JPH0312130B2 - - Google Patents

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JPH0312130B2
JPH0312130B2 JP61020898A JP2089886A JPH0312130B2 JP H0312130 B2 JPH0312130 B2 JP H0312130B2 JP 61020898 A JP61020898 A JP 61020898A JP 2089886 A JP2089886 A JP 2089886A JP H0312130 B2 JPH0312130 B2 JP H0312130B2
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JP
Japan
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steering rack
hardened layer
hardened
tooth
back surface
Prior art date
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JP61020898A
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English (en)
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JPS62180017A (ja
Inventor
Hideji Sakamoto
Masanobu Ichinose
Hideo Gokan
Haruhiko Kobashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamada Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Yamada Seisakusho KK
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Priority to JP2089886A priority Critical patent/JPS62180017A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車等車両のラツクピニオン式操向
装置に用いるステアリングラツクの歯部と背面部
とに高周波焼入により焼入硬化層を形成するステ
アリングラツクの焼入方法に関する。
〔従来技術〕
ラツクピニオン式操向装置のステアリングラツ
クは、第3図に示す如くピニオンと噛み合う複数
のラツク歯が形成されており、ラツク歯の耐摩耗
性を向上するために歯部に焼入れによる歯部焼入
硬化層2が形成されている。そして、昨今ステア
リングラツクの軸強度(特に耐曲げ強度)を増す
ために、ステアリングラツクの背面部にも背面部
焼入硬化層3を形成することが試みられている。
そして歯部焼入硬化層2及び背面部焼入硬化層3
は、生産性、コスト等の点から高周波焼入れで形
成するのが一般的である。そして、ステアリング
ラツクの歯部と背面部とを、単に個々の2工程で
焼入れ処理することや、同時に焼入れする高周波
焼入装置が特開昭59−9124号公報に開示されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、前記の如きステアリングラツクの歯部
と背面部とを、単に個々の2工程で焼入れするこ
とや、同時に焼入れすることは、下記の如き欠点
があり好ましいものではない。先ず、歯部焼入硬
化層と背面部焼入硬化層とでは要求される特性に
下記の如き差異がある。歯部焼入硬化層はピニ
オンと噛み合つて走行時の振動を受けるため、焼
入れによる硬度向上もさることながら、靭性の高
い焼入硬化層が必要。背面部焼入硬化層は、ス
テアリングラツクの折れや曲がりを防止するため
に硬度の高い焼入硬化層が必要である。しかし、
歯面と背面部とを同時に高周波焼入れすると、上
記条件を同時に満足することが出来ない。そし
て、焼入れ後の焼もどしを行う際に、の条件を
満たすための焼もどしを行うと、背面部焼入硬化
層の硬化が低下して充分なステアリングラツクの
強度を得ることが出来ない。又、の条件を満た
すための焼もどしを行うと歯部焼入硬化層の靭性
が低く好ましいものではない。そして、熱処理歪
によるステアリングラツクの曲がりが多方向に生
じるので、矯正作業を困難なものとし、特に歯部
が軸先方向凹状に曲がると、矯正作業の際に背面
部からステアリングラツクを押圧するために、ラ
ツク歯の歯底略中央に力が集中することになりス
テアリングラツクの矯正作業として好ましいもの
ではない。
本発明はこれらの点に鑑みなされたもので、ス
テアリングラツクに、高周波焼入により靭性の高
い歯部焼入硬化層と硬度の高い背面部焼入硬化層
とを形成することが出来、しかも熱処理歪の矯正
作業を容易化出来るステアリングラツクの焼入方
法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、ステアリングラツクに形成された歯
部とその背面部とに高周波焼入れによる焼入硬化
層を形成するステアリングラツクの焼入方法にお
いて、先ず、ステアリングラツクの歯部を高周波
電流によつて所定温度に加熱し、この歯部に冷媒
液を噴射して該歯部に焼入硬化層を形成し、この
後ステアリングラツクの背面部を高周波電流によ
つて所定温度に加熱しつつ、この熱影響によつて
歯部の前記焼入硬化層に焼もどし作用を生じさ
せ、加熱した背面部に冷媒液を噴射して該背面部
に焼入硬化層を形成し、前記歯部の焼入硬化層の
硬度をより前記背面部の焼入硬化層の硬度を高く
するものである。
〔作用〕
本発明は前述の如くであるから、背面部焼入硬
化層を形成する際の加熱により、すでに形成され
ている歯部焼入硬化層に焼もどし作用が生じて、
歯部焼入硬化層が安定した組織に近づき靭性が向
上し、同時に残留応力も軽減される。そして、歯
部硬化層により背面部焼入れ時の熱処理歪が規正
され、曲がりが一方向へ集中し、しかも歯面が凸
状になるので、矯正作業は容易なものとなり、し
かも歯面方向からステアリングラツクを押圧する
ので、力が背面部硬化層に集中し、歯面の安全が
確保される。
〔実施例〕
本発明を直径……22(mm)、長さ……600(mm)、
歯谷数……28、ラツク歯のモジユール……2、材
質……S45C材(JIS)のステアリングラツクに適
用した。第1図は歯部の焼入工程を示すもので、
使用した高周波焼入装置16は、高周波電源4
と、この高周波電源4に接続した導体5,6と、
この導体5,6に接続した接触電極7,8と、電
極7,8の間に設けた誘導コイル9と、電極7,
8との間でステアリングラツク1を挟持する保持
部材10と、誘導コイル9の小向孔11から冷媒
液を噴出する冷媒供給装置12とから成る。先
ず、高周波焼入装置にステアリングラツク1の歯
部を誘電コイル9に対向させて、電極7,8と保
持部材10とで挟持固定する。そしてステアリン
グラツク歯部を下記条件で所定温度加熱する。
周波数……100KHz プレート電圧……13.5KV
プレート電流……6.6A 印加時間……4.0秒 上記条件により加熱した歯部を、冷媒液として
エチレングリコール系焼割防止剤10%水溶液を用
い、この冷媒液を誘電コイル9の小孔11から加
熱した歯部に噴射して、歯部を4.5秒間冷却して
歯部焼入れ硬化層を形成する。そして、歯部焼入
硬化層を形成したステアリングラツク1を第2図
に示す如く、ステアリングラツク1の背面部を誘
導コイル9に対向させて高周波焼入装置に、電極
13,14と保持部材15とで挟持固定して、下
記条件でステアリングラツク1の背面を所定温度
加熱する。
周波数……100KHz プレート電圧……10.0KV
プレート電流……8.4A 印加時間……3.5秒 上記条件でステアリングラツク背面部を加熱す
る際の熱が歯部焼入硬化層に伝達し、歯部焼入硬
化層には焼もどし作用が生じて、歯部焼入硬化層
の靭性が向上する。すなわち、ステアリングラツ
ク背面部に焼入れをすると同時に、歯部焼入硬化
層の不安定な組織を安定した組織に近づけ、残留
応力を軽減し、靭性を向上させるものである。そ
して、加熱したステアリングラツク背面部に、誘
導コイル9の小孔11から冷媒液を4.5秒間噴射
して、背面部焼入硬化層を形成する。そして本実
施例では、歯部焼入硬化層及び背面部焼入硬化層
の形成されたステアリングラツク1を焼もどし温
度180℃で40分間焼もどしを施して第3図に示す
如きステアリングラツクを得た。第4図は歯部焼
入硬化層及び背面部焼入硬化層の各工程での硬度
の変化を示したものである。図面において、歯部
焼入れ後の歯部焼入硬化層の硬度はHRC59.3であ
り、その後背面部焼入れ後には背面部硬化層の硬
度はHRC60.0であるが、歯部焼入硬化層の硬度は
HRC58.0へと低下している。このことは、安定し
た歯部焼入硬化層の組織に近づき、残留応力が低
減し、靭性が向上していることを示している。そ
して、焼もどし後には歯部焼入硬化層HRC57.1へ
と低下し、更に靭性が向上している。それに対し
て、背面部焼入硬化層はHRC59.1と焼入れ時に比
べて僅かに低下した程度で硬度の高い硬化層を形
成している。このことは、先に述べた様にステア
リングラツクとして好適なものである。そして、
本発明は歯部に先に硬化層を形成してから、背面
部に硬化層を形成するので、熱処理歪による曲が
りは線Aの如く発生し、1.0mm〜2.0mm程度のフレ
量となるが、矯正作業に際して矢印Bの如くステ
アリングラツクを押圧するために、この押圧力は
歯部よりも背面に作用するので、この点において
もステアリングラツクとして好ましい。又、曲が
り方向も略同一となるので、矯正作業を著しく容
易なものとすることが出来る。
〔発明の効果〕
本発明は前述の如くであるから、ステアリング
ラツクの焼入方法において、靭性の高い歯部焼入
硬化層と硬度の高い背面部焼入硬化層とを有する
機能上優れたステアリングラツクを得ることが出
来、そしてステアリングラツクの矯正作業を容易
なものとすることが出来、しかも矯正作業による
歯面への影響が極めて少ない等の効果を有し、ス
テアリングラツクの焼入方法において好適なもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明歯部焼入れ工程を示す一部切欠
正面図、第2図は本発明背面部焼入れ工程を示す
一部切欠正面図、第3図a,bはステアリングラ
ツクを示し、第3図aは縦断面図、第3図bは第
3図aC−C線に沿う断面図、第4図は歯部及び
背面部焼入硬化層の硬度の変化を示す特性線図、
第5図は熱処理歪によるステアリングラツクの曲
がり状態を示す説明図である。 符号の説明、1……ステアリングラツク、2…
…歯部焼入硬化層、3……背面部焼入硬化層、1
6……高周波焼入装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ステアリングラツクに形成された歯部とその
    背面部とに高周波焼入れによる焼入硬化層を形成
    するステアリングラツクの焼入方法において、先
    ず、ステアリングラツクの歯部を高周波電流によ
    つて所定温度に加熱し、この歯部に冷媒液を噴射
    して該歯部に焼入硬化層を形成し、この後ステア
    リングラツクの背面部を高周波電流によつて所定
    温度に加熱しつつ、この熱影響によつて歯部の前
    記焼入硬化層に焼もどし作用を生じさせ、加熱し
    た背面部に冷媒液を噴射して該背面部に焼入硬化
    層を形成し、前記歯部の焼入硬化層の硬度より前
    記背面部の焼入硬化層の硬度を高くすることを特
    徴とするステアリングラツクの焼入方法。
JP2089886A 1986-01-31 1986-01-31 ステアリングラツクの焼入方法 Granted JPS62180017A (ja)

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JPS62180017A JPS62180017A (ja) 1987-08-07
JPH0312130B2 true JPH0312130B2 (ja) 1991-02-19

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JP4978767B2 (ja) * 2005-09-16 2012-07-18 株式会社ジェイテクト ステアリング装置
CN104775016A (zh) * 2015-02-28 2015-07-15 宫电高周波设备(上海)有限公司 齿条的通电加热装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS599124A (ja) * 1982-07-09 1984-01-18 Denki Kogyo Kk ステアリング用ラツクバ−の同時焼入装置

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