　　　　　９　ガス 坑１図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、内容物が充填された包装体の内容物と包装体とで形
   成される空間にガス、水及び泡沫生成助剤からなる泡沫
   を充填した後、包装体を密封する包装体のガス置換方法
   。