JPH0311287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は主として鬼瓦などやくもの瓦に関す
るものである。

（従来の技術） 従来、鬼瓦の製造では、先ず第４図に示す荒地
の鬼瓦１１を構成する部材である荒地の鬼胴１２
と同平板状の鬼裏１４とが夫々別個にプレス成形
される。そして次にその鬼胴１２の側部１３及び
鬼裏１４の端面に夫々スカーフカツト状に形成さ
れた両斜接合面１６，１６で両者を接合合体する
ものであつたが、この場合先ず両斜接合面１６に
夫々接合力を増大させるためのかけやぶりと称す
るギザギザ刻みをつける作業を行い、それからそ
のかけやぶりをした何れか一方の斜接合面１６
に、のた（粘土を溶かした接着料）を塗布して両
斜接合面１６，１６を重合させてよく叩いて密着
させ、両者を接合合体して鬼瓦１１を作るもので
あつた。

（考案が解決しようとする問題点） 従つて、たいへん面倒な手間、労力、技術経験
を要し、作業性が悪く、作業効率も著しく劣るも
のであつた。また特に器枠胴形態の鬼胴１２と平
板形態の鬼裏１４とからなつていて両者の収縮バ
ランスが極度に異るため、均整な接合が至難で接
合部にみにくいきずや歪みなどができて商品価値
の低下をもたらすと共に接合部の強度、延いては
鬼瓦自体の強度、耐力の著しい劣化を余儀なくさ
れるなど由々しい問題があつた。

（問題点を解決するための手段） この考案は上記に鑑み、以下説明するような鬼
瓦を提供して上記従来の諸問題を解消する目的に
出たものである。

この考案鬼瓦を図面第１，２図実施例について
説明すると、この考案では、鬼胴２と鬼裏４とで
構成される鬼瓦１を、鬼胴２の側部３の幅方向略
（ほぼ）中央で二分してフインガージヨイント状
接合面５，５を設けた二体構成、即ちフインガー
ジヨイント状接合面５を夫々設けた鬼側部３ａ及
び裏側部３ｂが夫々一体の鬼胴２及び鬼裏４の二
体構成とし、該両者をフインガージヨイント状接
合面５，５にて接合合体してなるものである。な
お上記フインガージヨイント状接合面５，５の接
合は、従来と同様に、のた（粘土を溶かした接着
料）を使用して行われるが、従来のようにかけや
ぶりをしたり、接合部を叩いて密着させたりする
必要がないものである。

それに図面実施例では、鬼胴２の側部３の幅方
向略中央で二分した場合が例示されているが、幅
方向任意の部位で二分した構成でよいものであ
る。

また鬼瓦１を二体構成に二分した部分に設けら
れたフインガージヨイント状接合面５，５は図面
第１，２図の実施例の場合のほか、例えば図面第
３図の別の実施例の場合の構造などとしてもよい
ものである。

（考案の効果） この考案は叙上のように、鬼胴２と鬼裏４とで
構成される鬼瓦１を、鬼胴２の側部３の幅方向で
二分してフインガージヨイント状接合面５，５を
設けた二体構成としたから、両者二分構成体の鬼
胴２と鬼裏４とは収縮バランスが均整よくとれて
いるもので、狂いのない正確な接合合体が容易に
行え、従来のように接合部にみにくいきずや歪み
を生じなく商品価値を向上できるものであり、そ
れにフインガージヨイント状接合であるから、接
合部の強度、延いては鬼瓦１全体の強度耐力を増
大できるなどの卓抜した効果がある。

また従来のような接合面のかけやぶりや接合部
の叩き密着などを要しないもので、頗る作業性が
よく、作業効率もよく、かつ従来はとかく弱体構
造であつた平板状の鬼裏４が構造的に補強され鬼
胴２と同様な強度をもつた構成部材として設計で
きるため、強度、耐力の大きい鬼瓦を得ることが
できるなど優れた効果がある。

なおこの考案は鬼瓦以外の他のやくもの瓦にも
適用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案鬼瓦の実施例を示す斜視図、
第２図は同縦断面図、第３図は同別の実施例の縦
断面図、第４図は従来の鬼瓦の縦断面図である。 １，１１……鬼瓦、２，１２……鬼胴、３，１
３……側部、３ａ……鬼側部、３ｂ……裏側部、
４，１４……鬼裏、５……フインガージヨイント
状接合面、１６……斜接合面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鬼胴２と鬼裏４とで構成される鬼瓦１を、鬼胴
   ２の側部３の幅方向で二分してフインガージヨイ
   ント状接合面５，５を設けた二体構成とし、両者
   を該フインガージヨイント状接合面５，５にて接
   合合体してなる鬼瓦。