JPH031096B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 開示技術は鋳造用鋳型に対して中子を均一にセ
ツトする装置の技術分野に属する。

而して、この発明は鋳造工程ライン中途に架設
され、該ラインに設置された鋳型に対して予め該
ライン外に設けられた分割可能な中子を移動させ
る様にした中子搬送装置のリフタに垂設され、該
ライン外の該中子を両端から挟持するクランプ装
置を有すると共に該中子の上面に当接する中子押
え装置を底部に備えて該中子を上記鋳型にセツト
する様にした自動中子納め装置に関する発明であ
り、特に、該中子押え装置に複数の支持桿が上下
自由スライド可能に遊装されて上記中子上面に対
し倣い当接する様にされ、又、該支持桿を保持す
るクランプユニツトが該支持桿に対し離脱可能に
併設され、而して、分割可能な上記中子の各部位
が上記鋳型に均一加圧状態でセツトされる様にし
た自動中子納め装置に係る発明である。

周知の如く、各種工業製品に於いて鋳造品は広
く使用されており、中でも中子を利用して中空部
が形成された製品は極めて多い。

又、該鋳造品は製品コスト低減、稼動率アツ
プ、及び、ユーザーニーズに応えるべく大量生産
されるものであり、そのため、製造工場に於いて
は鋳造工程ラインが組まれているのが一般的であ
る。

即ち、該鋳造工程ラインにて下型形成、中子納
め、型締め、鋳込み、製品成形の各工程を流れ作
業にて行うのである。

而して、該中子納め工程は第１図に示す様に上
記鋳造工程ライン１中途の側方に予め設置されて
いる中子組付治具２にセツトされた分割可能な中
子３上に搬送装置４のリフタ５が該ライン１上に
架設されたガイドレール６を介して油圧シリンダ
７により移動し、次いで、該リフタ５に立設され
たリフトシリンダ８が後退してリフトアーム９、
該リフトアーム９に連結されたプレート１０，該
プレート１０と連係する自動中子納め装置１１が
下降して上記中子３に近接する。

そして、該自動中子納め装置１１が該プレート
１０に介装された昇降シリンダ１２、バランスシ
リンダ１３、ガイドロツド１４によつて水平バラ
ンスを保ちながら下降して、アジヤストアーム１
５の治具ピン１５′が上記中子組付治具２の孔部
２′と係合して位置決めし、それと同時に中子押
え装置１６の押え板１７が該中子３の上面に近接
し、更に、クランプ装置１８，１８′のクランプ
シリンダ１９，１９′が突出して該中子３の両端
をクランプアーム２０，２０′により挟持する。

そして、該中子３を挟持した後、上記昇降シリ
ンダ１２、上記バランスシリンダ１３、上記ガイ
ドロツド１４により、水平バランスを保ちつつ上
記自動中子納め装置１１を微速上昇させ、上記リ
フトシリンダ８をして更にリフトアツプさせる。

この様にして上記中子組付治具２から離脱され
た該中子３は上記油圧シリンダ７の作動に伴い上
記リフタ５を介して前記鋳造工程ライン１のコン
ベア２１に載置された定盤２２の下型２３上に移
動される。

そして、再び上記リフトシリンダ８が後退して
該下型２３に上記中子３を近設させ、続いて、上
記自動中子納め装置１１が上記昇降シリンダ１
２、上記バランスシリンダ１３、該ガイドロツド
１４により水平バランスを保ちつつ微速下降して
該中子３を上記下型２３内に上記押え板１７を介
して均一に静接セツトさせ、その間、前記アジヤ
ストアーム１５の治具ピン１５′が該上型２３の
孔部２３′に係合して下降を停止する。

その後、上記クランプアーム２０，２０′が該
中子３の挟持を解離し、上記自動中子納め装置１
１、前記搬送装置４が上述動作に対して逆作動し
新たな中子を同じく新たな下型にセツトする様に
された態様が案出採用されている。

又、上記中子押え装置１６は第２図に示す様に
１つのシヤフト２４に対し複数の形状の異なる押
え板１７，１７′，１７″，１７が付設されてお
り、数種の中子に適合出来る様にされている。

即ち、該中子の形状に合わせて上記シヤフト２
４の歯車２５，２６を介してハンドル２７により
回転させて上記押え板１７，１７′，１７″，１７
を選択する。

従つて、該押え板１７，１７′，１７″，１７
の選択は有限的で多義的な使用が出来ず、中子の
形状が限定されてしまい、設計が制約されてしま
うという欠点があつた。

これに対処するに、該押え板を上記シヤフト２
４に対して着脱自在なアタツチメントにして上記
中子に適した該押え板をその都度選択的に装着す
る様な態様も考えられるが、そのためには、該中
子の種類に応じた該押え板１７を全て準備してお
かなければならず、作業性が悪く、選択に手間が
かかり、コストアツプが招致されてしまうという
難点があつた。

一方、前記押え板１７と前記中子３との間は該
押え板１７の干渉によつて該中子３に傷、亀裂等
が発生するのを防止するために間隙を設けて保持
されているのが一般的であり、従つて、分割可能
な該中子３を上記下型２３にセツトするに際し、
該間隙により該中子３の個々にずれが生じ易くな
り、セツト不良が発生し、その結果、製品に対し
ては、寸法精度、重量のバラツキの起因となり、
製品不良が多くなるという不都合さがあつた。

この発明の目的は上述従来技術に基づく搬送装
置に垂設された自動中子納め装置の中子に対する
汎用性、型納め精度の問題点に鑑み、中子押え装
置に中子の形状に応じて倣いスライド可能な支持
桿を複数遊装すると共に該支持桿に対し係合離脱
可能なクランプユニツトを併設させて上述問題点
を解決し、１つの装置で多種の中子に即応出来る
ばかりでなく、安定した状態で該中子を型納め出
来る様にした優れた自動中子納め装置を提供せん
とするものである。

上述目的に沿うこの発明の構成は、中子搬送装
置のリフタが作動して該リフタに垂設された中子
クランプ装置と中子押え装置とを有する自動中子
納め装置が中子に近接して、該中子押え装置の複
数の支持桿が該中子上面に倣い当接し、次いで、
クランプユニツトが該支持桿を倣い当接の状態で
把持し、更に、上記中子クランプ装置が該中子を
挟持した後、該中子を上記リフタにより吊下して
搬送移動させ、所定位置で該中子を該リフタによ
り型納めさせる際に、上記支持桿が該中子に圧力
を均一に印加する様にしたことを要旨とするもの
である。

次にこの発明の１実施例を第１図を援用して第
３図以下の図面に基づいて説明すれば以下の通り
である。

この実施例の構成を説明すれば１１′はこの発
明の要旨を成す自動中子納め装置であり、第１図
同様のリフタ５のリフトアーム９に連結されたプ
レート１０に介装された昇降シリンダ１２、バラ
ンスシリンダ１３、ガイドロツド１４を介して垂
設されている。

而して、該中子納め装置１１′には該昇降シリ
ンダ１２、その両側のバランスシリンダ１３，１
３、該ガイドロツド１４と連係するパース２７の
両側にクランプ装置１８，１８′がクランプシリ
ンダ１９，１９′の先端にクランプアーム２０，
２０′を有して設けられており、中央に中子押え
装置１６′が併設され、又、前後にアジヤストア
ーム１５が先端に治具ピン１５′を有して垂下さ
れている。

尚、該クランプアーム２０，２０′にはクラン
ププレート２８，２８′がアタツチメントとして
装着されている。

又、該中子押え装置１６′は第４図に示す様に
前後に１対設けられており、上記ベースプレート
２７に設けられたフレーム２９，２９′に第６，
７図に示す様な支持桿３０が先端に当接ブロツク
３１を有し基端にフランジ３２を設けて複数遊装
されていると共に該フランジ３２がガイド軸３３
に挿通され、該支持桿３０の回転が規制される様
にされている。

一方、上記フレーム２９，２９′間に介装され
たクランプユニツト３４は、上記ベース２７に突
設されたブラケツト３５に横設され図示しないエ
アコンプレツサとエアホース３６を介して連係さ
れたエアスプリング３７がその先端にフオークブ
ロツク３８を一体的に設けており、更に、該フオ
ークブロツク３８が上記フレーム２９，２９′に
付設されているコ状ブロツク３９内に圧縮スプリ
ング４０を介して挿通されており、第８図に示す
様に１つの該フオークブロツク３８が２つの上記
支持桿３０，３０に対して係合離脱可能にされて
いる。

尚、該支持桿３０は上下スライド可能にされ、
第７，９図に示す様に中子３の形状に対して倣い
当接する様にされている。

上述構成に於いて、その作用を説明すれば、前
述第１，２図同様油圧シリンダ７を突出作動させ
てリフタ５を中子組付治具２上へガイドレール６
を介して移動させる。

次いで、該リフタ５に設けられたリフトシリン
ダ８をスライドバツクさせ中子納め装置１１′を
上記中子組付治具２に所定セツトされた分割可能
な中子３に上方から近接させ、所定近接距離にて
図示しないリミツトスイツチが該中子組付治具２
と係合して上記リフトシリンダ８の作動を停止さ
せる。

そこで、上記リフタ５に介装されている昇降シ
リンダ１３とその両側のバランスシリンダ１３，
１３を突出作動させて中子納め装置１１′を全体
の水平バランスを保ちながら上記中子３上にガイ
ドロツド１４，１４…に案内されて微速降下させ
る。

その間、アジヤストアーム１５の治具ピン１
５′が上記中子組付治具２の孔部２′に係合して該
中子組付治具２に対する上記中子納め装置１１′
の位置が規制されながら、上記中子３の上面に中
子押え装置のフレーム２９，２９′に吊下されて
いる支持桿３０，３０…のそれぞれが該中子３に
当接し、第７図に示す様に該中子３の形状に倣
い、ガイド軸３３に沿つて相対スライドバツクす
る。

その後、上記アジヤストアーム１５の下端が上
記中子組付治具２のフランジに係止して上記中子
納め装置１１′の下降は停止する。

そこで、中子クランプ装置１８，１８′のクラ
ンプシリンダ１９，１９′を突出させ該中子３の
両端をクランプアーム２０，２０′に装着された
クランププレート２８，２８′により挟持し、更
に、第９図に示す様にクランプユニツト３４のエ
アスプリング３７に図示しないエアコンプレツサ
からの圧縮エアをエアホース３６を介して送給
し、フオークブロツク３８を圧縮スプリング４０
に抗して突出させ、コ状ブロツク３９内にて上記
支持桿３０，３０…を把持し該支持桿３０，３０
…の上下スライドを規制する。

この様にして挟持された上記中子３は上述昇降
シリンダ１２、バランスシリンダ１３、リフトシ
リンダ８の逆作動によつてリフトアツプされ前記
油圧シリンダ７のスライドバツクにより、前述第
１図同様に鋳造工程ライン１の上型２３上に移動
させる。

そこで再び、該リフトシリンダ８、該昇降シリ
ンダ１２、バランスシリンダ１３を作動させ、該
下型２３の孔部２３′に上記アジヤストアーム１
５の治具ピン１５′を係合させて該中子３を水平
バランスを保ちつつ微速にて該下型２３内にセツ
トする。

その間、該中子３は両端を上記クランプ装置１
８，１８′に挟持されていると共に上面の個々が
上記支持桿３０，３０…によつて均一に圧力印加
されて型納めされる。

そして、上記アジヤストアーム１５が上記下型
２３のフランジに係止して上記中子納め装置１
１′の下降を停止させ、型納めを完了させる。

而して、上記クランプシリンダ１９，１９′を
スライドバツクさせて上記クランププレート２
８，２８′を上記中子３から解離させて該中子３
をアンクランプした状態から上記昇降シリンダ１
２、上記バランスシリンダ１３、上記リフトシリ
ンダ８をして上記中子納め装置１１′を上昇させ、
更に、前述第１図同様搬送装置４をして該中子納
め装置１１′を上記中子組付治具２上へ移動させ、
該中子組付治具２内の新たな中子をクランプす
る。

又、上記下型２３はコンベア２１によつて移動
されると同時に新たな下型が該搬送装置４の位置
に運ばれる。

一方、上記クランプユニツト３４は上述中子納
め装置１１′の上昇過程で上記エアスプリング３
７に対してエアの供給を停止し、上記フオークブ
ロツク３８が上記圧縮スプリングによつて後退
し、上記支持桿３０，３０から離脱する。

従つて、該支持桿３０，３０…は自重によつて
上記フレーム２９，２９′に吊下される。

尚、この発明の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、１つのフオ
ークブロツクが１つの支持桿を把持する様にして
も良く、複数の支持桿を同時に把持しても良い
等、種々の態様が採用可能である。

先述の如く、この発明によれば、中子クランプ
装置を両側に有する自動中子納め装置に於いて、
中子搬送装置のリフタに垂設された中子押え装置
に上下スライド可能な支持桿が複数遊装されてい
ると共にクランプユニツトが該支持桿に対して係
合離脱可能に併設されていることにより、基本的
に上記リフタを作動させて後、上記中子クランプ
装置をして中子を挟持するに際し、上記複数の支
持桿が該中子の上面に倣い当接し、その状態の該
複数の支持桿を上記クランプユニツトが把持する
ので、該中子は該複数の支持桿に密接され、従つ
て、多種の中子に対して精度良く適合され、中子
変更による段取りが不要になり、そのため、作業
が効率良く行え、工数を削減することが出来ると
いう優れた効果が奏される。

又、上記中子が複数の支持桿に密接されている
ので、該中子を下型にセツトするに際しては、該
支持桿が該中子の個々を該中子の寸法のバラツキ
や装置の動作精度のバラツキ等に関係なく、均一
な押圧力でバランス良く納めることが出来るた
め、寸法精度の良い製品が造り出せるばかりでな
く製品の不良率を大巾に低減させ、ローコスト化
を図れるという優れた効果が奏される。

従つて、該中子に対しては型納め時に傷、亀裂
等を起因するガタが発生せず耐用年数が向上し、
安定した製品を繰り返し製造することが出来ると
いう利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は中子搬送装置の概略説明図、第２図は
第１図のＡ矢視説明図、第３図以下はこの発明の
１実施例の説明図であり、第３図は実施例の部分
断面説明図、第４図は第３図の−断面説明
図、第５図は同−断面説明図、第６図は第４
図のＢ部々分拡大説明図、第７図は第３図のＣ
部々分拡大説明図、第８図は第６図の平面説明
図、第９図は同作動状態説明図である。 ４……中子搬送装置、５……リフタ、１８，１
８′……中子クランプ装置、３……中子、１６，
１６′……中子押え装置、１１，１１′……自動中
子納め装置、３０，３０……支持桿、３４……ク
ランプユニツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中子搬送装置のリフタに垂設され中子クラン
   プ装置を両側に有すると共に中子上面に対する中
   子押え装置を底部に備えた自動中子納め装置にお
   いて、該中子押え装置に上下スライド可能な支持
   桿が複数遊装されると共にクランプユニツトが該
   支持桿に対し係合離脱可能に併設されていること
   を特徴とする自動中子納め装置。