JPH029983Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプリンタ、特に商品への貼付用ラベル
の発行機等として使用されるラベルプリンタの改
良に関する。

（従来の問題点） 一般に、商店の店頭等で使用されるラベル発行
用のプリンタは、帯状の台紙にラベルを貼着して
なるラベルシートをロール受け部から引き出し
て、各ラベルにキーボードによつて入力されたデ
ータや該プリンタに接続して使用される電子秤か
らの計量値信号に基づく各種の文字や数値を印字
すると共に、そのラベルを台紙から剥離して外部
に送り出すように構成したものである。

然して、この種のプリンタにおいては、本体ケ
ースにラベルシートを装着したり、或いは印字ヘ
ツドの調整、交換等のための開口部が設けられる
と共に、上記の印字済みラベルを送り出すための
ラベル発行窓が開設されるため、該プリンタが生
鮮食料品等の水分や湿気の多い商品を取り扱う場
所で使用される場合、或いは水が飛散し易い環境
で使用される場合等に、その水分や湿気が水滴と
なつて、或いは飛散している水が上記の開口部と
該開口部を閉鎖するカバーとの間の間隙やラベル
発行窓から本体内に侵入するといつた問題が生じ
る。そのため、該本体内の機械部品及び電気部品
を発錆させ或いはシートを汚損する等の弊害を来
たす。特に、この種のプリンタにおいては、印字
部が上記ラベル発行窓の近くに設けられる関係
で、印字ヘツド等の最重要部品が水の被害を受け
易いという問題がある。

（考案の目的） 本考案は、プリンタにおける上記のような問題
に対処するもので、該プリンタの本体ケースに開
設されたラベルシート装着用等の開口部やラベル
発行窓から本体内部に水滴ないし水の飛沫が侵入
することを効果的に阻止し、もつて本体内部にお
ける各種部品の発錆やこれに伴う故障或いは耐久
性の低下、更にはシートの汚損等を防止すること
を目的とする。

（考案の構成） 本考案プリンタは、上記目的達成のため次のよ
うに構成したことを特徴とする。

即ち、本体ケースの前面から上面にかけて開口
部が設けられていると共に、該開口部を閉鎖する
カバーが取り外し可能に備えられており、且つ該
カバーにラベル発行窓が開設されている構成にお
いて、上記本体ケースにおける開口部の少なくと
も左右両側辺及び上辺にカバーの周側部が外側か
ら係合される外方への立上り部を設けると共に、
該カバーにおけるラベル発行窓の上方に、斜め下
方に傾斜して該窓に覆い被さるひさし部材を上方
に揺動可能に設ける。このひさし部材は、上方か
ら滴下する水滴や周辺に飛散する水の飛沫がラベ
ル発行窓から本体ケース内に侵入することを阻止
し、また上記立上り部はケース外面に付着した水
滴が該面を伝わつて内部に侵入することを阻止す
る。その場合に、上記ひさし部材は上方に揺動可
能であるから、発行窓から送り出されて来たラベ
ルの受け取りを妨げないのである。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１，２図に示すように、プリンタ１の本体ケ
ース２には、一側部に各種データの入力用キーボ
ード３ａと表示装置３ｂとを配設してなる操作部
３が設けられていると共に、該ケース２の他側部
には前面から上面に跨る開口部４が設けられてい
る。この開口部４は全面に被せられるカバー５に
よつて閉鎖されると共に、該カバー５の前面５ａ
にはラベル発行窓６が開設されている。ここで、
本体ケース２内における開口部４の上辺中央部に
はマグネツト７が設けられていると共に、該開口
部４を閉鎖するカバー５には上記マグネツト７に
吸着されて該カバー５を閉鎖状態に保持する被吸
着板８が設けられている。

また、第３図に示すように本体ケース２内にお
ける開口部４の奥方には印字装置９が装備されて
いるが、該印字装置９は、ロール状に巻いたラベ
ルシートＡを保持するロール受け部１０と、該受
け部１０から引き出されたラベルシートＡにおけ
る各ラベルA′…A′に順次文字や数値を印字する
印字部１１と、印字されたラベルA′を台紙A″か
ら剥離する剥離部１２と、更に台紙A″を巻き取
る巻き取り部１３とからなる。そして、上記印字
部１１ないし剥離部１２が上記カバー５に形成さ
れたラベル発行窓６の近傍に配置されて、印字さ
れたラベルA′が該窓６から外部に取り出される
ように構成されている。

然して、第２，３図に示すように、上記本体ケ
ース２における開口部４の少なくとも左右両側辺
及び上辺には外方への立上り部１４が設けられ、
該開口部４を閉鎖するカバー５の周側部５ｂが該
立上り部１４に外側から係合され、また該カバー
の下辺部に設けた爪部５b′が開口部４の下辺内側
に係合されることにより、該カバー５が開口部４
を閉鎖する位置に位置決めされるように構成され
ている。

また、該カバー５におけるラベル発行窓６は、
該カバーの前面５ａに設けられた窪み部５ｃに開
設されていると共に、該窓６の上方には軸１５に
よつて上下に揺動自在に支持されたひさし部材１
６が設けられている。このひさし部材１６は、上
記窪み部５ｃの側面に突設されたストツパ１７に
より斜め下方に傾斜した姿勢に保持され、この状
態でラベル発行窓６の上方に覆い被さるように位
置する。

上記の構成によれば、印字装置９のロール受け
部１０から引き出された帯状のラベルシートＡに
おける各ラベルA′は、印字部１１における印字
ヘツド１１ａにより、操作部３のキーボード３ａ
によつて入力されたデータ或いは該プリンタ１に
接続された電子秤（図示せず）からの計量値信号
等に基づいて各種の数値や文字を印字されると共
に、剥離部１２において台紙A″からラベル後端
辺のごく一部を除いて剥離され、然る後カバー５
に開設されたラベル発行窓６から外部に突き出さ
れ、台紙送りが停止する。この場合において、該
ラベル発行窓６の上方には該窓６に覆い被さるひ
さし部材１６が設けられているが、該ひさし部材
１６は上方に揺動可能であるから、突き出されて
来たラベルA′を手で取り去る場合の支障となる
ことはない。

また、該印字装置９の前方ないし上方において
は、本体ケース２に開口部４が設けられているか
ら、ラベルシートＡの補給或いは印字部１１にお
ける印字ヘツド１１ａの調整、交換等に際して
は、該開口部４を閉鎖しているカバー５を取り外
すことにより、これらの作業を容易に行うことが
できるのである。

然して、このプリンタ１が水分や湿気の多い環
境或いは水が飛散し易い環境等で使用される場合
には、本体ケース２の外面に水滴が付着するので
あるが、該ケース２の前面から上面に跨つて形成
された開口部４の少なくとも左右両側辺及び上辺
には立上り部１４が設けられて、該開口部４を閉
鎖するカバー５の周側部５ｂが該立上り部１４に
外側から覆い被さるように係合されていることに
より、水滴が該開口部４から直接本体ケース２内
に入ることがないことはもとより、該ケース２の
外面に付着した水滴が該外面を伝わつて開口部４
からケース２内に侵入することも阻止されるので
ある。

また、上記カバー５にはラベル発行窓６が開設
されているが、該窓６の上方には斜め下方に傾斜
するひさし部材１６が設けられて、該窓６に覆い
被さつているから、周辺を飛散する水の飛沫が該
窓６から本体ケース２内の特に印字部１１の近傍
に侵入することが防止されるのである。特に、こ
の実施例においては、ラベル発行窓６がカバー前
面５ａに設けられた窪み部５ｃに開設されている
ことにより、上記ひさし部材１６の存在と相俟つ
て水の侵入が一層効果的に阻止されるのである。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、ラベルシート装
着用等の開口部とラベル発行窓とが設けられたプ
リンタにおいて、周辺に飛散する水やケース外面
に付着する水滴等が該ケース内に侵入することが
効果的に阻止されることになる。これにより、該
プリンタが水分や湿気の多い環境或いは水が飛散
し易い環境で使用される場合にも、水の侵入によ
るケース内部の各部品の発錆やこれに伴う故障や
耐久性の低下が防止され、またシートの汚損が防
止される。特に上記ラベル発行窓の近傍に配置さ
れた印字部における印字ヘツド等の重要部品が水
から効果的に保護される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
プリンタの斜視図、第２図はケースを取り外した
状態での内部省略斜視図、第３図は縦断側面図で
ある。 １……プリンタ、２……本体ケース、４……開
口部、５……カバー、６……ラベル発行窓、１４
……立上り部、１６……ひさし部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体ケースの前面から上面にかけて開口部が設
   けられていると共に、該開口部を閉鎖するカバー
   が取り外し可能に備えられており、且つ該カバー
   にラベル発行窓が開設されている構成において、
   上記本体ケースにおける開口部の少なくとも左右
   両側辺及び上辺にカバーの周側部が外側から係合
   される外方への立上り部が設けられていると共
   に、該カバーにおけるラベル発行窓の上方に、斜
   め下方に傾斜して該窓に覆い被さるひさし部材が
   上方に揺動可能に設けられていることを特徴とす
   るプリンタ。