JPH03100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は棚に関し、特に壁面間に架設できる伸
縮可能な棚に関する。

従来のこの種の棚としては、各々複数の軸杆を
並設した一対の棚枠を、それぞれの軸杆が交互に
位置する様に互いに伸縮自在に組み合せ、一方の
棚枠から他方の棚枠に向かつてねじ軸を延出し、
このねじ軸に螺合したナツト体を他方の棚枠に係
合させたものを、本出願人が先に提案した。とこ
ろで、この棚の伸長させると、その両端部は各棚
枠だけとなるため軸杆が重複した中央部に比べて
軸杆の数が半減し、伸長させて取付けた状態での
見栄えが悪くかつ両端部で荷物を安定して載せら
れない場合があり、また小さな荷物を載せ得る個
所が中央部に限られると共に中央部に載せても不
安定であり、使い勝手が悪いという問題があつ
た。

本考案は、従来のかかる問題点に鑑み、伸宿さ
せても全長にわたつて棚桟の数が変わらず、外観
が良く、しかも小さな荷物を載せることも可能で
かつその位置を任意に選択できる棚を提供するこ
とを目的とする。

本考案は、このため複数本の中空の軸杆を間隔
をあけて並設すると共にその長手方向両端部を連
結杆にて結合した棚本体を設け、前記各軸杆に摺
動自在に挿入した軸体にて前記棚本体に対して抜
き差し可能な可動棚を構成し、さらに、この可動
棚の前記棚本体の幅と同等の幅を有し且つその幅
方向の両端部を下方に向けて彎曲した彎曲係合部
に形成してなる平板状のトレーを、その彎曲係合
部を棚本体の最外側の軸杆の外側外周面に摺動自
在に係合させた状態にして棚本体上に軸杆に沿つ
て滑動自在に載置してなるものであり、この棚を
伸縮させても軸杆に対して軸体が抜き差しされる
だけで棚桟の数は変わらず、また軸杆または軸体
の間隔が広くてもトレーの上に小さな荷物を載せ
ることができると共にトレーの位置を調節できる
棚を提供する。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図乃至第３図において、１は棚本体で
間隔をあけて並設された複数本の中空の軸杆２
ａ，２ｂの長手方向両端部を連結杆３ａ，３ｂに
て一体的に結合して構成されている。棚本体１を
幅方向両端の軸杆２ａは大径のパイプにて構成さ
れ、中間の軸杆２ｂは小径のパイプにて構成され
ている。棚本体１の長手方向中間位置には、各軸
杆２ａ，２ｂに摺動自在に嵌合した補助連結杆４
が配置されている。この棚本体１上には棚本体１
の幅と同等の幅を有し且つ該棚本体１よりも短い
長さを有する平板６よりなるトレー５が軸杆２
ａ，２ｂに沿つて滑動自在に載置されてある。

このトレー５は第６図に示すように、上面が平
坦な平板状の載置面に形成されていると共に該載
置面に複数個の小径水切り穴７が穿設されてあ
り、さらに、棚本体１の長さ方向に対応する両側
端部に軸杆２ａ，２ｂの直径よりもやゝ縦幅が大
きい幕板片５ａを下方に向けて突設してあり、こ
の幕板片５ａに軸杆２ａ，２ｂの挿通孔８ａ，８
ｂを穿設していると共にトレー５の幅方向の両端
部を下方に向けて彎曲した彎曲係合部５ｂに形成
してなるものである。

そして、このトレー５の前記幕板片５ａに穿設
している挿通孔８ａ，８ｂに棚本体１の軸杆２
ａ，２ｂを挿通させると共に彎曲係合部５ａ，５
ａを棚本体１の最外側の軸杆２ａ，２ｂの外側外
周面に摺動自在に係合させた状態にしてトレー５
を棚本体１上に軸杆に沿つて滑動自在に載置して
ある。棚本体１の長手方向一端の連結杆３ａ外側
面には、第４図及び第５図に示す様に、壁面Ｗに
対する圧接体９が上下方向に首振自在に取付けら
れその外側面には滑り止めのゴム板１０が貼着さ
れている。前記圧接体９の首振構成としては、第
４図に示す様に圧接体９の内側面の複数個所から
先端の丸い突部１１を突設してこの突部１１を連
結杆３ａの外側面に形成した凹部１２に嵌入係合
させて首振自在とし、かつ前記突部１１間におい
て第５図に示す様に連結杆３ａに螺着したビス１
３を圧接体９に穿設した穴１４に係合可能に遊嵌
して圧接体９の一定範囲の首振を許しながら抜け
出し防止している。

前記棚本体１の幅方向両端の軸杆２ａには、長
手方向他端の連結杆３ｂ側からそれぞれパイプか
らなる支持用の軸体１５が摺動自在に挿入され、
また中間の軸杆２ｂにもそれぞれ同様にパイプか
らなる軸体１６が摺動自在に挿入されている。前
記支持用の軸体１５には可動連結杆１７の両端部
が摺動自在に嵌合されており、この可動連結杆１
７に前記軸体１６の軸杆２ｂへの挿入側とは反対
側の端部が固定されている。これら軸体１５，１
６及び可動連結杆１７にて棚本体１に対して抜き
差し可能な可動棚１８が構成されている。また、
この可動棚１８の中間には、軸体１５及び１６に
摺動自在に嵌合し、これらを連結する補助連結杆
１９が配設されている。

第７図において、前記支持用の軸体１５の軸杆
２ａへの挿入側一端部１５ａには、該軸体１５を
回転することによりこの軸体１５を任意位置で軸
杆２ａに固定するロツク装置３１が設けられ、他
端部１５ｂには壁面Ｗとの圧接体２１を取付けた
回転押圧体２２が配設されている。圧接体２１の
外側面には滑り止めのゴム板２３が貼着され、ま
た圧接体２１と回転押圧体２２とは球状衝合面２
４を介して当接しかつビス２５にて圧接体２１の
脱落が防止されることにより圧接体２１が首振自
在に取付付けられている。前記回転押圧体２２の
軸心位置には、支持用の軸体１５他端部１５ｂに
向かつて延びるボルト２６の頭部が固着され、こ
のボルト２６が前記軸体他端部１５ｂに固着した
ナツト体２７に螺合されている。２８は前記軸体
他端部１５ｂの外周に固定された回転操作用ノブ
である。

前記ロツク装置３１を第７図乃至第１１図によ
り説明すると、支持用の軸体１５の一端部１５ａ
にナツト部材３２が嵌着固定され、このナツト部
材３２に前記軸体１５の外側からボルト３３が螺
合され、その先端３３ｂは抜け出さない様にかし
められている。このボルト３３には、ナツト部材
３２とは反対側の側面が軸心に対して傾斜したカ
ム面３６に形成された筒状カム体３５が外嵌さ
れ、そのナツト部材３２側の側面は軸心に対して
垂直で座金３４を介してナツト部材３２に当接し
ている。この筒状カム体３５のボルト３３の貫通
穴３７は筒状カム体３５が偏心方向に変位し得る
様に断面長円形または大径に形成されている。前
記ボルト３３の頭部３３ａには、筒状カム体３５
のカム面３６に対応するカム面３９を有しかつ筒
状カム体３５とは反対側に軸杆２ａ内面に弾性的
に係合する係止部４０を有する係止カム体３８が
固着されている。この係止カム体３８とボルト３
３の固着構成は、ボルト３３が係止カム体３８の
本体部３８ａを貫通すると共にその頭部３３ａが
本体部８ａの六角穴３８ｂに嵌合されかつ抜け出
さない様に接着剤やかしめ等の手段で一体固着さ
れている。また前記係止部４０は、前記係止カム
体３８の本体部３８ａから延設した筒状部４１の
先端部に厚肉径大部４１ａを形成すると共にこの
筒状部４１の周方向複数個所に軸心方向の切目４
２を入れて成り、筒状部４１の弾性によつて厚肉
径大部４１ａの外面が枠杆２ａ内面に圧接する様
に構成されている。さらに、前記筒状カム体３５
及び係止カム体３８の外周面はほゞ円筒形である
が、正確には両カム体３５，３８を互いに接近さ
せ、それらのカム面３６，３９が衝合して互いに
偏心移動した時軸杆２ａの内面に接当する側の
ほゞ120゜の範囲の領域は、軸杆２ａ内面の半径
Roに対してほゞ同じかそれよりも僅かに大きい
半径に設定してこれらカム体３５，３８の偏心移
動時における軸杆２ａ内面との接触面積を大きく
し、残りの領域はこれらカム体３５，３８が軸杆
２ａ内を円滑に摺動できる様に軸杆２ａ内径に対
してかなり小さい径に設定している。又、前記筒
状カム体３５外周面の軸杆２ａ内面に接当する部
分には、支持用の軸体１５挿入方向に傾斜させて
溝４４が切り込まれ、この溝４４に弓形の刃４３
が嵌着され、この刃４３の先端が筒状カム体３５
の外周面よりも僅かに突出している。なお、前記
刃４３は係止カム体３８側に設けることもできる
が、筒状カム体３５の方が貫通孔３７によつて大
きく偏心移動が可能であるので、刃４３を設けて
も摺動時に外軸２１内面に不測に係合する惧がな
く好ましい。

以上の構成において、所定間隔あけて対向する
壁面Ｗ間にこの棚を架設するには、壁面Ｗ間の所
望の高さ位置にこの棚を水平状態で配置し、棚本
体１から一対の支持用の軸体１５を引き出して棚
本体１一端の圧接体９を一方の壁面Ｗに、両支持
用の軸体１５他端部の圧接体２３を他方の壁面Ｗ
に当接もしくは近接させ、次いで軸体１５の回転
ノブ２８を回転させてロツク装置３１にて棚本体
１の軸杆２ａと軸体１５を固定する。すなわち、
軸体１５を回転させると、係止カム体３８が軸杆
２ａ内面に係合して停止しているため、ボルト３
３とナツト部材３２の螺合により軸体１５が係止
カム体３８側に螺進し、座金３４を介して筒状カ
ム体３５が係止カム体３８に接近移動する。この
とき筒状カム体３５の回転はそのカム面３６と係
止カム体３８のカム面３９の衝合により阻止さ
れ、これらのカム面３６，３９の衝合により両カ
ム体３５，３８は、相互の接近移動に伴なつて互
いに径方向外方に向かつて偏心移動する。そして
軸体１５の螺進によつて両カム体３５，３８が軸
心方向に互いに強く押し付けられることにより両
カム体３５，３８がカム面３６，３９の衝合を介
して軸杆２ａ内面に強く圧接され、これらカム体
３５，３８が摩擦力にて軸杆２ａ内面に固定さ
れ、同時に刃４３が軸杆２ａ内面に喰い込むこと
により強固に固定されることになる。特に、刃４
３が軸体１５挿入方向に傾斜しているので、軸体
１５挿入方向に対しては完壁に固定されることに
なる。こうして、これらカム体３５，３８、ボル
ト３３、ナツト部材３２を介して軸杆２ａと支持
用の軸体１５が強固に固定される。その後、回転
押圧体２２を回転させてこの回転押圧体２２を壁
面Ｗに向かつて進出させ、圧接体２１を壁面Ｗに
強く押し付けることにより、棚は壁面Ｗ間に強固
に架設される。なお、壁面Ｗに段がある場合に
は、第１図に仮想線で示す様に一方の支持用の軸
体１５を長く伸ばすだけで、上記と同様に棚を架
設できる。その後可動連結杆１７をノブ２８に当
接するばで引き出すことにより可動棚１８を含め
て棚のほゞ全長にわたつて荷物を載置することが
でき、また小さな荷物はトレー５上に安定して載
置できる。また、トレー５を移動することによつ
て小さな荷物を載せる位置を棚本体１の任意の位
置に変更することができる。

なお、上記実施例では可動棚として、支持用の
軸体１５と軸体１６が別個に抜き差し可能なもの
を示したが、これに限定されるものでなく、例え
ば可動棚が棚本体に対して一体的に抜き差し可能
であつてもよく、又可動棚の棚本体に対する固定
手段も任意に変更可能である。

本考案の棚によれば、以上の説明から明らかな
様に、複数本の中空の軸杆２ａ，２ｂを間隔をあ
けて並設すると共にその長さ方向の両端部を連結
杆３ａ，３ｂにて結合した棚本体１を設け、この
棚本体１の前記軸杆２ａ，２ｂに摺動自在に挿入
した軸体１５にて棚本体１に対して抜き差し可能
な可動棚１８を構成しているので、棚本体１から
可動棚１８を抜き差しして棚を伸縮させても棚桟
となる軸杆２ａ，２ｂや軸体１５の並列数が変わ
らないから取付状態での体裁がよいばかりでなく
物品も全長に亘つて安定して載置することができ
る。

さらに、棚本体１の幅と同等の幅を有し且つ該
棚本体１よりも短い長さを有する平板６の長さ方
向の両端部に棚本体１の軸杆挿通孔８ａ，８ｂを
穿設している幕板片５ａを下方に向けて突設して
トレー５を形成し、このトレー５の幕板片５ａに
穿設している挿通孔８ａ，８ｂに棚本体１の軸杆
２ａ，２ｂを挿通させて該トレー５を棚本体１上
に軸杆２ａ，２ｂに沿つて滑動自在に載置してい
るので、棚本体１の隣接する軸杆間に架設状態で
載置することが困難な小物の物品を該平板状のト
レー５上に安定した状態で載置することができ、
その上、このトレー５の幕板片５ａに穿設してい
る挿通孔８ａ，８ｂに棚本体１の軸杆２ａ，２ｂ
を挿通させているから、軸杆２ａ，２ｂをガイド
として該トレー５を棚本体１の長さ方向に僅かな
力で滑動させることができ、トレー５に対して物
品の取り出し又は載置が最も行い易い位置に該ト
レー５を自由に且つ軽快に移動させることができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は縮め
た状態の平面図、第２図は伸ばした状態の平面
図、第３図は正面図、第４図は圧接体を設けた連
結杆の拡大断面図、第５図は断面の位置を変えた
第４図と同様の拡大断面図、第６図はトレーの拡
大断面図、第７図はロツク装置及び支持軸体端部
の拡大断面図、第８図は第７図のＡ−Ａ断面図、
第９図は第８図のＢ−Ｂ断面図、第１０図は第７
図のＣ−Ｃ断面図、第１１図は第７図のＤ−Ｄ断
面図である。 １……棚本体、aa，２ｂ……軸杆、３ａ，３
ｂ……連結杆、５……トレー、１５，１６……軸
体、１８……可動棚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数本の中空の軸杆２ａ，２ｂを間隔をあけて
   並設すると共にその長さ方向の両端部を連結杆３
   ａ，３ｂにて結合した棚本体１を設け、この棚本
   体１の前記各軸杆２ａ，２ｂに摺動自在に挿入し
   た軸体１５にて棚本体１に対して抜き差し可能な
   可動棚１８を構成し、さらに、棚本体１の幅と同
   等の幅を有し且つ該棚本体１よりも短い長さを有
   する平板６の長さ方向の両端部に棚本体１の軸杆
   挿通孔８ａ，８ｂを穿設している幕板片５ａを下
   方に向けて突設してトレー５を形成し、このトレ
   ー５の幕板片５ａに穿設している挿通孔８ａ，８
   ｂに棚本体１の軸杆２ａ，２ｂを挿通させて該ト
   レー５を棚本体１上に軸杆２ａ，２ｂに沿つて滑
   動自在に載置してなることを特徴とする棚。